振替休日の間に傷めた傷も癒えて、今日から通常の学校生活に戻る……そう思ってたんだけど、通学の電車ではいろんな人たちから応援の声を貰って驚きと嬉しさが押し寄せてた。
でも、この日はそれとは別に大きな驚きがあった。
傘が雨をぱちぱちと弾く音を聴きながら電車での出来事のうれしさからヒーローになった時の生活に思いを馳せていると後ろから飯田君が合羽に身を包み走ってくる姿に驚きはしたものの飯田君のお兄さんインゲニウムの事が引っ掛かり尋ねようとするも先に無事を教えてくれた。でも、その表情に声に違和感を感じたけど深く聞けなかった。
教室に入ると先日の体育祭の話しでみんな盛り上がっていた。どうやらみんなも僕と一緒で町の人たちに声をかけられたらしい。
変わらない学校生活の風景はホームルームのチャイムが鳴る前にあまりにも突然に終わった。
教室の前のドアが開き、黒い二人組が現れた。そして少女には見覚えがあった。
喪に服したようなゴシックロリータ型のヒーローコスチュームに背中まで伸びる鈍色の髪
、薄く金に輝く満月の瞳を持つヒーローを知っている。
ヒーロー名ナイトウォーカー。吸血鬼ヒーローと言われその個性は吸血鬼。血しか口に入れることしかできず夜の間は様々な生物に変身したり、高い身体能力を持ち、細身の腕からは想像できない怪力でヴィランを倒し、傷を負っても忽ち回復してしまう不死者だ。そのため少女の見た目をしているがオールマイトよりも年上らしい。しかし、太陽が出ている時間は陽に当たれば肌が爛れ、加えて能力がすべて使えず見た目通りの身体能力しかなく致命傷を受ければ死んでしまう。
そのため夜しかヒーロー活動ができないがデビュー時初年にも関わらず500件以上の事件を解決し夜間における抑止力として現在でもランキング上位にいるトップヒーローだ。
ナイトウォーカーは教室にいるみんなを見回しかっちゃんを見つけると嬉しさを抑えられず綻ばせ近づいてくる。
そして誰も想像していなかったことが起こった。
ナイトウォーカーが腰をかがめかっちゃんにキスをしていた。
教室の時間が止まった。
僕を含めみんな思考停止になって口を開けびっくりしていた。
「爆豪勝己。私のものにならないかい?」
二人の顔が離れてナイトウォーカーはかっちゃんを少し見下ろしながらそんな言葉を言った。
かっちゃんの前の席だった葉隠さんからあとから聞いた話だとその時かっちゃんは口をあけて放心していたみたい。