月鋼 ー復讐者の人理救済ー   作:橆諳髃

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17話までに新しく評価を付けてくださった読者の方々

☆10 チョコヴェノム 様
☆9 読み専絶対に書かない人 様

ご評価頂きましてありがとうございます! また、明けましておめでとうございます‼︎ 本年もよろしくお願い致します‼︎

「ところで作者……なんだこのサブタイトルは?」

あぁこれですか? まぁ私の独断専行で第二章で出てくる女性サーヴァントの中で1番好きだったからのと、これからのストーリーの進行上私自身が1番自然に書けると思ったから書いたまでですが?

「だからといってこれは露骨過ぎるだろ⁉︎ もうちょっといいタイトルなかったのか⁉︎」

そうですねぇ……気分でまた変えるかもしれませんが?

「……今は変える気ねぇってこったな」

そう捉えていただいて結構です。

「はぁ〜……俺の性格上こんなのぜってぇダセェよ……」

まぁ書いたものは仕方ないですから。それに新年早々第1回目の投稿なのでそこは寛容に行きましょうよ!

「……いつもそんな感じに思ってるのは俺だけか?」

という事で、物語の開幕です!


17話 復讐者、母性に慰められる

 

 

 

 

 

 

 

 

side 邪ンヌ

 

 

 

 

 

「ここが1世紀のローマ、ですね」

 

 マシュが確認する様に呟いた。

 

「オルレアンと同じヨーロッパだけど、こんなにも違うんだね?」

 

 風土にもよるだろうが、1世紀のローマ近郊と中世ヨーロッパはそもそも10世紀以上、つまり1000年以上時代が異なるのも要因の1つだろう。

 

「ん? ねぇ、アルジはどこよ?」

 

「確かに……ねぇ立香。“私の”マスターはどこかしら?」

 

「……ちょっと、さりげなく私の部分を強調しなかったかしら?」

 

「そうかしら? でも事実ではあるし……」

 

「だからといって、私の目の前で強調する事はなかったと思うんだけど?」

 

「あら嫉妬ぉ〜? うふふ、それだったらあなたも遠慮せずに言えば良いのに」

 

「っ⁉︎/// ま、まぁ良いわ。それよりも、“私の”アルジはどこかしら?」

 

(ねぇ……あれって……)

 

(はい、完全に邪ンヌさんがマルタさんに対抗してますね)

 

「ちょっと? さっきの聞こえてた?」

 

「あっ、うん。聞こえてたよ?」

 

「それで、アルジはどこ行ったの? まさか1人で進んでるんじゃないでしょうね?」

 

「う〜ん……そんな事は無いと思うけど……」

 

「たしかオルレアンの時も私達とは離れた所にレイシフトしてましたね」

 

「はぁ〜? なんでアイツだけそうなってるのよ?」

 

「それは私達にも分かりませんが……」

 

「う〜ん……1つ思い当たるとすれば、オルレアンにレイシフトする時にアルジが私達に説教したんだよねぇ〜。特に私が召喚したサーヴァントに、そんな心意気で人理修復に着いていくのは迷惑だから、さっさと英霊の座に帰れって」

 

「げっ……あ、アイツの説教って……」

 

「あぁ〜、確か私がオルレアンで初めて会った時も、私のためにオルレアンの兵士達に向けて怒っていましたね」

 

「ほぅ、そんな事があったのであるか。狂化されていた時の記憶は確かにある。戦闘面では我らに引けを取らぬ程の技量を持ちながら、人間性においてもしっかりとしているとはな」

 

「お、叔父様! 感心するのは良いけどアイツの説教本当に怖いんだから‼︎」

 

「でもそれって基本的にエリザが悪かった様な気がするけど……」

 

「こ、子ブタは黙ってなさい‼︎」

 

「……まぁともかくそんな事があったから、アルジだけレイシフトに不調をきたしてるって訳ね」

 

「魔力パスは感じ取れるのだけど、今の時点でアルジの場所が分からないわ」

 

「それで、そっちの方はちゃんとアルジの位置を追えてるんでしょうね?」

 

 邪ンヌはカルデアで指揮をとっているロマンに聞く。聞くが……

 

『あぁ……それがね……落ち着いて聞いて欲しいんだけど……』

 

「何よ? 勿体ぶらずに言いなさい」

 

『アルジは確かにレイシフトに成功していて、1世紀のローマに到着している事まではわかっているんだけど……今君達が過ごしている時間軸にとんだ訳じゃ無いようなんだよね……』

 

「……つまり?」

 

『その……多分アルジが到達している時間軸は立香達の大分後にとんでいると思う』

 

「「「えっ……」」」

 

「なっ……」

 

「何ですってぇーっ⁉︎ ちょっと! ふざけんのも大概にしなさいよ‼︎ 憎悪で焼き殺すわよ‼︎」

 

『ご、ご、ご、ごめんなさい‼︎ でも僕達もどういう原理か分からないんだ‼︎』

 

「……はぁ〜。まぁ起きた事は仕方ないわね」

 

「あら? もっと怒ると思ったのに」

 

「それは怒りたいわよ。でも、そうしても事態が変わるわけでは無いんだから怒っても仕方ないわ。寂しいけど……

 

「ま、まぁ取り敢えず進んでたらアルジにも会える事に変わりないんだし、とにかく行こうよ!」

 

「そうね」

 

 そして立香達はアルジのサーヴァントである邪ンヌ達を伴って前に進んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 はたまたレイシフトに嫌われて、立香達とは離れ離れになったアルジは歩いている途中、2つの軍が衝突しているところに遭遇する。

 

「あれは……現ローマ軍と新生ローマ軍だったか?」

 

 生前の記憶を頼りに目の前の事態を把握していくアルジ。

 

「んで? 現ローマを率いているのは……ブーディカ姉さんか。じゃあ相手はカエサルだな」

 

 そしてちゃっかりブーディカの事をブーディカ姉さんと呼ぶアルジ……どうやら生前ブーディカのキャラは好きな部類に入っていた様だ。

 

「なんか勝手に色々と言われてる気がするが……とにかくブーディカの方につくか」

 

 そう決断すると、アルジはブーディカの方につくことを決めて戦闘に介入した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 丁度軍同士が衝突している中心に躍り出たアルジは、新生ローマ軍をいつものナイフで峰打ち程度に攻撃し次々と戦力を減らしていった。

 

 その光景を見た新生ローマ軍はアルジを完全な敵と判断して集中攻撃を加えようとする。だが……

 

「何もかも遅い」

 

 持っていた剣と盾はなんの変哲もないナイフで壊され、放った矢も粉微塵に変わった。それだけで新生ローマ軍は士気を落とされ瓦解、我先にと後退して行った。

 

(目の前の兵どもは士気が落ちて逃げるか。なら早い段階であのカエサルを討ち取ったとしても誰も文句は言わないだろうな)

 

 思ったら即行動のアルジは、逃げ惑う新生ローマ軍の兵士達を追い抜き、指揮を取っているであろうカエサルの元へと向かった。

 

 逆に突然介入してきたアルジの戦闘を見ていた現ローマ兵達は、ネロ皇帝が秘密裏に呼んだ援軍だと勘違いして士気を高め、アルジのせいで士気がただ下がりしていた新生ローマ軍達を追い立てる様にアルジの元に続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんと……我が指揮していた兵どもがこうもアッサリと瓦解するとはな。お陰で私も戦わないといけない羽目になりそうだ」

 

「ならとっとと逃げでも隠れでもして道を開ければ良いじゃねぇか?」

 

「そうだな。だが話はそう簡単にはいかぬのだ。私も新生ローマ軍に参加する1人の将として、部下達の手前格好悪い姿は見せれないのでな」

 

 アルジのその発言に返すのは、新生ローマ軍の将の1人、カエサルだった。面倒そうな顔をしながらも剣を抜き、アルジに突き付ける。

 

「そうか……なら俺もそれ相応に応えなきゃダセェよな?」

 

 そしてアルジが手に取ったのはいつものナイフ……ではなく、いつか出したメイスだった。

 

「……この私がふくよかだからといってのチョイスか? もしそうだとしたらなめられたものだ。確かに今の私はふくよかだが、仮にもサーヴァントとして現界した身だ。そこらの兵には遅れを取らないほど俊敏に動けると自負しているが」

 

「誰がお前の事をなめていると言った? 言っておくが俺は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この世界を元通りにするために本気でお前を叩き潰すが?

 

(っ⁉︎ こ、この圧は……あの方と対面した以上の濃厚な圧を感じる⁉︎)

 

 目の前の対象を獲物と判断したアルジの圧は、カエサルに無意識のうちに冷や汗をかかせていた。

 

 そんな圧に対面した直前……カエサルは何が起こったか知覚できず意識を暗闇に落とした。そして次に意識が覚醒すると、いつのまにかサーヴァントの座に還りついていた事に本人自身分からなかったのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カエサルの顎めがけてメイスのアッパーカットをぶちかまし、一撃で座に戻したアルジは現在、現ローマ軍と共に野営地へと向かっていた。カエサルが座に戻って10数分が経過してやっと辿り着いた現ローマ軍が見たものは、先程までカエサルが座っていたであろう椅子にアルジが腰掛けていたところだった。

 

「やっと来たか」

 

 その一言を発したアルジは椅子から立ち上がる。そこに隊長格であろう者がアルジに近付いてくる。

 

「この度の戦にご助力頂き感謝します! ところであなた様は一体何者であらせられるのか? ネロ皇帝陛下が遣わした援軍の方とお見えしますが……」

 

「あぁ……まぁネロとやらには会えていないが、アンタらの味方である事に変わりはない。それでアンタらはネロ皇帝に仕える兵士達か?」

 

「いかにも。現在はブーディカ殿を指揮官としてこの地で野営をし、新生ローマと名乗る者達と戦っております」

 

「そうか。ならば俺をブーディカと呼ばれる者の元へと案内してほしい」

 

「お安い御用です。では共に参りましょう」

 

 話は淡々と進んで現在アルジはブーディカの元へと向かっていた。まぁアルジ自身としては、場所さえ分かれば数秒で着くのだが、こんななりでいきなりブーディカのところに行っても敵と判断されかねないと考えたアルジは、面倒ではあるもののローマ軍の歩に合わせて一緒に向かっていた。

 

 やがて野営地へと辿り着き、アルジは隊長格と一緒にブーディカがいるところへと向かう。テントの中に入ると、上は白い服で下は赤いスカート、髪は後ろで少し結った赤髪の女性が出迎えてくれた。

 

「ブーディカ殿、先の新生ローマ軍との戦闘を報告しに参りました!」

 

「ご苦労様。それじゃあ今回の事を聞かせてくれるかな?」

 

 隊長格は今回の事を簡単に説明した後、アルジの事を紹介。今回の戦闘に助力した事と、その後すぐに新生ローマ軍を仕切っていた将を討ち取った事を報告した。

 

「へぇ〜……分かったわ。下がって今回の疲れを取りなさい」

 

「ハッ!」

 

 そして隊長格に下がって良い事を命じた。

 

「それで、君がカエサルを倒してくれたアルジくん……だったかな?」

 

「あぁ、それで合ってる」

 

「う〜ん……少し元気が足りないかな? まぁいっか。それで君は……見るからにサーヴァントじゃなくて普通の人に見えるけど、どうしてここに来たのかな?」

 

「決まってる。この世界をあらぬ方向に行かせないためだ」

 

「へぇ〜……話を聞かせてくれるかな?」

 

 そう問われたアルジは、目的を簡単に説明した。

 

「なるほどね……本来生きていた君達の未来が、過去からの改変を受けて滅亡の未来に変わってしまった……と。それを元に戻すために、君は君の仲間達と一緒にこの時代に来たという事で合ってるかな?」

 

「あぁ」

 

「ふんふん、だいたい話は分かったよ。でも不思議だね? 話を聞く限りだと、君は普通にサーヴァントを倒せるみたいだけど、それだったら何で君はここにいるのかな? それくらいの力があれば今の新生ローマ軍を動かしているサーヴァントも倒せる可能性はあると思うんだけど」

 

「……それじゃあ意味がねぇんだ」

 

「意味がない?」

 

「俺は、本当はこの世界軸の人間じゃあない」

 

「だからこそ、本来俺がここにいる事は場違いだ。この時代の人理修復も、俺と一緒に来たマスターと呼ばれる子がいれば事足りる」

 

「なら……何で君はここにいるの?」

 

「復讐のため」

 

「っ⁉︎」

 

「俺はアンタの事も知ってる。本来の世界史であれば、現皇帝のネロに討たれた。その前にアンタの家族がローマに屈辱を味あわされた事も知ってる」

 

「……そこまで知ってるんだね」

 

「おおよその事は歴史で……だから本来、どちらであれ憎い敵の筈だ。それを今ここにいるアンタはネロに味方してる。大体予想はつくが……聞いてもいいか?」

 

「最初私が君の事を尋ねていたのに、いつの間にか逆になっちゃったね? でもまっ、答えたところで君も自分の中に持っている答えは変わらないだろうから」

 

「私がネロに味方しているのはね、あの子の事がなんだか心配で見ていられなかったから……かな?」

 

「……まだ俺はそのネロとやらには会っていないが、アンタがそう感じて今のローマに味方してるんなら俺は何も言わねぇさ。まぁ何かを言う気もないが」

 

「アハハ、それで私からも聞いていいかな? 君の復讐に少しだけ興味があるんだけど」

 

「まぁ俺だけアンタの事を知っているのはフェアじゃねぇからな。簡単にはなるが」

 

「うん、それでも構わないよ」

 

 そしてアルジはブーディカに自らの復讐について語る。

 

「そっか……君も私と似た様な境遇を体験してしまったのね」

 

「そう……なるか」

 

「うん。でも、よく頑張ったね」

 

「えっ? っ⁉︎」

 

 その瞬間、アルジの視界は真っ暗になった。顔は何か柔らかくて温かい感触が支配し、後頭部は撫でられている感覚がした。

 

「お、俺は今何されてるんだ?」

 

「ん? 私が君の事を抱き締めて、頭を撫でているところだよ?」

 

「っ⁉︎/// んなっ、なんでそんな事……」

 

「そんなの、君が辛そうにしていたからだよ」

 

「辛そうなのに君は頑張って、頑張って、前を向いて歩いてる。そんな君の事を、私は抱き締めたい。抱き締めて、少しでも君の辛さが軽くなる様にって。そう思ったからだよ」

 

「だ、だが俺がもし一芝居うってアンタの事を襲おうと考えていたr「そんな事無いよ」……なんでそう言える」

 

「だって君は、君が思っている以上に優しい子だもの。さっきの話を聞いただけでも私は君の事をそう思ったよ」

 

 そう言いながらブーディカは、更にアルジを強く抱き締めた。そうされたアルジは……ブーディカには見えていないものの心の内が顔に出てきた様だ。

 

「泣きたいなら泣いてもいいよ。君が泣いた事は勿論他言無用にするし、お姉さんが君の事をしっかりと受け止めてあげるから」

 

「っ‼︎ ……うぅっ……」

 

「よ〜しよ〜し、よく頑張りました」

 

 アルジはブーディカに初めて会ったにも関わらず、本人に抱き締められながら静かに泣いた。

 

 アルジはあの日以降……他人の目の前で泣く事はしなくなった。初めて会った人の目の前で泣くなどもってのほかだった。

 

 だがそれも、ブーディカが元々持つ母性に触発されてかアルジは……静かにではあったものの泣いた。

 

 

 

 

 

 

 




ちまちま書き連ねていったのが漸くキリのいいところまで来たので、今回はここまでとします!

「っとまて作者ぁっ! なんだ最後の終わり方⁉︎」

えっ? 私が物語進める上でこうした方がいいと思ったからこそあの終わり方なのですが?

「ふ、ふざけてやがるよ! 第一ガンダムに出てくる俺の場合あんな事にはなんねぇよ‼︎」

それはそれ、これはこれという事で。では読者の皆様、またの機会をお楽しみにして頂けると幸いです!

「……もぅこいつに何言っても通用しねぇのか」

アルジさんは肩を落としてトボトボ帰って行ったといいます……

第2章であるローマの物語が開幕されるにあたり、セプテムから登場するサーヴァント限定で読者の皆様が思うアルジとのカップリングで1番のサーヴァントは?

  • ネロ皇帝一択!
  • 母性の塊であるブーディカ姉さん!
  • いや、ステンノ様とだろぉ〜。
  • 復讐と破壊の衝突、ここはアルテラだな!
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