最弱のヒーロー~強い者の味方だ~   作:スキえもん

2 / 3
第2話

「いやね?まぁ受け取るつもりではいたけれど、なんかこう…詐欺にあった気分です」

 

「細かい事は気にしない事だね、ハゲるよ」

 

小5にハゲとか言うな厨二患者め。

 

▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

 

成り行きで“ブレイン・バースト”を手に入れてたその日。

いまいち覚えていないんですが嫌な夢を見た気がしたんです。

 

後日その話をモブ男くんにしたら、それがゲームに使うアバターを作成するために必要な事なんだとか。

 

たかがゲームの癖に人様に恐い夢見せるとかそれなんてホラー?

 

やめてよ、恐いの苦手なんだから。

 

その話を聞いてアプリを消去しようとしたらモブ男くんに怒られましたけど。

 

そして今は、モブ男くんと一緒にこの村唯一の図書館に来ています。

 

「それじゃあ早速レクチャーを始めようか、まずは直結しよう」

 

「はぁ…なんだか流されてる気がするなぁ」

 

そもそもなんでこんな事に…ゲームは好きだから深く考えずに楽しめばいいか。

 

え?合言葉があるの?何か恥ずかしいんですが…

 

あぁいや、今更逃げませんから…てかあんたノリノリですね。

 

そんじゃ…

 

『バースト・リンク!』

 

うん、もう無理だな。

 

僕も立派な厨二患者だ。

 

 

 

そして現在、僕はやたらと青い空間にいます。

 

なんなんだろうか、ココ…ずっといると眼が悪くなりそうだ。

 

おや、そこにいるのは…甲冑を着て、腰に日本刀チックな物を下げたモブ男くん。

 

ブレないね、君も。

 

いや照れてんなキモい。

 

誉めてないから、いいから説明してよ。

 

え~…アイコン…あ、増えてますね。

 

これを押して…マッチング?いや英語読めないんで…左から二番目…これか。

 

あ、なんか名前っぽいのが出てきた。

 

「えぇっと…いやだから読めないですって、和訳表示できないんですか?」

 

ダメ?小学生に優しくない設定だな。

 

「うむ、【ミッドナイト・ジャスティス】は俺のアバター名だ。つまり君のアバター名は【ドゥグラス・ポルコリッター】と言うことだね」

 

遂に僕にも痛い名前(セカンド・ネーム)を拝命しました。

 

凹みすぎて消えたくなってきた。

 

…え?そっちの名前を押せばいいの?

 

てい。

 

うぉ、なんか周りが光だした!

 

「え、嘘、何処ここ?」

 

先程までの真っ青な空間から、今度は崩れかけの建物の中にいた。

 

外では瓦礫が散乱し、目に入る物が全て壊れかけている。

 

そして目の前には

 

頭には兜、目には眼帯、両肩にはガトリング、腰には日本刀、手にはドリル…

 

厨二が大好きそうなアイテムてんこ盛りな奴が座っていた。

 

間違いないわ。

 

てかモブ男くん、キミブレないにも程があるだろう。

 

「まぁそう言わずに。男のロマンの体現者と呼んでくれ」

 

美味い物と美味い物を混ぜたら、なんでも凄く美味い物になるとでも思ってるのか?

 

どうやら彼は【混ぜるなキケン】を知らないらしい。

 

僕が呆れていたらモブ男くんが図書室にあったと思われる姿鏡を持ってきた。

 

その鏡で自分の姿を見る。

 

身長は本来よりも若干高く、155~160位だろうか。(後で聞いたら一般よりは少し低いらしい)

 

全身が彩度の高い青に染まっていて、頭には耳らしい部位がペタンと折れている。

 

それを見た僕の感想は

 

「なんか…地味?」

 

この五文字であった。

 

モブ男くんほどゴチャついてるのもアレだが、これはすっきりしすぎてなんだか寂しい。

 

てか武器もないんだけど、まさかの素手か?

 

格ゲーだったら普通かもだがなんか寂しい。

 

モブ男くん、その武器くれない?

 

そんなにあんだから一個くらいいいでしょ。

 

いや、そんな嫌がんなくても…え?アイテム欄を見てみろって?

 

え~と…これ?

 

あ、なんかある。

 

強化外装…?あぁ、君のドリルとか刀の事か。

 

名前は【millennium sword】…え?【ミレニアム・ソード】って読むの?

 

うん、我ながら厨二チックな名前だがまぁいい。

 

押せば出てくるの?じゃあ、てい。

 

おぉ!目の前に刀っぽいものが現れた。

 

モブ男の物より短いが、まぁ身長に合わせてるのだろう。

 

早速鞘から引き抜く。

 

 

 

柄は手に馴染み、全く違和感なく掴みやすい。

 

 

 

現実の刀とは違い、澄みきった真っ白な刀身。

 

 

 

全体に丸みを帯びていて、ほのかに甘い香りすらしてくる。

 

 

 

先端にはニコちゃんマークが描かれており、もちろん刃などはない。

 

 

 

何処からどう見ても

 

 

 

間違いなく

 

 

 

千歳飴だった。

 

 

 

僕は無言でそれを鞘に納める。

 

暫くしてからもう一度引き抜く。

 

そこには、変わらず甘い香りのする真っ白な刀身。

 

納める。

抜く。

納める。

抜く。

納める。

泣く。

 

「あんまりだぁーーーー!!」

 

「ふむ…ミレニアム…千…で、【千歳】か。なるほど」

 

「冷静に考察しないでよ!よけいに惨めになるじゃん!」

 

「まぁ待て。取り敢えずそれで俺に攻撃してみるんだ。もしかするとなにか特別な力があるかもしれん」

 

な、なるほど…確かに一理ある。

 

てなわけで…くたばれモブ男ォォ!

 

 

 

ポキン。

 

 

 

コロコロ…。

 

 

 

「「…」」

 

 

 

根元から折れた刀を見て、何も言えなくなった。

 

飴に描かれていたニコちゃんマークが、いつの間にか涙を流している絵に変わっていた。

 

そして、モブ男くんは顎に手をあてながら呟く。

 

「飴の刀に、これは…猫?いや、豚の耳か?しかしまた不思議なアバターだな」

 

―――あれ?なんか知ってる気がする…?

 

じぃちゃんが昔、一人でも寂しくないようにとくれた沢山の古いマンガ。

 

その中にあったハイスペックな幼稚園児が色々と活躍する話。

 

その園児が描いていたヒーロー…確かそれが、豚の侍…。

 

僕はもう一度自分の体を見た後、モブ男くんを見ながら質問してみた。

 

「チェンジは?」

 

モブ男くんは、表情が解りにくいアバターの状態でも解るくらいに優しく答えてくれた。

 

 

 

 

 

「お前ならやっていけるさ」

 

 

 

 

 

本日、何度目かの殺意を覚えた瞬間だった。

 

 




○●○●○●○●○●

お客さんのハイセンスなクレームに耐えつつなんとか二話目。
とりあえずはこのまま一週間以内に投稿していきます。



本文考えるよりあとがき考える方がツライ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。