ガラルのワイルド散歩 (現在、地方巡り中) 作:愛月 花屋敷
今回は、バトルがクライマックスに到達しどちらに勝利の女神がほほ笑むのかこうご期待!!!
今回は、バトルのみを描写していこうと思います。(理由は、バトル描写が途轍もなく長くなるから。)
激しい轟音と周囲に巻き起こる砂煙。るーちゃんはゆっくりとイリゼの近くに降り立ち呼吸を整えているが、吹き飛ばされた獄炎は今だ立ち上がってこず、グレイブも無言で立ち尽くしている。この光景に愛月は信じられないような驚き顔を見せていた。
(まさかグレイブが敗北する日が来るとは…思ってもみなかった。)愛月は、静かにグレイブの方を見ながらこのような事を考えていた。グレイブはジムチャレンジに参加して以来負け知らずで、【ダンデを超える伝説】とまで言われる程にポケモンバトルが強かった。
しかし自ら審判役を買って出た以上下さねばならなかった。「戦友」の敗北を。
「こ…この勝負…イリゼとるーちゃんの勝「おいおい何言ってるんだよ?愛月」と、判決にグレイブが待ったをかけた。それを聞き彼の方に振り向く愛月とイリゼ。
確かに分かるよ…グレイブお前は大の負けず嫌いだもんな。でも、どういっても結果は揺るぎはしないんだよ。
愛月が何かを言いたそうな目を向けているのがわかる。この結果に文句を言っているように聞こえるかもしれないが、俺が言いたいのはそういうことじゃない。【まだこれからが本番だよな?…獄炎】その瞬間、砂煙の中から力強い足音が聞こえてきた。愛月とイリゼは目を見開き、その方向を見れば、満身創痍だが…闘志に燃えている獄炎がそこに立っていた。
イリゼは、驚いていた。「ゴットバード」は飛行タイプの中でも最強の威力を持っているし、獄炎には【効果抜群】。つまり弱点を取っており、バトルで消耗している獄炎では耐えることは不可能なはずなのに…どうして、と。
そんなことを考察しながら獄炎をよく見てみると、両手の間に何やら白い毛のようなものが見えていた。イリゼはそれを見た瞬間、「ニトロフルチャージ」の発動中に獄炎を障害物がある方へ突進させた理由がはっきりした。
「コットンガード」それは、盾や壁など攻撃を弾く【剛の防御】などでは無く、攻撃を受け止めその衝撃を逃がす【柔の防御】。しかも汎用性に長けているだけあり、トレーナーの使いようによって攻撃・防御・囮・掃除道具にもなる。
「しっかし…イリゼはすごいな。正直に言えば耐えられる自信は全くなかったぜ。獄炎の根性と勝負の運に任せるしかなかった。それに耐えたって言っても、今ここで「効果が薄い技」でも一発でも食らえばやばい状況だけどな」そう言うグレイブの表情は、笑顔であった。
「なら…なんでグレイブ君はそんなに楽しそうなの?」とイリゼが聞けばグレイブは静かに口角を上げながら答えた。
「楽しそうか…確かにその通りだよ。俺は、いくつものリーグを制覇してきたんだぜ?伝説のポケモンだって仲間にしてきた(まぁかなりの数強引に捕まえたけど)。そんな俺が、数日前までポケモンを知らなかったイリゼと、まともに戦えるかも分からなかったるーちゃんに追い込まれている…何か一つでも欠けていたら、負けていた位にな。そんな「奇跡」としか言い表せない事が今ここで起こっている。だからこそやめられないんだよ!ポケモンバトルが!!」その姿は、まさしく純粋に楽しんでいる子供であり、そして強者の最大の褒め言葉でもあった。
それを聞いたイリゼは「グレイブ君、わかるよその気持ち…君が敵じゃなくて本当に良かった。」と微笑み交じりに言えば、グレイブも「気が合うな。俺もおんなじ事を思っていたぜ」と返した。
だからこそ二人と二匹の思いは【その戦い絶対に勝利する】この一言に集約された!
『この勝負(私・俺)が勝つ!』最後の駆け引きが始まった。
「るーちゃん!追いつめているのはこっちだよ!焦ることも、無理をすることも無い。たった一撃でも当てれば勝てるんだから」とイリゼが言えば、るーちゃんも「ちるちるぅぅ!!!」と高く鳴き、『勿論だよ!絶対に勝とうイリゼ!!』なんて意気込んでいるように聞こえた。
「獄炎…相手は、全部を見せたんだ。俺らが圧倒的に不利?そんなわけないだろ。最後は、経験が物を言う世界だ!圧倒的有利なのは俺たちだ!!!」とグレイブが高らかに言えば、獄炎も「ブルオオゥ!!!」と低く吠え、『当たり前だ…我らの勝利は決して揺るぎはしない!』とばかりに燃えていた。
イリゼの指示を受けたるーちゃんは鋭い嘴での刺突や翼を使った横なぎに加え、隙あらば「龍の波導」を打ち込む。それを獄炎は一撃一撃を巧みに避けていく。万全の状態ならばどちらが強いかなんて言うのは、まったくわからない。しかし今の消耗している状態ならば実力はほぼ互角である。
攻めて・躱し・仕掛け・防ぎ目まぐるしく位置が変わりながらも意地をぶつけ合う。とても楽しいが二人は長引かせようとは、しなかった。
理由は、獄炎とるーちゃんがとても疲労していたからだ。それでも二匹はイリゼとグレイブの気持ちに必死に応えようと懸命に頑張っているのだから。
ここでイリゼとグレイブが出来る事はただ一つ。指示を駆使して、頑張っている相棒に勝利という最高の贈り物をプレゼントする事。
それから幾度も攻防が続いたのちに「最後の勝負だ!イリゼ…獄炎アームハンマーだぁ!!」とグレイブが声を張り上げると、獄炎は雄叫びを上げながら地面を強く踏みしめ、右腕を振り上げ低い姿勢から斜めに飛び上がりるーちゃんの頭に一撃を叩き込まんとするが、イリゼは「勝ちは譲らないよ?グレイブ君。…今だよ!るーちゃん」と指示を出して紙一重で回避し、獄炎の拳は地面に【叩きつけられた】
そこでイリゼは、勝利を確信しるーちゃんに「エアカッター」を指示しようとしたが、どこかおかしいと感じ、そしてとある一つの点に気付いた。
【拳を地面に叩きつけた】。その違和感に気付いたイリゼはるーちゃんに回避を指示しようとしたが、遅かった。「ありがとうなイリゼ、そしてるーちゃん…勝利は俺たちのものだ!!!【大地創造】を喰らえーーー!!!!!」
その瞬間、地面から逃さないと言わんばかりに突き出た岩槍がるーちゃんに命中。
吹き飛ばされたるーちゃんに対しイリゼは反射的に走り、役目を終えた岩槍は崩れ、愛月が「勝者!グレイブと獄炎!!」と戦いの終了を告げた。
いかがでしょうか?今まで自分が書いてきた文章の中でも最長のものになってしまうとは、熱い戦いを描写しているとついつい色んな物を追加したくなる。
それでも見ていただけたなら感謝感激です。
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