【本編完結】ラブライブアフター~あれから5年……   作:ひいちゃ

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第3章~たのしいがっしゅく

「うわぁ~」

 

 鞠莉ちゃんがチャーターしたバスから降りた私は、目の前の光景を見て、思わず感嘆の声をあげていました。

 

 目の前に広がるのは、一面の芝生と周囲の草原、その奥の森、そしてさらにその向こうにそびえる山々。まるで、「アルプスの少女ハ〇ジ」に出てくるような風景でした。

 あ、リアルタイムで見てたわけじゃないですよっ。ビデオで見たんですビデオっ。

 

「千歌ちゃん、誰に向けて言ってるの?」

「え、あはは、なんでもないよ、梨子ちゃん。たはは……」

 

 でも本当に素敵な場所です! 他のみんなも目を輝かせています。旧一年生組もとても楽しそうにはしゃいでいます。

 

「うわぁ~、とってもきれいな場所ずらね、ルビィちゃん!」

「うん。ルビィ、すっごく感動しちゃった……」

「ふ、ナイスなロケーションよ、リトルデーモンマリー。誉めてあげるわ」

「善子ちゃん。こんな素敵なところでまで堕天使キャラ作らなくてもいいずら」

「別にキャラ作ってるわけじゃないしっ!」

「芝生もとてもきれいずらね。こんなところで寝ころんだら気持ちいいだろうね」

「話聞きなさいよっ!」

 

 旧一年生トリオ、とても楽しそうだなぁ。

 そう思いながら、彼女たちを見守ってる私のところに、曜ちゃんがやってきました。

 

「本当に素敵なところだよね。きれいだし、何より走りがいがありそうだよ!」

「あはは、曜ちゃんらしいね。でも、気持ちわかるなぁ。こんなところでトレーニングしたらはかどりそう!」

「うんうん。それに、思わず叫びそうになっちゃいそうだよ! ほら、『ヨーソロー!』って」

「それを言うなら、『ヤッホー』じゃないかなぁ……」

 

 曜ちゃんにそう突っ込む梨子ちゃんですが、そんな彼女も、なんか楽しそうに見えます。もちろん、私も、これからの合宿が楽しみです!

 

 そして向こうのほうでは、空ちゃんと涼ちゃんが……。

 

「とっても素敵。おしゃれなものが買えないのが残念だけど、来てよかったかも。ねぇ、空ちゃん」

「うんー。青いそーらー、そして、緑のそうげーんー。素敵ーー」

 

 二人とも、とっても楽しそうです。と、そこでダイヤさんが……。

 

「はいはーい、みなさーん。風景に見とれているのはいいですが、そろそろ別荘に入りますわよー」

「荷物を置いたりしたら、いよいよトレーニングに入るからね!」

「10時になったら、Training Roomに集合よ!」

 

 ……え?

 

『トレーニングルーム!?』

 

* * * * *

 

「うわぁ……すごい……」

 

 荷物を部屋に置いて、鞠莉ちゃんの言ってたトレーニングルームにやってきた私は、また感嘆の声を上げていました。

 

 トレーニングルームというから、スポーツジムみたいな感じかと思っていたら、全然レベルが違いすぎます!

 スポーツジムのあるような施設はもちろん、とっても大きいプールなんかもあったり、スポーツジムにあるようなトレーニング器具も、普通のスポーツジムとはくらべものにならないぐらいたくさん!

 

「ふふ、びっくりしちゃった?」

「ここまですごいとは思いませんでしたわ……」

「まったくだよね。でも、これならトレーニングもはかどりそうだなぁ」

 

 驚きに絶句しているダイヤさんや果南ちゃんを見て、鞠莉ちゃんはとても嬉しそうです。

 でも、本当にすごいなぁ……。個室もとても素敵だったし。こんなすごい別荘を持ってるなんて。

 

「さて、驚くのはこの辺にしましょうか。いよいよトレーニングに入りますわよ」

「まずは柔軟体操からだよー。ケガしないようにしっかりね!」

 

* * * * *

 

「うーん。ちょっと痛いけど、これが気持ちいいんだよね~……」

「千歌、それはいいけど、気持ちいいからと言ってやりすぎると、体痛めちゃうから気を付けてね」

「はーい」

 

 さっそくみんなで、トレーニングルームの片隅で柔軟体操!

 ダイヤさんたちも、コーチやトレーナーをするというので、一緒に柔軟体操をしてます。

 

「いたた……。やはり体が固くなっていますわね。ブランクが空きすぎでしたわ……」

「ouch……私もそうみたい。Italiaでは椅子に座って座学ばかりだったから……。果南はそうでもないみたいね」

「まぁね。向こうの体育大学で、一杯運動とかしてきたし」

 

 柔軟体操に苦戦しているダイヤさんと鞠莉ちゃんの横で、果南ちゃんはテキパキとこなしていきます。さすがだなぁ……。

 

 一方の一年組はというと……。

 

「うーん……。手伝ってもらってごめんね、涼ちゃん」

「そんなこと、いちいち気にしなくてもいいの。はい、いち、に、いち、に」

「いてて……」

 

 仲良く柔軟体操に励んでます。二人は本当に、仲がいいんだなぁ……。

 と、そんな二人を微笑ましくみている私の横で、梨子ちゃんがなぜか、少し難しい顔をして二人を見てました。どうしたんだろう?

 

「どうしたの、梨子ちゃん?」

「うん。なんか、ちょっと二人の様子がぎこちないような気がして。空ちゃんが遠慮しているような……」

 

 そう首をかしげながら言う梨子ちゃんのところに、曜ちゃんがやってきました。

 

「そうかなぁ。別に普通だと思うけど……気のせいじゃない?」

「うーん、そうかも……変なこと言ってごめんね」

 

 そして私たちはまた、柔軟に戻りました。

 それが終わったら、いよいよトレーニングの始まりです!

 

* * * * *

 

 まずは遠泳から! とはいっても、この別荘の近くには海がないので、代わりにプールを何往復ですけどね。

 

「うーん。やっぱり泳ぐと気持ちがいいね~」

「それはいいけど、最初から飛ばしすぎると、後がきつくなっちゃうよ、千歌ちゃん」

「うん~」

 

 そうは言っても、やっぱり気持ちよすぎて、つい飛ばしたくなっちゃうんだよね~。それで結局後になるとへばっちゃうんだけど……たはは。気を付けないと。

 

 二年生(旧一年生)組のほうはというと……。

 

「ふぅふぅ……きついよぉ、お姉ちゃん……」

「まだ序の口ですわ、ルビィ。頑張るのですよ」

「うぅ……お姉ちゃんはいつもルビィに厳しいの……」

「ルビィちゃん、ファイトずら」

「う、うん……」

「ルビィ、頑張りなさい。このヨハネが加護を授けてあげ……ごぼごぼこぼ」

「あぁっ、善子ちゃん~~!!」

「余裕ないのに泳ぎながらしゃべるからずら……大丈夫ずら?」

「え、えぇ、なんとか……」

 

 うん。仲良く頑張ってるみたいです。本当に仲良くて何よりだね。

 

 そして次は腹筋と腕立て!

 

「うーん。腹筋腕立ては、中学の陸上部でよくやってたけど、やっぱりちょっときつい~な~」

「陸上も運動も何もしてない私も頑張ってるんだから、空ちゃんも頑張るんだよ」

「う、うん~……。心配かけてごめんね、涼ちゃん」

 

 一年の二人もとても仲良く腹筋と腕立てに励んでいます。特に空ちゃんは元陸上部だけあって、きついきついと言いながらも、すいすいとこなしていってるみたいです。さすが陸上部! 一方の涼ちゃんはマイペースにこなしていきます。

 

 そしてそんなこんなしながら、一日は終了!

 

 これからもこんな楽しい合宿が続けばいいなぁ……。

 と思っていたんだけど……。

 

* * * * *

 

 この日の最初のメニューはランニング! みんなでトレーニングルームのランウェイを何周もします。

 

 みんな思い思いのペースで走っていて、私も、曜ちゃん、梨子ちゃん、そして空ちゃんと一緒に走っていました。

 

 そして何周かしたころ、ふと空ちゃんの足が止まりました。

 

「あれ、空ちゃん、どうしたの?」

「千歌ちゃん、涼ちゃんは……?」

 

 空ちゃんの質問を聞いてあたりを見回すと、確かにランウェイに涼ちゃんの姿はありませんでした。おトイレに行ったのかな?

 

「そういえばいないね。席外してるんじゃない?」

 

 曜ちゃんがそう答えますが、その言葉は何か空ちゃんの耳には届いていないみたいです。

 空ちゃんの表情が、迷子になった子供のような、不安に満ちたものに変わっていきました。その表情のまま、まるではぐれた親を探す子供のように、おろおろと周囲を見回しています。

 空ちゃん、様子、何か変……?

 

「いや……涼ちゃん、どこにいるの……? 涼ちゃん、涼ちゃ……!」

 

 いつもの明るく元気な様子はどこへやら。ひどく取り乱して動揺している様子の空ちゃんに、私たちが戸惑っていると……!

 

「……っ、あっ、かはっ……!」

「空ちゃん!?」

 

 突然、空ちゃんはその場にへたり込むと、変な呼吸を始めました。それが尋常でなく大変なことであることは、私にもよくわかります。

 だから私は、大声でみんなを呼んでました。

 

「みんな、大変! 空ちゃんが!!」

 

 

 

To Be Continued...

 

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