デュエル・マスターズ 〜迷えし英雄の戦記〜 作:宙の空、響く声
1頁目 英雄・転生
「うーん…」
拡張パック売り場の前で、難しい顔をする青年がいた。
彼の名は白石翔(しらいし・しょう)。髪が白かったり、瞳が青かったりと風貌が特殊な青年である。
そして、彼は転生者である ー
デュエル・マスターズ
~迷えし英雄の戦記~
1頁目「英雄・転生」
「あぁ、早く戻りたいな…みんなを助けないと…」
僕は溜め息をつく。
僕は前の世界ではレシラムとして生きていた。でも、あの日…
某日、イッシュ地方。
突然、異形の生物が空の穴から現れ、破壊を始めたんだ。僕と兄さん(ゼクロム)はみんなを守る為戦ったけど、まるで無力だった。
僕は立つ力さえ無くなって、
「ぼ、僕…此処までかも…」
と泣いた。守らなきゃいけないのに、僕にはその力さえ無かったんだ。
すると兄さんは、
「しょうがねぇな…俺が守ってやるから元気だせよ!」
って言ってくれた。僕も頑張らなきゃ、と立ち上がったその時、
兄さんが光の中に消えた。
何故消えたか分からない。でも消える瞬間を見たんだ。
僕は地に倒れ、力の限り泣いた。これしか、出来なかったんだ。
そんな中、1体の異形が僕の前に現れた。
「神滅龍皇ヴァルゲリア」。僕の記憶が正しければ、こう名乗っていた気がする。理性を失っていたからよく聞こえ無かったけど。
そこからは一瞬だった。僕は突然、闇に飲まれ…覚えているのはここ辺りかな。
次に目を覚ました時、僕は暗い場所にいた。
直ぐに僕は異変に気付いた。尾の感覚がない、指が一本増えている。そして、何かが全身に触れている感覚を感じた時、僕は気付いた。
「僕が…人間!?」
最初は信じられなかったが、僕は元真実の英雄。自分の体の事実を疑ってどうすると、今は人間だと考えるようにした。
そして、腰辺りに何か出っ張りがあると気付く。
「小物入れ…?こんなの持っていた覚え無いけど…」
小物入れを開けると、布の袋と謎のカードが40枚位入っていた。
「デュエル…マスターズ?」
一応、前の世界で人間の文字を知っていたから読めたが、何に使うかは分からなかった。
一方、布の袋は中に紙切れが入っていて「一時間毎に補充されます」と書いてあった。
えっ、どういう事?と考えていると、袋の中で円形の金属と紙が生成された。
この世界の通貨だろうか、地味に有り難い。馬鹿にされている気もするけど。
とりあえず、周辺を散策する事にした。動かない事には始まらないし。
そして数分、僕はカードと同じ文字が書かれている広告を見つけた。
「これかな…」
どうやら、同名のカードゲームに使うカードらしい。
「何でこんな物を…ううん、考えても始まらない。持っているからには何か意味が有るんだ…!」
そう呟くと、広告が張ってある建物に入っていった。
…という訳だ。名前は正直ノリで決めたけどね。それで今、一応多い方がいいと拡張パックを買おうと思ったんだけど…
「…よっ!」
「うわっ!?」
「ごめん、驚かせちゃった?」
そりゃそうだ。真実の英雄でも、背後から声掛けられたら驚くよ。でも、聞いたことのある声だ…
「おっ、やっぱりこっち来てたんだな!」
黒髪に赤い瞳…まさか!?
「に、兄さん…?」
「おう!」
僕は思わず抱きついた。兄さんも驚いていたが、分かってくれた。
「兄さん…会えて嬉しいよ!」
「ああ!当たり前だっつーの!」
とりあえず一段落し、僕達は対戦スペースの椅子に座る。因みに兄さんは斎藤龍樹(さいとう・たつき)と名乗っている。格好いいな…
「…で、そっちにもカードがあったと。」
「はい…」
「とりあえず、やるか?手掛かりはこれしかねぇしさ…一応、何人かと対戦したから、ルールも知ってるぜ!」
まあ、確かに。何らかの意味があって渡されているからね。
「はい!」
「じゃ、始めるか!」
その後、大体のルールを教わりいざ、勝負。
「「デュエマ・スタート!!」」
龍樹(白緑???)VS翔(赤緑???)
先攻:龍樹
「「無頼聖者スカイソード」をタップしてマナへ、ターンエンド!」
や、やり慣れている…兄さんは何処でもやっていけそうで怖いな…
手札:4
シールド:5
マナ:1
墓地:0
翔のターン。
「ドロー。
「斬込の哲」をマナへ、ターンエンド…」
うぅ、火文明のカードが来ない…次に来たら有り難いけど…
手札:5
シールド:5
マナ:1
墓地:0
龍樹のターン。
「さて、忘れずにアンタップしてと…
ドロー、「雷神龍デュナ」をマナへ!
呪文、「フェアリー・ライフ」で山札から一枚マナへ!(ちっ、「理雷勇龍ゼグニス」がマナ行きかよ…)
ターンエンド!」
手札:3
シールド:5
マナ:3
墓地:1
翔のターン。
「ドロー!(よし、来た!)
「紅神龍バルガゲイザー」をマナへ、呪文「メンデルスゾーン」!
二枚を見て…よし、両方ドラゴン!
「紅神龍バルガゲイザー」、「偽りの名ナタク・アルトロン」をマナへ!
ターンエンド。」
「おっ、やるな!」
「いやいや、まだまだです…」
手札:4
シールド:5
マナ:4
墓地:1
龍樹のターン。
「ドロー!「霊騎コルテオ」をマナに、呪文「ディメンジョン・ゲート」!
山札から「無頼護聖ポーティア」を手札に、ターンエンド!」
手札:3
シールド:5
マナ:4
墓地:2
翔のターン。
「ドロー!
「真炎勇龍レシア」をマナへ、「知力妖精ファビアス」を召喚!」
知力妖精ファビアス
クリーチャー
5マナ
1000
火・自然
スノー・フェアリー
VR
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、このクリーチャーを破壊してもよい。そうした場合、自分の山札を見る。その中からドラゴンと呪文を一枚ずつ選んで相手に見せ、自分の手札に加えてもよい。その後、山札をシャッフルする。
「登場時効果で破壊、ごめんね…そして山札から、「緑神龍アースレイ」と「ドラゴンズ・ブレイブ」を手札に、そしてG・ゼロ発動!「緑神龍アースレイ」を召喚!」
「何っ!?」
緑神龍アースレイ
クリーチャー
7マナ
2000
自然
アース・ドラゴン
UC
■G・ゼローマナゾーンのカードが5枚以上で、マナゾーンにドラゴンのカードが3枚以上あれば、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、山札の上から一枚目をマナゾーンに置いてもよい。
■このクリーチャーをG・ゼロによって召喚した時、そのターンの終わりにこのクリーチャーをマナゾーンに置く。
「登場時効果で「ナチュラル・トラップ」をマナゾーンへ、ターンエンド。
更に、「アースレイ」もマナゾーンへ!」
何故だろう…楽しい!
手札:4
シールド:5
マナ:7
墓地:2
龍樹のターン。
「やるじゃねぇか、俺だって!ドロー、「スーパー・スパーク」をマナへ、5マナでデッキ進化!
当たるか…よし!「雷神龍デュナ」を進化元に、「超神龍テンペスト・グレートツリー」を召喚!」
超神龍テンペスト・グレートツリー
進化クリーチャー
5マナ
12000
光・自然
ボルテック・ドラゴン/アース・ドラゴン
SR
■デッキ進化ー自分の山札の上から1枚目を表向きにし、そのカードが光、または自然のドラゴンであれば、そのカードの上に重ねつつバトルゾーンに出す。そうでない場合、バトルゾーンには出ずに手札に戻る。
■ブロッカー
■T・ブレイカー
■自分のバトルゾーンに、このクリーチャー以外にクリーチャーがいる場合、このクリーチャーは攻撃する事ができない。
■ターンの終わりに、手札からドラゴンを捨てても良い。そうした場合、このクリーチャーをアンタップする。
「えっ!?早いよ…こんなの聞いてない!!」
「へへっ、ってな訳でT・ブレイク!」
翔シールド:5→2
「うわぁっ!!」
兄さん、強い…でも僕だって!
「S・トリガー発動!「フェアリー・ライフ」二枚!」
「くっ…運いいな…」
「「緑神龍アースレイ」「超龍バジュラ」をマナへ!(よし、揃った!)」
「ターンエンド、「雷神龍エクセリア」を捨てアンタップ!」
龍樹
手札:1
シールド:5
マナ:5
墓地:3
バトルゾーン:超神龍テンペスト・グレートツリー×1
翔
手札:5
シールド:2
マナ:9
墓地:4
翔のターン。
「すみません兄さん…僕の勝ちです。」
「おう、やって見ろ!」
本当に申し訳ないけど…兄さんがそう言うなら!
「ドロー、「フェアリー・ライフ」をマナへ、呪文「ドラゴンズ・ブレイブ」!!」
ドラゴンズ・ブレイブ
呪文
9マナ
火・自然
VR
■山札の上から三枚をタップしてマナゾーンに置く。その後、マナゾーンの枚数以下のコストを持つドラゴンを1体、マナゾーンからバトルゾーンに出してもよい。
「山札から3枚をマナゾーンへ、これで12マナ…行くよ、超無限進化・B!「真炎勇龍(トゥルース・ブレイバー)レシア」をバトルゾーンへ!」
真炎勇龍(トゥルース・ブレイバー)レシア
進化クリーチャー
12マナ
16000
火
ブレイズ・ドラゴン/ブレイバー
VIC
■超無限進化・Bー1体以上のドラゴンをマナゾーン、墓地、手札から選び、そのカードの上に重ねつつ、バトルゾーンに出す。
■T・ブレイカー
■メテオバーンーこのクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるカードを1枚、墓地に置いてもよい。そうした場合、このクリーチャーをアンタップする。
■メテオバーン・Bーこのクリーチャーがシールドをブレイクした時、このクリーチャーの下にあるカードを2枚、墓地に置いてもよい。そうした場合、相手はそのシールドを自身の手札に加えるかわりに墓地に置く。
「マ、マジかよ…そっちもT・ブレイカーを早めに出すとは…」
だからこのターンで勝つって言ったんだけど。
「行くよ、レシアでシールドをT・ブレイク!
更にメテオバーンでアンタップ!」
「テンペスト・グレートツリーでブロック!
ちっ…アンタップ持ちか…」
「レシアでもう一度、T・ブレイク!」
龍樹シールド:5→2
「うっ…よし、シー…」
「残念だけど、メテオバーン・Bで墓地行き!
更にメテオバーンでアンタップ!」
「はあ!?焼却持ち兼無限掌ってどういう事だよ…」
兄さん、言っている事がよく分からないよ…
「では、レシアで最後のシールド!
メテオバーン・Bで墓地送り、メテオバーンでアンタップ!!」
龍樹シールド:2→0
「俺の…負けかよ!」
「レシアでダイレクト・アタック!!!」
WIN:翔
「つ、つえぇな…」
「いやいや、たまたま上手く回っただけですよ…でも、僕達が帰る為のヒントは有るのでしょうか…」
「さあな…それはともかく、楽しかったな!」
「は、はい…」
「じゃ、帰るか!」
「帰るか、ってどこに…?」
「実は、俺より先に転生した奴がいてさ…そいつが嬉しい事に空間を設けてくれたんだ!」
空間って…
「おーい、日下~空間開けて。」
突然、壁(の空間)に罅が入り、穴が開いた。
「じゃ、入るぞ。」
「は、はい…」
空間。
空間に入ると、一人の人間が座って待っていた。目が赤い、白い髪にピンクのメッシュ…間違いない。
「よっ、ゼク兄お帰り。一緒に居るのはれっちゃんか?」
「は、はい…あなたは、パルキアさん…ですか?」
「おっ、ご名答!まあ、元パルキアって所かな。今は日下悠斗(くさか・はると)って人間にはなったが、嬉しい事に空間を創れるんだぜ!んで、ゼク兄…れっちゃんも持ってたのか?例の物は。」
前の能力使えるのか…いいな、僕なんか…
「まあな、何のカギになるか知らねぇが…」
「ふう…何はともあれ、れっちゃんが見つかって一安心だな!」
「だが、他にも仲間はこっちにいるかもな…」
確かに…ディアルガさんだってこっちにいるかも…
「そうだね…僕も探さないと!」
「おっ、れっちゃんもやる気か!よーし、明日から探すとするぜ!」
れっちゃんって呼ばれるの好きじゃないんだけどな…
その夜。
「早く、帰りたいな…」
そう呟いた途端に、寂しさが込み上げた。
「うっ…うぅっ…」
涙が止まらない。どうしても止まらなかった。
「あっ、うぅっ…くぅっ…」
そんな時、兄さんが僕の肩を叩いた。
「寂しいか?」
そう優しく問いかける兄さん。
僕はもう衝動を止められなかった。兄さんに抱きつき、大声で泣きだしてしまった。
「うおっ!?」
兄さんは一度驚いた。でも、
「そうか、寂しかったんだな…俺を見つけるまで独りきりだったんだな、よしよし…」
兄さんは背中をさすってくれた。僕は泣き疲れてそのまま眠った。
伝説のポケモンどうこうじゃない。僕はただ、寂しかったんだ。
こうして、1日目が終わった。
続く。
E2でハマってREVで抜け、今年の6月に戻ってきたので、その間のカードについては大分疎いです(ミッツァイル等メジャーカードは押さえている積もり)。
今後も、宜しくお願いします!