ヒロアカ~俺の正義の名のもとに~   作:むらびとα

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帰宅と繭のイメージ画像

なんて説明すればいいのだろうか

まさかこの歳でそんな悩みができるとは思わなかった

多分繭は俺と一緒に活動してくれるだろう

そこに俺に愛してるといい、責任を取って下さいとまで言われた相手が加わる

 

繭はなぁ

独占欲が凄い

トガちゃんも独占欲が強い

 

 

もしかしなくても殺し合いの発生!?

 

 

とりあえずトガちゃんには彼女がいることを伝えなくては

 

 

 

「トガちゃん、申し訳ないけど責任は取れない。実は俺には彼女が居て、彼女のことが好きなんだ」

 

 

 

するとトガちゃんは驚いたような顔をしてこう言った

 

「トバ様みたいな素敵な人に彼女がいない方が不自然ですので、少し驚きましたが大丈夫です。

でも関係ありません。私はトバ様のことが好きです。愛しています。片想いでも構いません。私は私に対して正直になるって決めたんです」

 

 

どうして俺の周りにはこうも強い女の人が現れるのだろうか・・・

 

 

決してトガちゃんのことが嫌いではない

前世では結構好きなキャラであったし、その人に好意を寄せられて嬉しくないとは言わない

だが、俺には繭がいる

裏切る訳にはいかないし、トガちゃんは片想いでもいいと言っている

なら、繭ちゃんには今回の旅行であったことを正直に全部話そう

誤解が産まれる前に

 

 

 

 

「そっか、ありがとう。その気持ちに応えることは出来ないけど、好いてくれてることは嬉しいよ。そして自分に正直に生きることを決められたことが俺はすごいと思う」

 

 

 

この世界はとても息苦しくルールという鎖で縛られている

 

それは万人が自由に生きるために作ったものだろう。

 

 

だがそれは鳥籠の中と変わらない。

 

 

俺は鳥籠の外側からこの世界を生きたい

 

 

そして、本当の意味で自由に生きられる人を増やしていきたい

俺たちの活動はそれを誘発するものだ

 

 

 

 

「私はすごくありません。トバ様が変えてくれたんです。凄いのはトバ様です」

 

 

 

なんだか崇拝みたいだな

でも、もし俺たちが『ヒーロー殺し』のような存在になればそう言う、信者みたいのもできるのだろうか

 

もし、その存在が俺たちの理念からズレたことをすれば排除しなければならない

 

 

いや、今の時点で先のことを考えすぎだ

 

 

 

今はトガちゃんという味方を手に入れ、自らの個性にも可能性を見つけた

 

 

時間が止まっているかもしれないという考えは正しかった

氷を収納し1時間後に取り出したら、収納する前と変わらなかった

 

生き物では虫で試してみた

 

虫が動いたら分かるような仕掛けをつけて収納した

これは生き物の場合、時が止まっているのか、それとも亜空間内で動き回れるのか

一応空気のある部屋に収納した

 

 

1時間後、取り出した虫は収納時に行った仕掛けが外れていなかった

しかし、取り出すとすぐに動きだした

 

つまり生き物も時が止まるということだ

 

 

これは大きい

もし負傷した時などに使える

 

本来なら俺は両親が望むような『ヒーロー』になるべきなのだろう

これだけ救助、対人に向いた個性はない

 

あのオールマイトでさえ超える

 

だが、あの日俺の道は決まった

決まってしまった

 

だから今考えても仕方がない

 

 

 

「俺は全然すごくないよ。それは本当に。理由はいつか話すよ」

 

 

 

「私は理由を聞いても納得しないのです」

 

 

 

強情だなぁ

 

 

 

 

 

 

その後トガちゃんに再度血を与え、俺の姿を模倣してもらい俺の個性である『口』を動かしてもらうことにした

 

だが全くもって動くことはなく、俺血がどんどん減っていくだけだった

 

トガちゃんは個性を上手く扱うことが出来ず残念がっていると同時に、血を吸えたということに対して喜んでいた

 

 

当の俺は貧血で地面に横たわってる

 

 

あー、空ってこんなにも青いんだなぁ

頭が働かない

 

 

するとトガちゃんが近寄ってきて膝枕をしてくれた

 

 

「個性を上手く使えなくてごめんなさい。あと、血をくれて嬉しかったのでそのお礼です」

 

 

頭を撫でてくれた

すると徐々に瞼が閉じていった

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めるとどうやら寝てしまったようだ

辺りは夕日に染まっている

 

 

「あ、起きましたか?」

 

 

どうやらトガちゃんはこの時間まで膝枕をしてくれていた様だ

 

 

「ごめんトガちゃん。寝ちゃってて。膝枕大変だったでしょ」

 

 

 

「気にしないでください!トバ様の可愛い寝顔を見れたので満足です!」

 

 

 

そうだよなー、寝顔とか見られてるよな

なんか恥ずかしい

 

 

「そ、そっか。でも本当にありがとう。こんな時間になっちゃったしそろそろ解散かな」

 

 

 

 

 

やはり寂しいのだろう

顔を俯かせてしまった

 

 

「トガちゃん、安心して。できる限り毎日連絡するし、近いうちにまた会いに来るから。それまでに自分の個性なら何ができるか考えてみてよ。その個性はトガちゃんなんだから」

 

 

 

うるっとさせた目でこちらを見て

 

「はいっ!」

 

と大きく返事をした

 

 

 

 

夕暮れの中お互いの姿が見えなくなるまで、手を振りあった

 

 

 

 

 

 

その後ホテルでは、部屋のものを収納したり出したり、筋トレをしたりと実家で行っていたことをしていた

 

 

旅先に来たからと行って、部屋ですることは特にない

それも一人旅では余計に

 

 

 

 

 

 

 

翌日の昼、新幹線に乗って神野まで帰ってきた

2日しか離れてなかったとはいえ、密度が濃かった分懐かしく感じる

 

 

 

 

 

 

 

実家に着くと誰もいなかった

繭なら出迎えてくれるかな?とも思っていたが、繭には繭の生活があるだろう

 

 

「ただいま 」と声をかけてみても返事がない

どうやら家自体に居ないようだ

 

 

試しに訓練場の方に行ってみると繭はそこにいた

 

 

この二日間でかなりレベルアップしてるのがわかる

動きを目で追うのがやっとだ

果たして寝ているのだろうかと思えるほど、見違えてる

 

 

 

訓練の邪魔をしてしまうかもと思ったが

「繭、ただいま」

 

 

すると動きを止めてこちらを振り向き、笑顔でおかえりと言ってくれた

 

 

 

だがそのあとの一言が問題だった

 

 

 

「吐喰君、傷増えてるよね?なんで?」

 

 

 

傷が増えたといっても、ほんの少しだ

 

それが一目見ただけで分かるものか?

 

 

繭がどれほど俺を見ているのかがよくわかった

 

 

 

早めにトガちゃんのことを話さなければ

 

 

 

 

 

じゃないと大変なことになりそうな気がする・・・

 

 

 

 

 

 

【挿絵表示】

 




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