ガラルのワイルド散歩 (現在、地方巡り中) 作:愛月 花屋敷
今回はそれぞれの自己紹介+屋敷内での会話です。
応接室へと通された俺たちは、近くにあったソファーにそれぞれ座り(男性とリッターはリリィの横に立っていた)「私はリベール家の次期当主、リリィ・リベールです。まだまだ新米のトレーナーで、ガラルへの入国を予定しています」と丁寧な自己紹介をした。
その後すぐに隣の男性とリッターが一歩前に出て「俺は先生を任されているリョウ。こいつは俺のポケモンギルガルドのリッターだ。リッター挨拶を」と言えばギルガルドは執事のように礼儀正しく礼を行った。
俺はそれを聞きながら(なるほど、いわゆる指南役か)と思った。
一般的にポケモントレーナーは自分でいろんな知識を身に着けたりトレーナースクールへ通い勉強を行うのがセオリーなのだが金持ちとかは過去に素晴らしい成績を収めたトレーナーを雇って教えさせることがあるんだとか。
俺もガラルでのチャンピオンになった後、色々な連中から依頼の連絡が連日手紙やら電話やらで来ていたが…すべて断ったな(理由?単純に束縛が嫌だし俺の戦法が常識はずれだったから)
そこまで考えてから俺は「こりゃご丁寧に、俺はグレイブこことは少し違う所のガラル地方でポケモントレーナーをやっているものだ。少しの間よろしく」と簡単な自己紹介を行った。(さすがに初対面の連中に自分がチャンピオンだとは言わない)
そうしたら少し離れたソフォーに座って周囲をキョロキョロと見渡していた少女がこちらを向いて「私はクレハと申します。カントーのトキワシティで育て屋を営んでいる者でしゅ。…者です」と最後の方で噛んでしまい顔を真っ赤にしながらクレハはうつむいてしまった。(まぁ…緊張していたのかな)と思っていると「いったぁ!?」と言うリョウの情けない声が聞こえそちらを見るとなんでかリョウが脇腹を抑えながら涙目になっていた。
「先生、犯罪ですわ?」とリリィが言うと同時にリッターも主に何やってんだかと言うような視線を送ればリョウは瞬時に「いや何もしてないじゃんっ!?」と自分は無実だ!と言うように行っていた。
リリィはそれを一つの咳払いをしてスルーし俺の方に向くと「こほん…グレイブさんは少し違うところのガラル…と言ってましたが、どういうことかご説明を頂いても?無論、他言は致しません」と尋ねてきた。
まぁ確かにそれを聞かれるなぁと予想はしていたが…何て答えりゃいいんだかと少し悩んだ挙句俺は説明を行った。
「まぁ簡単に言えば【ウルトラホールに吸い込まれた】と言えば説明できるか」
(これで理解できる人は同じような体験をしている彼の相棒とごくわずかな友人だけなのだ)
この言葉にクレハは首を傾げゴウカザルも同様に首を傾げていた、どうやら彼女たちはウルトラホールが一体どのような者なのかを知らない模様だ。
「ウルトラホール…アローラの?」とリリィが言えばリョウも「聞いたことがある。エーテル財団が全面的に調査していた話だったな。詳細はよくわからないけど」と自身の知識から情報を引出し答えた。
まぁ…エーテル財団の目的の真相はえっぐいからなぁここで言うのは酷か
「まぁ概ねそんな所だな。おれはそれに吸い込まれて気づいたらこの屋敷の前に放り出されていたという訳だ」(なお、端折りまくった影響で彼以外は混乱する模様)
俺が答え終わるとクレハは「…なぁにそれぇ」と呟いた、グレイブの回答ではアローラ地方は危険な場所だという間違った認識をクレハに与えてしまったからだ。
「待て待て、説明になってない。もっと分かるように説明をだな…それにエーテル財団の人間じゃないだろ、君」とリョウが冷静にツッコミグレイブへ詳細な説明を求めようとした時、リリィは「…いえ、なんとなくわかりました。とても考えられませんが…【平行世界から来た】と言う事ですの?」と答えた。
そのリリィの言葉を聞いたリョウとリッターはそれぞれ「はっ!?」驚きの言葉と反応を出した。俺はそれを聞いて(さすが次期当主、あの説明でそれに至るなんて)と表情に出さず内心で感服し「おぉ~その通り!」と某クイズ番組の司会者のような表現を行った。
なお、その時クレハは「……ヘイガニ世界?」と呟いた、どうやら平行世界と言う単語がどうにも理解できずオーバーヒート(技では無い)してしまったようだ。
「ええっと…平行世界…あれか、隣の世界ってことか?」とリョウが平行世界について自身の知っている事をリリィに質問すれば「はい。世界的には似ているけど、様々な点が違うのです。例えばですが…少し質問です、ガラル地方のチャンピオンはダンデさんですか?」と平行世界について簡単に説明を行った後にグレイブへと質問をした。
俺はこれは真面目に答えるしかないなと思い「ガラルのチャンピオン?今は俺だけど」と答えると周囲は驚いていた。
「…え、待ってっ。君がガラルのチャンピオン!?」先ほどの混乱から何とか自力で正気に返ったクレハはグレイブの言葉によってふたたび混乱しかけることになった。これが彼の狂言でなければ平行世界から来たという話を裏付ける確固たる証拠であったからだ。
そんなグレイブの答えを聞いたリリィは「やはり…となれば平行世界論が成立しますわ。ですが、困りましたわね…ウルトラホールが帰る為の穴だとすれば、今は閉じてしますし…アローラに向かうしか」と困り顔で言えばすかさずリョウが「いやいや、今から向うにしても無理だ無理!ガラル入国もあるんだぞ?」と声を荒げながら言えば「…確かに、そうですわね…」とリリィは肩を落としながら言った。
そんなやり取りを聞いていた俺は「ふぅ説明が簡単でよかった」とのんきそうにつぶやいた。(実際帰るときになったらアイツを出してウルトラホールを開けばいい)と考えていたからだ。
今回はここまで。
次回はお嬢様の厄介な「アレ」と三人のポケモンをご紹介