【本編完結】ラブライブアフター~あれから5年…… 作:ひいちゃ
ネクストステップ!
「かんぱーい!」
私の声に合わせて、Aqoursのみんなとダイヤさんたち元三年生のみんなが、ジュースの入ったコップを軽く打ち合わせます。
ここはとあるファミレス。スクフェスが終わった後、私たちはここで打ち上げ会をすることにしたんです。
お菓子とかスイーツだけのささやかなものですけど、とっても楽しい!
「いやー、今年のスクフェスもうまくいったよね、千歌ちゃん!」
「うん! お客さんも、とても喜んでくれてよかった!」
「そういえば、スクドル部のメルアドにも、『Thanks you,FRIENDS!とてもよかったです』ってメール、たくさん来てたよ。本当によかったね」
「うん。それに、μ'sの復活ライブもよかったなぁ……」
私がそう言うと、ダイヤさんが夢心地のような表情でこたえました。
「そうですわね……。さすが伝説のスクドル。最高の歌でしたわ……。エリーチカも最高でした……」
「ははは、本当にダイヤは絵里ちゃんが好きなんだね」
「果南さん、それは違いますわ。エリーチカも含めてμ'sが好きなのです」
「ふふふ、ダイヤのμ's好きは相変わらず、筋金入りなのね」
そう楽しく話している三年生組の横では、元一年生組と空ちゃん、涼ちゃんも楽しく話しているみたいです。
「未来ちゃん、ライブ楽しんでくれてよかったね!」
「うん。お母さんに聞いたら、あのライブ聞いて、少しは元気になってきたみたいって言ってた」
「本当に良かった……。ルビィちゃんたちのおかげだよ。ありがとうー」
「うぅん。ルビィたちは何もしてないよ」
「まぁ、強いて言うなら、私に供物を……」
「善子ちゃん。周りの人の迷惑になるかもしれないから、堕天使設定出すのはやめるずら」
「だから、設定じゃないしっ!」
と、そこに。
* * * * *
「あれ~? あなたたちは……」
どこかで聞いたような声。どこでかって? それは、数時間前、スクフェスの会場、μ'sの復活ライブの時に。
……え?
「やっぱり! あなたたち、Aqoursのみんなだよね?」
「え?」
あまりのことに、私は声が出ませんでした。それは他のみんなも同じみたい。
「み、み、み……」
「み?」
『μ'sの皆さん!?』
そう。
高坂穂乃果ちゃん、園田海未ちゃん、南ことりちゃん、小泉花陽ちゃん、星空凛ちゃん、西木野真姫ちゃん、絢瀬絵里ちゃん、東條希ちゃん、矢澤にこちゃん。
μ'sの皆さんだったんです! ……あ、考えてみたら私たちより年上なんだから、『さん』づけするべきなのかなぁ?
それはともかく、これに驚かない人がいるでしょうか? いやいません。
「こ、これは夢なのでしょうか……? ちょっと花丸さん。どうして私の腰にしがみついているのですか!?」
「ダイヤさんのμ's愛が暴走して、突撃してしまわないようにずら」
「でも、憧れのμ'sが目の前にいるなんて……本当に夢みたい……」
「ふ……きっと、私の魔力が彼女たちを引き寄せたのね……」
もうみんな混乱しまくってて。でも、私がリーダーなんだから、気持ちを落ち着けなくちゃ……。
「あの……それで皆さんはどうしてここに?」
と思ってる間に、一足早く立ち直ってた梨子ちゃんが、μ'sの皆さんに質問します。さすが梨子ちゃん。しっかりしてるなぁ。
「うん、私たちもここで打ち上げをしに来たんだよ。そしたらあなたたちを見つけて……よかったら、ご一緒してもかまわないかな?」
「は、はい。私はかまわないでふっ!」
あ、噛んじゃった。
「もももももちろん! みみみμ'sの皆さんとご一緒いただけるなんて、光栄ですわっ!」
「ダイヤさん、とても動揺してるずら」
「人、人、人……」
「ルビィもかなり動揺してるみたいね……」
というわけで、私たちはμ'sの皆さんと、一緒に打ち上げパーティすることになっちゃいました!
これ……夢じゃないよね?
* * * * *
「でも、『未体験HORIZON』、とてもいい歌だったよ! 今回の『Thanks You,FRIENDS!』もとてもよかったし!」
「穂乃果ったら、実家の店で、ずっと『未体験HORIZON』聞いているんですよ」
「だって、とってもいい歌なんだもん!」
「え、そうなんですか!? なんか嬉しいです……。でも、皆さんの新曲『A song for You! You? You!!』も、とてもよかったです!」
「たはは……照れるな。でも嬉しい!」
穂乃果さんが、『未体験HORIZON』を聞いてくれていたなんて……本当に夢みたい。とっても嬉しいな……。
「でも、それは皆さんのおかげかも。私、UTX前で、皆さんの『START DASH!』を聞いて、それでスクドルに憧れたんです」
「そうなんだ、えへへ、それは照れるな……」
「私はそんな千歌ちゃんに、半ば強引に、Aqoursに引きずり込まれて……」
「あ~、梨子ちゃん、ひどいな~」
「ふふふ、強引なところは、穂乃果も千歌さんもそっくりですね」
「あ~、海未ちゃんもひどい~」
「ふふふ。でも梨子さんも、悪いことばかりじゃなかったでしょう?」
海未さんがそう言うと、梨子ちゃんはふふっと笑って、懐かしそうな目をして答えました。
「はい。本当に楽しくて、とっても素敵な時間の中を過ごせました。今まで、うぅん。卒業までの時間は、私の宝物になると思います」
「梨子ちゃん……」
梨子ちゃんのその言葉に、私は思わず目頭が熱くなっちゃいます。
あれ、目からお湯が……。
「千歌ちゃん。涙出てるよ」
「だって、とっても嬉しくて……ぐすっ」
「ぐすっ……」
「ちょっと穂乃果っ。どうして穂乃果まで泣いているんですか?」
「だって、私たちの軌跡が、Aqoursが生まれてくるのにつながって、そして、その時間を宝物と思ってくれるなんて、とても感無量というか、嬉しいというか……ぐすっ」
「もう、穂乃果は……。梨子さん、お互い相棒のせいで苦労しますね」
「えぇ、本当に。でも、慣れっこになってますよね」
「そうですね」
「もう~、梨子ちゃんはひどいな~」
「そうだよね~、海未ちゃんも~」
そして五人は笑顔になれました。そして他方では……。
「ルビィちゃん、どうしたずら?」
「だ、だって、あの憧れの花陽ちゃんが目の前にいるなんて、とても緊張して……ぴぎぃ……」
「私に憧れてくれるなんて、とても嬉しいな。そんなに固くならなくてもいいんだよ?」
「あああ、ありがとうございますっ。で、でもお姉ちゃんっ。ルビィどうしたら……。あれ?」
「ダイヤさんならあそこで、絵里さんにμ's愛をぶちまけているところずら。あ、凛さん。マル、ずっと凛さんに憧れていたずら。よかったら、握手してもらってもいいですか?」
「うん、もちろんだにゃ!」
「はぁ……幸せずら……。マル、もう死んでもいいずら……」
「し、死んだらダメだよ、花丸ちゃんっ」
そしてまた他方では、善子ちゃんが希さんに占いを教えてもらったりしています。
本当に幸せな時間。私たちが、こうしてμ'sの皆さんと一緒にいられるなんて。こんなひと時がずっと続けばいいなぁ……。
私は心の底からそう思ったのでした。
* * * * *
(ここからは、穂乃果視点になります)
そしてAqoursのみんなと一杯楽しんだ後、彼女たちは夜が遅くなってきたので帰っていきました。
もっと一緒におしゃべりしたかったんだけど、彼女たちは(ダイヤちゃんたち除いて)高校生だし、仕方ないよね。
でも……。
「スクフェスもこれで終わって、復活μ'sもこれでおしまいかぁ……。長いようで短かったなぁ……。まるで夢みたいな日々だったね……」
と、穂乃果がつぶやくと、なぜかにこちゃんは不敵な笑みを浮かべました。まだ何かあるのかな?
「ふふふ、甘い、甘いわ、穂乃果! 穂むらの激甘大福よりも甘いわよ! ここで、スーパーアイドル矢澤にこから一大発表があります!」
「一大発表? にこは一体何を企んでいるのでしょうか?」
海未ちゃんの疑問に、にこちゃんはまたまた不敵な笑みで返すと、かばんから何か書かれたボードを取り出し、テーブルの上にどんっと立てました。そこに書かれていたのは……。
『μ's、ロコドル(ご当地アイドル)化計画!?』
「そう、その通り! せっかく再結成したμ'sをこのまま終わらせるのはもったいないもの。お互い、都合が合うときにロコドル活動をするのはどうかな、って思うの。どこの自治体のロコドルになるのかはこれからだけど、どうかしら?」
もちろん、それに飛びついたのは言うまでもなく……。
「うん、やるっ! とっても面白そうだし、私もまだまだμ'sやりたいもん! やるったらやる!」
「本当に穂乃果は……。でも素敵な計画ですね。良いと思います。それに穂乃果……いいえ、私たちに止まるのは似合いませんから。ね、ことり?」
「うんっ!」
「凛も、まだまだ歌い足りないにゃ!」
「私も……」
「私も続けたい。大学の勉強も忙しいけど、なんとか時間を作ってみるわ」
「あのタロット占いの結果通りだったね、えりち」
「そうね。とっても素敵な変化だわ。これは、ぜひ話に乗らなきゃね」
みんなの賛同を聞いたにこちゃんは、にっこりと笑うと、穂乃果のほうを向きました。
「全会一致で始動決定ね! それじゃ穂乃果。リーダーとして一言よろしく!」
にこちゃんの言葉を受けて、私は立ち上がります。そして空に指を向けて……。
「よーし、それじゃみんな、これからも頑張っていこう! μ's!」
『ミュージック・スタートー!!』
私たちの伝説はまだまだ終わりません……!
Fin.