それではどうぞご覧下さい!
マリー達と一夜を明かしたアルジ。アルジが目を覚ますと……
「……なんて寝相してるんだ」
アルジの右腕をマルタ、左腕を清姫が抱き枕にして眠り、マリーはというとアルジを正面から抱きついた状態で眠っていた。それも皆薄着の状態である。
(これは……オフェリアに怒られちまうかな……)
尚、この時の様子も当然の事ながらオフェリアも見ている事は間違い無いだろうから……元の状態になった時は大体予想が付く。
「んんっ……んぅ? アルジ……おはよう……」
「おはよう、マリー。よく眠れたか?」
「えぇ。とっても沢山……でも、もう少しだけこうしていたいわ」
「まぁまだ早いからな。もう少しだけなら良いだろう」
「ふふっ♡ありがとう。それじゃあもう少し……えいっ」
マリーはアルジの首に手を回して顔と顔とを近づけさせる。
「い、いきなりは危ないだろう? それにマルタも清姫も俺の腕を抱き枕にしてるし、支えられなかったらどうする?」
「アルジなら大丈夫だって分かっているわ。さぁ……もう少しだけ……貴方に甘えても良いかしら?」
「全く……良いぜ。受け止めてやるから」
「ありがとう。はむっ……んっ……ちゅっ……」
それから少ししてマルタと清姫も起き、アルジとマリーがやっている事を自分達にもと言ってきた事は容易である。それから立香達が起き始めるまで、マリー達はアルジに甘えるのであった。
「あれ? マリー達ってアルジの所で寝てたっけ?」
「いえ、確か私達ともそうですが、アルジさんとは別のテントで寝ていたはずですが……」
「あれ? もしかして僕の知らぬ間に面白い事が起こってたりして……なんで僕も呼んでくれなかったのさ⁉︎」
「だってあなたはあなたで作曲活動をしていたでしょう? 邪魔になると思ったから声をかけずに私達だけで行ったの」
「それだったら僕にも声をかけてよ! アルジの側だったら面白い事が尽きないし! 僕はそれを見てさらに作曲活動に励める‼︎ どちらともWin-Winの関係じゃないか‼︎」
「どう考えてもアマデウスにしか益がないだろうが」
「にしてもアルジの坊主の所にあの御三方が一緒に出てきたとあっちゃ……ははぁ〜ん、これはこれでお楽しみでしたって感じだな」
「ねぇねぇ、お楽しみって?」
「ま、マスターはまだ知らなくても良い事だ! 大人になってからでも十分に間に合うからな! にしてもアルジがまさかあんなに節操なしだったとは……これは後で私からお説教g《パコンッ》っつ⁉︎ だ、誰だ私にまたブーメランを投げた奴は⁉︎ 出て来い‼︎」シーン……
「エミヤは一体何を一人芝居しているのですか?」
「い、いや。さっき私の頭にまたブーメランが飛んできてだな……」
「……それはあなたも大概ですよというサインなのでは?」
「はて……考えても分からないな」
「はぁ〜……だからブーメランが飛んでくるんですよ」
『おはよう〜皆ー! ……って、なんか朝からカオスだね?』
『まぁまぁ、いつもの事じゃあないか。要するにこれが立香達の普通の朝って事さ』
『なんか最後キレイにまとめた感半端ないけど……それよりも今日はオルレアンに攻め込んでこの時代を取り戻す日なんでしょう? 皆準備は良いわけ?』
「うん! バッチリ寝たし、調子も良いよ!」
「まぁ俺もだな。昨日で色々と吹っ切れたし……」
『ふ、吹っ切れたって……一体昨日何してたのよ?』
「なに、アンタが別に知らなくても良い事だ」
「そうね。これは私達とアルジの秘密ですもの!」
「それにしても昨日はとても良かったわ。もしこれからも貴方と共にいれるなら……またやって欲しいわね」
「私はこの時代が修復されて旦那様とまた別れたとしても、いの1番にまた旦那様の元へと馳せ参じます! その時はまた旦那様に甘えたいです♡」
『ほ、ほ本当に何やってんのアンターっ⁉︎』
「普通にマリー達と一緒に寝ただけだが? あっ、そういえばダヴィンチ……マリー達によからぬ事を吹き込んだらしいなぁ……帰ったら説教するから覚えとけよ?」
『その事なんだけど、なんかさっき急いで工房に戻っていったよ?』
「……まぁ良いか。取り敢えず後で説教なのは確定したからな」
(((ダヴィンチ(ちゃん)……ご愁傷様)))
それを聞いた皆は、心の中でダヴィンチさんに黙祷を捧げたといいます……
「さて、それじゃあここからは最終決戦だからな、忘れ物はないか?」
「うん! バッチリだよ‼︎」
「よし、ならこれからオルレアンを解放する! ……って、なんで俺が号令してんだ? これは立香の仕事だろうが」
「いやぁ〜……でもアルジの方が似合うし……」
「言っておくが、俺は立香のおまけみたいなもんだからな? 立香が主導で時代を戻していくんだ。だから立香、君がやれ」
(おまけって……おまけがファヴニール倒すか普通?)
(役立たずですまない……)
「わ、分かった! それじゃあ皆! 頑張っていくよー‼︎」
オォーッ‼︎
「で、良いんだっけ?」
「まぁ君の好きなようにやれ。後は……俺が道を作るからな」
そしてアルジ達はオルレアンへと向かった。
アルジ達がオルレアンへ着くと、オルレアンの城上空は黒が支配していた。
「あ、あれはっ⁉︎」
「くふふふっ……」
「っ⁉︎ まさかこれはあなたの仕業ですか! わたし‼︎」
「えぇそうよ! 見て驚いたでしょう⁉︎ コレ、全部私が召喚したのよ! 憎悪を込めてね‼︎」
「くっ……なんと禍々しい」
「それだけじゃないわ。出でよ! 我が憎悪の呼びかけに応えよ! ファヴニール‼︎」
「なっ⁉︎ それはアルジさんが倒したはずでは⁉︎」
「えぇ、昨日確かに一片たりとも、跡形もなくね? でも、私達には聖杯があるのよ。言い換えれば無限のリソース……なら使わない手はないでしょう?」
そして再召喚されたファヴニールは、以前よりも黒々しい鱗を纏い、目も赤黒くなっていた。
「フフッ! どう⁉︎ 前よりも強いわよこのファヴニールは! そこのお前が昨日の様な鎧を纏っても勝てるかしら⁉︎」
「えっ? 鎧って?」
「あぁ〜……まぁ俺がキレた結果反動でそのまま戦ったわけだが」
「えぇっ⁉︎ 鎧を纏って戦ったのかい⁉︎ 本当になんでその時僕を呼ばなかったんだい⁉︎」
「ちょっとそこ‼︎ 緊張感なさ過ぎにも程がありすぎでしょ⁉︎」
「緊張感ないといってもな……俺からすればただ昨日より少し強くなったトカゲとしか思えないしな」
「〜〜〜っ⁉︎ あ、アンタねぇ〜……本当にアンタから八つ裂きにしてあげるわよ‼︎」
邪ンヌはさらにワイバーンを召喚した。さらにシャドウサーヴァントも……
「あ、アルジ! 相手を挑発してどうするつもりだ!」
エミヤが切羽詰まった様子でアルジに投げかける。
「はぁ〜……挑発ではなく本音で言ったつもりだったが……まぁその責任として俺が道を作ってやるよ」
「いえ、ここは私に任せて下さい!」
そこで前に出たアルトリアリリィ。凄まじい程の魔力を放出し、宝具を展開した。
「私の宝具で、全てという訳にはいかないかもしれませんが、粗方倒し尽くして見せます!」
「剪定の剣よ、力を! 邪悪を断て! 『
アルトリアリリィの剣から一筋の光がワイバーンの群れ目掛けて飛び、何体かに着弾した後、弾ける様に周りのワイバーンも巻き込んでいった。宝具が終了した後、まばらではあるが約4割のワイバーンを殲滅していた。
「す、すっごーい! 流石アルトリアだね‼︎」
「いえ、本当なら半分くらい減らしたかったのですが」
「それでも十分だ。これで敵の攻勢は少し削がれただろう」
「はぁ〜? アンタ達もう勝ち誇っているのかしら? これ見てもまだそんな顔できるぅ?」
「なっ……そんな⁉︎」
アルトリアリリィが削ったはずのワイバーンが、邪ンヌの聖杯による召喚で元に戻ってしまった。
「アッハッハッハッ! その、希望が絶望に塗り潰される顔! いい気味だわ‼︎」
「こ、こうなればもう1回!」
「待て」
「あ、アルジさん?」
「あんな中身の入っていない雑魚どもは俺に任せろ。君達は、君達のなすべき事をするんだ」
「はっ? 中身が入っていないですって?」
「本当の事を言っているだけだが? なら問うが……アンタのどこが変わったんだ?」
「はっ? 見て分からないかしら? この憎悪の質を?」
「そんなの誰だって分かるさ。だが俺が言っているのはそんな事じゃない……アンタの中身の何が変わったって話だ」
「っ⁉︎ 私の中身ですって……?」
「どうせまたジルって奴に入れこまされたんだろうが? 奴自身の憎悪を……それじゃあお前自身が何も変わって無いだろうが‼︎」
「か、勝手なことばかり……ワイバーン達よ! あの銀髪の憎たらしい男から八つ裂きにしてしまいなさい‼︎」
邪ンヌの号令を元に、憎しみの色に染まったワイバーンはアルジに殺到していく。
「ど、どどどどうしよう⁉︎」
「お、落ち着いて下さい先輩! こうなれば確実にやっていくしか……」
「君達は前だけ見て走れ」
「アルジさん⁉︎」
「道は……俺が作る!」
「部分展開……」
「グシオンリベイクアーム! グシオンリベイクフルシティアーム! 展開‼︎」
アルジそう叫ぶと、左右にアルジの腕とは異なる機械の腕が8本それぞれ展開される。そしてそれぞれの腕にはライフルが1丁ずつ持たれてあり、アルジの両手にも対物ライフルが展開されていた。
「一斉掃射……乱れ撃つぜ‼︎」
一斉に放たれた銃弾の数は10発……無限のリソースを誇る聖杯を持つ邪ンヌにとっては、今のアルジの行動はただの悪あがきにしか見えなかった。
それも最初のうちだけだった……
「なっ⁉︎ ど、どうしてだった10発程度の弾丸でワイバーンがあんなに減るの⁉︎」
「そんなの、俺の放っている弾丸が普通の弾丸な訳ねぇだろ? 俺の魔力で編んだ弾丸だ。高々人の憎しみを貰って込めただけのワイバーン1体で止まるわけねぇよ。それに……跳弾してるからな」
「っ⁉︎」
確かによく目を凝らせば、アルジの放った弾丸は跳弾していた。ワイバーンを貫いた時の微妙な角度と、数体貫いただけでは遅くならない弾速がそうさせていた。
「よそ見してる暇なんてあるのか?」
「くっ……調子に乗ってぇ‼︎」
「ほら、今のうちだ」
「ありがとうアルジ! それじゃあ皆行くよ‼︎」
「えぇ、アルジさんがワイバーンの群れを抑えている間に、まずは私達とジークフリートさんでファヴニールを倒しましょう!」
そして立香達は進み出した。
「フンッ! ガラ空きであるぞ‼︎」
その隙を狙ってか、ヴラドが1番厄介な相手とみたアルジに攻撃を仕掛ける。
ガキンッ!
「ヌゥッ⁉︎」
「別に手を出さなくても良かったんだぞマルタ」
「そう? まぁでも私のマスターだし、それに……大切な人は守りたいもの!」
「……そうか。分かった。じゃあそいつの事頼むぞ」
「っ! えぇ‼︎ 待っていてちょうだいマスター‼︎」
「我も舐められたものだ! そんな簡単にやらせはっ⁉︎ ガハッ⁉︎」
「私はマスターであるアルジに頼まれたのよ。あなたを倒しなさいって。それに……」
(昨日……あれだけ愛されたんですもの! 力が漲るわ‼︎)
昨日アルジによって魔力供給を受けたマルタは、邪ンヌの元にいた頃とは比べ物にならない程の力を発揮してヴラドを圧倒していた。
「あらあら! マルタったらアルジの目の前だからといって張り切っているわね‼︎ それじゃあアルジ、私もなすべき事をしてくるわね‼︎」
「あぁ、くれぐれも昨日みたいなことはやめてくれよ?」
「えぇ。もう貴方を悲しませないって決めたもの!」
「それに僕も因縁があるから一緒に行くよ。だからマリーの事は任せてくれ」
「あぁ……無理はするなよ」
「えぇ。貴方も、ね?」
「ハハッ、じゃあ行ってくるよ」
マリー達もとある相手との決着を着けるべくアルジと別れる。
「グアッ⁉︎ な、何故狂化されており尚且つバーサーカーである我が劣勢に陥っている⁉︎」
「そんなの決まっているじゃない。信頼し合っているマスターと共にあるかどうかの差よ! それじゃあそろそろ決めるわ! せ〜の! ハレルヤッ‼︎」
「ガァァァッ……」
ヴラドはマルタの鉄拳制裁の一撃を受け英霊の座に還っていった。
「ふふっ、一件落着ね。じゃあアルジ、後でご褒美……くれるかしら?」
「ご褒美って……仮にも聖職者が使っていい言葉か?」
「確かに生前は聖職者ではあったけど、今はアルジに付き従うサーヴァントよ? だから関係ないわね。ふふっ」
「……まぁ、考えとく」
「約束よ? じゃあ私も前線に加勢してくるわね」
マルタも前線へと向かって行った。
「旦那様、私もそろそろ戦いへと赴いて参りますわね。あの汚れきったオオトカゲと戦っている立香さん達に加勢して参ります」
「分かった。怪我……するなよ?」
「っ⁉︎ はい‼︎」
清姫も前線へ。
「さて……後はジャンヌがたどり着いたら俺も前線に行くか」
前線組は徐々に邪ンヌとファヴニールの元に辿り着きつつある。といってもジャンヌは既に邪ンヌの元に辿り着いているだろう。何故なら先ほどまでいた場所に邪ンヌはいない。それにワイバーンの数も少し前から減少しているだけで増えている傾向がなかった。
「まぁ増えたら増えたでまた殲滅すればいいか」
アルジはグシオンリベイクのアーマーを解除し、左手の対物ライフルだけ残した。
「さて……」
「俺も前に出て暴れるか」
その言葉を残してアルジは、最初からそこにいなかったかのように消えた。しかしながら前線の途中、アルジが持つ対物ライフルの咆哮は戦場のどこにいても聞こえていた。聞こえた途中、空を覆うワイバーンは着実に数を減らされており、最初の攻勢に満ちていた空気は最早無いに等しいものである。
「Arrrrrthurrrrrr‼︎」
「うるせぇ黙れ」
「Guarrrrrrr⁉︎」
なんかさっきからアーサーアーサーと叫んでいたアホをナイフで切り刻んで、至近距離から対物ライフル数回ぶっ放して英霊の座に還してやった。多分あれが狂化したバーサーカーのランスロットだろう。セイバーの時とは全然違うな。まぁ当然か……
(にしても大概だな。まるでとあるア○ガールに出てくる、年中『遊ぼうぜ‼︎』か、『バナナうめぇ‼︎』としかほぼ言わないアホな女子高生だ)
アルジさんはランスロット(狂)を叩きのめした後、ワラワラと向かってくるゾンビ兵を薙ぎ倒しながらそう思っていました……
(それで立香達は……アサシンのエリザを倒したのか。それでもって清姫も合流してファヴニールと戦闘中。マリーとアマデウスは……デオンとサンソン倒してるか。全くもって凄いな)
アルジはそう思っているかもしれないが、他の人からすれば、魔術師であり仮のマスターという立場でありながら英霊として昇華された存在複数と対等にやり合い、あまつさえサーヴァントを撃破、さらに邪竜であるファヴニールを単身で撃破している方が凄いと思われている事に気付いていない(気にも留めない)のは本人だけである。
「そろそろ俺も邪ンヌのところに着くか」
「許さない! 許さない‼︎ お前も子供達を蔑ろにする存在か⁉︎」
「はっ? いきなり出てきて何いってる?」
「五月蝿い! 見ればわかるぞ‼︎ お前も救いを求める子供達を踏み躙る存在だ‼︎」
「なんで初見でそんなこと言われなきゃいかねぇんだよ⁉︎ ふざけるのも大概にしろ! 話がしたいならまず相手の言い分も聞け! それもないのに決め付けるな‼︎」
「黙れ‼︎」
……カチンッ
「おいテメェ……」
「っ⁉︎」
「俺があんたに対して何か悪いことしたのならまぁ謝って償うとかしたが……」
「何もしてない相手に決め付けで、しかも相手の言い分も聞かなず自分の意見だけを押し通そうとするのなら……」
「こっちも鉄拳制裁だ。叩きのめしてやる……」
「っ⁉︎」ゾクゥッ
戦いの詳細は省きますが、狂化されたアーチャー(アタランテさん)がアルジさんにコテンパンにやられ、その後英霊の座に帰るまでありがたい……それはもうありがたい程の説教を喰らったといいます……
そしてそれは、アタランテさんが帰り着いた後、座にトラウマとして刻まれ、尚且つそこにいた英霊達にも広まり、アルジさんの知らぬ間に恐怖の対象として認知されてしまったといいます……
「はぁ……結構時間がかかったな」
といってもアタランテと戦ってアタランテが座に帰り着くまで10分程経っていた。
「邪ンヌのところに行くか」
side 邪ンヌ
(どうして……)
ガキンッ
(なんで……)
ガンッ
(私の方が強い筈なのに! ジルにあれから励まされて、憎悪も昨日以上に湧き上がっている筈なのに‼︎)
「ハァァァァッ!」
(どうして
「クゥッ⁉︎ なんなのよ⁉︎ なんで英霊になって日が浅いアンタなんかに押し負けて⁉︎」
「そんなの決まっています!」
「何ですって⁉︎」
「それは……私の中にある、この国を真に救いたいという意志です! 確かにあなたはこの国を壊したいという意志があるのでしょう!」
「ですが‼︎」ガキンッ
「ぐっ⁉︎」
「私はそれ以上に!」
「彼の国を護り、救いたい‼︎」ガンッガンッ
「グゥッ⁉︎ そんなものの所為で、そんな国の忠義の所為で私は死んだ! それなのに……」
「何故お前はこの国に恨みを抱かない! 憎悪が湧かない‼︎ 」
「私には、子供の頃の記憶があります!」
「っ⁉︎」
「この豊かな国で、友人達と遊び、学び、愛のある両親の元で生を育んだ記憶があります‼︎」
「そしてこの国を護ろうと、救わんと一緒に戦った同志達がいます! その記憶が、貴方にありますか‼︎」
「っ⁉︎ な、何を……」
「あなたには、幼少の頃を過ごした記憶が、友と一緒に戦った記憶がありますか? それをもってあなたはこの国全てを……友を、親全てを恨みや憎悪で塗り潰せると?」
「っ⁉︎」
「今一度問います! あなたには……死ぬ直前以外の、この国で過ごした記憶がありますか⁉︎」
「ウッ⁉︎ グゥッ⁉︎ あ、頭が……われる……い、イタイ……」
邪ンヌは頭を抱えて苦しみだす。
「はぁ……やっぱりそうじゃねぇか」
「っ! アルジさん⁉︎」
side out
「あ、アンタ……さっきまであんなに遠くにいたのに……もうこんなところに」
「アンタ……自分が死んだ記憶、いやそれすらも入れ込まれたか」
「な、何を言って!」
「なら何故即答できない」
「っ⁉︎」
「あの時も言ったな? アンタ自身を大切に想ってくれる存在はいなかったかと。それを……今答えれるか?」
「そ、それは……」
「あの時は結構考えてジルと答えていたが……それはアンタの思い違いだ」
「な、何ですって⁉︎」
「何故なら……」
「アンタには本来……この国で育った記憶など持ち合わせていないからだ」
「……はっ? アンタ何を言ってるの? そんなわけないじゃない。私にはちゃんとこの国に殺された恨みが……」
「だが言い換えればその記憶しか持ってない……まるで都合のいいようにな」
「っ⁉︎」
「でしたらあの私は……」
「あぁ……本来生まれるはずが無かった、ジャンヌの別側面の存在だ」
「わ、私が生まれるはずが無いですって……」
「そ、そんなこと……嘘よ……」
「嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ‼︎ デタラメを言うなぁぁぁぁっ‼︎」
邪ンヌは持っている旗でアルジを突き刺そうと突進した。
「……悪いが、デタラメじゃ無い」
「っ⁉︎」
だがアルジはそんな旗を少し横に避け、旗の中間部分を持って止めた。
「こんな所で俺は……デタラメを言える程いい神経を持っちゃいない。勿論冗談を言えるほどのものもな」
「っ⁉︎」
「だからこそもう1回言う。アンタはこんな形で生まれる筈では無い。邪ンヌ……アンタは本来、この国に縛られていない、純真無垢に生まれる筈の存在であると」
「っ⁉︎ な、何を言って⁉︎」
「俺としては思ったことだけを言っている」
「じょ、冗談も大概になさい! アンタが私の何を知って……」
「確かにアンタからすれば俺は……アンタの事を1ミリも理解していないかもしれない。今の状態が敵同士であるから当たり前かもな……」
「だが……」
「それでも俺は言うぞ邪ンヌ」
「アンタは……俺とは違ってこんなドス黒くて汚らしい憎悪なんて……持って生まれる存在じゃ無かったって。もっと……純粋な子に生まれるべきだったって」
「っ⁉︎///」
邪ンヌはアルジのその一言と、その一言を言われた顔を見て、今まで感じた事のない感情が自身の内に生まれていた。何故なら自分に言われた一言が、他の誰でもない自分の為だけを想って言われた事。そしてその時のアルジの顔がいつもの様な厳つい形相ではなく、年頃の男子特有の笑みであったから……
「おやおやぁ〜……何やら私の可愛いジャンヌに汚らしい虫が付いている様子で」
「っ⁉︎ じ、ジル?」
「じ、ジル? しかしながら私の生前とは感じが違いますね……」
「……貴様か? 邪ンヌに憎悪を埋め込んだ張本人は?」
「いかにも。そうそう紹介が遅れました。私、ジル・ド・レェと申します。竜の魔女ジャンヌに忠誠を誓うただ1人の配下なれば」
「……下衆が」
「……はい? 誰が何ですって?」
「テメェの事だよ! テメェ……よくも邪ンヌに自分の恨みや憎悪を埋め込みやがったな‼︎」
(えっ? な、何でコイツが私の事で怒っているの?)
邪ンヌは分からなかった。敵同士である筈の彼が、何故自分の事で怒っているのかを。
「……おかしいものですねぇ? 何故関係ないあなたが、私のジャンヌの事でお怒りなのか?」
「あぁ。確かに俺は邪ンヌとは敵同士という関係以外ではなんも関係ねぇよ。けどな!」
「本来純粋で生まれる筈の……その魂をテメェは、自分の身勝手で……エゴで邪ンヌをこんな風にして、あまつさえ邪ンヌに人殺しをさせた!」
「本来邪ンヌは、しなくてもいい事をテメェのせいでした! 生まれた瞬間に持つべき他人からの愛情を……親からの愛情をテメェは! 自分の
「おやおや、何を語るかと思えば……確かに自分から求めてジャンヌを創り出したのは私です」
「……えっ?」
「しかしながらそれは私がここにある聖杯に願った事。私がした事はただそれだけですよ?」
ジルは懐から光り輝く聖杯を取り出した。
「という事は……それは神も認めてくれたという証ではありませんか? 自分が誤って、民衆によって火刑で処された聖女ジャンヌが今一度蘇りこのフランスに、世界に復讐してもいいと!」
「……テメェはどこまでも自分本位な考えで物事言ってやがるな?」
「それならばあなた様が言っていた妄言も自分本位ではありませんか? 彼女が純粋無垢で生まれる筈だったと……それと私が言った事の何が違うのですか?」
「……あぁ、確かに俺がさっき述べた事もテメェや他の人からすれば妄言や自分本位だろうさ」
「アルジさん……」
「だがこれだけは言える……」
「テメェのそれは自分のためだけのもの。そして俺のは……自分で言うのもなんだがな」
「俺は邪ンヌを……彼女のこれからの事を考える。彼女が今までしてきた事を……もし償いたいと言うのなら、関係ないかもしれないが俺が……
一緒に彼女の恨みと憎悪を背負ってやる」
「っ⁉︎///」
邪ンヌの頬が、アルジのその一言で赤くなる。
「〜〜〜〜〜っ‼︎ 私のジャンヌに……私のジャンヌに対してその様な! ジャンヌの隣にいるべき私を差し置いてその様な事を言いへつらうなどぉぉぉぉぉぉっっっっっ!!!!!! この匹夫めがぁぁぁっっっ!!!!!!」
「まぁお前からすればそうだろうな……だが」
「これが俺の覚悟だ。そして……」
「彼女に自分本位を埋め込んだ、貴様に対する憎悪だ……」
アルジの身体中から魔力が迸る。いよいよをもっての最終局面が動きだす。
今回の解説
・グシオンリベイクアーム
・グシオンリベイクフルシティアーム
アルジが今回用いたグシオンリベイクシリーズの腕。グシオンリベイクで4本、グシオンリベイクフルシティで4本の計8本の腕。『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場するガンダムグシオンリベイクとガンダムグシオンリベイクフルシティから。
グシオンリベイクは鉄血のオルフェンズの1期で登場。昭弘・アルトランドが搭乗。グシオンリベイクフルシティはオルフェンズの2期にて昭弘・アルトランドが搭乗する。詳しくはWikipedia参照。本作にもだす機会があれば詳しく書く予定。
・乱れ撃つぜ
『劇場版 機動戦士ガンダムOO -A wakening of the Trailblazer-』より、ロックオン・ストラトスが作中で用いた台詞から。
・まるでとあるア○ガールに出てくる、年中『遊ぼうぜ‼︎』か、『バナナうめぇ‼︎』としかほぼ言わないアホな女子高生だ
『アホガール』より、分かる人には分かる。
という事で簡単な解説でした。次回はいつ投稿になるか分かりませんが、また近いうちに投稿出来たらいいなと思っております。それではこの辺で……
今作品ではヒロイン多数で出しておりますが、プロローグ時点で既に2人ヒロイン出しています! そこで質問ですが、読者の皆様でしたらヒロインの中でどなたを正妻にしますか⁉︎
-
ルヴィアさん
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オフェリアさん
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まだ見ぬ他のサーヴァント