【本編完結】ラブライブアフター~あれから5年…… 作:ひいちゃ
第1章~穂乃果と海未part1
私、高坂穂乃果、21才!
今私は、スクドル(スクールアイドル)やってます!……というのも昔の話。
絵里ちゃんたち三年生が卒業して、μ'sが解散してから5年の歳月が経ちました。
そして、そんな私が今、何をやってるかというと……。
「ふぅ、歌った歌った~」
かわいらしい服装を着たまま、私は穂むらの店の中に戻ってきました。
あ、アイドル活動をしてるわけじゃないんですよ? 私は今は穂むらを継ぐために、店員兼看板娘をやってます。
そしてその合間を縫って、もともと歌うのが好きだったこともあり、宣伝も兼ねたミニライブをしてる、ってわけ。
μ'sとして活動してたころに比べると、規模はとても小さくなったけど、でも見に来てくれるお客さんからは大好評!
中にはそのまま店に入って買い物をしてくれるお客さんもいるし。
でも、確かに今のミニライブをしながらの店員生活も楽しいけど、穂乃果はなぜか、その胸の中に、小さな穴のようなものを感じていました。なんでだろう?
そう思いながらも、穂乃果は店員としての定位置、ガラスケースの脇のカウンターに座ると、カウンターの机の中にあるタブレットを取り出し、操作して動画を再生しました。そこに映っているのは……。
「新しくなれ~♪ 動き出した未来~♪」
そう、今大人気のスクドル、Aqoursの新曲『未体験HORIZON』のPVです。とても楽しい曲に、ちょっと曇っていた私の心の中も少し明るくなります。そしてそれと同時にある考えが思い浮かびました。
「私たちもまた……」
でも穂乃果は、慌てて頭を振ってそれを振り払います。
(ダメダメ。そうだよ。みんなで話し合って解散する、って決めたんだもん)
そう、μ'sはあのラストライブでおしまい、それが私たちが悩んで決めた結論。だから……。
穂乃果がそう思いにふけっていると……。
「こんにちは。穂乃果、ミニライブ後の休憩は終わりましたか?」
「あ、海未ちゃん!」
黒髪ロングの女の子、私の幼馴染の一人でμ'sのメンバーの一人でもあった、園田海未ちゃんが店にやってきました。
私と大の仲良しで、また穂むらの和菓子を気に入ってくれている海未ちゃんは、μ'sの活動が終わった後も、こうして店に来て、そして和菓子を買ってくれています。
「こんにちは海未ちゃん。弓道部の練習は終わったの?」
「はい。この後は、午後の部の練習はないので家に帰って日舞の練習です」
そう、海未ちゃんはμ'sが解散して、そして卒業してからも、弓道と日舞に励んでいるそうです。
体育大学に進学し、学校にいる時は、弓道部の練習。そして帰ってきてからは家で日舞の練習の毎日。高校時代は、このほかにμ'sの練習もしてたんだからすごいなぁ……。雪穂からは「お姉ちゃんとは大違いだね」とか言われてます。えへへ。
「あ、そうそう。店の前で郵便局の人から穂乃果あての郵便を受け取ってますよ、はい」
「あ、ありがとう海未ちゃん。どこからだろう?」
「さぁ? 私はそこまでよくは見てませんから」
穂乃果は海未ちゃんから、その郵便の封筒を受け取りました。
そして、封筒の差出人を見て……
そして、硬直しました。
そこに書かれていたのは――――
ラブライブ運営委員会
ラブライブ。
その言葉の目にして、穂乃果の胸に懐かしい想いが蘇るとともに、その心が大きく揺れます。
ラブライブ……また……でも……。
「穂乃果?」
その海未ちゃんの声に、私ははっと我に返りました。怪訝な顔をした海未ちゃんがこちらをのぞき込んでいます。
「あ、ご、ごめんね!」
「いえ。でも、一体どうしたのですか?」
「ななな、なんでもないの! え、えぇと、買うのはいつものだよね?」
と、そこで海未ちゃんはなぜか、苦笑めいたような、やれやれといったような、複雑な表情を浮かべました。あれれ?
「えぇ、それでお願いします。(相変わらず、意固地な子ですね……)」
「え?」
私が聞き返すと、海未ちゃんはいくらか、その複雑な表情を和らげて、微笑み返しました。
「いえ、なんでもありません。それじゃこれ、お代です。また明日買いに来ますね」
「あ、う、うん、またね」
そう挨拶を交わすと、海未ちゃんは帰っていきました。
彼女が見えなくなったところで、穂乃果は改めて、封筒を手に取ると、封を切って、中の手紙を開きます。
そこに書かれていたのは……。
「ラブライブ・スクールアイドルフェスティバルでの、μ'sの復活ライブの依頼」
今度開催されるラブライブ・スクールアイドルフェスティバル……通称スクフェスに、μ'sを再結成して出てほしい、というお願いでした。
その文面を見て、穂乃果の心は再び大きく揺らぎます。
ラブライブ……出たい……。でも……私たちは六人で話し合って、μ'sはあのラストライブでおしまいと決めたんだもん……。だから……。
また復活させて、出ることなんて、できないんだもん……。
そう思いにふける私の傍らで、タブレットはAqoursの『未体験HORIZON』を流し続けていました。
『前へ進むんだ~♪ 思い出抱いて、前に~♪』
To Be Continued...