【本編完結】ラブライブアフター~あれから5年…… 作:ひいちゃ
Aqoursのみんなと真姫が、曜の誕生日に、素敵なプレゼントをする、というお話です。どうぞお楽しみくださいー
3年生のある日、私、渡辺曜は、梨子ちゃんをのぞくAqoursのみんなと、一緒に沼津の街中を歩いてました。
なんでも、今日は私の誕生日だというので、みんなが私にプレゼントしてくれるんだって! 楽しみだなぁ。
「こうして街を歩いてるだけでも楽しいよね。ダイヤさんたちも来られたらよかったのになぁ」
「そうだね~。でも、ダイヤさんは東京だし、果南ちゃんや鞠莉ちゃんは外国にいるから仕方ないよ」
「うん~。でも、プレゼントというけど、一体なんなんだろうなぁ。梨子ちゃんがこの場にいないのも気になるし」
私がそう聞くと、千歌ちゃんはくふふといたずらっぽい笑みを浮かべました。彼女のことだから、何か企んでるのかな?
「ふふふ、それは着いてからのお楽しみだよ~」
「あ、千歌ちゃーんー。そう言ってるうちについたーよー」
「ありゃ?」
空ちゃんの言葉に、私が顔を上げると、そこはなんと、市民文化センターの前。ここに何があるんだろ?
と、そこで。
「はいっ。それでは曜ちゃんっ。バースデープレゼントその1ですっ」
千歌ちゃんが私に、封筒を差し出しました。これがプレゼント? 何が入ってるんだろう。
そう思いながら、封筒を受け取って、中身を出してみると……。
「『西木野真姫バースデーピアノコンサート』入場券……?」
西木野真姫さん。μ'sの元メンバーの一人。μ'sの皆さんとは、この前のスクフェスで知り合ったんだよね。真姫さんはとってもクールっぽい感じの女性で、確かお医者さんを目指して勉強してるって言ってたけど……。
「あのね、真姫さん、数日後が誕生日ということで、記念のピアノコンサートすることになったんですって」
「それでね。真姫さんが、今日が曜ちゃんの誕生日と聞いて、私たちにコンサートのチケットをプレゼントしてくれたんだよ! みんなで楽しんでね、って!」
首をかしげている私に、涼ちゃんとルビィちゃんがそう説明してくれます。なるほど、そういうわけだったのかー。
私のために、コンサートに招待してくれるなんて、とてもうれしいなぁ……あれ?
「あれ? そしたら梨子ちゃんは? この場にいないけど……」
「まぁまぁ。それは後のお楽しみということで~……」
そして、そう言う千歌ちゃんに背中を押されて、私たちは文化センターの中に入っていきました。
* * * * *
そしてコンサートが始まり、そして終わりました。
どの曲も、とても素敵な曲ばかりで、とても素敵で楽しいコンサートだった~! 私、あまりクラシックには興味なかったけど、たまにはこういうのもいいなぁ……。
でも結局、最後まで梨子ちゃんは出てきませんでした。一体なにがあったんだろう?
そしてもう一つ。コンサートが終わって観客の人たちが席から立って去って行っても、みんなは立ち上がろうとしなかったんです。
私が立ち上がろうとすると、みんなが「まぁまぁ」と抑えに来るし。
私の頭がはてなマークでいっぱいになったころ、再び檀上に真姫さんが現れました。
「それではこれから、スペシャルバースデーコンサートを始めたいと思います。その前に、ゲストを紹介するわね。どうぞ」
真姫ちゃんにそう紹介されて出てきたのは……。
(え、り、梨子ちゃん!?)
そう。私の親友で、Aqoursのメンバーの一人の梨子ちゃんでした。え、え、どういうこと!? どうして、梨子ちゃんがそこにいるのでありますか!?
ちょっと混乱してる私の横で、千歌ちゃんはしてやったり、というような顔をしています。
「こんにちは、みんな。桜内梨子です。今日は、大好きなお友達のために、真姫さんの協力で、素敵なプレゼントを届けたいと思います。どうぞ聞いてくださいね」
そう言うと、梨子ちゃんは真姫さんと一緒にピアノの前に座り、演奏を奏で始めました。その曲は……。
「え……これって……」
聞いたことのある曲。とてもよく知っている曲が流れだしました。
それもそのはず。その曲は……。
私がかつてセンターを担当していた曲、『恋になりたいアクアリウム』だったんです! それが素敵なピアノアレンジになって流れていました。
そして続いて……。
続いて流れたのは、私のソロ曲『Beginner's Sailing』。これも、とても素敵にピアノアレンジされていました。
その時には、もう目頭が熱くなって……。
私の曲を奏でてくれたことはもちろんだけど、曲からは、私を想う気持ちがいっぱいあふれ出ていて……。
二人が私のために心をこめて演奏してくれるのがとてもわかったから……ぐすっ。
そして、コンサートは終わりました。
* * * * *
私が千歌ちゃんから借りたハンカチで涙を拭きながらエントランスに戻ってくると、しばらくして真姫さんが梨子ちゃんと一緒に降りてきました。
「改めて、お誕生日おめでとう、曜ちゃん。プレゼント、どうだったかな?」
その微笑んで言う梨子ちゃんの声。その声についに私の中の何かが決壊しました。
「とーーーーってもうれしいよっ!! ありがとう梨子ちゃんっっ!!」
「きゃっ、ちょ、ちょっと曜ちゃんっ……」
頭の上から、梨子ちゃんの困ったような声が聞こえてきましたが、私は感が極まりすぎて、ただ彼女を抱きしめ続けるだけでした。梨子ちゃんはやがて、「やれやれ」といった感じのため息をついた後、私の頭をなでてきました。
落ち着いてきた私が、彼女から体を離してあたりを見ると、真姫さんは苦笑を浮かべ、他のみんなも暖かい視線を送ってきました。そして、月ちゃんも……って、月ちゃん!?
「つつつ、月ちゃん、どうしてここに!?」
「いやー、買い物で近くに来たら、ちょうど曜ちゃんやAqoursのみんなを見かけたからさ。何かあったのかなと思ってきてみたら。いやー、いいものを見たなぁ」
「あ、あうぅ」
月ちゃんにまでこんなことを見られて、柄になく激しく照れちゃいます。きっと顔は真っ赤だよ~……。
「でもよかったじゃん。素敵な誕生日プレゼントもらえたみたいで」
うん、それはもちろん……。
「うんっ、とっても素敵だったよっ。とっても幸せっ!!」
読んでくださり、ありがとうございます!(平伏
次の話は、AqoursとSaint Snowの話を書く予定です。
そちらも楽しみにしていてくださると嬉しいです!