クリスちゃんの“ふともも”の感触が忘れられない響が暴走する話 作:ルピーの指輪
「クリスちゃんの“ふともも”の感触が忘れられない……。あのムチっとしていて、暖かくて仄かに良い匂いがして……。思い出すだけで顔が熱くなってくるよ〜〜」
私はもう何ヶ月も悶々とした気持ちに悩まされている。
ナスターシャ教授の遺体を帰還させるためのスペースシャトルがコントロール不能になり、それを助けるべく、私と翼さん、そしてクリスちゃんの3人が現場へと向かった。
そして、救出作業の際に大きな山との衝突を避けるため、クリスちゃんがミサイルを放ったのだが、私はそのとき妙な体勢で彼女の土台代わりにされてしまった。
その体勢というのが、クリスちゃんの股間が私の顔に押し付けられて、“ふともも”に顔が挟まれるという感じの体勢だ。
もちろん、救出作業に必死でその時は特に何も感じてなかったのだが、落ち着いた後で思い出してみると、あのときの私は言い知れないくらいの快感を感じていたのである。
「もう一回クリスちゃんにアレやってもらえないかなぁ? やってもらえるなら、一週間おやつ抜きでも、いや、1ヶ月おやつ抜きでもいい。クリスちゃんの“ふともも”にはそれだけの価値がある……」
頭の中がクリスちゃんの“ふともも”でいっぱいの私は、その快感を得られるならどんな代償でも支払うことは辞さないと思っていた。
「最近は仲良くなったし、大きな戦いを乗り越えて絆みたいなのも目覚めたし、お願いすれば何とかならないかな? 顔を思いっきりふとももで挟んで下さいって……。――って、どう考えてもマニアックすぎるよね?」
しかし、やはり友人になったとはいえ、もう一回あの体勢を再現してくださいと頼むのはハードルが如何にも高い。
「やっぱりクリスちゃん、怒るだろうな。ただでさえ馬鹿だと思われているのに、変態だと勘違いされるかもしれない……。うーん。――そもそも、アレはクリスちゃんだから気持ち良かったのかな?」
そして、私はある疑問が浮かぶ。そもそも、私は“ふともも”で顔を挟まれるという経験はあの1回だけである。
だから、クリスちゃんの“ふともも”だから気持ち良かったのか? それとも、他の人の“ふともも”でも気持ち良いのか? そのような考えが生まれてきたのだ。
「例えば、目の前で寝ている未来の“ふともも”でも同様の効果が得られるなら、かなりハードルは下がりそう。未来なら土下座してお願いすれば許してくれそうだし……」
私は同じベッドで寝ている目の前の未来の顔を見ながら思案する。
未来ならギリギリ許してもらえるのでは、とかそういう甘い考えをしながら……。
「すー、すー」
「よく寝てる……。未来は寝顔も可愛いなぁ」
規則正しい寝息を立てている未来。私はそんな彼女の愛らしい顔を見ながら幸福を感じていた。やはり、彼女は私の日だまりのような人である。
「すー、すー」
「…………いや、ダメダメ。親友の寝顔を見て、何を考えてるんだろう私。でも、止まらないよ。ごめん。未来……」
そして、私はあろうことか親友の寝顔を見て欲情してしまった。
もうダメだ……。頭が、体が“ふともも”を求めている。
「よいしょ、よいしょ……。未来の足を何とか開いて顔をその間に入れてみたけど……。思ったよりも罪悪感が強い……」
未来の足を開脚させて、その間から顔を出してみる。この体勢から未来の体を見ると、とんでもなく悪いことをしているように思える。
「あのときのクリスちゃんは、股の部分が思いっきり私の顔に密着していたからなぁ。未来のアソコに私の顔を? 気付かれたら、友達止めるって言われるかも……」
私は未来の股間に顔を埋めて、その“ふともも”で顔を挟もうとしている。
寝てる親友にこんなことしていて、もし彼女が目覚めたとすると……。どんなリアクションが返ってくるか? 考えるだけで恐ろしい。
「でも、この衝動に塗りつぶされる自分がいる。ええい! もうどうにでもなれ! んんっ……。そして、未来の足を閉じて……。や、柔らかい……。“ふともも”ってこんなに柔らかいんだ……」
私は欲望に忠実に操られて、未来の股に向かってダイブした。
未来から洗って天日干しした後の布団のような、彼女特有の匂いが強烈に脳を刺激する。さらに、柔らかい“ふともも”の感触が私の頬に言い知れない快感を伝えた。
やばい……、“ふともも”って、やばい……。
「んんっ……。んっ? ひ、響? な、何をやってるの!? まさか響が私に……」
「み、未来? お、起きちゃったの……?」
しかし、幸福な時間は長続きしなかった。つい、興奮して未来の股間に顔を押し付けてグリグリしていたら、その刺激が彼女に伝わったのか、未来が目を覚ましてしまう。
終わった……。やらかしてしまった……。
「そりゃ、起きるよ。びっくりしたもん。だって、響ったら、その私に……、えっと……」
「未来、これはその……」
未来は驚いたと口にすると同時に顔を真っ赤にして背ける。余程、恥ずかしい気持ちにさせてしまったのだろう。
やはり、友達を止める宣言をされてしまうのだろうか……?
「ううん。私だって勇気があればきっと……。嬉しい。響が私にそういう感情を持ってくれて」
しかし、未来からの言葉は思いもよらないものだった。何と、彼女は嬉しいと口にしたのだ。
なぜ、嬉しいのかはわからないが、これは僥倖である。
「う、嬉しいの? じゃあ、もう少しこうしてても良い?」
「いや、でもこういうのって順番が……。んんっ……、響ぃぃ! あっ、んっ、んんっ……!」
私は一心不乱で未来の“ふともも”の感触を堪能した。未来がぶるぶると体を震わせて、ビクビクと動いている。
そして、何故かわからないが未来から感じる匂いも強くなってきた頃、私は気付いてしまった。
クリスちゃんとは全く違うと……。やはり、“ふともも”の感触は人それぞれなのだ。
「はぁ、はぁ……。――あ、あれ? もういいの? あの、もっと、そのう……」
「明日も早いからさ。ごめんね。起こしちゃって」
「――えっ? あ、うん。いいけど……」
1つの結論に辿り着いた私は起こしてしまった親友に謝罪した。
未来は少しだけ残念そうな顔をしているように見える。さっきのは私に気を遣った言葉ではなく、本当に嬉しかったのだろうか……。
翌日、S.O.N.G.の本部でブリーフィングを終えた私は昨日のことを思い返していた。
「未来の“ふともも”は良かったけど。クリスちゃんには及ばなかった……。やっぱり、クリスちゃんの“ふともも”が至高なのかな? よく考えてみれば、クリスちゃんって、こうムチムチって感じだし……。体格が似ていれば、同じ感じになるかも……」
未来とクリスちゃんの違い……。それは体格である。
未来はクリスちゃんと比べて体格が華奢だ。抱き心地は最高だけど……。
「だったらマリアさん? ちょうど翼さんと一緒にイギリスから戻ってきたところだし……。でも、この前、あんな顔してたからなぁ。目から血をダラダラ流して、見つめられたのは軽くトラウマになりそうだったよ……」
だったら、クリスちゃんにも劣らないプロポーションのマリアさんはどうだろう? でもなぁ。この前、「目を逸らすな!」って一喝されたときは怖かったし……。
「マリアがどうかしたのか? 立花」
「うぴゃあっ! つ、つ、つ、翼さん!」
考え事をしているとき、翼さんにいきなり話しかけられて、私は飛び上がって驚いてしまった。
「どうした? 動揺しすぎだぞ。何か悩み事があるなら、私で良ければ聞くが」
「そ、そうですね。翼さん……、う、うーん。――話だけでも聞いてくれますか? 出来れば、訓練室でギアを纏って……。みんなには内緒にしてほしいんですけど……」
そういえば、あのときクリスちゃんはギアを纏っていた。だから、生で“ふともも”の感触がダイレクトに伝わったのだ。
それなら、翼さんにギアを纏ってもらって試してみよう。生の“ふともも”だから気持ち良かったのかどうか……。
「内緒で……。訓練室で……? なるほど、読めたぞ。秘密特訓をしたいのだな。まさか、立花がそこまで……。確かに敵の戦力は強大だ。特訓ならこの防人に任せておけ」
「え、あの〜。はい! よろしくお願いします!」
翼さんは私が秘密特訓をするつもりだと勘違いしたので、今回はそれを利用してみることにした。
「ふむ。なるほど。私の体捌きを知りたいと……」
「そうです。こういう体勢になったとき、どう対処すれば良いかわからなくて……」
私はあのときのクリスちゃんのように、翼さんの顔に股間を密着させながら話していた。
翼さんが話すたびに吐息が敏感な場所を刺激して変な気分になってしまいそうになる。
「むっ、立花の股間が目前に……。確かにこの体勢は視覚が奪われ、首が締められんとしている。こういう攻め方もあるのか……」
しかし、翼さんはこういう体勢でも持ち前の冷静さを発揮して分析をしていた。やはり、翼さんは凄い……。
「この場合、回転の力を利用して……。ほら!」
「あっ! 凄いです。翼さん。力の使い方が達人って感じですね!」
そして、よくわからない回転をして、見事に私を引き剥がした。流石、長年戦い続けている翼さんだ。
「ふふっ……、鍛えているからな。立花も日々の鍛錬を怠るな」
「わかりました! あの、さっきの動きを自分でもおさらいしたいので、今度は翼さんから来てもらえませんでしょうか?」
機嫌が良さそうな翼さんに今度は自分が真似をしてみたいとせがんでみる。ここからが、本来の目的だ。
「お安い御用だ。立花の顔に私の股間を……。んっ、んんっ……、立花、ちょっと吐息が強いぞ」
翼さんは何の疑いもせずに、あのときのクリスちゃんのように私の顔に飛びつく。
や、やっぱり“ふともも”の感触がダイレクトに伝わる。
私はシンフォギアの露出度の高さに初めて感謝していた。
「す、すいません。翼さんの勢いが強すぎて……。こ、これはこれで……、ありかも……」
翼さんはクリスちゃんと違ってスレンダーで引き締まっている。でも、それでも、中々の気持ち良さだった。
「どうした!? 立花! 全然動いておらんではないか! こ、こら、もぞもぞするな……! 顔をそんなに……。あっ、あっ、ちょっと……、んっ、んんっ……! こ、これじゃ、んっ、あっ、あっ、技のっ、返しが、んっ……、出来っ、んんっ……!」
私は顔をグリグリしながら、翼さんの“ふともも”の感触を味わおうとした。
そんな私に対して翼さんは艷やかな声をあげながら、技を返せないとアドバイスする。
もしかして、この体勢がようやく恥ずかしいということに気が付いたのかもしれない。
私の本当の目的に気付かれたらまずい……。
「――わかりました。はっ……!」
「うわっ!」
わからないもので、頭では理解出来ていない動きも体が覚えていて、何とか翼さんと同じ要領で彼女を投げることに成功した。
「……はぁ、はぁ。み、見事だ、立花。完璧な身のこなしだが……。あの、その、なんだ……。お前さえ、良ければもう一回……」
「いえ、大丈夫です! ご指導ありがとうございました!」
「そ、そうか……」
翼さんはもう一回とか言っていたが、それで私が理性を抑えられなくなったら大変である。
残念そうな顔をしている翼さんに一礼した私は急いで訓練室から出た。
「やっぱりギアを装着すると、生で“ふともも”の感触が堪能できるから、こっちの方が断然良かったなぁ。翼さんは思ったとおり、引き締まっていたから、ボリューム不足だったけど……。でも、匂いが濃くてクラクラしちゃって、こういうのもアリだと思っちゃったよ。でも、やっぱりクリスちゃんには及ばない……」
私は先ほどの翼さんから得た感触を反芻していた。
翼さんの身体は正直言っていまひとつ足りない感じがしたが、“匂い”が物凄かった。決して「臭い」とかじゃない。
フェロモンというのか、色気というのか、私の眠っている欲情を全開にさせてしまうような、そんな雌の香りがとんでもなかったのだ……。
翼さんの匂いの香水とか出たら買わざるを得ない……。
「あたしが何だって?」
「ひぇいっ! く、く、クリスちゃん!?」
物思いに耽っていると、今度は後ろからクリスちゃんに話しかけられた。
私は驚きすぎて、転んで尻もちをつく。
「驚きすぎだぞ! 相変わらず、すっとこどっこいだな、お前は! ほらよ……」
「えへっ、そ、そうかな?」
呆れながらも、手を貸して起こしてくれるクリスちゃんの優しさを感じながら、私は想い人と2人きりになっているこの状況に困惑していた。
「先輩がどうとか、あたしに及ばないとか、言ってたけど、何の話だ?」
「あ、あの、その。つ、翼さんが、そうだ。クリスちゃんのおっぱいに及ばないから、今度、大きくする手術をしようとか、しないとか」
私は興奮やら何やらのせいで、正常な思考が出来ずにいて、何故か頓珍漢なことを口にしてしまう。なんで、私は翼さんが豊胸手術するとか言ってしまったのだろうか?
「ま、マジか! せ、先輩。そんなに悩むほどか!? こんなのあっても戦いの邪魔になるだけだぞ」
「いや〜、そうだよね〜。わかんないよね〜」
クリスちゃんは驚いたリアクションを取り、私は上の空のまま、適当に返事をする。
あー、変なことを言っちゃったなー。クリスちゃんの“ふともも”やっぱり最高だなー。
「お前、何か他に隠してねぇか……?」
「ううっ……、それは言えないよ。クリスちゃんには……」
そんな私に違和感を感じたのか、クリスちゃんは隠し事をしていることを見抜く。
しかし、私はそれを当人のクリスちゃんに言うわけにはいかない。
「あたしに言えねぇってどういうことだ? こういうことはあまり照れくさくて言いたくねぇが、前には色々とあったが、今はお互いに仲間だろ? あたしは一応、お前より年上だし、こういう時、その、頼ってもらいたい……。あたしじゃ、頼りにならねぇか?」
クリスちゃんは真剣な表情で自分の心情を私に伝えた。よく、切歌ちゃんや調ちゃんに先輩として自分を頼ってほしいみたいな事を言っていたが、私にそう言ってくれたのはこれが初めてである。
私はそんなクリスちゃんの言葉が嬉しかった。
「ち、違うの。クリスちゃんは頼りになる人だよ。で、でもね。きっと、話しちゃうと今の関係が崩れちゃう……。もう、友達として見てくれなくなるかもしれない……」
しかし、私は話すことは出来ない。話してしまったら、きっとクリスちゃんは私を拒絶するようになる。
私の欲求は膨らみ続けて怪物のようになっているのだ。
「――っ!? ま、まさか。えっ!? お前、あたしを……?」
「ここのところずっと頭からクリスちゃんのことが離れないの。ずっとずっと、クリスちゃんのことばかり考えてる……、だから……」
「ちょ、ちょ、ちょーっと、待て! ストップだ!」
私は何ヶ月もクリスちゃんの“ふともも”のことばかり考えていた。頭の中がクリスちゃんの“ふともも”でいっぱいになっていた――。
そんな気持ちが溢れ出してしまい、止まらなくなっていたら、顔を真っ赤にしたクリスちゃんがストップをかける。
「へっ?」
「お、お前はその。なんだ……、ええーっと。あたしと友達以上になりたいとか、そう考えてるのか?」
クリスちゃんは目を逸しながら、私に質問をする。彼女には私の気持ちが少し伝わったのかもしれない。
友達以上……、か……。
「――うーん。そ、そうだね。考えてみれば、そうかも。うん、あれは絶対に友達以上じゃなきゃ……。私、クリスちゃんと友達以上になりたいって考えてる!」
私はクリスちゃんの問いに全力で答える。彼女の両肩を掴み、顔を近づけて真っ直ぐに――。
確かにあんな要求は友達だと無理だ。それ以上の関係ってちょっとどんなのか分からないけど、そうならなきゃ出来ないかもしれない。
「うおっ! そ、そんなにまっすぐ真剣な顔して言うんじゃねぇ! 何か、すっごく恥ずかしいじゃねぇか……。でも、告白とかされたことねぇから……、少しだけ嬉しかったり……」
「ご、ごめん! 迷惑だったよね!? わ、忘れて! 今の話!」
クリスちゃんは今までに見たことないくらいあたふたしていた。私の変な態度が原因で困らせてしまったのだろう。
だから、私は走ってこの場を去ろうとする。
「お、おい! このバカ! ちょっと待て!」
「えっ?」
しかし、クリスちゃんはガシッと私の腕を掴んだ。こんな私に彼女は手を差し伸べてくれたのだ。
「だから、その。今の告白で、あたしも悔しいけど、お前のことを意識しちまった。ちょっぴり格好いいと思っちまった。思えば、お前は最初からまっすぐあたしにぶつかってきてくれてたし……、バカだけど、1番信用できる奴だ……。だ、だからよぉ。いいよ。お前と、その、あたしも特別な仲になりたい……」
「く、クリスちゃん!」
クリスちゃんは私と特別な関係になりたいと言ってくれた。こんな“ふともも”のことしか考えてないような人間を受け入れると……。
私は涙が目から溢れそうになっていた。
「な、泣くなよバカ……。でもさ、いきなりは無理だ。ちょっとずつな。少しずつ、慣らしていきたい……、それじゃ、ダメか? ひ、響……」
クリスちゃんはゆっくりと仲を深めようと言ってくれた。何だかわからない内に何もかも上手くいってバチが当たりそうだ。
これって、時間をかければ“ふともも”堪能し放題ってことだよね?
「ううん。十分だよ、それで。私も焦ったりしない。というか、初めて名前で呼んでくれたね。嬉しい!」
「うわぁっ! う、うるせぇ。抱きつくな。このバカ……」
私は名前を呼んでくれた嬉しさで、ついクリスちゃんに抱きつくと、彼女は照れたような声でいつものように私を“バカ”という。
でも、私はそれも含めて幸せだった――。
よおし、クリスちゃんに存分に“ふともも”で顔を挟んでもらえるようにこれから頑張るぞ〜〜!
次回はきりしらとマリアに……。