月鋼 ー復讐者の人理救済ー   作:橆諳髃

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さて、6月2度目の投稿になります。

今回で2章セプテムは終了です。無理矢理終わらせた感じなので、文字数にして20,000文字いきました。これだったら前回の様に前半、後半分けて書けば読者の皆様的には読みやすかったかなと思ってます。

後は……ジャンルに書いていないネタも書いてしまっているので、追加すると思います。

といった感じで22話セプテム本日で終了します! 是非お楽しみ下さい!


22話 復讐者は破壊を否定し、正す

 

 

 

 

 

 

 

 立香達と離れて数十分……外にいた敵は殆どが殲滅されていた。何故か破壊不能なひび割れから侍の形をしたロボットが数百と出てくるが、それでも数十分でその何十何百倍の軍勢を圧倒したのだ。今更小出しで数百など相手にならなかった。

 

 ただ問題があるとすれば……

 

 

 

 

 

「クッハッハッハッハッハッ! 漸くお前から発する恐怖を克服したぞ‼︎ これで思う存分貴様をボロ雑巾の様にしてやれる‼︎」

 

(待ちかねたは待ちかねたが……テンションがウザイな……)

 

 前までは見た途端殺気を放っていたが、今回のフラウロスに関しては出た最初からテンションがウザイ。しかもアルジの発する殺気を克服したと言っていたので、今回はまともに戦闘をするのだろう……多分。

 

「……アイツがアルジの言っていた仇かな?」

 

「えぇ……私の可愛い可愛いアルジの大切な人を傷つけた奴よ」

 

「……ちょっと、何気に私のって付けてアピールするのやめてくれない?」

 

「あら、それはごめんなさい? でも事実だし……」

 

「……まぁ取り敢えず今言い合いっこは無しにしましょ。私もそろそろ限界だから」

 

「……それもそうね」

 

 先程までの言い合いが一変……空気が変わった。邪ンヌとマルタ、そしてブーディカの3人ともフラウロスを見る目が獲物を狩る目に変わる。

 

「ハハハッ……人類史に名を刻まれた英雄、反英雄がどれだけ歯向かおうとも私の指1本にも触れられんがな?」

 

 フラウロスもアルジ達に凶悪な気を放つ。それに対してアルジは元より、邪ンヌ達も凶悪な気を受けているにも関わらず姿勢を変えていない。

 

「ほぅ……私の本気の気を放っても微動だにしない……予想に反してつまらないな〜全くつまらない。ふむ、ならばこんな変わり種はどうだ?」

 

 フラウロスは更に気を放って力を解放……元の自分の姿になっていた。今までのレフ・ライノールと偽っていた仮の姿ではなく、本来の姿、魔人柱の人柱であるフラウロスに……

 

『さぁ! 私の真の姿を見て絶望しろ! そして嘆くがいい! 人間や高々英霊に昇華されたに過ぎないサーヴァントである自分自身がなす術もないとなぁ‼︎』

 

 フラウロスは饒舌に言った。それも今までの屈辱を払拭せんとする様に……

 

 ただそれでもいかんせんアルジ達はフラウロスに向ける殺気を一切変えない。

 

『……おかしいな。私の本気の姿と狂気と殺気を出しているにも関わらず……何故貴様らは嘆かない?』

 

 これにはフラウロスも分からないでいた。

 

 フラウロスとしてはこのまま戦ってもいい……そう感じてはいるものの、相手にはこれまで自分を散々ナメた態度を向けてきた高々の魔術師がいるのだ。相手が絶望したところに更に追い討ちをかける事で、これまでの事は自分の中で完全に取っ払われるのである。

 

『まぁそれも今のうちだろう。ならばそこの魔術師よ……貴様の精神を苦しめるためにこれはどうかな?』

 

 だがらこそ彼はアルジに対しての仕返しと称してとある映像を流し始める事に決めた。その映像は……

 

『キャァァァッ⁉︎』

 

『うわぁぁぁっ⁉︎』

 

「……」

 

 フラウロスが映し出した映像は……自らが爆破したカルデアだった。そして……

 

『あぁ……アル……ジ……』

 

 コフィンの中でレイシフトしていた最中だったのか……そこには女性マスター用の礼装を身につけていたオフェリアがいた。だが意識を過去に送っているところを爆発が襲い瀕死の状態で映し出されている。

 

『ふははははっ! どうだ魔術師‼︎ こちらも貴様がどこから来たかは調べても調べても終ぞ分からないが、貴様がこの人間が大切だという事は分かった。そしてその人間が傷付いている様を見てどう思った?』

 

 フラウロスはアルジを煽る様に続ける。

 

『貴様はこの惨状よりも後に忽然と姿を現した。意識か無意識かは定かではないが……だがその惨状が起こった場に辿り着いた。そして貴様は目の当たりにしたな……大切な存在が傷付いた後の姿を。それを見てどう思った? この悲劇を止めれなかった……この場に間に合わなかった貴様の心情は……さぞ悔しいだろうなぁ?』

 

 アルジはそれに何も答えない。俯いて拳を硬く握るだけだ。

 

『どうせ今回も止められない! 貴様の力など何の役にも立たない‼︎ 貴様が助けると誓ったもの達と共に滅w「黙れぇっ‼︎ 『約束されざる勝利の車輪(チャリオット・オブ・ブティカァァァッ)‼︎』なっ⁉︎ ぐぅぅぅっ⁉︎』

 

「アンタみたいな奴が……この子の事を悪く言うなぁぁぁっ‼︎」

 

『ぐあぁぁぁっっっ⁉︎ ど、どう言う事だ⁉︎ 高々この特異点に呼ばれただけのサーヴァントが何故我に傷を付けられる⁉︎』

 

 フラウロスは混乱していた。何故この特異点に呼ばれただけのサーヴァントが簡単に自分に対して傷を付けたのか……

 

 一方のブーディカの様子は……傍目から見ても激怒している事が分かった。先程まで短髪だった彼女の髪と衣装は最終霊基と同じく様相になり、また彼女の身体を覆う様に赤いオーラが発せられていた。

 

 そして彼女の宝具は本来、味方を守る為に存在する。周囲に展開された車輪によって味方の防御力と攻撃力を底上げする効果だ。

 

 そのはずの宝具が、フラウロスを直接攻撃している。フラウロスの身体を車輪が抉り取る様に攻撃を仕掛けていた。

 

『ま、まさか霊基が変質をおk「よそ見をするな‼︎」なにっ⁉︎』

 

 今度は車輪と共にマルタがフラウロスを殴りつける。それはもうタコ殴りと言っても過言ではない。

 

「アルジの感じた苦しみは……こんなものではないわよ‼︎ さっさと地獄に落ちなさい‼︎」

 

『ちょ、調子に乗るなぁぁぁっ‼︎』

 

 マルタに攻撃を喰らわそうとフラウロスは爆発魔術を行使するが、マルタは既にそれを察知して魔術範囲から逃れる。そして終わった瞬間に懐へと素早く移動しての肉弾を続行した。

 

『ちょこまかとぉっ⁉︎ なっ⁉︎ この黒い炎は⁉︎』

 

「そう……私の炎よ。貴様に対しての憎悪を沢山込めた……ね」

 

『ぐぅぅぅっ⁉︎ 何故邪魔をするぅ⁉︎ そもそも貴様と言う存在! あの特異点が無ければ生まれない筈のものがぁぁぁっ‼︎ 感謝されるならまだしもそれを仇で返すなどと‼︎』

 

「えぇそうよ。確かに私はあの特異点で、聖杯を持ったジルに願われて生まれた存在に間違いはないわ。間接的にアンタが絡んでいるのは癪だけど……まぁそこは感謝してやらないでもないわよ」

 

『ならb「でもね‼︎」っ⁉︎』

 

「それを差し引いて……いえ寧ろマイナスね。アンタ……アルジに何したの? 本当なら今よりも平穏に過ごしてて、助けたい子と一緒に人生を歩んでいたい……そんな普通を望むアルジがアンタに何かしたの⁉︎ こんなに優しい……間違いを犯した私ですら包み込む様な優しさを持つアルジを苦しめて……悦に浸るアンタみたいな存在、許さないわ‼︎」

 

 邪ンヌの放つ炎が更に勢いを増す。

 

『ぐぅぅぅあぁぁぁっ⁉︎ だが特異点が無ければ「特異点が何よ‼︎」なんだと⁉︎』

 

「特異点が無ければこの出会いが無かったと恩着せがましく言いたいんでしょうけど……そんなのどうだって良いわ‼︎」

 

「今はただ……貴様の様な奴がこの子を傷付けるのが許せない‼︎ この子の心を傷つけた貴様という存在を許さない‼︎」

 

「それにアルジは……例えこんな歪んだ世界が無くても私達を見つけてくれたわよ! どれだけ時間がかかったって私達の事を……私の事を求めてくれたわよ‼︎」

 

『ぐぅっ⁉︎ 減らず口をぉぉぉっ‼︎』

 

 フラウロスは自らのペースに引き込めないのか、イラついて辺り一面を爆発させる。それは自らの身体を巻き込むがそれでも実行した。何せ自分の身体は再生するのだ。ならば後先考えず、今は目の前の羽虫の様な存在を一掃し、最後にこれまで散々自分を苦しめてきた魔術師を、絶望した顔を嘲りながら痛ぶった方が気分が良い。

 

 そんな判断で実行されたそれは……突然サーヴァント達の目の前に現れた金属板で防がれた。それをした人物が……

 

「全く……俺みたいな奴になんでそんな優しい言葉を投げかけてくれるんだよ……」

 

 アルジはいぜん俯きながら邪ンヌ達に問いかける。

 

「そんなの決まっているよ! 君の事が好きだから‼︎」

 

「えぇ! 私もアルジの事を愛しているわ‼︎」

 

「前々から言ってるでしょ? アンタの事が大好きで独り占めしたい程愛しているからに決まっているじゃない‼︎」

 

「……ハハッ。同時に告白されて……それに対して嬉しく思ってる俺は……オフェリアになんて言えば良いんだよ」

 

(あら良いじゃない。貴方の事をこんなに想ってくれている人がいる……私はそれが嬉しいわ!)

 

 

(オフェリア……全く、君はお人好し過ぎるだろ……)

 

(それを言うなら、アルジもだよ? でも、私はそんな貴方の事が大好き。愛しているわ!)

 

(そうか……オフェリアがそう想ってくれてるなら、俺は迷わず前に進めるよ)

 

 アルジに聞こえたオフェリアの声が……幻聴だったのかもしれない。ただそれでもアルジはオフェリアがそう言った様に聞こえた。涙がアルジの頬を伝い、しかしそれを幻だろうか……オフェリアが愛おしそうに優しく拭った。

 

 誰が聞いたって都合がいい話だ。だがそれでもアルジは……前に進み続けるだろう。自らの事を好きだと、愛していると言ってくれる者達に格好を付けるために。

 

「ここまで言われたら……俺の事を好いてくれているアイツらの前で格好付けない訳にはいけねぇよなぁっ‼︎」

 

『ぬっ⁉︎ こ、この威圧は……』

 

「よぉ、さっきまで散々好き勝手に言ってくれたよな?」

 

「にしてもテメェ……フラウロスから完全に分かれた分体だろ?」

 

『なっ⁉︎ 何故それを⁉︎』

 

「初っ端から分かってたさ。ただテメェが最初ウザイテンションで喋りやがったからな……どういった手で攻めてくるのかを様子見しようとしたんだが……やはり下衆は下衆か」

 

「それで? テメェ……オフェリアが苦しそうにしている姿を見て笑いやがったな?

 

(っ⁉︎ な、なんだこの悪寒は……この震えはっ⁉︎ ま、まさかこれを体感したからこそ本体はっ⁉︎)

 

「まぁ本体は今頃あっちで立香達とやり合ってるだろうが……俺の恐怖を……復讐を超えなけりゃ到底勝てねぇよ」

 

「そんな事は立香達に任せるとして……あんな映像を俺に見せて笑いやがったんだ。だから……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今からテメェも復讐対象だ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『っ⁉︎』

 

「今更恐怖したところで逃す訳ねぇけどなぁ‼︎ 来いっ‼︎」

 

 アルジがそう宣言して右手を空に掲げると、アスタロトの主武装であるデモリッションナイフが折り畳まれた状態で飛来。アルジの手に収まると同時に展開した。それをアルジは大地に逆手に持って突き刺した。

 

「今からテメェが言ったような絶望を見せてやるよ……領域展開‼︎

 

 デモリッションナイフが突き刺さった所から眩い光が発せられ、それは次第に辺り一面を覆った。その光量故にフラウロスも全ての目を閉じるしかない。だが閉じたとしてもその光量は強く、閉じた筈の瞳は未だ強烈な明るさを感じていた。

 

 その光量が弱くなったのを感じて目を開けるフラウロス。そんなフラウロスの瞳に映った光景は……

 

『なっ、なんだこれはっ⁉︎』

 

 一面を黒が支配した世界……だがそんな中でも複数の光が周囲に点在していた。そしてその光景に目が慣れると、黒から次第に群青色だった事に気付く。

 

「ここは……まさか宇宙空間?」

 

「はぁっ⁉︎ う、宇宙空間って……さっきまでローマにいたんですけど⁉︎ にしてもあの明らかに人工物ですってもの何?」

 

 邪ンヌがそう言ったのはコロニーの事で、いくら現代の知識を聖杯から送られているとはいえfateの世界線では無かったものだ。

 

 確かに月の聖杯戦争はあったとされても、それはあくまでも聖杯を巡ってのものだ。まさかあの人工物の中で人の営みがある事など思わない。

 

「それはともかくとして、ここはアルジの心象風景なのかもしれないわ……」

 

「心象風景って……固有結界? まさか今私達ってアルジが展開した宝具? の中って事?」

 

「その通り」

 

「アルジ……って、その姿……まさか」

 

 アルジの姿は、オルレアンで邪ンヌに激怒した時と同じく、アスタロトを纏っていた。

 

「あぁ、邪ンヌには1回見せた事あったよな? 怖いか?」

 

「……いぃえ、あの時は確かにアルジの事を怒らせちゃったから怖かった……で済む様な感情ではなかったけど、でも今の貴方は……怖くないわ」

 

「そうか、なら良かった」

 

 その一言だけ言ってアルジはフラウロスに対面する様に陣取る。因みにこの力も女神様からの授かり物であり、アルジがこの能力を使ったのは2回目である。最初に発動させた時は、「これって最早サーヴァント仕様じゃあねぇか」とつい思った事が言葉に出てしまった程である。

 

『これは……この空間は一体なんだ⁉︎』

 

「これか? サーヴァントで言うなら宝具に近しいもの……名を付けるのなら、『累怨の大宇宙(るいえんのそら)』としようか。まぁそんな事はさておき……はじまるぞ?」

 

 アルジがつぶやいた瞬間、アルジとフラウロスの間に銃撃が通る。フラウロスが反応してそちらに目を向けると、こちらに銃を向けながら近づいて来る存在を確認した。

 

「て、鉄の人形?」

 

 マルタが言った様にそれは全身が鉄でできた人形だ。その数30程……

 

『な、なんだあれはぁぁぁっ⁉︎』

 

 フラウロスは台詞の途中でその鉄人形から攻撃を受けてしまった。

 

「余裕ぶっかましているからよ」

 

「でも見て! アルジも攻撃されてる!」

 

ブーディカが言う様にアルジも鉄人形から攻撃を受けていた。

 

「ど、どうして⁉︎ アルジの心象風景ならそんな事ない筈なのに! そもそも心象風景で出てくる味方が宝具を展開している者を攻撃をするなんて聞いた事が……」

 

「別にアイツらが味方じゃないってだけだ」

 

「えっ? それって……」

 

「確かにここは俺が描いた景色だ。だがその景色の全てが,思い描いたものが全て俺の味方になるなんて限らねぇ」

 

「だが……逆にそうする事でメリットになる事がある」

 

 邪ンヌの疑問に答えながらも既に鉄人形をいつものナイフで斬り刻み破壊していた。

 

 一方のフラウロスは……

 

『我の力に平伏せ! 雑魚どもぉ‼︎』

 

 周囲の鉄人形を所構わず爆発に巻き込んでいた。しかし爆発が晴れると、少しだけ装甲に傷がついていたものの御体満足な状態の鉄人形がいた。

 

『なっ⁉︎ あの爆発でたったそれだけだとぉっ⁉︎』

 

「その程度かよ?」

 

『ぬっ⁉︎ 何故貴様はいとも容易く⁉︎』

 

「そんなのこいつらの特性を知っているからに決まっているだろうが?」

 

 アルジはフラウロスにそう答えながら、次々と襲いかかって来る鉄人形を撃破していく。この時には既に20体を屠っていた。

 

 フラウロスはそんなアルジの邪魔をしようと、直接攻撃を仕掛けた。しかしそれもアルジにとっては見え透いており、避けながらセミオートのライフルで鉄人形を更に1、2体片付ける。

 

 そこからの展開は早いもので、残りを背に装着していたパンツァーファウストや対物ライフル、スラスターから迫り出したナイフで全て撃破していた。

 

「さて……残りは……」

 

 アルジはフラウロスを青色に光るツインアイで見つめた。外見上はフルフェイスであり、アルジがどの様な顔をしているのか分からない。分からないが……

 

(先程までとは桁違いの魔力量だとっ⁉︎)

 

 フラウロスは感じ取った。目の前の存在は……明らかに1柱で挑むものではない。全ての柱が揃って漸く引き分けに持ち込めるかだと……

 

「そういえばここでの特性を説明してなかったな?」

 

「簡単に言えば……出てきた相手を倒した分だけ自分の魔力に累乗することができる空間だ。これを聞いてテメェが今何を考えているかは大体予想が付く」

 

 まぁテメェの思考を読むのは気持ち悪いからしないが……アルジはボソッと呟いた。それを聞いてフラウロスは……現在レフと同じ人間の姿はしていないものの、仮にその状態であれば脂汗をダラダラと流していた事だろう……

 

(倒した数だけ累乗だとっ⁉︎ ま、まずい! このままでは同胞が皆この存在によって消されてしまう……! この記録を送らねb「そう言えばこれも言い忘れていたが……」っ⁉︎」

 

「ここでの事を外に送る事は出来ねぇよ? ここは俺の心象風景と言えるものであるし……それとは別で……

 

 

 

 

 

 

 

この空間はあの世界線にはない地だからな。まぁ他の奴に繋がるならやってみな?」

 

 それを聞いてフラウロスは他の同胞にこの記録を送れるか試した。

 

 その結果としては……

 

(ほ、他の同胞に通信(パス)が繋がらない⁉︎ そ、それになんなんだこの空間は⁉︎ どれだけ周囲を探っても果てが見えぬっ⁉︎)

 

「俺が言った意味、分かったろ? まぁもう少し範囲を広げてみたら()()も観測できるだろうが……まぁそもそもその地球ですらテメェらの知るものではない訳だが」

 

 もはやフラウロスに驚きは無かった……否、アルジが何を言っているのか分からなかった。

 

 だがこれだけは分かる……

 

 

 

 

 

 自分という存在はこれから、目の前の魔術師によって葬り去られ、同胞もこの存在の前では自分と同じ道を辿るのだろうと……

 

 そう思ったと同時にこうも思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(なぜ……なぜこの存在を怒らせたフラウロスゥッ⁉︎

 

 自分はその分体である……にも関わらず今自分の内に渦巻くのは、この状況にさせたフラウロス本体への憎悪だった。

 

「テメェにも少しは、俺が抱く憎悪のほんの少しでも芽生えたろうなぁ?」

 

「まぁそんな事俺には関係ねぇからな……だから……」

 

 アルジは背に備え付けられたデモリッションナイフを展開し、魔力を纏わせる。それと同時に自分の魔力に倒した敵分の累乗が乗り、デモリッションナイフを覆っていた魔力は更に強大になった。

 

 それをいとも簡単にアルジは構え、フラウロスに接敵した。

 

『っ⁉︎ く、くるな……くるなぁっ‼︎』

 

 最初の調子とは真逆に……逃げ腰でアルジに爆発魔術を行使する。だがアルジは何事もなかったかの様に回避してフラウロスへと向かう。そして気のせいか……避けるごとにフラウロスヘ迫る速度が上がっていた。自分の死が間近に迫っていると強く感じたフラウロスは、なりふり構わず攻撃していた。

 

 フラウロスの一部も巻き込んだ盛大な爆発……半径10mにいたものならば既に生き絶える攻撃。それでも……

 

「ハアァァァッ‼︎」

 

 アルジはその爆発をものともせず更にフラウロスに近づく。

 

『来るな来るな来るな来るな来るなクルナァッ⁉︎』

 

「とっとと俺の……俺達の道を開けやがれぇぇぇっ‼︎」

 

 

 

 

 

ズァガンッ‼︎

 

 

 

 

 

 

 

『あぁぁぁっっっ……』

 

「地獄というものがあるなら……そこで絶望と憎悪を抱えて待ってろ。すぐにテメェがいう同胞全て……叩き落としてやる」ガギンッ

 

 アルジがデモリッションナイフを仕舞うと同時に、一刀両断されたフラウロスは盛大に爆発。その後すぐにアルジの心象風景は崩壊し、先程までいたコロッセオ前に戻っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

side ロマニ

 

 

 

 

「まさか立香くんのところにレフが来るなんてね……」

 

「でも外でアルジがコロッセオに敵を入れない様にしてるなら頷けると思うわ。アイツ……アルジが天敵の様なものだし」

 

「おや? 以前あれだけ頼りにしていたレフの事をアイツ呼ばわりなんてね」

 

「あんな仕打ちを受けたら誰だってそう思うわよ」

 

 ダヴィンチのセリフにオルガマリーはあっけらかんと答えた。

 

「にしても、今回もアイツがアルジの前に現れて、結局恐怖に打ち震える姿をザマァ見なさいって思いで見るのを密かな楽しみにしてたのに……」

 

「し、辛辣だねぇ……」

 

「にしても今回は立香のところに行って余裕ぶってるとか……腑抜けね」

 

「っ⁉︎いや、アルジのところにもレフと同じ反応が現れてるよ⁉︎」

 

「う〜ん……これはどうやら分身と似た様なものじゃないかなぁ? 確かにレフと同じ反応ではあるけど……若干数値にズレがあるね」

 

「やっぱり腑抜けね……まぁどちらにせよアルジにズタボロにされると良いわ」

 

(本当にレフに対しての憎悪が激しい……なんかアルジと似てきた様な……)

 

 ロマニは口に出さずにそう思った。同時に立香達のところではレフがフラウロスヘと姿を変えた。それを同じくしてアルジの方にいたレフもフラウロスヘと変貌した。

 

 立香のフラウロスはサーヴァント達に攻撃されながらも対してダメージを負っている様には見えず、少し立香達を押していた。アルジの方のフラウロスは何故かベラベラと喋り、映像まで流し始めていた。そこに映っていたのは襲撃されたカルデアの映像で、どうやらアルジに対しての精神攻撃を仕掛けているようで……

 

「本当に下衆ね……なんであんな奴に心を許してしまったのかしら……」

 

 これを見たオルガマリーはそう悪態を付ける始末……それから数分後にアルジの方で動きがあった。

 

 それはアルジの側にいたサーヴァントの怒涛な攻め……ブーディカはライダークラスなのに、アルジを傷つけられたことによって一時的に霊基がアヴェンジャークラスへとなり、フラウロスを宝具の車輪によって抉り取る。

 

 マルタはクラスが変わっていないものの、遠目から見ても分かる様に身体に莫大な魔力を纏ってフラウロスをタコ殴りしていた。

 

 最後の邪ンヌは……いうまでもないが憎悪の炎でフラウロスを炙り焼きしていた。

 

 その後邪ンヌ達が戦闘中にも関わらずアルジにプロポーズ……そこからの展開がロマニ達に更なる衝撃を与えた。

 

「っ⁉︎ なんだコレッ⁉︎」

 

「な、なにこの魔力量……」

 

 ロマニ達が計測したアルジの魔力量……普段からも高いのだが、今回の計測ではそれをはるかに上回る。更に……

 

領域展開‼︎

 

 アルジがデモリッションナイフを地に刺して叫んだ瞬間、眩い光が観測画面を白一色に染める。それが終わると、コロッセオの目の前に半径10m程の黒いドーム状の物が展開されていた。

 

「こ、これって……」

 

「もしかしたらと思ったけど……どうやらアルジは宝具を展開したようだね。それも自らの心象風景を投影して」

 

 オルガマリー達はこれ以上何と言って表現をして良いのか分からないのか呆気に取られていた。それは立香達が召喚したサーヴァント達もそうで、本来魔術師が宝具を……ましてや心象風景を投影するなど一部の例を除いてあり得ないと分かっていたからだ。

 

 一方アルジに召喚されたマリー達は……

 

「いやぁ〜これは驚きだよ! アルジが宝具まで展開できるなんて……やっぱり君のそばにいると飽きないし、作曲活動が捗るなぁ〜!」

 

「流石は私の旦那様! また惚れ直してしまいました♡」

 

「ふふっ、全くアルジったら格好付けちゃって……でもそれが貴方の良さだわ」

 

 この様にお気楽な様子で見ていました。

 

 そんなアルジの宝具展開が行われたと同時に、立香の方も動きがあった。なんとフラウロスからの攻撃が止んだのだ。そしてその巨体に似つかわしくないほど激しく動揺していた。

 

「まさかアルジの方にいるフラウロスと繋がってて……そっちで何かあったから?」

 

「アルジの方に向かったフラウロスを分体としようか。分体の方……かなりアルジを怒らせた様だね」

 

「まぁ私達に対しては的を射る発言だけど……アイツの場合は……」

 

「う〜ん……僕は予想通りだと思うなぁ〜」

 

「そうだね。彼の場合は……圧倒的な力でフラウロスに復讐するだろうね。さっきの領域展開……だっけ? あれをする時ですらフラウロスとは比べ物にならなかったのに、あの中では一体何が起こっているんだろうねぇ?」

 

「そこはアルジ達が帰ってきてからで良いでしょう? 今は立香達のサポートよ」

 

 そんな会話が行われたすぐ後、立香達はフラウロスを打ち破るが、最後の悪足掻きでフラウロスは聖杯でサーヴァントを召喚。召喚されたのはフンヌの末裔。名をアルテラと名乗った。

 

 この結果にフラウロスの姿から人間の姿に戻っていたレフが高笑いを始めるも、召喚されたアルテラによって縦に真っ二つとなった。

 

 その光景に立香達は少したじろぎ、それでもなんとか勇気を振り絞って迎撃するが、簡単に跳ね除けられた。その後アルテラは文明を破壊するがためにコロッセオの外へと出た。

 

「あ、あんなのに勝てるの?」

 

 オルガマリーがそう呟く。帰ってきたのは静寂だけだったが、誰しもがアルテラをなんとかしなければこの特異点は正史とは違う世界になってしまうと恐る。

 

 そんな中1つの動きがあった。

 

「アルジが展開した空間が崩れたよ‼︎」

 

 ロマニの発言でみなそちらに意識が向く。空間が崩れる途中、アルテラがコロッセオから出てきた。出てきたが、アルジが作り出した空間を目にすると歩みが止まり、無表情だった顔に初めて焦りが伺えた。

 

「っ⁉︎ 見てこれ! あの空間から信じられない程の魔力値が計測されてる‼︎」

 

「っ⁉︎ これは……もはや銀河が誕生したのと同等の数値じゃないか⁉︎」

 

(アルジ……君は本当に何者なんだ? ただの魔術師と名乗っている君が出して良い数値じゃないぞ⁉︎)

 

 ロマニは危惧していた。その者が善悪関係なく……その時代やひいては星を滅ぼし得る存在であるのならばガイアやアラヤといった星の抑止力が黙っていない事を……。

 

 ただなんの因果なのか……オルレアンの結果を見て既に抑止力はアルジに対しての対抗策を誰にも気付かれる事なく召喚していた。アルジがこの世界線とは違う所から来た事も勿論知っている。

 

 知っているからこそ、この世界線ではなく別の世界線の存在こそがアルジにとってストッパー……ひいてはアルジの存在を消し得る力を持つと思って召喚したのだ。

 

 だがいかんせん……ガイアは今更ながら人選を間違えたと感じている。まさか召喚した存在があんなにイタイ存在だったとは……それに召喚した存在がどちらかといえばアルジよりも害悪だと……

 

 そのため、ロマニが危惧しているような事は一切起こらないだろう……

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

side アルテラ

 

 

 

 

 

 聖杯に願われて私はこの時代に召喚された。自分の存在は、勿論破壊。あらゆる文明の破壊だ。それこそが私の存在理由……だから私を召喚したマスターは私が斬って捨てた。

 

 その周りに陣取っていた存在達も、私からすれば脅威足り得ない。適当にあしらっておいた。それをしていよいよこの世界(文明)を破壊する……それだけを思いながら外へと出たのだが……

 

(なんだ……この目の前に広がる暴力は……)

 

 黒いドーム状の物を見た瞬間、自然と足が止まった。そして……何故か身体が震えていた。次第にそれは私の頭の中へと浸透していき、あまり経験のした事ない感情が支配した。

 

(ま、まさか……私が恐怖している?)

 

 いくら否定しようとも、身体の震えは止まらなかった。やがて黒いドームが崩れると、そこから4人の姿が見えた。その内1人だけ男だった。その男を見た時……

 

(っ⁉︎ ここで仕留めなければ‼︎)

 

 私の身体は勝手に動いていた。目の前の男を己の剣で打ち砕こうと……

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 俺が領域をといたと同時に、目の前から見覚えのあるサーヴァントが突進してきた。

 

(成程……立香達は無事にロムルスとあの屑を下したのか)

 

 そんな事を呑気に考えながら得物を手に持ち、サーヴァントからの攻撃を受け止めようとすると、そこに邪ンヌが割り込んで受け止めていた。

 

「……アンタ、いきなり何するの?」

 

「そこをどけ。その男は危険だ。文明を破壊する以前にその男をやらなければ……」

 

「訳が分からないわね……アルジがアンタに何かしたの?」

 

「その男が存在するだけで、私にとっては害悪だ。だからその男を破壊させろ」

 

「そう……アンタも私のアルジを傷つけようとするのね……。アルジを傷つけるのなら、私が憎悪の炎d「邪ンヌ、そこまでだ」アルジっ⁉︎ どうして⁉︎」

 

「そいつは俺に用があるんだろ? それに俺に喧嘩をふっかけて来たんだ……俺が直接出なけりゃ筋が通らねぇだろ?」

 

「……はぁ〜。もうアンタって馬鹿なんだから」

 

「あぁ、それは俺が1番よく知ってる。だから……な?」

 

「……分かったわよ」

 

 邪ンヌは一旦アルテラを押し退けてアルジの元へと戻る。勿論アルジの隣へと一瞬で……

 

「その代わり……」

 

「そのかわr「んっ……」っ⁉︎」

 

 邪ンヌがアルジの胸ぐらを掴んで強引に自分の方へと任せると、タイミングよく彼にキスをした。

 

「はぁ……傷付いて帰ってこようものなら、帰ってからこの倍は覚悟してよね?」

 

「……全く、急すぎるだろ。でもま」

 

 アルジの魔力が領域展開した時と同じくらいに上昇した。

 

「自分の事を好いてくれている奴の目の前でダセェ事出来ねぇよなっ!」

 

 アルジは右手に鉄血メイスを構えてアルテラと対面した。

 

「……やはり貴様は危険だ。この世界の……この宇宙のどの文明よりも。ここで早々に破壊する」

 

 アルジの事をそう再認識したアルテラも初っ端からありったけの魔力を引き出した。

 

「テメェに文明は破壊させねぇ。この世界も、この時代も……テメェが色んな事無視して、自分の理性や欲望で何もかもを破壊するというのなら、俺の大切な人達やその未来を壊すというのなら! テメェは復讐対象だ‼︎」

 

「訳の分からない事を!」

 

「テメェにとってはな‼︎」

 

 強大な魔力を纏った2人が得物片手にぶつかり合う。

 

 

 

 

 

 

side 立香

 

 

 

 

 

 私達の時代を火の海に変えたレフ教授、フラウロスをやっとの思いで倒した。これも未熟な私について来てくれた皆のおかげだよ!

 

 後はフラウロスが持つ聖杯を回収するだけだと思ったら、最後の悪足掻きでサーヴァントを召喚されちゃった……

 

 その召喚されたサーヴァントが強くて、皆後退せざるを得なかった……もうちょっと私に力があれば……

 

(ううん、今は弱気になってるところじゃない!)

 

 私達は直ぐに体制を立て直してあのサーヴァントを追いかける事にした。そしてコロッセオの外に出ると……

 

「な、何よコレッ⁉︎」

 

 私が思った事をエリザが代弁してくれた。さっきまで大勢の敵がいたのに、今では見る影もなかったし、それよりも凄い事に所々にクレーターや陥没したところもあった。

 

「っ! 見てください‼︎」

 

 ジャンヌが指を刺した方向に視線を向けると、さっき私達を相手にすらしなかったサーヴァントのアルテラと……アルジが戦っていた。

 

「あのアルテラというサーヴァント……我々を相手にした時よりも動きが早いとは」

 

「ここまでの差があるなんて……」

 

(私がまだまだ未熟なせいだ……)

 

「先輩! 今は落ち込んでいる場合ではありませんよ‼︎」

 

「マシュ……」

 

「うむ! まだ余達は負けておらん! この通り生きているのだ‼︎」

 

「ネロ……うん! まだ負けた訳じゃ無いよね! でもあそこにどうやって入ったら……」

 

「流石に我でもあの中に入るのが自殺行為だと分かる」

 

「叔父様の言う通り……あの中に入るのはごめんだわ‼︎」

 

「私の宝具でも今のアルジさんの力になれるかどうかも怪しいですね……」

 

 私達がそう悩んでいる時だった。

 

アルジーッ! 頑張れぇーっ‼︎

 

「ネロっ⁉︎」

 

「あの中に入ってアルジと一緒に戦えない事など余でも理解できる。逆に邪魔してしまいそうだとな」

 

「だが、それが出来ないからと言って黙って何もせずにはいられないのだ! この声がアルジに届いて、それが少しでも力になればと思っているぞ‼︎」

 

 そう言ってネロは大きな声でアルジを応援した。

 

「マシュ! 私達も!」

 

「っ! はい、先輩!」

 

 それを見ていた立香達もアルジに向けて大きな声で応援した。今は確かに力不足で、何もかもが優れているアルジにおんぶに抱っこの状態だ。

 

 それでも今は自分にできる事をしよう……例えそれが並び立って一緒に戦えるだけの力がなくても、この声が少しでもアルジに届く様にと……

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

(全く……こんな俺に対して優しすぎるだろ)

 

 立香達の応援は、激しいぶつかり合いが生じる中心でも確かに届いていた。

 

「なぁ、テメェには聞こえているか? この温かな声が」

 

「こんな戦いの最中で何を訳の分からない事を言っている?」

 

「そうか……テメェには聞こえないのか。それは残念な話だな」

 

「貴様……そんな軽口を叩いて私を侮っているのか?」

 

「そんな訳ねぇだろ? テメェは復讐対象だ。そんな相手をなめてかかる程俺は傲慢な人間ではないさ」

 

「それにテメェは今もこの温かな声もぶち壊そうとしてやがるんだ……全力でぶちのめすに決まってんだろうが‼︎」

 

(なっ⁉︎ 先ほどよりも重い⁉︎)

 

「どうした? さっきのが俺の全力だと思ったか?」

 

「っ! このぉっ‼︎」

 

「漸くそれらしい表情が出来る様になって来たじゃあねぇか」

 

(くっ……この男のペースにのまれては……ここは)

 

 アルテラは1度アルジから離れる。

 

「お前は私を狂わせる。文明の破壊のみが私の使命。それだけで良い。なのにお前は私を苛立たせる……そんな感情は……私には不要だ!」

 

 瞬間、アルテラの魔力が格段に上がった。剣をアルジに向けると、刀身が回転していき、それに伴って魔力の渦が生まれる。

 

「宝具か……」

 

 アルジもアルテラを迎え撃つかの様に、鉄血メイスに魔力を集中させた。

 

「命は壊さない……だが貴様と言う存在(文明)は破壊する___『軍神の剣(フォトン・レイ)‼︎』」

 

 アルテラは前へ跳ぶ。ドリルの様に回転する剣をアルジに突き刺すがために。一方のアルジもアルテラに向けて跳ぶ。魔力を纏わせた無骨な鈍器……鉄血メイスをアルテラに叩きつけるために。

 

 両者の得物は……ぶつかり合った。それに伴って発生する暴風は、地を引き剥がし、岩砕いて塵芥を生じさせる。もはや2人の踏みしめる地面はクレーターとなっていた。

 

『なんって魔力と魔力のぶつかり合いだ……』

 

 それを観測していたロマンもそう言わざるを得ない。その場を支配していたのは、アルジとアルテラの魔力のぶつかり合いのみで、周りにいた邪ンヌや立香達も飛ばされない様に行末を見守っていた。

 

ピキッ

 

 魔力の本流がぶつかり合って数秒後、そんな音が微かに聞こえた。

 

「っ! 見て下さい! アルジさんの持つ武器、先端と持ち手の中間です!」

 

 ジャンヌが立香達に指を指して言った。

 

「ちょっと⁉︎ アイツの武器壊れかけてるわよ⁉︎」

 

「少し状況が良くない……もしものために我達も加勢する準備をすべきだが」

 

「いや、それは必要では無かろう」

 

「ネロ? どうして?」

 

「アルジのサーヴァント達を見よ」

 

 ネロに言われて見ると、邪ンヌ達は確かに何もしていなかった。まるでアルジが最初から勝つとでも言う様に……

 

「あやつらは信じておるのだ。アルジを……自分が愛しいと思っている存在をな!」

 

 まぁ余もアルジを信じているがな! とネロは笑いながら言う。

 

「……アルジを信じよう!」

 

「はい! 先輩!」

 

 立香達は邪ンヌ達と同じくアルジを信じた。だがそれとは裏腹に鉄血メイスの中間にはヒビが入り続け、そして

 

パキンッ!

 

 鉄血メイスの持ち手が壊れる。

 

「っ! トドメだ‼︎」

 

 アルテラはそのままアルジに踏み込んで突き刺そうとする。だが……

 

(っ⁉︎ 宝具が解除されているだと⁉︎)

 

 今までアルテラの剣を包み込んでいた魔力の本流はいつの間にか途切れ、元の状態に戻っていた。

 

(だが奴の得物は壊した。後はトドメを刺すだけだ‼︎)

 

 そう思い直して宝具を展開した推進力を活かし、そのままアルジ目掛けて突き進む。そこで気付いた……アルジの目が死んでいない事に。寧ろこの展開を待ち望んでいたかの様に……

 

 アルジはメイスの持ち手を捨て、鈍器部分を掴んだ。そして姿勢を低くしながら独楽の要領で左1回転して完全にアルテラの剣を躱すと、回った勢いをそのままにメイスの先端部分をアルテラの腹部に押し込む様に叩き付ける。その瞬間……

 

 

 

 

 

 

ガシュンッ‼︎

 

 

 

 

 

「ぐっ……ゴハッ……」

 

 鉄血メイスに内蔵されていたパイルバンカーがアルテラの霊基を正確に捉えていた。

 

「……まさか最初からこれを狙って」

 

「まぁな。楽に倒そうとするなら相手を油断させた方が手っ取り早い」

 

「……やはりお前は危険だ。自らの勝利の為とはいえ、自分の命を軽々と使って相手の油断を誘うなど……正気の沙汰ではない」

 

「なんだ? 俺の事を気遣ってくれてるのかよ?」

 

「違う……私がそのやり方が好きではないだけだ。悪しき文明は壊す。だがそこに住まう命まで取ろうとは思わない」

 

「……結構優しいんだな」

 

「優しい……だと?」

 

「文明は破壊するにしろ、最低限相手の命を尊重しようとしているんだ……それだけで十分優しいと思うがな」

 

「そう、か……初めて、そんな事を言われた」

 

「まぁアンタのいう悪い文明指定されている俺から言われても嬉しくないだろうが……」

 

「……いや、そうでもない」

 

「確かに私はお前を一目見て、早々に滅さなければと思った。お前に纏わりつく悪魔の様な力……それが危険だと感じたからだ」

 

「だがここまで打ち合って分かった……お前は、悪しき文明ではない。お前は……優しい奴だ」

 

「そうかよ……まぁ俺にも背負っているものがある。それが無くならない限りは、悪に落ちる事はしないと言っとくが」

 

「なら……私はお前がそうならない様に側で見守る義務があるな……だが、そろそろ時間の様だ」

 

 アルテラから金色の粒子が飛んでいく。そろそろ英霊の座へと戻るのだ。

 

「こんな形でお前の元を去るのは……何故か胸が痛いな」

 

「……ならまた俺の所に来いよ」

 

「? どうやって?」

 

「最悪な形で初対面しただろうが今はこうやって、少しは分かり合えたんだ。縁は結ばれただろ? なら後は辿ってこい」

 

「フフッ……無茶な事を。だが……」

 

「その時は頼むぞ……優しい魔術師よ」

 

 そう言ってアルテラは去っていた。後に残ったのは、アルテラが取り込んだとされる聖杯がアルジの足下に転がっていた。

 

「マシュ、受け取れ」

 

「えっ⁉︎ わわっ⁉︎」

 

 アルジから投げ渡された聖杯をマシュは危なげなくキャッチした。

 

「これでこの世界も元に戻るだろ?」

 

『うん、確かにこの世界での歪みも無くなったよ。もうじき退去が始まると思うから、それまで待機していてくれ。

 

 ロマニがそう言って通信を切ると、立香達から金色の粒子が溢れていた。この時代の皇帝であるネロと何かやりとりを終えると、レイシフトで元の時代へと送られた。

 

「また俺が最後か」

 

「まぁ良いじゃない。この雰囲気に少し身をおいたって」

 

「そうだよ。私もこの時代に呼ばれたから、少しの間アルジと離れ離れになっちゃうし寂しいからさ」

 

「あぁっ⁉︎ ちょっと! 何しれっとアルジの腕を抱き寄せてるのよ⁉︎」

 

「でも君達だって普段からアルジにこうしているんでしょ? なら少しぐらい良いじゃないか」

 

「ならアンタもアルジの所に来れば良いでしょ⁉︎」

 

「えっ? 良いの?」

 

「……あっ」

 

「ふふっ、言質は取ったからね。さて、そう言ってる間に私もそろそろ行かなくちゃだし……アルジ、少し良いかな?」

 

「ん? どうしt「んっ……」っ⁉︎」

 

 ブーディカからいきなりキスをされて驚き、頭が真っ白になった。所謂鳩が豆鉄砲を食らうかの様に……

 

「あぁ、その顔も愛おしい♡ 私も直ぐに君の所に行くからね!」

 

 そう言葉を残してブーディカも座に還った。

 

「〜〜〜っ‼︎ 油断も隙も無いわね‼︎」

 

「まぁ邪ンヌはツンツンするよりも積極的にアプローチした方が良いって分かったと思うけど?」

 

「ま、まぁ……そうね……カルデアに帰ったらもっとグイグイ行こうかしら

 

 ボソボソと邪ンヌが呟いている時にネロがアルジに近付いてきた。

 

「アルジよ……此度の事、どれだけ礼を言っても足りぬが、だが言わせて欲しい。余達を助けてくれてありがとう!」

 

「いつか言ったかもしれないが、利害関係が一致してるな過ぎねぇよ。もし相手側が正しい道だと言うのなら、俺は敵になってたろうからな」

 

「はは……それはとても苦しいな。だがそんなたらればなど、今は関係あるまい」

 

「そうだな。確かに関係ない」

 

「うむ! それでな……この前アルジを我が軍門に誘った事……覚えているか?」

 

「あぁ、覚えている」

 

「そうか……だが余はそれでも言いたい! アルジよ……余と共に生きてはくれぬか? そなたからすれば、今抱えている事以外興味などないのかもしれぬ! だが余はそれでも……そなたと同じ道を行きたいのだ‼︎」

 

「……悪いな。俺には……なんとしても果たさなきゃならねぇ事がある。俺の大切な人を……救い出さなきゃいけねぇんだ。それで……オフェリアの想いに応えたい」

 

「そうか……やはりそなたの想いは変わらぬのだな」

 

「あぁ……だが……」

 

「ん?」

 

「だがネロの応援は……俺に届いていたよ。こんなドス黒い意思を持っている俺の心にも。それが……なんだか嬉しかった。ありがとな」

 

「っ⁉︎///」ズキューンッ‼︎

 

 不意に見せたアルジさんの笑み……初めてみたネロさんは当時、心を撃ち抜かれた想いだったと語っています。そして傍でそれを見ていたお二方は、またか……と頭を抱えて悩んでいたと言います……

 

 そんなやりとりの直ぐ後、アルジ達もレイシフトでカルデアへと戻る。この時代の人間であるネロはアルジ達を見送ると直ぐにローマ軍を纏め上げ、ローマへと凱旋した。これにより無事、ローマは正史の道を歩み始めたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カルデアに着くと直ぐ様今回のブリーフィングを行った。まぁ内容としてはこの前と同じではあったが、これからもフラウロスの様な魔神柱が介入してくる事、今後どの年代問わず敵も強力になっていく事から戦力増強は必須である事から、立香達は早速英霊を召喚する事になった。俺も付き添いで行く事になっている。

 

 結果を言えば、オルレアン後に出ていなかったサーヴァントの残り組と、今回のローマで初めて縁を結んだサーヴァントを召喚してた。今回の特異点で一緒に戦ったネロもその1人で、俺に気付くと、あの特異点の時と変わらない態度で接してきた。まぁ……正直言えば嬉しいんだろうな。

 

それにしてもあのジル(下衆)も召喚に応じるとは……

 

 そのジルと繋がりがあってか……いや、あれは本人だな。セイバークラスのジルも召喚に応じていた。

 

(ん? そういえば善のジルとは初対面だよな……)

 

 本来ならオルレアンで会っている筈だが……まぁ本来いない俺が介入した為にズレが生じたのだろう。ともかく……

 

「おぉ〜っ! 我が愛しの聖女ジャンヌよ! また共に戦える日が来るとは‼︎」

 

「あっそ……まぁ私の邪魔にならない程度であったら許可しても良いわ。というかそれ以上私に近付かないでくれる?」

 

 邪ンヌにハエが集らない様にしないとな……

 

「それで? アンタは召喚しなくて良いの? まだリソース的に余裕があるんでしょ?」

 

「……良いさ。これ以上こんなドス黒い感情を持った奴なんk「ダメ」……邪ンヌ?」

 

「それ以上、アンタの事を貶めるのはダメだから。私は……そんなドス黒い感情を持っても真っ直ぐなアンタだから好きなの。私の憎悪も背負ってくれるって真っ直ぐ言ってくれた貴方が大好きなの。だから今度似た様なこと言ったら……キスして言わせない様にするから」

 

「あら? それだったら私もそうしようかしら?」

 

「なら私もね! 全く……アルジは直ぐ自分を卑下しようとするんだから」

 

「そうですよ旦那様! 旦那様が自分を貶めないよう、この清姫の愛で満たして差し上げます‼︎」

 

「ちょっ⁉︎ アンタ達勝手に割り込んで来るんじゃないわよ‼︎」

 

 そこから邪ンヌ達はいつもの様にギャーギャー騒ぎ始める。まぁ主に邪ンヌとマルタがだが……そんないつもの様子に呆れながらもアルジは、これが今のいつもなんだよな、と少し笑いながら見守っていた。

 

「あれ? まだ召喚の儀式が残ってるみたいだね」

 

 ダヴィンチがそう言うと、サークルは回り始め何者かを召喚した。そこに立っていたのは……

 

「ふぅ……少し時間がかかったけど、漸く来れたみたいだね。さて、アルジは……っ! いたいた! おーいっ!」

 

「ブーディカ? どうしてここに?」

 

「もぅ、あの時言ったでしょ? すぐに君の所に行くからって。邪ンヌの言質も取ってることだし、私も混ぜてもらっても……良いよね?」

 

「……はぁ〜。もう来ちまったんだろ? なら勝手にしろよ」

 

「うん! 勝手にするね! なら、再開のぎゅ〜しよ?」

 

「はっ? いきなり何いっt「はい、ぎゅ〜……」っ⁉︎///」

 

「あぁっ⁉︎ ちょっとアンタも何こっちで話してるのに勝手にしてるのよっ‼︎」

 

「う〜ん……私がそろそろ我慢の限界だったから!」

 

「ふ、ふざけるんじゃないわよ‼︎ さっさと私のアルジから離れなさい‼︎」

 

「いぃや、後最低でも10分はこうするからね!」

 

(また騒がしくなったな……ん? まだ召喚サークルが起動してるが……)

 

 心の中でアルジがそう思ったと同時に、未だ召喚の光が消えていない事に気付く。すると今度は虹色に光だしてサーヴァントが召喚された。そのサーヴァントは……

 

「あ、アンタっ‼︎」

 

 邪ンヌは警戒を最大に上げる。何故ならそこに立っていたのが、先程問答無用でアルジを斬り殺そうとしていた張本人、アルテラだったからである。

 

「ここか……あの時の言葉通り来たぞ。お前の傍で、お前が悪い文明にならない様に見守る為に。それで、これからなんと呼べば良い?」

 

(おいおい……また来いと言ったが、その矢先で早速来るのかよ?)

 

「聞こえていなかったのか? これからもお前呼びでは……何かと困るだろう? それでなんと呼べば良い?」

 

「あ、あぁ悪い。まさかこんなに早く来るとは思ってなかったからよ。驚いていただけだ」

 

「そうか。まぁ私もまさかこんなに早く再会するとは思っても見なかったが……出来るだけ早く会いたいと願ったら辿り着けた。不思議なものだ」

 

「そ、そうなのか……まぁ今はそれよりも俺の呼び方か。確か名前を言ってなかったな。俺はアルジ、アルジ・ミラージだ。物凄く変なもの以外であれば好きに呼べば良い」

 

「そうか、分かった。ならアルジと呼ぶとしよう。私はアルテラ……匈奴(フンヌ)の末裔だ」

 

「あぁ、これからはアルテラと呼ぼう。それに……本当の名前で呼ばれるのは嫌な様だからな」

 

「っ⁉︎ 知っているのか? 私の本当の名前を……」

 

「あぁ知ってる。でも俺はアルテラと呼ぼう。時代的背景などからその名前を付けられたのかもしれない。が、正直俺からすれば女の子にその名前を付けた奴は、侮辱になるかもしれないけどネーミングセンスなさ過ぎだ」

 

「それに、本当の名前よりアルテラの方が、響きが良いし、何より綺麗だからな」

 

「っ⁉︎/// そう、か……綺麗……か///」

 

「……アンタまた口説いたわね?」

 

「はっ? 口説いたつもりは無いが……」

 

「ならあの顔を見なさいよ! 明らかにアルジの事を意識してるでしょうが‼︎」

 

「ホント……唐変木でなくて、ナチュラルにそんな殺し文句言えるのだから恐ろしいわ。はぁ〜またライバルが増えたわ……」

 

「……気を付ける」

 

「……そんなこと言って多分また直ぐ無意識に口説くわよ」

 

「んなこと言ったってなぁ……って、まだ誰か召喚されるのか?」

 

「あら本当ね? でもこれで縁を結んだ方々は、立香の所も含めて全員だと思うけれど……」

 

 マリーがそう言った途端、今度はサークルが白銀に輝き、サーヴァントが召喚される。それが最後なのか召喚サークルの光は徐々に消えていくが、その中心は未だ白い輝きに包まれたままだ。

 

 それから数秒後、漸く人影が見えるくらいに光が収まると、その人影はアルジの方向にゆっくりと近づいて来る。アルジ達が捉えた新たなサーヴァント……それは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うむ! 装いも新たに早々に再登場だ! 嫁セイバー、或いはネロ・ブライドと呼ぶが良いぞ? 余の最良の奏者であり婿であるアルジよ♡

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「えっ?」」」

 

「「えっ⁉︎」」

 

「「「はぁ〜?」」」

 

「う〜ん……」

 

「あらあら……」

 

「……ん?」

 

「ぬ? どうかしたのか奏者よ? 余は何かおかしな事を言ったか?」

 

「大・大・大アリよっ‼︎ アンタなんで2人もいるのよ⁉︎ とっくに立香が召喚したでしょうが⁉︎」

 

「そうよ! あの特異点ではおとなしめにしてたけど、ここでは好き勝手に言わせてもらうわ! どうしたらそんな物理的概念を覆して来ることできるのよ⁉︎」

 

「むぅ〜……説明は難しいが、そうだな。立香達と過ごした記憶も勿論あるぞ? ただ立香の方で召喚された余はローマとローマの民を愛した全盛期の姿だな」

 

「そしてここにいる余は……まぁ簡単に言えば、アルジと出会い、アルジに心奪われ、ローマとローマの民を愛してはいたが、それ以上にアルジへの愛が振り切れてしまった者……つまりはパラレルワールドと呼ばれるやつよな。本来存在しなかった別側面の余……つまりこの場に立っている余がそれと言う訳だな‼︎」

 

「と言う訳だな‼︎ じゃ無いわよ‼︎ もぅ定員オーバーですぅ! 分かったのならさっさと座に帰りなさい‼︎」

 

「それは聞けぬ相談だ! 余も奏者の事を……アルジの事を愛しておる‼︎ この想いは誰にも負けぬぞ‼︎」

 

「それでもお断りよ‼︎」

 

「何故だ⁉︎ 何故ブーディカは良くて余はダメなのだ⁉︎」

 

「あの時ちゃっかりと聞こえていたのね……と・に・か・く! ダメなものはダメよ‼︎」

 

「なにをーっ! それでは筋が通らないではないか‼︎ ならば余の実力を持って認めさせるのみ!」

 

「へぇ〜……良いじゃない。その方が話が早くて助かるわよ。やるならさっさとやろうじゃない」

 

 そう言いながら2人はその場を後にして訓練場へと向かう。

 

「……それでこの状況をどうするの?」

 

「アルジ、アルジが困っているなら、私が出て止めても構わないが」

 

 ブーディカといつの間にか正常にもどっ……いや、若干頬をまだ赤らめているアルテラが聞いてくる。

 

「いや……元は俺が原因みたいなものだからな。俺が仲裁に入る。本気でやられたら……訓練場を元に直すよりも作り替えた方が早いぐらいの被害になりそうだからな」

 

 そう言ってアルジは立ち上がり邪ンヌ達が向かった訓練場へ行く。その時の顔は物凄く疲れた顔になっていたが……それでも若干嬉しそうに見えたのは、近くにいたマリー達だけが知る事である。

 

 そしてアルジの直ぐ傍……ほぼほぼ誰にも知覚はされないが、誰よりもアルジを愛する少女はその光景を微笑んで見守っていた。

 

 その後の結果としては、アルジがどうにか仲裁に入ることに成功、そこにマリー達からの提案もあり、邪ンヌと嫁ネロどちらが家庭的かを競い合う事になった。勝敗は……いずれまたどこかで作者が気紛れに書くかもしれない……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本編1部 第2章 永続狂気帝国セプテム ー復讐者は破壊を否定し、正すー 完




早速ですか今回は解説から参ります。


解説

累怨の宇宙(るいえんのそら)
宝具種別:対怨讐宝具
レンジ:1〜9999

アルジを転生させた女神様がひっそりと待たせていた能力であり、発動させるかどうかはアルジ本人が気付かなければ一生展開出来なかったものである。アルジが持つ心象風景の1つであり、固有結界に近しいもの。アルジのそれはサーヴァントが持つ宝具と比べて遜色ない。効果範囲はアルジが復讐対象として認める存在が全て入りきるまで有効。但し任意で除外する事も可能。

今回は偽フラウロスが入りきるまでなので距離にして精々半径10〜15m程。しかし展開後は物語でもアルジが説明している様に本物の宇宙空間を模した光景。

心象風景のため、勿論その世界の中でも人の営みがある。しかしながらあくまでも心象風景の為、会話する事は出来ても直接間接問わず殺害する事は不可能。もしその様な行為に及んだ場合、該当した者の力を半分にする。(最小は1なので1より下がる事はない)

この領域に出てくるMS、MAは破壊対象のため、倒した数だけ該当した者の力となる。

例:MSを1機撃破する=撃破した者の力を2乗する。撃破した数だけそこに累乗する。MAの場合は4乗する。

MS,MAの部位を破壊した場合=破壊した者の力を2倍にし、破壊した数だけ追加で2倍。(累乗よりも効果が高かった場合は、こちらの方が優先的に発動する)

また発動者であるアルジの縛りとして、アルジが復讐対象以外を主武装として選択した武器で撃破した場合、累乗ではなく積として数えられる。またアルジの能力をその場で半分にする為結局としてはアルジの能力はプラマイ0である。

だからこその作中での威力(ロマニ達が観測した様に銀河が生まれるくらいの質量)が実現できる。

しかしながらアルジが持つ領域展開(宝具展開)はこれだけではない様子。別仕様の宝具については後々語られるだろう。


はてさて、解説で意味わからないところはまた改めてご意見ご感想から頂きたいとは思いますが……まぁ普通にとある作品のパクリと言われても仕方ないと思ってます……

ただ、やはり格好良く展開したかったのであんな感じにしました。なんか、「宝具展開!」よりも「領域展開!」の方が自分的には響きが良いなと感じたのでそうしました。



そしてどんどん増えるアルジのハーレム……彼は一体これからもハーレムを増やしてどうなってしまうのか……まぁここも作者である私の匙加減ですね……

さて、次回は3章、4章へと行く前に幕間を1話書いていく予定です。予定としてはぐだぐだに……ここまで書けば何となく展開分かりますよね?

という事で、また次回お会い致しましょう!

第2章であるローマの物語が開幕されるにあたり、セプテムから登場するサーヴァント限定で読者の皆様が思うアルジとのカップリングで1番のサーヴァントは?

  • ネロ皇帝一択!
  • 母性の塊であるブーディカ姉さん!
  • いや、ステンノ様とだろぉ〜。
  • 復讐と破壊の衝突、ここはアルテラだな!
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