【本編完結】ラブライブアフター~あれから5年……   作:ひいちゃ

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第4章~絵里と希

「教皇の逆位置と運命の輪の正位置、か……」

 

 えりち……綾瀬絵里……の家の人に案内されて通された部屋で、ウチ……東條希……はめくったタロットカードを見つめながらそうつぶやいていた。

 

 未来を示すカードは運命の輪の正位置。「急展開」とか「予想外の変化」とかそういう意味だ。それが、良い変化であるなら、もちろんそれは大歓迎なのだが、問題はそこまでの経過を指し示す現在を示すカードだ。

 

 教皇の逆位置。それが指し示すことは……。

 

「希、お待たせ。あら、何を占ってるの?」

 

 と、そこまで考えていたところで、えりちが部屋に入ってきた。どうやら、モデルの仕事は終わったみたいやね。

 

「うん。ウチらのことについてまた占ってたんや。これが未来を示すカード。運命の輪の正位置だけど、これが意味するものは急展開や予想外の変化。そして、こちらが現在を指し示すカード。教皇の逆位置。意味は……」

「しがらみで動けない、ね」

 

 と、そこでウチのあとをえりちが続けていった。あれ?

 

「えりち、カードの意味知ってるん?」

「うん。希の占いに少しでもついていけるように、ちょっとだけどタロットの勉強したの」

「そうなんや」

 

 ウチがそう言うと、えりちは微笑んで、ソファーに腰かけた。

 

「急展開か予想外の変化、かぁ……。なんか、μ's結成のことを思い出すわね」

 

 えりちがそう懐かしそうに言うと、ウチも当時のことを思い出して、笑顔になる。

 

「そうやね。あの一年が本当にひと時の夢みたいだったね」

「えぇ、それもあるし、私はあの素敵な一年と、それを与えてくれた穂乃果に感謝してるの」

 

 そう言うと、えりちは懐かしそうに眼を閉じた。ウチも、それについてはわかってるので、何も言わずにえりちの続きを待つ。

 

「結成前、私は音ノ木坂廃校の阻止のために動かなきゃいけない義務感と、どうすればいいかわからない八方ふさがりと、自分のやりたいこととでがんじがらめだったわ。もしあそこで穂乃果が誘ってくれなければ、私はがんじがらめの中、何もやりたいことができないままだったかもしれない。だから本当に、私はμ'sに入れてよかったと思ってる。がんじがらめを解き放って、やりたいことをすることができたから」

 

 そこでえりちは話を一度区切って、紅茶でのどを潤すと、「そして」と話しを続けた。

 

「そしてそれと同時に、あの子には一度立ち止まることはあっても、歩き続けてほしい。かつての私のような辛さを味わってほしくない。穂乃果にはずっと輝きを追いかけていてほしい、そう思うの」

 

 そこまで言うとえりちは、「熱弁しすぎたかしら?」と聞いてきたので、ウチは微笑んで首を振った。

 

「ウチも同じ気持ちや。入る前のえりちは、ウチから見ても動きたくても動けなくて苦しんでるのがわかったから、ウチもとても辛かった。だから、μ'sに入った時は、楽しそうなえりちを見てとても嬉しかったし、しがらみから解き放ってくれた穂乃果ちゃんには、とても感謝してるんよ」

「そうなんだ」

「ふふ、結局、ウチら二人とも、似た者同士なのかもね。穂乃果ちゃんに助けられ、彼女が大好きだという点で」

「そうね。それに、二人ともだけじゃなく、μ'sみんなが、でしょ?」

 

 そこまで言ったところで、二人とも笑いだす。本当にμ'sがみんなに好かれて、そしてみんなを救った存在であることが実感できたから。μ'sの存在がうちらの心の中にある限り、例え離れていても、年をとってもウチらの心は一つだ、占いじゃないけど、そんな予感があった。

 

 そこで、えりちはふと、テーブルの上の運命の輪のカードを手に取った。

 

「でも、急展開や予想外の変化、か……。何があるのかしらね?」

「うーん。μ'sの再結成の話、とか? もしそうなったら、えりちはどうするん?」

「もちろん参加するわ。私もμ's大好きだもの」

「ウチもや」

「そしてそれに至る過程で、しがらみで動けない要素がある……穂乃果のことしか思い浮かばないわよね」

「そうやね」

 

 と、そこでドアがノックされた。

 そして、占いを読み解く鍵となる存在……花陽ちゃんが部屋の中に入ってきたんや。

 

 

 

To Be Continued...

 

 

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