BLEACHの世界でうちはサスケに転生しました   作:ポピー

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虚が自宅を襲ってきました。

 

 それから数年が経過し、俺は中学生になった。『NARUTO』の原作が開始した年齢とほぼ同じになったわけだ。

 勿論原作にあったイタチが一族を皆殺しにする事件など起こるはずもなく、俺は普通に成長していった。

 

 あれから(ホロウ)に出くわすことは殆ど無かった。

 そして悲しきかな、俺の目に写輪眼が宿る事もなかった。

 ただ、幾つか(ホロウ)が関わっていると思われている事故や事件を耳にする機会が度々あった。

 その事件の中に、イタチの親友だったうちはシスイが巻き込まれ死亡したという話も。

 その時のイタチの心境は、きっと俺の想像を絶するものだったに違いない。

 

 俺は中学に上がったばかりだが、イタチはもう高校2年になる。身長の差は広まる一方だ。

 体格差もある事から、小学生の頃から体力作りのために筋トレやら組手やらの相手をしてくれていたが、それもイタチが高校に入学してからめっきり無くなった。

 まあ、イタチも忙しそうだし無理に声をかけるのは気が引ける。

 それに例え俺が稽古をつけて欲しいと頼んだところで「また今度だ」と額を小突かれて終わりだろう。

 

 イタチは隣町にある空座町の高校に通っている。BLEACHの主人公が通っていた『空座第一高等学校』とはまた別の学校だそうだ。

 空座町が重霊地になったという話も聞かないので、多分まだ原作の方は始まっていないんだろう。原作通りに進むのかも正直わからないが。

 

 中学生になって3週間。環境が変わったためか、俺の周りに変化が起き始めていた。

 と言っても、俺の周りに女子が集まって騒ぎ始めるというものだ。中には告白までしてくる女子もいる。

 原作初期でもサスケはよくモテていたっけな。漫画で読んでいた時はこんなにチヤホヤされて怨めしいやつと思っていたが、自分がそういう立場になると確かに…ウザいな、これは。

 本当は何かしらの部活動に入っておきたかったんだが、女子の目が多すぎるため断念した。

 更に女子に囲まれる俺を見て、気にくわない奴だとガラの悪そうな男共まで絡んでくるようになる始末。

 返り討ちにしてやったが。

 

「今日も疲れた……」

 

 帰宅部となった俺は日がまだ明るいうちに帰路につく。

 入学してからまだ3週間しか経っていないはずなのに既に3ヶ月分くらいの疲労が溜まっていた。これは流石に身がもたない。

 こんなことならNARUTOの世界で転生した方が良かったんじゃね?と思ったが、彼処は彼処で死と隣り合わせだ、あんま変わらないな。

 

 そんな時だった。派手な音が俺の鼓膜を揺らした。

 顔を上げると見慣れた家。どうやら既に自宅の近くまで来ていたようだ。

 しかし次の瞬間、大きな音を立てて家の壁が崩れ穴がこじあけられたのだ。

 そしてその穴から、白い髑髏が顔を出した。

 

『グオオオオオオオオオオオオオ!!!!!』

 

 空気を震わせるような大きな咆哮。(ホロウ)だ。

 (ホロウ)は俺の姿を捉えると、一目散に俺に突っ込んできた。

 

『ォオオオオ!!!』

 

 俺は頭から突っ込んできた(ホロウ)を難なく避ける。そしてそのまま全力で家まで走った。

 ヤバイヤバイヤバイ。

 油断していた。あの日以来だったもんでまさか家に現れるとは思わなかった。

 イタチは確か帰宅は夜になると言っていたか、とにかく家の人間は無事か確かめなければ。

 

「父さん!! 母さん!!」

 

 父と母を探すため声を上げる。返事はない。

 家の中は埃と煙がモウモウと立ち込めていて視界が悪そうだったが、何故か今の俺は大して気にならなかった。

 

 リビングに駆け込む。同じように声を掛けると、今度はよく耳に馴染んだ低い声が聞こえた。しかしその声はいつもより小さい。

 

「父さん!?」

 

「……サスケ……か……?」

 

 フガクはソファの死角に倒れていた。その腕にはミコトが抱かれていたが、意識はない。

 二人は身体も倒れている床も、真っ赤に染まっていた。

 目の奥が疼いた、気がした。

 

「父さん、一体何が……母さんは無事なのか!?」

 

「サ……スケ……、お前は……逃げる……んだ……今のお前……なら……助かる……」

 

「何言ってるんだ!?父さんと母さんを置いていくなんて……」

 

「気配を……消す能力を……使う…… (ホロウ)の……様だ……もう……俺達は……助からん……この事を……イタチに……」

 

 背後から(ホロウ)の巨大な拳が落ちてくる。

 俺は動かなくなった二つの身体を抱えてそこから離れると、拳は耳障りな音を立てながらソファ諸共床を叩き潰した。

 

 眼が熱い。頭が痛い。

 これが夢ならば今すぐ醒めてほしい、いやマジで。

 

「ハァ……ハァ……」

 

 中学生の身体で大人二人を抱えるのはキツい。それでもこの二人だけは、守らなければと思った。

 例え、もう事切れていたとしても。

 

『グオオオオオオオオオオオオオ!!!』

 

 (ホロウ)の雄叫びが五月蝿い。

 これだけの騒動があって、未だに家の周りに人一人集まらないのが不思議だった。

 再度飛びかかって来た(ホロウ)を一瞥する。

 

「黙れ」

 

 無意識に眼に力を込めていた。(ホロウ)と視線が交わる。

 ビクンッと不自然なくらいに身体を揺らした(ホロウ)は、体勢を崩してそのまま地面に倒れ、動かなくなった。

 

 ……疲れた。

 初めて眼力を使ったせいか、身体に力が入らない。

 身体が揺れ倒れそうになるのを、誰かが抱き留めてくれた。

 

「よく頑張ったな、サスケ」

 

 聞こえた声は、ここに居ないはずの兄のものだった。

 その声に安心してしまったのか、俺は意識を手放す。

 

 最後に見たのは、漆黒の炎に包まれる(ホロウ)の姿だった。

 

 

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