ガラルのワイルド散歩 (現在、地方巡り中) 作:愛月 花屋敷
それでは、行ってみよう!!!
インテレオンの体から迸るオーラを見てクレハは(あれは…!もしかして特性げきりゅう!?……もしかしてあの子ガラルの所謂御三家ポケモン!?)と自身の相棒でもあるゴウカザルとよく似た現象を見て予測を付けていた。
同じくリョウもその特性は見抜いており「げきりゅうか…けど、それはつまり…今、インテレオンはピンチなんだな。ようやく…届いた…喉元に」と呟いた。
それと同時に油断するなとサラメからの視線を受け取り気を引き締める。
勝利まで後…一歩だ。
グレイブは(相棒は恐らく後一撃でも食らったらアウトになる。しかしだからこそ…この一撃にかける!!!)そう考えると即座に「インテレオン!!!全力全開で〝狙い撃ち〟だ!!!」と指示を出すとインテレオンも膨大な水の塊を自身の指先にチャージし始めた、特性の激流・持ち物の神秘の雫も合わさりこれがとどめの一撃と言わんばかりの威力を誇っているだろう。
インテレオンがチャージをしている、そんな中不意にリョウはグレイブへ「なあ、チャンピオン。サラメの技を覚えているか?」と問いかけをしてきた。
当然リョウもあの一撃を喰らってしまえばいくら効果今一つの技でも一溜りも無いことを理解している。
ふたりのバトル光景を見ていたクレハも先ほどのリョウの言葉を聞き(そうだ、確かに一つだけ。一つだけ不明な技がある…)とサラメが隠し持っている最後の技について考え始めていた、しかし彼女の視線はバトルフィールドにくぎ付けであった。
「ハイドロポンプ・あまごい・ぼうふう…だったな、確かにあと一つ見せていない技があるな。」とリョウの問いかけに応えながらも周囲を警戒している。
それを聞いたリョウはほんの少しだけ口角を上げながら「そう、だから今からそれを見せよう。見せてない技があるなら見せないと損だろ?」
サラメもその声に頷きながら追い風に乗ってインテレオンに迫りながら手を広げ爪を構える。
その体勢を見ながらクレハは(―――あ、あの構えはもしかして!)リョウと同じくドラゴンタイプを使役しているからかピンと来てはいるが未だ予測の域を出てはいなかった。
グレイブも(爪?何かしらの接近技か?相手はドラゴンタイプだとすれば……)そう考えサラメが接近していることに気づき「インテレオン!!!〝狙い撃ち〟発射だぁ!!!」と指示を出した。
インテレオンも頷き今までずっとチャージし続けてきた水の弾丸を発射した、それはかなりの太さを保ちながらも猛烈な勢いでサラメに迫る。
しかし……そんな二人の予測は
リョウの「サラメ、〝守る〟」指示一つでかき消された。
恐らく二人が予想していた技は【ドラゴンクロー】辺りだろうとリョウも考えていた。インテレオンに接近しながら爪を見せたのはブラフであった。
当然命中しそうになっていた狙い撃ちはサラメが発生させた半透明の防御壁で防がれた、サラメはそのままインテレオンへ接近していった。
全力の攻撃を防ぎ切ったサラメは守るを解除してインテレオンの懐へと潜り込みリョウの「〝ハイドロポンプ〟」その指示で放った、その時の表情は【確実に倒す】と言っているようだった。あのサーナイトを倒した時と同じように。
サラメの最後の技を見たクレハは「ドラゴンクローじゃない!?」と声を上げて驚いていた。
実は…サラメの守るはサーナイトとの戦いですでに見せていたのだが、そのことをグレイブとクレハはすっかり忘れていた、それほどまでにバトルが熱中していたのだった。(何かに熱中していると一つ見落とす事は割とある)
グレイブも「なっ!?嘘だろ!?!?」と驚いた、先ほどまで接近技を仕掛けてくる気満々だったのにと言わんばかりの表情でインテレオンもグレイブ同様に口を開けて驚いていた。
そんな対戦相手の表情にリョウは「全部見せたんだから、見せてないもあるか!詐欺師だろうと何とでも言えぃ!記憶勝負に勝った俺の勝利だオラァ!!発射!!」とどう考えてもあくどい笑みを浮かべながら大声で言い切った。
サラメは、技を放つ直前に一人と一匹に対して【ごめんね】と目で伝えてから0距離から最大威力のハイドロポンプを発射した。
いかがでしょうか?
いやはやアニメでもこんな事やられたら対戦後にリアル乱闘勃発物ですな~と
考えていた私です。