☆9 魔譌闍 様
☆6 わけみたま 様
評価をつけていただいてありがとうございます!
それと1ヶ月ぶりの更新と少し長くなってしまいました。他の著者さんの小説を読んだり、他のアプリをやってたりしてました。
そして今はFGOのバレンタインイベントをしていますので、更新が遅くなってしまうかもしれませんが、これからも本作品を楽しみながら読んでいただいたら幸いです! それではどうぞご覧下さい!
オルレアンに転移した俺だが、レイシフトの装置に嫌われてしまったのか周りには誰も居なかった。なので俺は仕方なく道順に従って歩いていたのだが……
「ん? 向こうのほうがなんか騒がしいが……」
近づいて見ると、2人の男女が竜の大群に囲まれているところだった。
(……まぁまずこの年代で竜の存在なんているはずないし、見たところワイバーンか)
そして囲まれている2人は、そんな状況でもしっかりと連携を取りながら戦っていた。このままでも別に問題ないが……
「とりあえず助けてから今の状況でも聞くか」
俺は迷わず対物ライフルを取り出してワイバーンに向けて放った。
side ???
ライフルの銃弾は真っ直ぐにワイバーンを貫く。それも複数体同時にだ。それを連携をとり戦っていた2人は、いきなりワイバーン達が墜とされていく事に驚いた。
その瞬間を見逃さなかったのが、ワイバーンのリーダー格であろう黒いワイバーンだ。連携をとっていた女性の方に狙いを定めて巨大な口を開いて襲いかかる。
「マリーっ⁉︎」
マリーと呼ばれた女性とペアを組んでいた男がその事に気付いて咄嗟に叫ぶ。女性もそれに気付いて自らを攻撃するワイバーンに顔を向けるが、今から動いたとしても回避行動は間に合いそうになかった。
だがそれも……
「ギャァァァ……」
そのワイバーンの頭にいつの間にか刺さっていた。否、さっき刺さったのだろう。黒いワイバーンは、ナイフが刺さった衝撃で身体全体をのけぞらせた状態で絶命していた。
それからというもの、ワイバーン達は逃げ惑う。自分達のリーダーがやられた為だろう。統率のある動きはもはやそこには無かった。
「逃すかよ!」
「えっ⁉︎」
マリーと呼ばれた女性が声が聞こえた方を向くと、白髪の少年がワイバーンに攻撃していた。多分あの少年が自分達を助けてくれたのだろう。そう思っているとあれだけいたはずのワイバーンが全て地に墜とされていた。
「マリー! 大丈夫かい?」
「えぇ、私は大丈夫よ」
「良かった。それにしても……」
「えぇ。あの子ももしかしてこの時代に呼ばれたのかしら?」
「さぁ。でも少なくとも僕達の敵ではなさそうだね」
「おぉ〜い、大丈夫か〜?」
マリー達が話していると、白髪の少年であるアルジが、丁度リーダー格のワイバーンの額に刺さったナイフを抜いてマリー達のところに向かっていた。
side out
「やぁ! 君が僕達を助けてくれたのかな? あのワイバーン達に囲まれた時はどうなる事かと思ったけど、君が加勢してくれて助かったよ! ありがとう!」
「いや、俺はただ自分のしたい事したかっただけだからな。気にしなくても良いさ」
「そうかい? まぁでも助けてくれた事は事実さ。だからこのお礼は受け取って欲しいな」
「ま、まぁそこまでいうんならよ」
「うんうん! それで僕達もついさっきここに呼び出されたばかりなんだ。僕の名前はヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト。ただのしがない音楽家さ。よろしく!」
「へぇ〜、アンタがあの名高いモーツァルトさんか。よろしくな」
「うん。それでこっちが……」
「
「お、おう……ヴィヴ・ラ・フランス?」
「ふふっ、私の挨拶をそのまま返してくれる人なんてあなたが初めてだわ‼︎」
「そ、そうか?」
「えぇ! そして私はマリー・アントワネットよ! よろしくお願いするわね! それであなたの名前を教えて貰えるかしら?」
「そうだな。俺の名前はアルジ・ミラージだ。好きに読んでくれて構わないぜ。モーツァルトさんにマリーさん」
「じゃあアルジと呼ばせてもらうよ。それとさん付けはしなくても良いよ?」
「そうね。私達の事も気軽に呼び捨てで呼んでもらった方が親近感が湧くわ!」
「し、しかしだな……あれだけ有名な歴史上の人物を、しかも(サーヴァントとして召喚されているとはいえ)実在した人物を目の前にして呼び捨てっていうのもな……」
「ない、僕達は気にしないさ」
「私はもっとあなたとも仲良くしたいと思っているわ! だから気にしなくても良いのよ?」
「な、なら……よ、よろしく。モーツァルト、それにマリー」
「うんうん! こちらこそ!」
「えぇ! よろしくね‼︎ それであなたはどの逸話から来たのかしら?」
「えっ?」
「確かに……アルジといった有名人は僕達にインプットされていないね。もしよかったら教えて欲しいな」
「あ、あぁ……実は俺サーヴァントじゃなくて人間なんだが……魔術師ではあるけど」
「あらそうなの?」
「えぇっ⁉︎ それであの戦闘能力なのかい⁉︎ それはすごいなぁ! あっ! という事は君、もしかしたら僕達のマスターになれるんじゃないかい?」
「はっ?」
「確かにそうね! 私達もさっきここに来たばかりなんだけど、誰とも契約していない状態で長い時間現界できないの」
「そこで、君が僕達のマスターになって欲しいんだ。多分君もこのフランスで何かが起こってるからこそ来たと思うんだ。そして僕達もこの問題を解決したいんだ」
「だから、あなたの力を借りたいの。私達と契約してくれないかしら?」
「……断る」
「えっ? どうしてだい?」
アルジの即答にモーツァルトが疑問を投げかける。
「俺は……確かにこの世界の異常を解決するために来た。だが俺がここに来たのは、元に戻すためだけじゃない。ある奴に復讐するためだ。慈善活動じゃなくて、薄汚れた私怨でここにいる」
「だからそんな私怨を……誇り高い英霊であるアンタ達にのせて戦うなんて出来ねぇ。だから契約するってんなら他の奴を当たってくれ。丁度俺と同じような魔術師がこっちに来ているはずだから、合流したらそっちに頼んで欲しい」
「そう……あなたにも背負っているものがあるという事なのね」
「……そうなるんだろうな。ただ……」
「ただ、なんだい?」
「契約しない代わりといっちゃなんだが、俺から魔術回路を少しだけ提供して、現界するだけの魔力を渡す事ぐらいならできるんだが」
「へぇ〜、そんな事もできるのかい?」
「そうなの? ならお願いしても良いかしら?」
「……分かった。2人とも左手を出してくれ」
「こうかしら?」
「あぁ。後は……」
アルジは自らの左手の甲を、ナイフで少し傷つける。ナイフにアルジの血が付くと、それを2人の左手の甲に一滴ずつ垂らした。するとその血は彼女らに馴染む様に身体の中に入っていった。
「あら?」
「な、なんだが凄く調子が出てきた気がするな?」
「アンタらと俺の間で魔術回路が繋がった証拠だな。それじゃあここに立ちっぱなしなのもなんだし、移動するか」
そしてアルジ達は移動した。そしえ幾らか村などを経由して現状を聞きながら、寝床に向きそうな場所を探す。そして夕暮の頃にとある森の中まで進んでいた。
「ここいらで良いか」
そう言ってアルジは地面に手をついて何やらし始めた。
「何をしているんだい?」
「野宿に必要な物を自分の魔力を介してここに出そうとしてる」
そう言いつつもアルジの近くにキャンプセットなどが出てきていた。そこから手早く薪を集め、マリー達と会った時に倒したワイバーンの肉、食べれそうな根菜類、水については目の前に流れる川から拝借して調理を始めた。
調味料についてはアルジが持ってきている物であり、ワイバーンの肉についてもしっかり血抜きと臭みがでない様に処理を施していた。そして夕食が出来上がったのである。
「すごいわ〜! アルジって何でもできるのね‼︎」
「何でも出来るわけじゃねぇさ。俺が出来る事をやってるだけだ」
「謙遜しなくても良いわ。確かにアルジと知り合って少ししか経っていないし、あなたが何が好きで何が嫌いかも分からないけれども、それでも初対面の私達のためにここまでやってくれているんだもの。だからありがとうって、お礼が言いたいの」
「……そうか」
「うんうん! 僕なんて音楽しか才がないからね。アルジは凄いよ。と言ったところでせっかくアルジが作ってくれたんだ。冷めないうちに食べよう」
「そうね。それじゃあアルジ、頂くわね!」
「あぁ。俺も、頂きます」
アルジは合掌して食べる。因みに今回使用したワイバーンの肉については、鶏肉みたいな食感で美味しかったそうな……
夕食が終わってからは、使った食器などを洗う。それについては2人も手伝ってくれたおかげで早く済み、後は寝るだけになった。
「それじゃあ俺が辺りを見張るから、2人は寝てくれ」
「いやいや、それは逆だろう?」
「そうよ。私達はサーヴァント、例え寝なくても活動は出来るわ」
「それに君とは魔術回路を繋いでいるわけだし、無理は良くない! しっかり休んでもらわないとね!」
「……分かった。なら……」
アルジはナイフを取り出して地面に突き刺した。
「この地での災いを、俺は叩きのめす」
アルジがそう唱えると、テントを張った半径5m程が何かにすっぽりと覆われた。
「ここら一体に認識阻害をかけた。これでアンタらもゆっくり休めるだろう?」
「まったく……君って奴はお人好しにも程があるんじゃないかい?」
「別にそんな事はねぇよ。それじゃあ俺は先に寝るから」
アルジは先にテントの中に入り、用意していた簡易式の布団と毛布に入って眠った。勿論枕も込みである。
side マリー
「よく眠っているわね」
「そうだね。口ではあんな風に言っていても、身体は嘘をつかないね」
2人はアルジの顔を覗いて、声を落としながら話している。
「ふふっ、えいっ!」
そこで何を思ったのか、マリーはアルジの枕をゆっくりどかし、それと同時に自分の太ももを枕の代わりとしてか、アルジの頭に敷いた。
「本当に……まだ私が死んでしまうよりも若いのに、誰かの為にこんなに必死で……彼がとても輝いて見えてしまうわ」
「そうだね。僕らみたいな初対面のサーヴァントにここまでして、自分の事を後回しにして僕らの事を気にかけて」
マリーの膝枕に変わっても、アルジは変わらず規則正しい寝息をしていた。それどころか寝返りまでうつ。
「んっ……」
急な事で驚いたマリーは吐息を漏らした。
「ふふっ……大きな子供みたいだわ」
(まるで……生前の我が子と接しているみたい)
マリーはそう思いながら、アルジの髪を優しく撫でた。
「……父さん……母さん……」
「両親の夢を見ているのかな?」
「多分そうでしょうね。まだ両親と一緒に過ごしていても良い年齢ですもの」
「……オフェリア……俺は……君の事を……」
『俺は……確かにこの世界の異常を解決するために来た。だが俺がここに来たのは、元に戻すためだけじゃない。ある奴に復讐するためだ。慈善活動じゃなくて、薄汚れた私怨でここにいる』
(復讐……こんなに優しい子が復讐のために戦うなんて……私はとても心配だわ)
マリーは悲しそうな顔をしてアルジの髪を撫で続けるのだった。
side out
今回登場していただいたマリーさんとモーツァルトさん。何気なくマリーさんが本作品の主人公であるアルジくんのヒロイン候補となるのか⁉︎
ちょっとした解説
・魔術回路提供
読んで時の如くそのままの意味。自分の血を媒介にして自分と相手の魔術回路をつなげる。
・物資召喚
自分の魔術回路に物を溶け込ませる手法。所謂、某青い狸の4次元○ケット。尚、戦闘の時に間違えて余計な物が出る事はないし、某青い狸の様に焦って変な物を出さない模様。
それではまた次回、お楽しみに!
今作品ではヒロイン多数で出しておりますが、プロローグ時点で既に2人ヒロイン出しています! そこで質問ですが、読者の皆様でしたらヒロインの中でどなたを正妻にしますか⁉︎
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ルヴィアさん
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オフェリアさん
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まだ見ぬ他のサーヴァント