月鋼 ー復讐者の人理救済ー   作:橆諳髃

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18話までに新しく評価をして下さった読者の方々

☆9 Lumiere404 様
☆2 oozora7793 様

ご評価頂きましてありがとうございます!

今回はfgoの鬼一方眼イベントにかかりきりでしたのと、聖杯戦線など他様々な要素で遅れてしまい、尚且つ少なめになってしまいました。読み応えも少々満足できないかもしれませんが、何卒宜しくお願い致します。

それではご覧下さい!


18話 復讐者、かの英傑と試合する

 

 

 

 

 

 

 

 

side ???

 

 

 

 

「まさかカエサルが簡単にやられちゃうとはね」

 

「確かにあの男は丸々としていて戦闘向きではないが、だが仮にもサーヴァントだ。この世界の兵士たちが束になって来ようとも簡単にはやられない筈だ」

 

「だけど逃げ帰った兵士達が言うには1人の人間にやられちゃった様だけどね」

 

「その報告は私も聞いている。その逃げ帰った兵士達も、その1人の人間になす術もなくやられた様だ」

 

「いやぁ〜、にしても本当に何者なんだろうね?」

 

「私が聞く限りでは、まだ年端もいかぬ少年だったとの話だが」

 

「そうだったね。それに僕と同じくらいだって!」

 

「君はサーヴァントとして現界しているのだから、逆にそれぐらいをこなさなければ失格だな」

 

「あぁ〜! 先生ってばまた僕に意地悪を言うんだ‼︎」

 

「本当の事を言ったまでだ。おかしな事を言った覚えはない」

 

「はいはい……でも、もしその子とやる事になったら凄く楽しみだな〜!」

 

「ほどほどにな」

 

「分かってるよ! でもその時は先生も一緒に戦うんだよ?」

 

「おい……何故そこで私を巻き込む?」

 

「いいじゃん! だってそっちの方が楽しそうでしょ?」

 

「やれやれ……困った生徒もいたものだな」

 

 そんな会話がとある一室で行われていた。

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 邪ンヌ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ⁉︎ ねぇ、今のって……」

 

「……えぇ。私も感じたわ。アイツの悲しみを」

 

「えっ? どうかしたの?」

 

 邪ンヌ達は立香達と共に行動していた。レイシフト先で少し進むと現ローマとローマ連合が争い合っており、立香達は現ローマ軍側に付いていた。そこに偶々居合わせたネロ皇帝に気に入られ、現在謁見の間で次にやる事を話し合っていた。

 

 そんな時、邪ンヌ達はアルジの心情を魔力回路を通じて感じた。アルジが悲しんでいると……

 

(全く……私達の前ではそんな素顔見せない癖に)

 

 邪ンヌは、勘ではあるもののアルジが誰かに対して弱音を吐いたのだろうと感じていた。それが邪ンヌにとってはとても腹立たしくあり、それでいて切なくも感じた。

 

(……まぁアルジに会ったらしっかりと聞かないとね)

 

 ともかくとして腹立たしさなどの感情は腹の内に収め、次の行動については立香達に従う形でこの時代を進んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんか悪い……初対面なのにこんなダセェ姿見せちまって」

 

「うぅん、そんな事ないよ。君がこれまで辛い事があった事は、少ししか話していないけど分かったからね。それに君、可愛いところあるしね♪」

 

「んなっ⁉︎/// ば、ばっかじゃあねぇか⁉︎ そんな事ある訳ねぇよ‼︎」

 

「ふふっ、そうやってアタフタしている所も可愛いよね」

 

「〜〜〜っ‼︎/// か、勝手にしやがれ‼︎」

 

「はいはい♪」

 

 アルジはブーディカに弄ばれる様なかたちとなっていた。本人としては可愛いと言われ慣れていない……と言うよりも男が可愛いと言われるのはどうなんだと思っているため、ブーディカからのその言葉で恥ずかしさもあり頬を赤くして明後日の方向を向く。

 

 ブーディカはブーディカでアルジの様子が面白いのかクスクスと笑って見ていた。

 

「まぁそんな事はいいとして、今日君は頑張って疲れているだろうから、少し早いけどご飯にしようか」

 

「……そうだな。じゃあ作るか」

 

「あれ? もしかして君、料理作れるの?」

 

「あぁ。簡単な物は普通に作れるが?」

 

「へぇ〜、ならお姉さんと一緒に作ろっか?」

 

「まぁアンタが俺の事を邪魔だと思わないのなら」

 

「決まりだね! それじゃあこっちが炊事場だから案内するよ」

 

 ブーディカの案内によりアルジは炊事場に案内される。そこは、野営地であってもしっかりとした造りであり、ある程度の器具も揃っていた。

 

「う〜ん、それじゃあ何にしようかな? アルジは何がいい?」

 

「なんでも……っていう意見が1番面倒だからな。ブリタニアの料理でいいんじゃないか?」

 

「へぇ〜、私達よりも未来に生まれた君が昔の料理に興味を持ってくれてるなんて」

 

「まぁな。とりあえず作ろうぜ?」

 

 という事でアルジとブーディカは一緒に料理を作る事に。その際ブーディカかアルジの手際の良さを見て驚いていたとかいなかったとか……

 

 

 

 

 

 

 

「ただいまブーディカ〜、酒ある〜?」

 

「ゴアァァァァッ‼︎」

 

「あらおかえり、荊軻。それに呂布も」

 

 そこに現れたのは白い着物の様なものを着た女性。しかし着物と言っても動きやすい様に改造がされてある様だ。その両極端な男性は呂布といい、ご存知の通り三国時代で1番と言って良いほど認識の高い武将だ。しかしながらバーサーカーのクラスとあって狂化されすぎたのか人の言葉を話せない。

 

「にしても今日もいつにも増して凝った料理だね〜♪ ますます酒が進むってもんだよ!」

 

「ガァァァ〜♪」

 

 荊軻の言った事に同意する様な相槌をしている呂布。どちらも酒には目がない様だ。

 

「うん、まぁね。でも私が全部作ったわけじゃないんだけどさ」

 

「へぇ〜、ここの兵士の奴にも料理作れる奴いたっけねぇ?」

 

 荊軻がそんな疑問を投げかけた時だ。

 

「ブーディカ、さっきの奴焼き上がってたから持ってきた。味見をしてくれ」

 

「あぁ、うんありがと。どれどれ……っ! うん‼︎ すごく美味しいよ! アルジは凄いね〜。ご褒美に撫で撫でしてあげる‼︎」

 

「っ! と、唐突にやめろって⁉︎」

 

「……呂布? あの男うちにいたっけ?」

 

「ゴォアァ?」

 

「あぁ、そういえば2人とも初めてだったよね? 今日からうちで面倒を見ることになったアルジ・ミラージくんだよ! 仲良くしてあげてね‼︎」

 

「……なんか親族がいない子供を引き取ったかの様な紹介だな」

 

「ふ〜ん……」

 

「……」

 

 荊軻と呂布はアルジの事を警戒した目で見つめる。それに対してアルジは……ブーディカの紹介に未だに困惑気味だ。

 

(こっちが少しの殺気だして見ても表情が変わってない……いや、これは敵の作戦って手もあるね)

 

 荊軻はそんな事を考えていた。

 

「もぅ、2人ともそんなに警戒心剥き出しでどうしたの? アルジはこう見えてもとても優しい子だよ!」

 

 ブーディカは朗らかに笑いながら2人に対して言った。それでも2人はなかなか警戒を解こうとしない。

 

「まぁ安心しろって言っても、最初は難しいだろうな。もし俺が現ローマの兵士達を倒そうと考えているのなら、こうやって潜り込んだ方が手っ取り早いと思うし……そう考えられるからこそ、そこのお二方も警戒を解けないでいるんだろ?」

 

「へぇ〜、そう考えているって事はやっぱりローマ連合側から送られた刺客なのかねぇ〜?」

 

「初対面だったらそう考えられても仕方ないなって思っているだけだ」

 

「……ゴァ」

 

「ん? どうしたんだ呂布?」

 

「ガァァァ……」

 

「……なるほど。確かにそれはアンタらしいかもね」

 

「……武力をもって示せって事か」

 

「初対面なのに呂布が考えてる事が分かるの?」

 

「なんとなく……だが。まぁアンタらが俺の事を品定め、もといローマ連合からの刺客かどうか確かめたいというのなら全然構わねぇよ。それにもし俺が刺客だったらそのまま俺の事を倒しちまえば良いだけだからな」

 

「なら決まりだね。じゃあ外の広場でやろうじゃないか。私は私でお前が刺客かどうなのか……ツマミ片手に酒でも飲みながら品定めしてやろう」

 

「じゃあ私は審判って事で。まぁ私はアルジが良い子だって事は分かっているしね」

 

 そんな事もあり、早速駐屯地の広場で呂布とアルジが戦うことになった。この話は他のローマ兵達にも伝わり、広場はあっという間に兵士達で埋め尽くされた。

 

 そして広場の中心でアルジと呂布が相対する。

 

「それじゃあ2人とも……準備は良い?」

 

「あぁ」

 

「ゴァッ!」

 

「それじゃあ両者構えて……始め!」

 

 ブーディカの合図で両者がぶつかり合う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 荊軻

 

 

 

 

 

(呂布はいつも通り方天画戟持っての突進……まぁ流石バーサーカーのクラスと言ったところか。それであっちは……は?」

 

 荊軻が疑問に思ったのも不思議ではない。何故ならアルジは小さなナイフで、しかも呂布と同じくぶつかり合おうとしているのだから……

 

(これは流石に呂布の勝ちだな。まぁそもそもこっちはサーヴァントでクラスはバーサーカーだからね。それなら小細工よりも真正面からギリギリ攻撃を交わして懐に入りつつってところか)

 

 荊軻はそう考えながら目の前の勝負を見ていた。そして呂布の勝利は間違いないと。

 

 だがそれも次の瞬間には覆される。

 

ガギィンッ‼︎

 

「……は?」

 

 荊軻は一瞬何が起こったか分からず呆然とする。その最中にもアルジと呂布の戦いの手は止まらない。

 

「な、何だよあれ⁉︎」

 

「呂布将軍の方天画戟に真正面から、しかも力負けしてねぇぞ⁉︎」

 

「おいおい、あの白髪の奴俺らと同じ人なのか⁉︎」

 

(お、おいおい……私は夢でも見ているのか? それとも酒で酔った……いや、まだ一口しか含んでないぞ! それなのにこの目の前で繰り広げられてるこれは……)

 

「へぇ〜、やっぱアルジって強いんだね! 流石はカエサルを倒しただけはあるね」

 

「はっ? その話は本当か?」

 

「うん。私も本人から聞いたし、報告をしてくれた兵士長が言うには、カエサルが陣取っていた椅子にアルジが座ってたって」

 

「で、でもアイツはただの人間……だよな?」

 

「うん、本人もただの魔術師だって言ってたし、そこは嘘をついていないと思うよ?」

 

(でもだからって……あの呂布と堂々と真正面で斬り結ばれるのか? あんなちっぽけなナイフで?)

 

 荊軻がそう思案している最中も、目の前2人の戦いは止まらない。

 

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

side 呂布

 

 

 

「ゴァッ⁉︎」

 

 呂布は目の前の存在に違和感を感じていた。それと同時に自らが興奮している事も感じていた。

 

 確かに生前も体格差など関係なく自らに挑む者達がいた。あの手この手を使って自分を討ち取ろうとしてくる者達がいた。だからこそ目の前の存在が自分より体格差で劣っていようと勝負事において何も感じなかった。

 

 だが違和感を覚えているのは目の前にいる者が持つ武器。それは何の変哲もない、ただの鉄で出来た小さなナイフにしか見えなかった。そこに違和感を持つ。

 

 正直勝負はすぐに決まると思った。勿論自らの勝利だと……

 

 だがそれは見事に覆られた。なんと目の前の存在は正々堂々真正面から自分が持つ方天画戟と斬り結びを演じている。それも何合も。

 

「ガァァァッ‼︎」

 

 それが続く度益々興奮が抑えられない。それに方天画戟から伝わるこの衝撃を、まさかナイフ相手に味わう事が出来るとは思っても見なかった。

 

 しかしながらこのままでは勝負がつかない事も事実。呂布は一旦距離を空ける様に後ろに飛び、着地したと同時にその衝撃をバネに変えて高く跳び上がる。イメージで言うとジャンプ斬りだ。それも方天画戟を両手で持ち、段上の構えアルジ目掛けて繰り出そうとする。

 

 だがそれを見たアルジも呂布目掛けて跳んだ。

 

「呂布の一撃を空中で受ける気か⁉︎」

 

 荊軻がそれを見て驚きの余り声を上げる。荊軻も中国出身。呂布が生まれた時代よりも先に生まれはしたものの、英霊となっての知識で呂布の武勇も知っているし、英霊となって召喚されてからは改めてその強さを実感した。

 

 その呂布の攻撃をこの者は、あろう事か同じ空中で受け止めようとしている。常人では考えられない手段だ。それに体格差では圧倒的に呂布の方が有利なのも事実。アルジはそれによって真っ逆さまに落とされるだろうと思った。

 

だがしかし!

 

「なっ⁉︎」

 

「グゥッ⁉︎」

 

「……」

 

 アルジは落ちるどころか呂布による攻撃をナイフ1本、それも片手で受け止めた。

 

 そして方天画戟とナイフがぶつかり合った衝撃は凄まじく、その影響で広場を囲っていた兵士達をぶつかり合いで生じた突風が襲う。

 

(腕で顔覆わなきゃろくに前も見れないって言うのに、あのアルジとかって奴、何であんなに平然と)

 

「うん! あの子やっぱり強い子だね‼︎」

 

「ブーディカは呂布よりもアルジの小僧を応援しているのか?」

 

「まぁね。なんか見ていると、自然に頑張れって応援しちゃいたいくらい! それにあの子も多分あそこまでいくのに相当辛かったはずだから……生前子供を持っていた私としてはね」

 

「ふ〜ん……そう言うものか」

 

「そう言うものだよ」

 

(まぁ何はともあれ……アルジの小僧は凄まじいな。正直敵に回したくないほどだ)

 

 荊軻がそう思っていたと同時に、広場の中心に何者かが落ちた。落ちた衝撃で土煙が立ち、それと少し遅くのタイミングでもう1人中心に降り立った。

 

 土煙が晴れるとそこには、地面に大の字で倒れている呂布と、ぶつかり合った時と同じ涼しい顔をしたアルジが立っていた。

 

「もう終わりか呂布? アンタの力はその程度じゃあないだろう?」

 

「ゴアァァッ‼︎」

 

 アルジが挑発したと同時に呂布は勢い良く立ち上がる。そして方天画戟を仕舞い、次は両手に呂布の腕をすっぽりと覆う程の鋼鉄籠手が装着されていた。

 

「次は殴り合いか……良いだろう」

 

 それにアルジものり、ナイフをしまってファイティングポーズを取った。

 

「……おいおい、まさかアイツあのままで殴り合おうってかい⁉︎」

 

 本日何度目かになる荊軻の驚き。それをよそに周りで見ていた兵士達もヒートアップしていく。

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

「ガァッ‼︎」

 

 まず動いたのは呂布で、右腕から繰り出される渾身の一撃をアルジに与えようとしていた。

 

「シッ!」

 

 それに対してアルジも右ストレートで迎えた。勿論こちらは何も付けていない素手である。

 

 両者の拳がぶつかり合うと、先ほどと同じ様に突風が吹き荒れる。しかも今度は拳と拳なのでモーションは早く、拳同士がぶつかり合う度に空気が震えた。その光景に周りの兵士達も興奮していた。

 

 それと同時にアルジに対して畏怖していた。呂布は言わずもがな今まで近くで見ていた者としては、「あぁ、戦をする為に生まれてきたのだ」と腑に落ちた。

 

 しかしアルジはどうだろう? 呂布と比べて、背丈は勿論ガタイも劣っている。それに呂布に感じた、戦いをする為に生まれた者だとも思わない。

 

 思わなかったが、実際アルジの戦いぶりを見て畏怖した。闘うまでに感じていた彼の空気がまるで嘘だったかの様にガラリと変わった。

 

「まさかあの呂布とここまで……いや、圧倒しているのか?」

 

「それにあの子……まだ本気を出していないんじゃないかな?」

 

「なっ⁉︎ 本気で言っているのか?」

 

「まぁ私からはそう見えるってだけでね? 実際に戦いに身を置いた人達からすればどうか分からないけど」

 

(……ブーディカがアルジの小僧に肩入れしているのを無しにしても、確かに本気を出している目ではないな。あれは)

 

 荊軻もアルジに対してそう見始めたなかだ。いよいよ呂布とアルジの決着が着く。

 

「ゴァァァァッッッッ‼︎」

 

 呂布は全身の力を右腕に乗せてアルジに殴りかかる。

 

「……スゥ〜」

 

 一方のアルジは瞳を閉じて右腕に全神経を集中させる。するとアルジの拳に蒼い闘気が宿る。それは徐々に大きさを増していき……

 

「っ‼︎」

 

 カッと瞳を見開き、一言も発する事なく呂布へと飛び込む。

 

 そして双方の拳がぶつかり合い、空気の振動と突風が辺りを襲う。その衝撃は広場を囲っていた兵士達も吹き飛ばし、近くで見ていたブーディカと荊軻は何とかその場にいる事がやっとの状態だった。

 

 やがて突風がおさまると、広場の中心は拳をぶつかり合った時と同じく、呂布とアルジが拳をぶつけたまま立っていた。

 

 そこから数秒後、どこからともなく何かが割れる様な音がする。それは呂布が身に纏っていた右籠手であり、亀裂はどんどん広がってはやがて完全に壊れてしまった。

 

「……ニッ!」

 

 呂布はその事に対して悔しがる素振りはなく、逆にアルジを称賛する為か笑っていた。

 

「うんうん! どうやら決着も着いたみたいだし、この勝負はアルジの勝ちって事で良いかな?」

 

「ゴァッ!」

 

「ふっ……ここまでの物を見せられたからには、納得するほかないだろう?」

 

「はい! という事で今回の勝負、アルジの勝ち‼︎」

 

「「「うぉぉぉぉっ‼︎」」」

 

 周りの兵士達はこの結果に対して、驚きと同時に白熱ある闘いをした呂布とアルジを称賛した。

 

「1目見た時は怪しさ満点だったけど、やるねアンタ」

 

「そうか? 俺は普通に呂布と試合しただけだがな」

 

「その時点ですごい事だ。第一あの呂布、しかもバーサーカーのクラスを付与されてる奴に対して涼しい顔して一歩も引かないどころか逆に勝つって……アンタが敵側に回ったら私達は全滅するだろうな」

 

「最初は俺が敵か味方かを測る為にやったと思うが……最初の頃の意見と変わったか?」

 

「あぁ。というかそうであって欲しいという願望に変わったな。アンタと1対1でやるとか……例え暗殺しろと言われてもやだね」

 

「そうか」

 

 どうやら荊軻の意見は最初と変わった様だ。勿論俺が敵側のスパイであるという可能性は決してないだろうが、目の前で呂布との試合を繰り広げた後だ。本音で言えば俺が敵であって欲しくないと思っている様だ。

 

(そもそも俺が敵ならこんな回りくどい事はしないがな)

 

 もし仮にローマ連合とやらが本来の正しい道だとするのならば、俺は迷わずローマ軍を滅ぼしに向かっているだろう。それもできる限り早急に……

 

(オフェリアを助ける為ならば、俺はこの手をどれだけ汚そうと構わない)

 

 いつもどこかから見ている本人からすれば反対するだろうが、俺はそうする覚悟で人理修復に手を貸している。

 

「勝ったのになんだか開かない顔だね?」

 

「ん? あぁ、ブーディカか。そうだな……俺がこんな憎悪を背負っていなければ多分、もう少し心の底から喜べたかもな」

 

「そうだね。君の心情から見てしまえば、今どんな英霊に勝ったとしても素直に喜べないよね」

 

「ならそんな君の代わりに……」

 

「っ⁉︎ い、いきなり何して⁉︎」

 

「ふふっ♡ 君が頑張ったご褒美を、ね」

 

「だ、だからって……こんな人前でやる事///」

 

「もぅ〜、君の時たま出るその表情……とても愛らしいよ♡」

 

「か、揶揄うな!」

 

「はいはい。じゃあ試合も終わった事だし、丁度ご飯どきだからそろそろ支度しようか。アルジも手伝って」

 

「はぁ〜……分かってるよ」

 

 この時代に来てまだ少し、そしてブーディカさんと会って数時間しか経っていないにも関わらず、アルジくんはブーディカさんのなすがままにされていたといいます……

 

 

 

 

 

 

 

 

side 邪ンヌ

 

 

 

 

 

「っ‼︎ ねぇ、今のって……」

 

「えぇ、マスターの魔力だわ」

 

「えっ? 邪ンヌ達ってアルジの魔力が分かるの?」

 

「フンッ、そんなの当然よ」

 

「それに、丁度私達が向かおうとしているところからね」

 

「へぇ〜、じゃあそろそろアルジに合流できるね!」

 

「……そうね」

 

(でも何かしらこの違和感は……まさかまた知らず知らずのうちに……)

 

 邪ンヌはアルジにもう少しで会える事に喜びを抱くも、自分の知らないところでまたライバル(恋敵)が現れたのではないかと胸騒ぎを覚えていた。因みにその勘は……当たっているといっても差し支えないだろう。だがそれも後にわかる事である。

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 




本日はいつもより少し少なめです。まぁ自分の中でキリの良いところで終わらせました。

次回の投稿がいつになるかはまた未定ですが、3月中にはまた投稿できる様に頑張ります!

それではまたの機会に会いましょう!

第2章であるローマの物語が開幕されるにあたり、セプテムから登場するサーヴァント限定で読者の皆様が思うアルジとのカップリングで1番のサーヴァントは?

  • ネロ皇帝一択!
  • 母性の塊であるブーディカ姉さん!
  • いや、ステンノ様とだろぉ〜。
  • 復讐と破壊の衝突、ここはアルテラだな!
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