【本編完結】ラブライブアフター~あれから5年…… 作:ひいちゃ
「え、あの学校が?」
私……高坂穂乃果21才は、自分の部屋で、Aqoursの高海千歌ちゃんと電話していました。
「うん! 私たちが前々から活動をしていたかいがあって、浦の星の校舎を学校カフェとして作り直すことになったんだ!」
浦の星……浦の星女学院は、千歌ちゃんたちAqoursの出身高校。話によれば、この春に廃校になり、彼女たちは沼津市の中心部にある静真高校に編入されることになったんだけど……。
それから、彼女たち元浦の星の生徒たちは、頑張って校舎を残す活動を続け、今の電話の通り、学校カフェとして再利用することになったそうです。本当によかった。
やっぱり、自分たちの通っていた高校の校舎が取り壊されるのって、なんか悲しいもんね。
「それでね。計画発動記念のイベントをすることになって……そこでのライブに、μ'sにも来てほしいんだって! もちろん、私たちAqoursも出るんだけど。どうかな?」
「それいいね! あ、メンバーの都合とかあるから、もしかしたらどれかのミニユニットだけになっちゃうかもしれないけど、大丈夫?」
「うん、OKだよ! 運営の人も、来てくれるだけでも嬉しい、と言ってたし!」
「わかった。それじゃ、みんなに話を持ち掛けてみるね」
「うん。返事楽しみにしてる!」
そして電話は切れました。
それから穂乃果はすぐ、まずはことりちゃんに電話をかけ始めたのでした。
* * * * *
「うーん、当日に参加できるのは私たちだけか~」
「仕方ないよ、穂乃果ちゃん。みんな、予定とがあるだろうし……」
「うん、そうだね。私たち三人だけで頑張ろう☆」
その翌日、スタジオに来たのは、私とことりちゃんと花陽ちゃん……つまり、Printemps(プランタン)の三人だけでした。
海未ちゃんは、当日は弓道の大会があり、
凛ちゃんも、陸上の大会が。
真姫ちゃんは、レポートの提出期限が近いそうで、参加できる時間の余裕がなく、
絵里ちゃんは、モデルの仕事が入っていて、
希ちゃんは、神社で行事があり、
そして、にこちゃんは外せない番組の収録があって、当日は無理なんだそうです。
「うーん、そうだね。よーし、今回は私たちPrintempsの三人で、会場を盛り上げちゃおう!」
「「おー!」」
* * * * *
と意気込んだのはいいんだけど……。
「うーん。歌う歌は、何がいいかなぁ……」
「そうだね~。『ぶる~べりぃとれいん』なんかいいんじゃないかなぁ」
「あ、『ぷわぷわーお!』もいいと思うよ!」
イベントで歌う曲を選ぼうと思った私たちだけど、どの曲も思い入れのある曲たちばかりで、なかなか選べなかったんだ。
それで結局……。
「よーし、そしたら、Printempsの曲、全部歌おうよ!」
「わー、いいね!」
意気投合する私と花陽ちゃん。と、そこに。
「うーん。でも、全部歌うだけの時間あるかなぁ……? どれか一曲、必ず歌う曲を選んで、後の曲は、残り時間があれば歌うようにしたらいいんじゃないかな」
とことりちゃん。うーん、そのほうがいいかも……。
「そうだね。そしたらどの曲がいいかなぁ……?」
「そうだね~。『Love Marginal』なんかいいんじゃないかなぁ」
「あ、『UNBALANCED LOVE』もいいと思うよ!」
そして最初に戻る……うーん、なかなか決まらないなぁ。
「なかなか決まらないね。どうしようか?」
「うーん、そうだ! Youtubeで公開されてるPrintempsの曲の視聴回数を調べて、その中で一番回数の多い曲にしたらいいんじゃないかなぁ」
「おぉ、それナイス!」
そのことりちゃんの素晴らしい提案を採用し、さっそくYoutubeを見てみる私たち。その結果……。
「あ、『NO EXIT ORION』が一番多いね!」
「そうだね。視聴回数ダントツだ! これにしようか?」
「うん、これにしよ!」
では、曲が決まったところで、練習開始だー! がんばるぞー!
* * * * *
それから二週間。穂乃果たちは、『NO EXIT ORION』の振り付けの練習をメインに頑張りました。もちろん、他の曲の練習もしてたけど。
大変だったけど、頑張ったかいあって、『NO EXIT ORION』の歌も振り付けも、超完璧に仕上がったよ! 他の曲もばっちり! これなら、次のイベントはばっちりだね!
と、そこに。
「こんにちは、穂乃果、みんな。練習、頑張っているみたいですね」
海未ちゃんが私たちが練習しているスタジオに、様子を見に来てくれました! 手に持っているのは、差し入れかな?
「はい、差し入れです。練習を一休みした時にでも食べてください」
「うわー、ありがとう海未ちゃん! ありがたくいただくね!」
「いえいえ、ところで、イベントで歌う曲は決まったのですか?」
そう聞いてきた海未ちゃんに、私は笑顔で答えます。
「うん! 『NO EXIT ORION』を歌おうと思ってるの!」
「『NO EXIT ORION』を……」
すると、海未ちゃんは顔をしかめました。あれれ?
「え、どうしたの、海未ちゃん?」
「いえ……あの曲、歌詞を改めて読んでみると、ヤンデレの歌っぽい感じがするのですが、大丈夫でしょうか……?」
「えー……そうかなぁ?」
海未ちゃんにそう心配そうに言われ、私たちは改めて歌詞を思い返しました。
「『出口のないオリオン座へあなたを誘って』……」
「『二人きりの夜空で、恋を確かめたい』……」
「『他に誰が必要なの』……」
「「「『私以外はいらないと決めなくちゃ出してあげないわ』……」」」
………。
「「「あ」」」
気まずい沈黙。そして……。
「「「うわああああああああ!!」」」
* * * * *
それから私たちは、改めて曲を選びなおし、今まで以上に頑張って、歌やダンスを練習しまくったのは言うまでもありません……。