まずは間壁さんの活動を知ることにした。
ヒーロー活動をしているとあって、どのようににヴィラン保捕縛したのか、どのような個性なのか
この世界では個性から名前を取る傾向にある。俺も繭もそうだ。原作組もそうだった
間壁断空
個性、『空間断裂』
空間という概念そのものを断ち切る力を持ち、断たれた空間は本人が解除する以外、解除不能(個性を消せる個性なら解除可能)
断たれた空間は、何も存在しないからこそ触ることができない。
そこには空間という概念がないため、閉じ込められた場合この世界から隔離されたも同然だ。はっきり言ってこの個性は強すぎる。
デメリットまではわからないが、間壁さんは確実に俺のことを、初手で閉じ込めてくるだろう。
それを回避するには繭以上の速度を出し、常に死角に回り込むしかない。
流石に身体を断裂されることはないが、それ相応の怪我を負うことになる。それがどうやって負わされるかだ。はっきり言って、間壁さんが個性を攻撃に使用したら、腕や足がすっぱり切られるだろう。
可能性で言えば、前もって空間を断裂しておき俺がそこに当たり、自爆
こんな感じか。
作戦としては、新たな訓練で得た能力をうまく使いこなし背後や死角から強襲、または砂煙を起こすことによって、空間が存在しない位置を把握し接近戦に持ち込むしかないだろう。短期決戦になる長期戦になると、度合いによっては訓練場のいたるところに断裂ができ、何もできないまま終わる可能性がある。
そう言えば間壁さんと模擬戦を行うとなってから、繭が大人しい。本当にあの瞬間まではべったりだったのに、今ではべたべたとくっつく様なことはなくなり一人で読書や訓練を行っている。
それが不思議でならなかった。あの繭が、だ。異常事態である。何かあったのかと聞いてみても、何もないよと笑顔で返してきた。
いや、今はそっとしておこう。何かしらかの心の変化があったのかもしれない。下手に刺激するとよくないことが起こるかもしれない。
それから一週間がたち、新しい個性の使い方もなんとなくではあるがコツがつかめてきた。繭と模擬戦をしてもらい、繭の速度がどの程度なのかを把握し、背後から『口』の強襲を行ったところ見事成功した。だが俺も腹にいい一撃をもらい完勝というわけではなかった。
このままでは間壁さんとの模擬戦では危ういと思ったところで、とても大事なことを思い出した。
亜空間に収納したヴィランだ
俺の亜空間の広さはだいたい教室ほど高さはたぶん10メートルほどで、収納したものを区別することに成功した。
空気、岩、サポートアイテム、食料といった風に様々な区画に分かれている。
前世のゲームのストレージをひたすら思い浮かべたらできた。簡単に言っているが、ほぼ一日中それに思考を割いていたようなものだ。
話を戻すがこのヴィランをどうしようかと迷っている。
活動を開始し、情報屋とコンタクトを取り少しづつことが進んだあたりで、世間に公表するか。
それとも限りなく早く処理するかのどちらかだ。
正直言っておばさんを殺しヴィランであり、繭がそれを殺した証拠になる物をいつまでも収納したくないという思いが強かった。
悩んだ結果この期間に処分することにした。
間壁さんに気分転換をするということで二泊三日の外出の許可を得た。繭もついてこようとしたが、心の変化が起きているであろうこの時についてきてもらっては困る。
なので繭には悪いが一人で行くことにした。
場所は静岡県。とりあえず富士山を近くで見たいという適当な理由でそう決めた。間壁さんにだけ伝え、繭には伝えないでほしい趣旨を伝えた。どうやらあの日以来俺との関係に変化を感じたのは間壁さんも同じだったようだ。
そうして俺は今静岡県のとある場所にいる。富士の樹海だ。俺の個性なら土を掘り返す返すことなく、そっくりそのまま埋めることができる。
なるべく奥のほうに進み、木の根がない場所を深さ8メートルほど抉り、念のため誰の死体かわからないように細切れにして底に放り込んだ。後は収納した土をズレが無い様に放り込んだ。これで今回の旅行ですることはなくなった。
樹海から出た後はそこら辺をふらふらしていると、視線をいくつも感じる
ああ、どうやらまた見た目のせいでいろいろと誤解を受けているみたいだ。だがもう会うことのない奴らには要はない。無視をし歩みを進めた。
適当に歩いていたためか、どうやら道に迷い込んでしまったようだ。携帯はあるがこれも旅のだいご味かと思い、歩みを進めるが住宅街を歩いているのでなんの代わり映えもしない景色が視界に移る。それでも歩き続けるとどうやら路地裏についてしまったようだ
さすがにナビを使って戻ろうと思った時、室外機の奥のほうに何やらしゃがみ込んでいる人影を見つけた
なんでまたこんなところに
ヴィランかと思い気配を消して近づくと何やら音と声が聞こえてくる
「えへへ。カァイイねえ、カァイイねえ」
そしてチウチウと何かを吸うような音が聞こえてくる
まさかと思った
こんなところで、会えるなんて
気配を消すのを忘れ走ってその声の持ち主の前にたどり着いた
「見られちゃいました。ねえねえ、あなたもキレイだとおもいませんか?」
彼女は烏の死体を持っており、口は血でぬれている
ああ、やっぱり彼女だ
ここで俺は『渡我 被身子』と出会った
~繭side~
私は吐喰君が負けると思っている。彼が倒れたと聞いて身体は無意識で動いていた。自ら意識して動くよりも早く、あの時は動いていた。
でも一瞬して動きを封じられた。
いくら彼が強くてもあの反応速度について行けるとは思わない。それに私と模擬戦を行った時も、新しい個性の使い方で負けてしまったが彼に一撃をくらわせることができた。その時点で彼に勝ち目はないと、負けると思った。私と近いレベルではだめ。
なおかつ間壁さんは個性を攻撃に使うつもりでいる。なぜなら彼の両親の知り合いの、治癒系個性の持ち主を模擬戦に呼んでいるからだ。このことは彼は知らない。
来てくれる人の個性は接合。つまり彼はどこかを断ち切られる。そうすれば勝ち目はない。勝敗がわかってしまった私には彼とどうやって接すればいいのかわからなかった。
本当は彼を痛めつける間壁をどうにかしやりたい。
でもできないし、それを彼は望んでいない。
私はどうしたらいいのかわからない
そんなある日彼が二、三日家を離れると聞いて、私もついていこうとしたが拒絶されてしまった。捨てられてしまうかもしれない。それが怖くて仕方ない
だか彼が私を捨てようとするなら、私が捨てさせないようにすればいい
彼がいない間訓練に励んだ
~繭sideout~
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