繭ちゃんから告白された
衝撃的というかアンビリバボーだ
と、とりあえず告白に至るまで何があったか遡ってみよう
噂の収束はしてないものの、事実をしっかり理解して謝りに来る子や、友達になってくれる子も出来た
とてもいいことだなぁと、横で微笑んでいるとどうも俺とも友達になってくれる人もいた
俺=ヴィランみたいなイメージがあったから、驚いた
そのことを繭ちゃんに伝えると
「何いってるの?とばみ君はやさしくてわたしのヒーローなんだよ?友達100人どころかもっともっと友達できるよ!」
もうニッコニコしなが言っている
個人的には友達なんて繭ちゃん以外にできるとは思ってもみなかったからなぁ
それに繭ちゃん、何気俺が言った「繭ちゃんのヒーローで居続ける」ってことだいぶ気に入ってるみたい
でもヒーローって言ってくれることは俺も嬉しい
なんか「私のヒーロー」って言うと特別にも感じるんだよな
繭ちゃんに友達が出来て数日が経ち、どうやら俺=繭ちゃんのヒーローってことがクラスに定着しつつある
え?なんで?
どうやら友達に俺が繭ちゃんにしたことを伝えまくってるようだ
何気繭ちゃんって独占欲というか、なんだろうな
いやいや、あの繭ちゃんがそんなことないよな?
本当にないよな????
だってあの心優しく慎ましい繭ちゃんだからね
うん、大丈夫だ
まぁ後日判明したことがあるがそれは後で説明しよう
母さんから、早く繭ちゃんを連れてきなさいと言われ続け、ついに俺の家で遊ぶ日が来てしまった
なんか、母さんすごい勢いだったよ?
「今日はとばみ君の家で遊ぶの楽しみだなぁ。でも私が行っても大丈夫かな?」
うーん、やっぱりまだ見た目を気にしているようだ
「大丈夫だよ。母さんには繭ちゃんのこと伝えているし」
そう言った途端繭ちゃんが俺の前に立ふさがるように来て
「どんなこと伝えてるの!?悪い子だと思われたりしてないかな、」
いきなり正面にこられてびっくりしたがそういう事か
「大丈夫大丈夫。繭ちゃんが優しくていい子だってことを伝えただけだよ」
「そ、そっか」
(うぅ、余計にドキドキするよぉ)
その後繭ちゃんが何かボソボソ言ってたような気がしたけどまぁ空耳だろう
繭ちゃんが俺の家に来ることはおばさんに伝えてあるし、夕方くらいまでなら遊べるだろう
だけど遊ぶものってあんまりないんだよなぁ
そんなことを思いながら自宅に着いた
「ここがとばみ君のお家!?すごくおっきい!!!!」
うん、それは俺も同じ気持ちだよ
今でも大きすぎて慣れないからね
「うん、まぁ、そうだけど僕の部屋とかはそんなに広くないし、見た目だけだよ」
謙遜だ。俺の誕生日プレゼントのことを思い出して欲しい
あのレベルとまでは行かないが、高そうなものがあってなかなか触れない
自分の家だがそこら辺はまだなぁ。元々貧乏性だったから尚のこと慣れない
「そうなんだ、でもやっぱり大きいなぁ」
ぽけーっと家を見つめていて、このままだといつまでもこうしてそうなので
「早く家に入ろ!」
そう促して繭ちゃんを連れて帰宅した
「ただいまー!」
そうするとパタパタと足音が聞こえてきて、母さんが玄関まで来てくれた
「おかえりなさい。それと横にいる可愛い子が、吐喰がよく話してくれている繭ちゃん?」
母さんの言葉を聞いて顔が赤くなりながら繭ちゃんは母さんに挨拶をした
「おじゃまします!あ、あのはじめまして。とばみ君の友達の繭って言います。よろしくお願いします!」
何をよろしくするんダロウネ
何となくだけど、俺も鈍感じゃないから・・・
でもまだ小学一年だし・・・
「はい、よろしくね繭ちゃん。吐喰と仲良くしてくれてありがとう。この子なかなか友達が出来なくて心配していたんだけど、繭ちゃんみたいないい子が友達でいてくれるなんておばさん嬉しいわ」
「そ、そんな私なんて。私の方がとばみ君に仲良くしてもらってて凄く嬉しいし楽しいです!」
うん、玄関で長話はやめようか
そろそろ止めるとしよう
「母さん、そろそろ僕の部屋に行っていい?」
「あら、せっかくの繭ちゃんと遊べる時間を邪魔しちゃってごめんね」
母さんそれ中身が俺じゃなかったら拗ねられてるよ
「夕方までしか遊べないから!」
そう言って繭ちゃんの手を掴み自室へと向かった
咄嗟に手を掴んでしまったが
後ろを向いてみると、俯きながらも少し顔が見えている
真っ赤に染まっていた
あー、あー、
うん大丈夫、何が大丈夫なのかわからないけどとりあえず大丈夫だ
階段を登りきり、自室へと入った
「ここが僕の部屋だよ。何も無いけどね」
改めて自分の部屋を見てみると、筋トレ器具や日々のスケジュール表、ノートパソコン
小学生らしからぬ部屋だ
どうやって遊ぼう
困った、非常に困った
「繭ちゃん、なにかしたいこととかある?」
情けないけど繭ちゃんに頼ることにした
「えっと」
部屋を見渡しても何も無いことはわかっている
繭ちゃん、それは俺がさっきしたことなんだ
「その、とばみ君は個性の訓練をしてるんだよね?それって見せてもらうことできる?」
え?そこ?
なにかおままごととまで幼稚なものでは無いが、俺の訓練なんか見て何が楽しいか分からない・・・
「たぶん見ててたのしくないよ??それに他にしたいこととかない?」
そう聞いてみるが
「ううん、見てみたい」
引く様子はないようだ
「わかった。でも本当に見てて楽しくないからね?とりあえず母さんのところ行こっか。1人で訓練は禁止されてるから」
そう言って自室を出て母さんに事情を伝えて、訓練場に向かった
母さんと繭ちゃんはなにか楽しそうに話しているが、俺はスーツやサポートアイテムを付けるためその場を離れた
黒をメインとしたスーツを着て、原作の『緑谷 出久』のような手袋やブーツ、また1番大切な許容上限表示アイテムを目を覆うように付け、訓練場に出た
「お待たせ繭ちゃん」
この姿になるとやはり気合と死ぬかもしれない可能性があるため緊張感が走る
「それがとばみ君のヒーロー姿!?かっこいい!!」
お、おう。トレードマークが口にだからヴィランっぽいけど、繭ちゃんの目にはかっこよく見えるらしい
「ありがとう。それじゃあちょっと普段やってることをしてくるから見てて」
「う、うん!がんばって!」
「吐喰、気をつけなさいよ」
「うん、わかってる」
そう言って多少のウォーミングアップをし訓練を開始した
今のトレーニングは収納上限を増やすことと、取り込んだものを緩急を意識して吐き出すこと、そして自分の移動に関してだ
ただそこに立っているだけではダメだ
視認が難しい相手と対峙した時に、応戦または生き延びる力が必要になる
まずは訓練に置いてある岩などに手を触れ取り込む
いくらスカウターのような物があっても、最終的には自分の感覚しだいになる
亜空間、体内に入るのとはまた別の感覚が体全体に広がる
現在俺の収納可能な容量は3畳程度の広さだ
父さんにはこの歳でこれだけ収納出来るのは凄いことだと、頭をわしゃわしゃされた
取り込む時は父さんのように取り込むと言うよりは、母さんの個性を使って取り込んでいる
やはりいっぺんに収納出来るサイズのものを収納していても、周りの空気も一緒に取り込んでしまう場合がある
そのせいで身体中に傷跡が残っている
まずは少しづつでいいんだ
ガキっ、バキッと音を立てて岩が削れていく
次第に収納するサイズを大きくするため、身体中にある口を1箇所に集めるように強く意識する
すると今までと比べ物にならないサイズで石が削り取られた
いや、喰われたと表現した方が正しいだろう
収納されてない岩には喰われたような跡が残っている
そこで一旦集中をきる
だいたい空気を含めて八割りほど容量が埋まっている
残りの二割は空気で埋めていく
少しづつ少しづつ、慎重に取り込んで、スカウターが赤く染まり、98%という数字が表示された
やはり父さんのおかげだな
かなり精密に測ってくれている
これのおかげで父さんが居なくても、収納の訓練が出来ている
だが、後1%
そこが運命の分かれ目だ
残り2%と残り1%では、個性の成長に大きな差がある
100%になると暴発の危険がある
0.00001%でもオーバーしたら死だ
本当に慎重に慎重に
そして99%になった瞬間に、誰もいない空間に向かって岩を放出する
バゴッ!!!
と大きな音を立てて土煙が上がる
ちなみにここは防音のため周囲に迷惑をかけることは無いので安心だ
今の俺には収納限界ギリギリの状態で放出する速度をコントロールすることは難しい
なので毎回俺のこれ以上は不味いという拒否の意識があるため、放出する速度も体に負担が掛かる
とりあえず収納の訓練はここまで
次は放出速度の訓練だ
拳大の岩を取り込んで数十メートル先にある的に向かって放出する
俺の今の限界速度は約120キロ
ただその速度だと腕が悲鳴をあげるため、基本は110〜118キロで放出する
ちなみにその速度もスカウター様のおかげで分かるようになりました
いきなりその速度では腕が壊れてしまうため、ウォーミングアップで50キロなどで少しづつあげていくが
身体中の口を1箇所に集めるように、逆に意図的に場所を決めて散らばせることも出来る
まぁそれはこの訓練では使わないが
手や顔の口を意識しそこから放出する
本来なら後ろや横、斜めなども放出することがあるが、さすがに後ろには母さんと繭ちゃんがいるため、今回は正面だけだ
次はランニングや腕立て伏せなどの筋トレ
基本は大切だ
それが終わったら移動に関する訓練だ
パルクールと、足や手に口を出現させ、そこから空気を放出し、3次元的な動きをする
これは身体に空気を取り込みながら行う
限界ギリギリまで意識しなくていいため、最初の訓練よりは楽だ
まぁバランスを崩せば骨折などもありえるが
このアイデアはオールマイトの師匠を思い出して始めた訓練だ
三半規管が鍛えられる
最初の頃は空中でバランスを崩し大変だった
これらをメインとし、クールダウンをして一日の訓練を終える
ちなみに繭ちゃんがいるため今回はだいぶ少ない時間でこれらを行った
〜母&繭side〜
「あの、いつもとばみ君はあんなことを?」
「そうね、最初は大変だったのよ?あの子ったら加減がわからなくて大怪我しちゃって。でも私や旦那のようなヒーローになるって言って諦めなかったの。だから私たちはそれを全力で後押しすることに決めたの」
それを聞いて繭は大きく目を見開いた
「おばさんってヒーローだったんですか!?それよりもとばみ君が大怪我って!?」
それを聞いた母はくすくすと笑って
「もう引退しちゃったんだけどね。あと吐喰はそのことをしっかり忘れないで、ああやって訓練してくれるから私達も少しは安心してみていられるの」
「それにしても繭ちゃんは吐喰のこと大好きなのね」
それを聞いた繭は今までで1番顔を真っ赤にしていた
「ど、どうしてわかったんですか・・・?」
「それは同じ女だからかな?と言うよりは繭ちゃんわかり易すぎよ。たぶん吐喰も気づいていると思うわ。あの子は妙に鋭いからね」
「え、え!?バレちゃってるってことですか?!」
顔を青ざめてそう言った
それに対し母は
「大丈夫よ。吐喰は気付いてて一緒にいる。少なからずあなたのことを嫌ってることはないわね」
「本当ですか???」
「本当よ。繭ちゃんのこと毎日家で話すくらいだからね」
くすくすと母は笑う
「それじゃあとばみ君も私といっしょなのかな・・・?そうだといいな」
〜母&繭sideout〜
やはり短い時間でも相当に気力と体力を使うな
訓練中は母さんと繭ちゃんが何を話していたのか全然分からないが
繭ちゃんがタオルと飲み物を持ってこっちへ走ってきた
母さんに言われて持ってきてくれたのだろう
「とばみ君!お疲れ様!すごくかっこよかったよ!」
すごくいい笑顔でそう言われた
かわいいなぁ
「ありがとう!でもまだまだなんだよね」
これは本心だ
これじゃまだ足りない
「とばみ君はすごいよ」
真剣な目でそう言ってくれた
「そうかな、ぼくはまだ・・・」
「けんそん?はしちゃダメだよ!」
そう言って持っていたタオルで汗を拭いてくれた
この行動にはびっくりしてしまった
「あ、ありがとう」
「ううん、どういたしまして」
精神が身体に引っ張られているのか、繭ちゃんのことが魅力的に見えて仕方がない
訓練を終えてリビングに行った
「吐喰、今日もお疲れ様」
「ありがとう、母さん」
「なんかごめんね、一緒に遊ぶって言ったのに」
遊ぶって言ったのに訓練見せるって、どんなだよ
「ううん、普段のとばみ君を見れて私は嬉しかったな」
あー、やべぇよ
小学一年生でこんななのか?
これはヒロアカ世界特有なのか?
「そっか、そう言ってくれるとこっちも嬉しいよ」
それから他愛もない話をしていると、繭ちゃんが帰る時間になった
「じゃあ送ってくるね」
「気をつけなさいね、繭ちゃんもまた遊びに来てね。おばさん楽しみにてるから」
「はい!今日はありがとうございました!」
繭ちゃんの家は本当に近いのであっという間に着いてしまった
「今日は送ってくれてありがとう!また遊ぼうね」
「うん!今度はちゃんと2人で遊べようにするね」
笑いながらそう言った
「うん!それじゃあまた明日!」
「うん!また明日」
そう言って別れた
〜繭side〜
とばみ君は今日もかっこよかったなぁ
私を助けてくれた時から、すぐ好きになってしまった
私だけのヒーローでいてくれるなんて(キャー)
お母さんに相談したらグイグイ行きなさいなんてアドバイスまでされてしまった
うん、とばみ君は私の運命の人!
本当に大好き!
とばみ君のお母さんも、とばみ君が私のこと嫌ってないって言ってたし・・・
早く好きって伝えたいなぁ
〜繭sideout〜
どうだったでしょうか
感想、評価お待ちしております