【本編完結】ラブライブアフター~あれから5年……   作:ひいちゃ

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兼ねてからのPR通り、今回はAqoursとSaint Snowのお話です。

今回出てくる女の子は、劇場版のEDで、相棒探しをしていた理亞に声をかけていたあの女の子です。


新米ちゃん強化計画!?

「うーん……。あれ?」

 

 私……高海千歌がスクドル(スクールアイドル)たちの歌のPVを聞き終えて、背伸びしていると、携帯が鳴りだしました。発信元を見てみると、理亞ちゃんからのようです。

 

「はい、もしもし?」

「あ、千歌。いきなりだけど、お願いしたいことあるんだけど、いい?」

 

 理亞ちゃんが頼み事なんて、珍しいなぁ。どうしたのかな?

 

「ん、なに?」

「あのね、今度の夏休み、1週間ぐらい、Aqoursのみんなと合同合宿したいの」

「うん、いいよ! 喜んで! でも、急にどうしたの?」

「うん、それが……」

 

* * * * *

 

「Aqoursと理亞ちゃんたちとの合同合宿? うわー、嬉しいなぁ!」

 

 翌日、私は部室で、みんなに昨日の電話のことを話しました。彼女と一緒に合宿できると聞いて、ルビィちゃんはとっても嬉しそうにはしゃいでいます。

 

「私も、理亞ちゃんと会うのは初めてだからたーのしみー!」

「そうだね。私も、彼女にどんな服着せようかって楽しみだよ」

 

 新人の空ちゃんと涼ちゃんも、会うのが待ち遠しそうな様子です。

 涼ちゃんは、違う意味で楽しみみたいだけど……。

 

「でも、本当に急だね。どうしたの?」

 

 そう怪訝そうに言う梨子ちゃんに、私は昨日の電話のことを説明することにしました。

 

「うん。理亞ちゃんとユニットを組むことになった新人ちゃんなんだけど、とても内気で恥ずかしがりで、結成してから何カ月も立ってるけど、なかなかライブができそうにないんだって」

「なるほど。それで、私たちと合宿して、少しでもそれを改善しようってわけだね!」

 

 そう言う曜ちゃんの横で、善子ちゃんが目を光らせました。

 

「なるほど、任せなさい。この堕天使ヨハネが、1日で彼女をしもべにしてあげるわ。そうすれば内気さなんて吹き飛ぶわよ」

 

 そんな彼女に、善子ちゃんの幼馴染の国木田花丸ちゃんがジト目を向けて、冷たい声で言い返します。

 

「善子ちゃん。堕天使は善子ちゃん一人だけで十分ずら。これ以上増えたら、世の中大変なことになるずら」

「どういう意味よ! それとヨハネ!」

「そうよ、善子ちゃん。それに、新米ちゃんには、私が特製のお洋服を着せるんだから」

「ちょっと涼! 私が新米の子に、堕天使ファッションをさせるのが先なんだからね!」

 

 善子ちゃんと涼ちゃんとの間で、おかしなバトルが始まりそうな予感……。新米ちゃんのことが少し心配だなぁ。

 

「それで千歌ちゃん。合宿はどこでする予定なの?」

「うーん。うちの裏手の砂浜でやろうかな、って思ってる。理亞ちゃんたちと曜ちゃん、空ちゃん、涼ちゃんにはうちに泊まってもらおうかな、って」

 

 そう、北海道からはるばるやってくる理亞ちゃんたちはもちろん、聞いた話では、空ちゃん涼ちゃんも、住んでいるのは沼津のほうなので、合宿するなら内浦に泊まる必要があるんだよね。

 それを聞いて、曜ちゃんが目を輝かせます。空ちゃん、涼ちゃんも同じく輝かせています。

 

「うわー、また千歌ちゃんちに泊まれるんだね! すっごく楽しみ!」

「わたーしもー! 千歌ちゃんの家に泊まるの初めてだから、ドキドキだーよー!」

「そうだね。お気に入りの、おしゃれな枕をもっていかなくちゃ」

 

「よーし、それじゃみんな。合宿もはりきっていこー!」

『おー!』

 

 私の掛け声に、みんなが拳を振り上げて掛け声をあげたのでした。

 

* * * * *

 

 そして、合宿当日。私たちは駅前で、理亞ちゃんたちが到着するのを待っていました。

 

「まだかな、まだかな? 理亞ちゃんたち、まだかな……? わくわく」

「ルビィちゃん、落ち着いて。もうそろそろずらよ」

 

 やっぱり、ルビィちゃんは、理亞ちゃんたちが来るのが待ち遠しいようです。目を輝かせながら、周囲をきょろきょろを見まわしています。そんなところが、なんかかわいいなぁ。

 

「あ、そしたらヨハネ、ちょっと駅に行って、様子見てくる!」

 

 そこで、私が止めるのも聞かず、善子ちゃんは駅の方に走っていきました。

 

「うーん、行き違いになったりしないかなぁ……」

「それ以前に、善子ちゃん、方向音痴じゃなかったっけ……?」

「……」

 

 梨子ちゃんの言葉をきっかけに訪れる、気まずい沈黙。ま、まぁ、善子ちゃんも携帯持ってるし、大丈夫だよね!

 

 さらにそれから十数分後ぐらい。駅の入り口から、見慣れた姿が出てきました。あっ。あれは……。

 

「あ、理亞ちゃーん! こっちこっちー!」

 

 私が手を振ると、理亞ちゃんはかすかに微笑みながら、その横の女の子と一緒にこちらに駆けてきました。

 

「久しぶり。私も、この合宿楽しみにしてた。よろしく」

 

 ぶっきらぼうに言う理亞ちゃんですが、やっぱり声はどこか嬉しそうです。

 

「うん、よろしくね、理亞ちゃん!」

「うん……あ、いつまでもじもじしてるの? ほら、挨拶する」

 

 そう理亞ちゃんが、彼女の背に隠れてもじもじしてる女の子に声をかけると、その子はやはりもじもじしながら、背中の陰が出てきました。とってもおとなしそうな、いかにも後輩といった感じの女の子です。

 

「は、はい、あ、あの……。佐伯さち子です……よ、よろしくお願いしますっ」

 

 さち子ちゃんは早口でそう言うと、さっと再び理亞ちゃんの後ろに隠れてしまいました。本当に人見知りなんだなぁ……でも、そんなところもかわいいかも。

 

 と、そこで梨子ちゃんが。

 

「あ、そうだ、理亞ちゃん。ここに来る途中で、善子ちゃんと会わなかった?」

「善子と? ううん、見てないけど」

 

『………』

 

 そこで再び気まずい沈黙が、私たちAqoursを包みます。うーん、どうしよう……。

 

「あ、千歌ちゃん。善子ちゃん、携帯持ってるんじゃない? 電話してみたら?」

「うん、そうしてみる」

 

 そして、曜ちゃんの助言を受けて電話をかけてみますが……

 

 ……

 …………

 ………………

 

「つながらない……」

 

 そして、全員が同じタイミングで、ため息を吐き出します。

 

「仕方ない……探しに行こうか……。せっかく来たのにごめんね、理亞ちゃん」

「ううん、気にしないで。こんなハプニングもたまには楽しい」

 

 そして、私たちは沼津駅へ、善子ちゃんを探すために入っていったのでした。

 

 そして探すこと一時間。ようやく善子ちゃんを発見!

 聞くところによると、案の定迷ったあげく、さらに運悪く携帯のバッテリーが切れてしまったそうです。

 

 まぁ、ともあれ、無事に合流できてよかった!

 

* * * * *

 

 それから私たちは、バスに乗って内浦に向かいました。もちろん、バスの中でも盛り上がったよ!

 

「そうかー、聖良ちゃんは、函館の大学に通ってるんだね」

「うん。将来、『菊泉』を継ぐための勉強で」

「『菊泉』?」

 

 空ちゃんがそう聞いてきました。そういえば、空ちゃんたちはまだよく、理亞ちゃんたちのことを知らないんだっけ。

 

「うん。理亞ちゃんたちの家、甘味屋さんをやってるんだよ!」

「へぇ、そうなーんだー! 一度食べに行ってみーたいなぁー」

「甘味屋といえば、少し前に、千歌ちゃんに穂むらに連れて行ってもらったけど、あそこもおいしかったよね」

「うん。姉様も、今度穂むらに行って、参考にしたい、って言ってた」

 

 そう楽しく盛り上がる私たち。その後ろでは……。

 

「……」

「あれ、さち子ちゃん、どうしたずら?」

「もしかして緊張してる?」

 

 さち子ちゃんはやっぱり、緊張のためか固くなっちゃってます。その彼女に、花丸ちゃんとルビィちゃんが話しかけますが、やっぱりさち子ちゃんはおどおどしたまま。やっぱり初対面だからかなぁ? うーん。

 

 と、そこで善子ちゃんが。

 

「ふ、ここはこのヨハネに任せなさい。堕天使アイドル、変化の術!」

 

 そう言うと善子ちゃんは、もう片方もシニヨンに結って……。

 

「ふふふ、サ〇エでございまーす!」

 

 その彼女のネタに、一気に訪れる無言。花丸ちゃんなんかは、絶対零度よりも冷たそうな視線を送っています。

 気まずい沈黙。でも、そこで。

 

「ぷっ……くすくすくす……」

 

 さち子ちゃんが、かすかに笑ってくれました。少しは緊張がほぐれたかな?

 彼女が笑ってくれたなら、善子ちゃんの犠牲も無駄ではなかったようでよかった。

 

「犠牲って何よ! それとヨハネ!

 ……こほん、私の術に共鳴したリトルデーモンさち子には、とっておきのお宝を見せてあげるわ。

 これを見れば、一気に笑顔になれるわよ」

 

 そして彼女が取り出したのは……スマホ? そしてそのスマホに映し出されていたのは……。

 

「リリィ、召還!」

「くらえ、梨子ちゃんレーザービーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーームッッ!!」

 

 その映像を見て、顔を赤くする梨子ちゃん。

 そう、この前のイベントにギルティキスが出た時の映像。そのイベントでギルキスが新曲「New Romantic Sailors」を披露した時に、梨子ちゃんが泣き笑いの表情で「梨子ちゃんレーザービーム!」をやったシーンでした。

 

「どう? これに勝るお宝はないわよ」

「消して! いますぐ消してーーーーーーーーーー!!」

 

 そう泣き叫びながら、善子ちゃんからスマホを取り上げようとする、顔を真っ赤にした梨子ちゃん。

 案の定、バスの中は大騒ぎになり、私たちは運転手さんから雷を落とされたのでした。

 

 でも、その様子を見て、さち子ちゃんが笑顔になってくれたのは不幸中の幸い……かな?

 

* * * * *

 

 そして、それから、さち子ちゃんはすっかり、私たちと打ち解けました。

 さすがに、完全に恥ずかしがりは治らなかったけど、それでも一緒に歌ったり踊ったりできるほどには改善しました。よかったよかった。

 合宿の最終日には、理亞ちゃんと一緒に素敵なパフォーマンスできるほどにまでなったよ。やっぱり笑顔って大切なんだね!

 

 あの動画がその後どうなったかについては……秘密ということで。

 

 




さてさて、いかがでしたでしょうか?

次回は、またμ'sの話を書けたらいいな、って思います。
どんな話にしようかなぁ?

お楽しみにです!
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