翌日、早速場所を移動することになった。
あの後みんなで話し合った結果、まずはほっぽちゃんの分体がいる北へ向かうことになった。
陸上型のお姫様は移動できないので島で待機。
そして海上艦は私と電、雷、戦艦棲姫、空母夏姫と今回初登場となる深海千島棲姫。
残りのメンバーは島で待機となり次の移動の時に一緒に行くことになる。
「準備は大丈夫?」
「牛乳はちゃんと持ったのです!」
「戦闘食料はちゃんと持ったわ!」
「なぁ、魚はおやつに入るのか?」
「思いっきりバカンスを楽しむわ!」
「………緊張感なさすぎでしょ…。」
聞いた私がバカだった…。
完全に遠足気分になっちゃってる………。
戦艦棲姫!魚はおやつに入りません!
というか空母夏姫の麦わら帽子どうしたの…!?これから行くのは寒い北だよ!
「………これ、大丈夫?」
「…多分…。」
一番おとなしいのが深海千島棲姫。
彼女は最近生まれた姫らしく経験を積ませるために今回一緒に行くことになった。
「じゃあ準備できたみたいだから早速出発しましょう!」
「「「「おー!」」」」
「……おー…。」
うん、まぁ、なんとかなるでしょ!
「………ところで…旗艦は誰…?」
「「「「「………。」」」」」
…そういえば旗艦を決めていなかった。
まぁ、私はなりたい人がなればいいと思ってるけど他の人はどうだろうか…?
「ふふふ…。ここは私が…!」
「レイさんがいいと思うのです!」
「雷もレイさんがいいと思うわ!」
「私は誰でもいいのだけれど強いて言うならレイかしらね〜?」
なんか最初の方で戦艦棲姫が立候補していたようだが他3名に圧倒されてしまっていた。
というか私なんかが旗艦でいいのか。
見ろ、戦艦棲姫が項垂れているじゃないか。
「姫様、旗艦をお願いしていいですか?」
「レッ、レイ…!ありがとう!」
ガバッと抱きついてきた。
ふふふ…。私は自分で言うことじゃないが気遣いができる人なのだ。
「えー、レイさんが良かったのです…。」
電、わがままを言うんじゃありません。
「さて、気を取り直して出発だ!」
「「「「おー!」」」」
「………おー…。」
こうして私達は移動を開始した。
道中、艦娘が私達の進路に出てきたがことごとく返り討ちにしてやった。
前に私が暴れて大変なことになったはずだけど大丈夫なのかな?
まぁ、どうでもいいかー。
そして約3週間程かけてほっぽちゃんの分体がいる場所に到着した。
☆
「加藤元帥!南から姫が北上しています!」
「なに!?日本にはきているのか!?」
「いえ、日本には目もむけず北上を続けています!」
「北海道周辺に戦力を送るように指示をしろ!大規模作戦かもしれん!」
「道中遭遇した艦娘がやられています!とても出せる状況ではありません!」
今日も今日とて、大本営は大忙しのようだ。