【こち亀×ガルパン】こち亀&パンツァー【台本形式】   作:神山甚六

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101匹ボコ大行進!の巻(後編) / ボコボコ大作戦です!(後編)

【ボコミュージアム 正面ゲート】

 

みほ「ついにやってきましたボコミュージアム!」ババーン

 

「「「「おぉー……」」」」ズーン

 

みほ「ど、どうしたんですか皆さん。テンションがストリッツヴァグン103の車高並みに低いですよ?」

 

秋山優花里「……スウェーデンの第2世代に相当する主力戦車、通称Sタンクですね……説明聞きます?」

 

武部沙織「今はちょっといいかな……」

 

秋山「はい。私も言ってみただけですので……」

 

みほ「本当にどうしたの!?」

 

秋山「ははは……(西住殿が楽しそうなのは何よりなのですが)」

 

武部「(愛里寿ちゃんの好意を無碍にするのも悪いしね)……むしろみぽりんはどうしてそんなにテンションが高いの?」

 

みほ「だってボコですから!」

 

武部「だよね(うん、知ってた)」

 

秋山「えーと、メインイベントのパレードは午後からですか」

 

五十鈴華「長丁場になりそうですね。ここはしっかりと腹ごしらえをしておかなければ」モグモグ

 

武部「もう食べてるし……」

 

五十鈴「それにしてもこう言っては何ですが意外と……いえ失礼。案外と賑わっていますね」モグモグ

 

冷泉麻子「五十鈴さん。それ訂正になってないから。あと食べながら話すのは良くないぞ」

 

五十鈴「けぷっ……たまに羽目を外すのも悪くはありませんよ?」

 

冷泉「(聞いちゃいないな)……ところで前生徒会の3人とウサギさんチームはどうしたんだ?」

 

みほ「河嶋先輩は御姉妹と回られるそうなので、私たちとは別行動です」

 

武部「へ、へー、そうなんだぁ(その手があったか!)」

 

冷泉「成程(あの先輩にしては上手な手を考えたな)」

 

秋山「ウサギさんチームは愛里寿殿と待ち合わせをしているそうでして。角谷先輩と小山先輩は『1年生だけだと心配だからついていくよ~』と」

 

みほ「そうなんだ」

 

冷泉「(逃げたな)」

 

五十鈴「御一緒出来ずに残念ですね」モグモグ

 

武部「……華、そのフランクフルト何本目?」

 

五十鈴「まだ4本目です」モグモグ

 

 

檸檬「(しまった)」

 

檸檬「(大量のボコに喜んで駆け出した結果、迷子になってしもうた)」

 

檸檬「(初めての場所で迷子になった時は身動きしない方がいい。そうイチローに教えてもらったけれど)」

 

 

 

??「……?」

 

 

 

??「あの。貴女」

 

檸檬「……っ!」

 

??「ひょっとして迷子?」

 

檸檬「(綺麗な人だな)……そうじゃ」

 

??「じゃあ私と一緒に迷子センターにいかない?」

 

檸檬「ありがとう。でも知らない人についていってはいけないって言われてるから」

 

??「……確かにそのとおりね」

 

??「じゃあ自己紹介しよ?」

 

檸檬「え?」

 

愛里寿「相手がだれか分かれば、もう知らない人じゃないでしょ?」

 

檸檬「そ、そうなのか?」

 

愛里寿「うん。それに貴女のカバンについてあるキーホルダー」

 

檸檬「これか?」カバンモチアゲル

 

愛里寿「そう!神田明神限定のボコのキーホルダーでしょ」

 

檸檬「そ、そうなのじゃ!よくわかったのぅ!」

 

愛里寿「ふふふ。ボコが好きな人に悪い人はいないからね」フンス!

 

愛里寿「私の名前は愛里寿。島田愛里寿っていうの。これでも大学生なんだよ」

 

檸檬「だ、大学生?(プラスよりも少し大きいだけに見えるが)」

 

愛里寿「貴女のお名前は?」

 

檸檬「檸檬。擬宝珠檸檬じゃ」

 

 

背中に傷があるボコ(纏)『駄目だ。迷子センターにはいなかった!』

 

つながり眉毛ボコ(両津)『園内放送は!?』

 

背中に傷があるボコ(纏)『母さんに頼んだ!もうすぐ放送が始まるはずだ!』

 

迷彩色模様のボコ(??)『おい両津!』

 

つながり眉毛ボコ(両津)『えーと、えー、えぇい!誰だお前?』

 

迷彩色模様のボコ(部長)『わしだ!』

 

迷彩色模様のボコ(部長)『今、ボコミュージアムの職員に説明して施設の出入口に連絡を回してもらった。擬宝珠君が提供してくれた檸檬君の顔写真も回してある。見かけた場合はすぐに連絡を入れるそうだが、何せこの人込みだからな』

 

つながり眉毛ボコ(両津)『っち!』バシンッ!

 

モヒカン眼帯ボコ(??)『うおおお!!両津のダンナぁ!!』ブロロロ……キイッ!

 

つながり眉毛ボコ(両津)『本田か!』

 

モヒカン眼帯ボコ(本田)『ミュージアム周辺の警備と交通整理にあたっている茨城県警に掛け合ってきたぜ!連絡と写真を回してもらった!』

 

つながり眉毛ボコ(両津)『よし!』

 

つながり眉毛ボコ(両津)『部長、ちょっとわしも探してきます!』

 

右手包帯茶色ボコ(中川)『先輩、でも今その格好で施設の中を動き回っては逆に身動きが取れなくなるのでは?』

 

左手包帯黒色ボコ(麗子)『そうよ両ちゃん。もうすぐイベントが始まるから園内に人が増えてきたし、逆にパニックになる可能性もあるわよ』

 

つながり眉毛ボコ(両津)『檸檬を放ってはおけんだろうが!』

 

 

 

ベレー帽着用ボコ(??)『両津巡査長』

 

 

 

つながり眉毛ボコ(両津)『なんだ!……って、あんたか家元。今悪いがちょっと忙しいんだ』

 

ベレー帽着用ボコ(島田千代)「ミュージアムの全職員の端末に連絡を回しました。最優先で探させましょう。必要とあればパレードの延期もやむをえません」

 

つながり眉毛ボコ(両津)『そりゃ有難いが……いいのか?』

 

ベレー帽着用ボコ(千代)「当然です。その娘さんも、我がボコミュージアムの大切な将来のお得意様になるのですから」ニコ

 

つながり眉毛ボコ(両津)『っへ!戦車道をやってる連中はどいつもこいつも夏春都みたいな素直じゃないやつばかりみてぇだな』

 

ベレー帽着用ボコ(千代)「(……何故ドイツの対空戦車と比べたの?)」

 

つながり眉毛ボコ(両津)『部長、それじゃあ行ってきます!』

 

迷彩色模様のボコ(部長)『よし、行ってこい両津!』

 

 

 

職員A「(シリアスな会話してるだろ。でもボコの着ぐるみを着たままやってるんだぜ。これ)」

 

職員B「(いまいち緊張感に欠けるよなぁ)」

 

職員C「(どうでもいいけど家元は着る必要あったか?)」

 

 

ピンポンパンポーン マイゴノオシラセデス。トウキョウトチヨダクカンダカラオコシノ……

 

角谷「いやぁ、助かったよ。西住ちゃんのボコ談義は長いからねえ」

 

澤梓「あはは……(否定出来ない)」

 

阪口桂利奈「私たちは愛里寿に会いに来ただけですから!」

 

宇津木優季「だよねぇ~」

 

丸山紗季「……」

 

大野あや「紗希ちゃんもそうだそうだと言ってます!」

 

角谷「平成版も悪くはないんだけど、やっぱり小美人は双子じゃないとねー」

 

阪口「わかってますね会長!」サムズアップ

 

山郷あゆみ「ねぇ、それ何の話?」

 

小山「あはは」

 

 

 

???「皆さん。こんにちは」

 

 

 

阪口「あ、愛里寿の声…だ……」クル

 

宇津木「どうしたの桂利奈ちゃ……」クル

 

山郷「……?!?!」

 

 

 

愛里寿「……ど、どうかしましたか?」カタグルマシテル

 

檸檬「こんにちわ」カタグルマサレテル

 

 

 

澤「え、えーと……」

 

大野「お、おお……」

 

山郷「おおお、おぉ?」

 

愛里寿「(オットセイかな?)」

 

丸山「……おめでた?」

 

 

 

「「「それだ!!」」」

 

 

 

角谷「そんなわけないでしょーが」

 

澤「すみません、本ー当っにすみません!」ペコペコ

 

愛里寿+檸檬「?」

 

 

迷彩色模様のボコ(部長)『檸檬君が見つかった?』

 

ベレー帽着用ボコ(千代)『えぇ。私の娘が園内で見つけたそうです。私の携帯に直接連絡がありまして、擬宝珠さんのお母さまにも確認を取って頂きました。間違いありません』

 

右手包帯茶色ボコ(中川)『よかったですね』

 

左手包帯黒色ボコ(麗子)『本当にね。あら?纏ちゃんは?』

 

モヒカン眼帯ボコ(本田)『纏さんならお母さんのところに行きましたよ』

 

右手包帯茶色ボコ(中川)『(バイクに乗って本人の性格が変わるのはともかく、どうして着ぐるみの顔つきまで変わるんだろう?)』

 

左手包帯黒色ボコ(麗子)『とにかくこれで一件落着ね』

 

 

 

迷彩色模様のボコ(部長)『いや、そうもいかんのだ』

 

右手包帯茶色ボコ(中川)『部長。といいますと?』

 

迷彩色模様のボコ(部長)『その茨城県警の刑事部3課から連絡があった。つい1時間ほど前、ボコミュージアム周辺で(しり)パーの穴衛門の目撃情報があったそうだ』

 

モヒカン眼帯ボコ(本田)『尻パーの穴衛門ですって?』

 

右手包帯茶色ボコ(中川)『あの尻パー穴衛門ですか。それは困りましたね』

 

赤眼帯ロン毛ボコ(??)『尻パーめ!今度こそ逃がさんぞ!』

 

シリパー シリパー アナエモン……シリパー……

 

ベレー帽着用ボコ(千代)『……あの、すいません。一体何のお話をされているんですか?』

 

迷彩色模様のボコ(部長)『あぁ、すいません島田さん』

 

右手包帯茶色ボコ(中川)『尻パーの穴衛門は、北関東でその名をはせた伝説的なスリなんです。スリにもいくつか種類があるんですが、穴衛門はイベント会場や雑踏を狙って犯行を重ねる。いわゆる平場師(ひらばし)に分類されるタイプです』

 

迷彩色模様のボコ(部長)『尻パーという通称に関してですが。パーは財布の隠語でして。いわゆる尻ポケット……ズボンのお尻ポケットに刺した財布を狙うことから通称がつけられました。財布から高額紙幣だけを抜き取って元に戻すため、被害が発覚しにくいという厄介な相手です』

 

ベレー帽着用ボコ(千代)『……もうちょっと名前は何とかならなかったんですか?』

 

左手包帯黒色ボコ(麗子)『お気持ちはわかりますが……』

 

右手包帯茶色ボコ(中川)『最初はもっと直截的にケツパー穴衛門と呼ばれていたそうですよ。それがケツパー穴衛門だとさすがにどうかということで、尻パー穴衛門になったと聞いています。ちなみに穴衛門は本名だとか』

 

ベレー帽着用ボコ(千代)『ですから!けつけつ尻尻と連呼しないでいただけますか!?大体、ケツを尻と呼び変えても大して意味はかわらないでしょうが!』ブンブン!

 

右手包帯茶色ボコ(中川)『まぁまぁ……』

 

迷彩色模様のボコ(部長)『その尻パー穴衛門が現れたということは、奴の手口から考えて間違いなくここを狙ってくるでしょう』

 

右手包帯茶色ボコ(中川)『部長。どうします?』

 

迷彩色模様のボコ(部長)『うーむ。こればかりは私の独断というわけにもいかんだろう。ここでは新葛飾署はあくまで外様だ。県警本部の判断を仰がずに勝手なことをするわけにもいくまい。まずは事務局本部で待機中の署長の判断を仰ぎたいが、まずその前に……』チラリ

 

ベレー帽着用ボコ(千代)『私としてはアナウンスで園内のお客様に直接注意喚起を行いたいと考えています。警察が自分の存在を認識していることを知れば、いかにそのスリであっても犯行は難しいでしょう』

 

右手包帯茶色ボコ(中川)『家元。それでは穴衛門が逃げてしまうのではありませんか?』

 

ベレー帽着用ボコ(千代)『警察当局への協力は惜しむつもりはありません。そしてスリが現行犯でなければ逮捕が難しいということを踏まえたうえで、これだけは申し上げておきます。お客様が被害にあわれる可能性が高い以上、施設内部で現行犯での逮捕を優先した泳がせ捜査をされるのは困ります』

 

迷彩色模様のボコ(部長)『しかし家元。穴衛門ほどのスリがまだ犯行を犯していないとは考えられません。ここは何卒、身柄確保を最優先にしたいのですが』

 

ベレー帽着用ボコ(千代)『私にはボコミュージアムの責任者として、お客様に対する責任があります』

 

赤眼帯ロン毛ボコ(??)『ではこうしてみてはどうでしょう?』

 

赤眼帯ロン毛ボコ(??)『パレード開始まであと40分です。この間に新葛飾署から来た手空きのものは県警と協力して園内を捜索させます。幸いにして私服で来ていますからな。穴衛門は名うての手練れですが、まさかこれほど多くの警官が来ているとは思わんでしょう。その間、スリへの注意喚起のアナウンスをしていただいても構いません』

 

赤眼帯ロン毛ボコ(??)『パレード開始直前まで穴衛門が見つからなかった場合、アナウンスにおいて直接、穴衛門を名指しして注意喚起をして下さい。そうすれば相手もそれ以上の犯行は出来ないでしょう』

 

ベレー帽着用ボコ(千代)『……現状において、それ以外に有効な選択肢はなさそうですね。いいでしょう。それで結構です。大原さん、茨城県警への連絡と説明はお願いしますね』

 

迷彩色模様のボコ(部長)『お任せください』

 

 

 

ベレー帽着用ボコ(千代)『ところで貴方は誰ですか?』

 

赤眼帯ロン毛ボコ(??)『誰って……』キグルミノアタマトル

 

 

 

屯田五目須「私だけど」

 

 

 

ベレー帽着用ボコ(千代)『は?』

 

迷彩色模様のボコ(部長)『しょ、署長?!何をしておられるんですか?』

 

右手包帯茶色ボコ(中川)『事務局本部におられたのでは?』

 

署長「いや。両津からインフルエンザの欠員で人手が足りないから数合わせで出てくださいと言われてな」

 

迷彩色模様のボコ(部長)『あ、あのバカっ……!』ワナワナ

 

 

愛里寿「檸檬はボコのこと好き?」

 

檸檬「好きじゃ。何度打ちのめされても性懲りもなく立ち上がるところが、どこかイチローに似ておる」

 

愛里寿「(イチロー?)そう、そうなの!ボコは負けても諦めないんだ!」

 

 

 

大野「うぅ……愛里寿を寝取られちゃったよぅ……」

 

宇津木「やっぱり若い娘がいいんだねぇ~」

 

澤「人聞きの悪いこと言わないの!」

 

角谷「はいはい、そのあたりにしておきなさいよ」

 

小山「お話の途中にごめんね愛里寿ちゃん。お母さんとの連絡は大丈夫だった?」

 

愛里寿「はい。ミュージアムの事務局に連絡を入れたところ、檸檬ちゃんのお母さまと連絡が取れました。このまま私と一緒にいてほしいそうです。パレードを見た後、事務局本部で合流する予定です」

 

檸檬「世話をかけるが、よろしく頼むぞ」

 

阪口「はい!頼まれました!」ビシッ

 

山郷「はっはー」

 

大野「檸檬さん!肩をお揉みしましょうか?」

 

澤「やめなさい!」

 

檸檬「ふふっ、愉快な人達じゃのう」

 

小山「(これじゃあ本当に、どちらが年上かわからないわね)」

 

 

 

角谷「檸檬ちゃんはどこから来たのかな?」

 

檸檬「東京の神田じゃ」

 

阪口「東京!」

 

大野「江戸っ子だ!」

 

山郷「おっとな~!」

 

丸山「……」

 

阪口「紗希ちゃんは江戸前の天ぷらそばを食べてみたいそうです!」

 

角谷「それ本当に丸山ちゃんがそう言ってるの?阪口ちゃんの個人的な意見じゃないよね?」

 

大野「じゃあさっきアナウンスしてたのは檸檬さ……檸檬ちゃんのことだったんだ」

 

山郷「なんで呼び方を変えたの?」

 

大野「なんか恥ずかしくなっちゃって」

 

檸檬「若さゆえの過ちというやつじゃな」

 

小山「(……幼稚園児だよね?)」

 

檸檬「とはいえ私も人のことは言えぬ。初めて見た生のボコにテンションが上がってしまい、言いつけを守らず駆け出して迷子にになってしまったのだからな。皆には心配をかけてしまい、今もこうして貴女達のお世話になっておる」

 

澤「(大人だ……)」

 

愛里寿「わかるよ。私も初めてボコミュージアムに来た時はそうだったからね」フンス!

 

檸檬「皆もボコが好きなのか?」

 

角谷「いやぁ、それはど 愛里寿「そうだよ?」わーい。あんず、ボコすきー(棒読み)」

 

澤「こ、これが大洗の学園艦を守り抜いたという生徒会長の処世術……」

 

小山「うん。これは違うと思うな」

 

 

つながり眉毛ボコ(両津)『檸檬が見つかったのはよかったが、尻だかケツだかとかいうスリが出ただと?まったく、次から次へと問題が起きやがる』

 

河嶋家次女「あ、ボコだ!」

 

河嶋家三女「ボコだボコ!ボコ、握手して!」

 

つながり眉毛ボコ(両津)『あん?なんだガキどもか。おいお前ら、おじさんは今忙しいからあっちいってなさい』シッシッ!

 

河嶋家四女「え?」

 

河嶋家五女「ボコ、私たちのこときらいなの?」

 

河嶋桃「おい!こら貴様!仮にもプロのくせに幼い子供たちの夢を壊すとは何事だ!!」

 

つながり眉毛ボコ(両津)『(あっ、しまった!今は着ぐるみ着てたんだった!)」

 

つながり眉毛ボコ(両津)『……い、いや。そういうわけじゃないんだが。確かに今のはわしが悪かった。でもちょっと今は忙しくてな。パレード始まるまでは、ちょっとおとなしくしておいてくれないか』

 

河嶋家長男「……このボコ何かおかしいぞ?」

 

河嶋家三女「そういわれてみれば声が違うような……」

 

河嶋家次女「いや、声以前に色々とおかしいところがあるでしょ。なんでつながり眉毛なのさ?」

 

つながり眉毛ボコ(両津)『これは他と区別がつかないからと上司に落書きされたやつで』

 

河嶋家長男「上司?ボコに上司がいるのか?」

 

河嶋家三女「ボコはクマ一匹で頑張ってるんだよ。ひょっとして偽物なの?偽ボコなの?」

 

桃「何?!お前は偽物なのか!」

 

つながり眉毛ボコ(両津)『(まためんどくさそうな奴が……)いや、だからこれには事情があってだな』イライラ

 

河嶋家四女「パチモンボコ!」

 

河嶋家五女「パチボコ?」

 

つながり眉毛ボコ(両津)『君たち。まずはわしの話を……』イライライライラ

 

桃「よしっ、わかった!」パシッ!

 

河嶋家長男「(あ、これ絶対にわかってないやつだ)」

 

桃「はっはっは!この偽物ボコめ!ボコミュージアムの職員は騙せても、この河嶋桃の眼は騙せんぞ!神妙にお縄を頂戴しろ!」ビシッ!

 

河嶋家次女「姉さん。今そういうのはいいから」

 

桃「え?」

 

桃「……い、いや。大丈夫だ!この私に任せているんだ!さぁかかってこい偽物め!この河嶋桃が相手になってやるぞ!」シュッシュ

 

つながり眉毛ボコ(両津)『だからわしの話を』イライライライライライラ

 

桃「どうした?かかってこいのか?ふっふっふ。私が怖いんだな?怖いんだろう?」ドヤァ

 

 

 

つながり眉毛ボコ(両津)「」プチッ

 

 

 

つながり眉毛ボコ(両津)『このモノクル女、ガキだと思って下手に出てりゃ調子に乗りやがって、簀巻きにして大洗港に沈めてやろうか!!』

 

桃「」

 

桃ちゃん「お、弟妹たちの命だけはお助けを……」プルプル

 

河嶋家長男「いやなんか本当にもうすいません」

 

桃ちゃん「お前たち!に、逃げるからな!お姉ちゃんにしっかりついてきなさい!」ブルブル

 

河嶋家次女「はいはい。貴女達も騒いでないでお姉ちゃんの後追いかけるよ」

 

河嶋家三女+四女+五女「「「はーい」」」

 

桃ちゃん「きょ、今日のところはこのあたりにしておいて『あぁ?』ふぇええん!!!!」タタタタッ……

 

 

 

つながり眉毛ボコ(両津)『ったく。余計な時間をとられちまった。さっさと『あああ!!!』……今度は何だ?』

 

みほ「ボコだよボコ!うわぁ!眉毛がつながってるボコなんて初めて見たぁ!レアだよ、レアボコだよ!!さすがはボコミュージアムのイベントだなぁ!」パシャパシャパシャ

 

秋山「というよりも……」

 

武部「どこかで見たことある気がするんだけど……」

 

五十鈴「すいません。このボコ焼きそばの納豆入りを二人前下さいな」

 

冷泉「うん。このボコアイス干し芋味はいけるな」モグモグ

 

つながり眉毛ボコ(両津)『またこのパターンかよ……』

 

 

尻パーの穴衛門「チャンチャンチャチャ~チャララ~ランラララララ~♪」

 

穴衛門「ランランララララララ~(……サツの気配がプンプンしやがるな)」

 

穴衛門「はいはい、通りますよ(こりゃ警備以外にも私服がだいぶ紛れ込んでやがるな……それにしては多すぎる気もするが)」

 

穴衛門「おっとごめんよ!(といっても、俺にとっちゃ大した障害にはならんがな)」

 

穴衛門「はいごめんなすって!(木の葉を隠すなら森の中、書類を隠すなら図書館の中、そして犯罪を隠すには、警備が厳重な雑踏が限るってものよ)」

 

穴衛門「はいはい、すいませんね。ちょっと戻りますよ(それにここは改修工事をしたばかりで、監視カメラの工事が追い付いていないことは調査済み)」

 

穴衛門「はいはいごめんね(安心してお勤めが出来るってものよ)」

 

 

 

???「……」

 

 

 

穴衛門「(ふん。どいつもこいつもしけてやがるな。キャッシュレスだか何か知らないが、ほとんど高額紙幣がありゃしねえ。もう一回りはしねぇと、月どころか週も越せねぇな)」

 

マモナクボノダイコウシンガハジマリマス!ゴカンランキボウノオキャクサマハ……

 

穴衛門「(ボコミュージアムか。昔はよく来たもんだが……)

 

穴衛門「(止めだ止めだ。辛気臭ぇのはなしだ。鬱陶しい気分は勤めに差し支えるからな。さっさと切り替えていかなきゃな)」

 

 

 

???「おい」

 

 

 

穴衛門「っ!」

 

穴衛門「へぇ、なんでしょうか(女の声?)」クルリ

 

愛里寿「……」

 

檸檬「……」

 

穴衛門「どうかしたかい、お嬢ちゃんたち(なんでぃ、ガキじゃねえか。驚かせやがって)」

 

愛里寿「貴方、人の財布を取ったでしょう」

 

穴衛門「っ!」

 

 

秋山「やはり両津殿でしたか」

 

武部「そんな個性的な眉毛は、井〇咲楽か両さんぐらいだもんね」

 

冷泉「どんな例えだ」

 

つながり眉毛ボコ(両津)『好き勝手言いやがるなこいつら』

 

みほ「いいですね両津さん!そのまま今度は両手を挙げてみましょう!万歳のポーズで!」」パシャパシャパシャ

 

つながり眉毛ボコ(両津)『だからこんなことしてる暇ねぇって言ってるだろ!』

 

五十鈴「それにしてもそんなに有名なスリがいるのですか」モグモグ

 

つながり眉毛ボコ(両津)『そうだ。お前らも注意しろよ。人間、案外と自分の財布にいくら入れているかという記憶はあいまいなものだからな。キャッシュレスやカード使用が増えたことでその傾向はさらに強まっている。サイバー犯罪に注目が集まっているからこそ、古典的なやり方も馬鹿には出来ないんだ』

 

秋山「注意します」

 

つながり眉毛ボコ(両津)『注意しても対応しきれるもんじゃないけどな。とにかく変な奴を見つけたら近づくなってことだな。じゃぁわしは行くぞ』

 

みほ「はい!じゃあついていきますね!」

 

つながり眉毛ボコ(両津)『……西住君。君、わしの話を聞いてた?」

 

みほ「まだとりたい写真がありますので」

 

つながり眉毛ボコ(両津)『……あのな。こう言うことは言いたくはないんだが、こっちだって仕事があるんだよ』

 

みほ「さっき両津さんが泣かせた片眼鏡のお姉さん。あの人は大洗の河嶋桃先輩といいまして、私が敬愛する先輩です」

 

武部「(……そうだったっけ?)」

 

秋山「(また微妙なラインの言い回しをしますね)」

 

みほ「それとこれはあくまで一般論ですけど」

 

つながり眉毛ボコ(両津)『?』

 

 

 

みほ「現役の警察官が女子高生を泣かせていたっていうのは、外聞がよくないと思いますよ」ニッコリ

 

 

 

つながり眉毛ボコ(両津)『』

 

秋山「うわぁ……うわぁ…………」

 

冷泉「(えげつない。西住流まじえげつない)」

 

五十鈴「(このみそ味のお好み焼きもおいしいですねぇ)」モグモグ

 

みほ「じゃ、よろしくお願いしますね♪」

 

つながり眉毛ボコ(両津)『(……人畜無害な顔をしやがって。こいつ間違いなく、あの西住の家元の血を引いてるわ』

 

 

【熊本県 西住流本宅】

 

西住しほ「ブァーックショイー!!!」

 

井手上菊代「うわっ、汚ったな!」

 

 

澤「ちょ、ちょっと愛里寿ちゃん?!」

 

山郷「急に何を言い出すの!」

 

角谷「(小山ぁ。警備本部に連絡)」

 

小山「(りょーかい)」

 

 

 

穴衛門「ふーん。お嬢ちゃんや」ズイッ

 

澤「ちょ、ちょっとお爺さん」

 

穴衛門「人を犯罪者呼ばわりするからには、何か証拠があるんだろうね」

 

愛里寿「私はあなたが雑踏の中で人の財布を取るのを見た。そこからお札を抜き取って戻すところも」

 

穴衛門「それじゃあ、その人は今どこにいるんだね?私の財布の中に入っているお札が、その人のものだと、誰が、どうやって証明するんだね(……っち、俺は何をしてるんだ)」

 

愛里寿「でも私は見た!」

 

穴衛門「見ただけだろ?君は一体どんな権利があって、私の人生を左右しようというのかな?しかもその証拠は、自分が見たという記憶だけが頼りだという(こんなガキに関わってる暇はねえんだ。さっさと離れちまえ)」

 

愛里寿「私はっ!」

 

穴衛門「君のその記憶が確かだと、いったい誰が証明するんだ?君は自分の記憶だけが絶対的に正しくて、私の意見は完全に間違っているとでもいうつもりかね?(そうだ、さっさと離れちまえ)」

 

愛里寿「私は嘘なんかついていない!」

 

穴衛門「そう、嘘はついていないかもしれない。そして繰り返しになるが、君の意見が正しいと、いったい誰が証明してくれるんだね?一緒にいた君の友人は何も見ていないという。君は自分の友人を、自分自身のあいまいな記憶を証明したいがための自己満足に、つまらない虚栄心と薄っぺらい正義感のために付き合わせようというのかな?(何をイラついているんだ、俺は)」

 

愛里寿「私は、私は見たんだもん!」

 

角谷「ちょっとお爺さん。さすがにそれは聞き捨てならない……」

 

 

 

檸檬「では何故貴方は、アリスの眼を見ないのじゃ?」

 

 

 

穴衛門「……はぁ?(なんだこのガキ)」

 

檸檬「疚しいことがないのなら、どうしてアリスから視線を逸らすのじゃ?」

 

穴衛門「……」

 

檸檬「自分の振る舞いに疚しいところがある。そう思っているからこそ、お主はアリスの眼をみれないんじゃ!」

 

愛里寿「檸檬……」

 

檸檬「アリスは嘘つきじゃない!嘘つきはお前じゃ!」

 

穴衛門「っち(これ以上、騒がれると拙い)

 

 

 

穴衛門「……ガキども、命が惜しけりゃ声を出すな」チャキ

 

澤「っ……!」

 

角谷「(折り畳みナイフ……いや、ただの棒をブラフとして見せているだけかも。どちらにしても、この距離からだと確証はもてない)」

 

角谷「(仮に本物だとして、カバンを切るためにもっていたか。威嚇が目的……いや、楽観は禁物だね)」

 

角谷「お爺さん。それをこちらに向けた段階で、貴女は強盗罪になるよ?(小山、みんなを私の後ろに下がらせて)」

 

小山「(了解)」

 

穴衛門「こそこそとしゃべるんじゃねえよ……黙って俺を見送れ。そうすればお前らのお友達には何もしねえと約束してやる」

 

愛里寿「……」

 

檸檬「……」

 

角谷「(いいから下がってて)……残念だけど、武器を此方に突きつける人間を信用出来るほど私は楽観的じゃないんだなこれが。何より私は口約束というものがどうにも苦手でね、一度、それを信じてひどい目にあわされたもんだから」

 

穴衛門「ふん。口の回るガキだ」

 

角谷「そんなに難しいことじゃないよ。大体、初対面のあなたをどうやって信用すればいいのかな?」

 

穴衛門「取引するつもりはねぇ。これは脅迫だ」

 

角谷「ふーん。じゃあ尚更だね。仮にあなたの言うことに従ったとしても、私たちが危害を加えられないという保証にならないんじゃ、意味がないじゃない」

 

穴衛門「……っち(小娘共に追いつかれるほど、まだ老いたつもりはねぇ。このまま走って逃げちまうか)」

 

穴衛門「(かといって目立つのも困る)」

 

角谷「(……とでも考えているのかな?どちらにしても、このままのにらみ合いが長引けば周囲も不信に思うだろうし。さっき小山に連絡させた警備員が来るまで、何とかこのままの膠着状態を維持しなきゃね)」

 

 

 

檸檬「お主」

 

角谷「っ!(ちょい、ちょいちょい!)」

 

大野「ちょ、ちょっと檸檬ちゃん!」

 

澤「だ、駄目だよ!相手を刺激しちゃ!」

 

檸檬「お主は知らないだろうから、教えてやろう」

 

穴衛門「ほぅ。お嬢ちゃんが俺に何を教えてくれるのかな?」

 

 

 

檸檬「ボコが好きな人に悪い人はいないのじゃ」

 

 

 

穴衛門「……はぁ?」

 

 

 

檸檬「ボコは何度倒されても、何度負けても立ち上がるんじゃ。戦う心を持っているから。戦う心をなくしたら、もうそればボコじゃないから。誰に何と言われようとも、ボコは自分自身を信じてるから」

 

檸檬「アリス」

 

愛里寿「何かな」

 

檸檬「私はアリスを信じるぞ」

 

檸檬「だってアリスも私を信じてくれたから。迷子で不安だった私を見つけてくれて、一緒に笑ってくれたから。だから今度は私がアリスを信じる番じゃ」

 

愛里寿「……檸檬ちゃん」

 

 

 

丸山「……私も」

 

阪口「紗希ちゃん?!」

 

丸山「……私は、この人が何をしていたのかを見てない。でも、私は愛里寿を信じる」

 

大野「あ、私も私も!」

 

宇津木「私も~」

 

山郷「私だって愛里寿を信じるよ!」

 

阪口「私だって!」

 

澤「え、え?」

 

大野「梓、ノリ悪いよ!」

 

澤「そういう問題じゃないでしょ!」

 

澤「ずるいよ皆!私だって、愛里寿を信じてる……いや、信じるよ!」

 

 

 

角谷「あっはっは、こりゃ参ったねぇ(あーどうしようかなこりゃ)」

 

角谷「ここは民主主義国家だよ?多数決なら6対1……いや、8対1か?勘定に入れてもいいよね小山?(いざとなったらみんなと一緒に逃げてね)」

 

小山「当たり前でしょ(今更、杏を置いていけるわけないでしょ。桃ちゃんに怒られちゃうしね)」

 

角谷「それで、お爺さんはどーするのさ」

 

穴衛門「……けるな

 

角谷「なーに?何だって?(うーん間に合うかな?)」

 

 

 

穴衛門「ふざけるな貴様ら!!」

 

 

 

 ビクッ!

 

穴衛門「安い上に下らない青春ドラマを見せやがって、この俺を舐めてんのか?舐めてるんだろう貴様らぁ!!」

 

 ナニナニ?ケンカ?ケイビインヲヨボウカ?

 

穴衛門「何が信じているだ。何がボコを好きな奴に悪い人はいないだ!どいつもこいつも俺のことを知らないくせに、俺のことを馬鹿にしやがて!俺が何も出来ないと、何も知らないと、何もやってこなかったと思ってるのか!?」

 

角谷「あー、こりゃちょっとばかし導火線に火をつけちゃったかもね(まぁ結果オーライかな)」

 

小山「ちょ、ちょっと杏、どうするの!?」

 

角谷「大丈夫でしょ」チラッ

 

小山「何が!?」

 

角谷「だって、ほら」

 

穴衛門「俺がどんな気持ちで、こんなみじめなことをしているのか、ぬくぬくと日の当たるところを生きてきたガキに理解出来てたまるか!!」

 

 

 

???『だろうな。だが自分自身を信じ切れずにまともな生き方をあきらめた段階で、お前はボコとやらの足元にも及ばねえよ』

 

 

 

角谷「間に合ったみたいだしね」

 

 

 

つながり眉毛ボコ(両津)『子供相手に何してやがるんだ、このくそ爺!!!』ドロップキック!

 

 

 

穴衛門「ぐふぇ!」ズサササ……

 

つながり眉毛ボコ(両津)『この野郎、根性の腐ったことを堂々と抜かして恥ずかしくねえのか!お前が負けたのは社会じゃねえ!お前自身だ馬鹿野郎!そのふざけた性根を叩き直してやる!!』ポカスカ

 

みほ「かまいません両津さん!そのままボコボコにしてやってください!ボコボコ大作戦です!!」

 

つながり眉毛ボコ(両津)『何の根拠もないが、心強い応援ありがとうよ!ほりゃ逆エビ固めぇ!!!』

 

穴衛門「き、着ぐるみでどうやって、あたたたたたたああぁぁぁ!!!!!」

 

 

 

角谷「おー、よく来てくれたね西住ちゃん達」

 

みほ「はい!騒ぎがあると両津さんが聞きつけて、その後を追ってきました」

 

角谷「あっはっは……さっきまではみんなの手前で強がって見せたけど、今は膝がガクガクしてるよ」

 

みほ「ご無事で何よりでした」

 

 テキサスクローバーホールド! ギャアァ!

 

角谷「こんな時に言うことじゃないかもしれないけど、西住ちゃんはあのボコが勝ってもいいの?」

 

みほ「これは公式じゃないですからノーカンです!」

 

角谷「はっはっは、なるほどね。それもいいかな」

 

冷泉「そういう問題なのか?」

 

 

 

武部「みんな大丈夫?!怪我はなかった?!」

 

大野「せ、先輩-!!」

 

澤「こ、怖かったです……」ガクブル

 

山郷「こ、殺されるかと思いました」

 

武部「おーよしよし!よく頑張った!あんた達はえらい!よくぞ愛里寿ちゃんと女の子を守り抜いた!あんた達は私の誇りよ!おーよしよし!」

 

ウサギさんチーム「「「「「ふええええーん!!!怖かったです!!(……)」」」」」

 

 

 

五十鈴「やっぱりおかん気質ですよね」

 

冷泉「あやし方を見ているとムツゴ〇ウっぽいところもあるぞ」

 

秋山「武部沙織のガールズ王国……」

 

武部「そこっ!聞こえてるからね!!」ガーッ!

 

 

みほ「愛里寿ちゃん!」

 

愛里寿「みほさん。ご心配をお掛けしました」

 

みほ「そんなことよりも、怪我は無かった?」

 

愛里寿「はい。少し怖かったですけれども。角谷さんと小山さん、ウサギさんチームの皆さんと」

 

愛里寿「それに」チラ

 

檸檬「?」

 

愛里寿「檸檬が私を信じてくれたから」

 

檸檬「……うん!」

 

みほ「愛里寿ちゃんの新しいお友達?」

 

愛里寿「うん!私の大切な友達だよ!」

 

檸檬「……そうじゃ!大切な友達じゃ!」

 

 

 アノボコハ ソノハナシニハツヅキガアッテネ シラナカッタ!

 

秋山「……檸檬殿は初対面とお聞きしていますが、随分と話が盛り上がってますねぇ」

 

冷泉「ボコ談議でな」

 

五十鈴「幼稚園と、年齢は中学生の飛び級大学生、そして高校生。ボコは世代の壁をやすやすと越えていくんですね」

 

 ソレデソノトキノボコガ ダヨネ ソ、ソウナノカ

 

武部「……あの3人、ボコに関する限りでは精神年齢が実年齢と逆転してない?」

 

五十鈴「まぁそれもいいのではありませんか?何事でも熱中できるものがあるということは、いいものですよ」モグモグ

 

秋山「……時に五十鈴殿。そのアメリカンドックは何本目です?」

 

五十鈴「まだたったの4本目ですね」

 

冷泉「(無視して)ところで両津さんはどこに行ったんだ?茨城県警に犯人を突き渡したところまでは見ていたが」

 

武部「もうすぐボコの大行進が始まるから、その点呼に行ったみたいだよ」

 

 

【ボコの大行進 スタート地点】

 

迷彩色模様のボコ(部長)『お前というやつは、署長に何をさせているんだ!?』ブンブンブンブン

 

つながり眉毛ボコ(両津)『ちょ、ちょっと部長!頭揺らさないでくださいよ!』ブンブンブンブン

 

迷彩色模様のボコ(部長)『うるさい!お前のような奴は揺らされたほうが頭の外れたねじが元に戻るだろう!』ブンブンブンブン

 

右手包帯茶色ボコ(中川)『まぁまぁ部長。そろそろ始まりますので、その辺りで』

 

迷彩色模様のボコ(部長)『まったく……両津!帰ったらこの説教の続きをするからな!』ポテポテポテ

 

左手包帯黒色ボコ(麗子)『(可愛い足音ね。まぁ皆同じなんだけど)』

 

つながり眉毛ボコ(両津)『あー、ひどい目にあった。せっかく犯人を逮捕したっていうのに、あの石頭め』

 

右手包帯茶色ボコ(中川)『部長に欠員メンバーの報告を入れないからですよ』

 

つながり眉毛ボコ(両津)『そんなもの、直接署長を捕まえたほうが話が早いだろうが!』

 

右手包帯茶色ボコ(中川)『それはそうかもしれませんけど』

 

左手包帯黒色ボコ(麗子)『それにしても動きにくいわねぇ』

 

背中に傷があるボコ(纏)『手足が太いから余計にバランスがとりづらいんだよなこれ』

 

右手包帯茶色ボコ(中川)『そう考えるとプロのスーツアクターってやっぱりすごいですよね。こんな見えづらい視界であれだけ大きなアクションを平気でこなすんですから』

 

つながり眉毛ボコ(両津)『お前らは気合が足りないんだよ、気合が!わしを見ろ!これで犯人を検挙したぞ』

 

左手包帯黒色ボコ(麗子)『両ちゃんは絵崎教授の補助AIを積んでるじゃない!』

 

背中に傷があるボコ(纏)『そうだぞ勘吉。体力バカのお前と私達を一緒にするな』

 

つながり眉毛ボコ(両津)『はん。何とでも言え。そもそもこのスーツの改修に取り組んだのは、このわしだし?絵崎のAIというのが気に入らんが、これぐらいの見返りがあってもむしろ当然……』

 

背中に傷があるボコ(纏)『この野郎!』ウデヒッパル

 

つながり眉毛ボコ(両津)『はっはっは!そんな、も……』

 

つながり眉毛ボコ(両津)『あれ?あれれれ?お、おい、ちょっとおおおお!!!』

 

 ズッターン!!!

 

右手包帯茶色ボコ(中川)『先輩がひっくり返った!』

 

つながり眉毛ボコ(両津)『ま、纏、お前ぇ……』ハラホロヒレハレ

 

背中に傷があるボコ(纏)『ちょ、ちょっと。私はそんなに強く引っ張ってないぞ?!』

 

絵崎コロ助教授「ふーむ、ちょっと見せたまえ」

 

右手包帯茶色ボコ(中川)『教授!』

 

絵崎教授「ふーむ。これがあーなって、あれがこーなって、ここがあーなってるから……」

 

右手包帯茶色ボコ(中川)『教授。どうですか?』

 

絵崎教授「どうやらゴリラ君の野蛮人のような体力によって行われたアクションに、『EZAKI・Mk-II』の処理能力が追い付いていないようだね!このままだとAIの頭がパーになってしまうのも時間の問題だろう」

 

つながり眉毛ボコ(両津)『ふざけんなこら!お前の開発した奴だろう、何とかしろ!』

 

絵崎教授「ここまでの負荷がかかることは想定外だよ!大体、着ぐるみの格闘アクションを想定しているのに、どうしてボクシング13ラウンドをフルで戦ったような負荷がかかっているのかね!?」

 

右手包帯茶色ボコ(中川)『教授。ではどうすれば?』

 

絵崎教授「ふーむそうだね」

 

絵崎教授「今の『EZAKI・Mk-II』の状況を例えるなら、満々と水が満ちたコップの表面張力に頼りながら、コインを一枚ずつ入れていってるようなものだね。だからさっさと脱ぐのが一番かな?」

 

つながり眉毛ボコ(両津)『脱ぐ、脱ぐ脱ぐぞ!こんな危ないものいつまでも来ていられるか……』

 

 

 

赤眼帯ロン毛ボコ(署長)『おぉ、両津!今回はお手柄だったな!』ポンッ

 

 

 

「「「「「あっ」」」」」

 

 

 

ピーッ

 

 

 

つながり眉毛ボコ(両津)『……おい、絵崎』

 

絵崎教授「いかんいかん。来週のニューヨーク講演の原稿整理がまだだっ……」

 

つながり眉毛ボコ(両津)『待てこら!これを何とかしてから行け!』

 

絵崎教授「無理だ!もうこうなったら『EZAKI・Mk-II』にこっそりと取り付けた『BOKOZAM・システム』は誰にも止められん!」

 

 ファイルセーフカイジョ システムキドウシマス

 

つながり眉毛ボコ(両津)『何を載せてるんだ、お前はあぁ!!!』

 

絵崎教授「それが科学者の業だからね!」

 

 

 

赤眼帯ロン毛ボコ(署長)『あの、ひょっとして私のせい?』

 

 

 

 

王大河『さぁ、ついに『101匹ボコ大行進!ボコ大発生中だボコ!』の予定時刻を迎えました。解説の児玉さん。現在のお気持ちはいかがでしょうが?』

 

児玉七郎『そうだねぇ。昼ご飯に食べたボコ定食の味噌汁が赤だしだったけど、あのメニューなら僕は普通の味噌のほうがよかったかなぁ』

 

ワー ワー トリオサエロ!ムリデスー!

 

王『(無視して)はい!今回、ボコミュージアムではボコられクマのボコ制作委員会と協議し、何と新たに101体のボコを生み出したそうです!いやぁ凄いですねぇ。バ〇ダイのモビルスーツバリエーションもびっくりの後付け便乗商法ですね!やることがセコイ!よっ!商売上手の守銭奴!!』

 

キャー! ヤメロカンキチ! ニゲロー!

 

児玉『それは悪口じゃないの?(何か後ろが騒がしいような)』

 

???『うおおおお!みんな!どうかおいらに力をくれー!』

 

王+児玉『『……は?』』

 

 

 

つながり眉毛ボコ(BOKOZAM)『よぉ!おいらがボコだぜ!(た、助けてくれええ!!!)』

 

 

 

檸檬「イチローのボコじゃ!」

 

みほ「両津さん!ボコになりきってますね!」ウンウン

 

愛里寿「がんばれボコー!!」ブンブン

 

 

 

冷泉「……おい、あれどう見てもやばくないか?」

 

秋山「目が赤く光ってますね……」

 

武部「それに、何か小刻みに動いてる気がする……」

 

角谷「うーん。噴火5後秒前って感じだねぇ」ホシイモモグモグ

 

小山「とっくに噴火してる気がするけど……」

 

 

 

つながり眉毛ボコ(BOKOZAM)『おう!よく来やがったなお前!(おお!とまれとまれとまれええ!!!)』

 

桃ちゃん「ひえええ!!!!さっきのボコがお礼返しに来たあああ!!!」ガクガクブルブル

 

つながり眉毛ボコ(BOKOZAM)『おいらが相手してやろう!ぼっこぼこにしてやるぜ!(止まれっていうの……止まれって!)』

 

桃ちゃん「びええええ!!!!もう駄目だぁぁ!!!私はここで死んじゃうんだぁあ!!!!」

 

河嶋家次女「そんなわけないでしょ……」

 

河嶋家三女「がんばれおねーちゃん!」

 

河嶋家四女「がんばれおねーたん!」

 

河嶋家五女「がんばえー!」

 

河嶋家長男「いやなんかもう、本当にすいません。お騒がせしまして」

 

つながり眉毛ボコ(BOKOZAM)『はっはっは!元気がいいな!よし、おまえら!まとめてやってやるぜ!かかってこい!(こなくてい、こなくていいからな!?)』

 

河嶋家三女「え、ほんと?」

 

河嶋家四女「じゃあいくぞ!!」

 

桃「な、ば、馬鹿!おい、やめろ!!殺されるぞ!!」

 

河嶋家次女「そんなわけないでしょ」

 

河嶋家長男「なんかもう本当にもうすいません」

 

つながり眉毛ボコ(BOKOZAM)『はっはっは!さぁ、こい!(く、くるなああ!!!!)』

 

 

 

河嶋家五女「やー!」ポスッ

 

 

 

つながり眉毛ボコ(両津)『やられちまったぜ!(どわあああああぁぁぁ!!!)』ゴロゴロゴロゴロ……

 

 

 

桃ちゃん「……は?」

 

河嶋家長男「うぉっ、めちゃくちゃ飛んだな」

 

河嶋家次女「というか、あれ曲がっちゃいけない方向に関節が曲がってたような……』

 

王『(事前の段取りと違うけど盛り上がってるからいいや)何ということでしょう!何というプロ根性!何というボコ精神!これがイッツアボコワールド、世界を幸せにするボコの気高き精神の発露!立てば着ぐるみ、座ればお荷物、喧嘩の後には死屍累々!これぞボコだ!全世界で数百人いるかいないかのボコファンが待ち望んでいたボコです!』

 

児玉『……ノーコメントで』

 

 

ワー ワー ボコー!ガンバレー!ウワァ……ボ、ボコォー!

 

右手包帯茶色ボコ(中川)『……盛り上がってますね』

 

左手包帯黒色ボコ(麗子)『そりゃ、あれだけ激しいアクションをすればねぇ』

 

絵崎教授「ふーむ。実に興味深い現象だな。いいデータが取れそうだ」

 

背中に傷があるボコ(纏)『(悪魔かこの爺?)』

 

迷彩色模様のボコ(部長)『どうしましょう署長。両津はどうせほっといてもなんとかなりますが』

 

赤眼帯ロン毛ボコ(署長)『うーん……(あれ私の責任になるのかな?)』

 

絵崎教授「皆さんご安心を。あれは見ての通り、観客に被害を与えるものではありません。中のゴリラ君は激しくシェイクされるだろうが、あと一時間ほどで内蔵されたバッテリーが切れたら止まるからね!」

 

迷彩色模様のボコ(部長)『なら大丈夫ですな』

 

赤眼帯ロン毛ボコ(署長)『うーむ……』

 

 

 

赤眼帯ロン毛ボコ(署長)『まっ、いいか』

 

 

 

ベレー帽着用ボコ(千代)『……そ、それではパレードの用意を(い、いいのかしら?)』

 

 

 

 

つながり眉毛ボコ(BOKOZAM)『みんな!おいらに力をわけてくれ!!(う、っちょ、は、吐き気が……ちょ、ま……)』

 

 

 

檸檬「イチロ-!がんばれー!」

 

みほ「立つんだボコー!!」

 

愛里寿「がんばれボコー!!」

 

 

 

つながり眉毛ボコ(BOKOZAM)『うおおお!みなぎってきたぜえぇ!!(……ちょ、ま)』

 

 

 

 ギャー!

 

 

 

【完!】

 




西住しぼ「ベレー帽をかぶったボコ……まさかね」

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