クリスちゃんの“ふともも”の感触が忘れられない響が暴走する話 作:ルピーの指輪
さらなるエスカレート。
「あれ……? 未来?」
私は誰かに抱きしめられている感覚と共に目を覚ました。最初は未来かと思ったけど、そうじゃない。だって、私の顔は大きな胸の中に埋まっていたから……。
「すー、すー」
そして、少しだけ顔を上げると、目の前にはマリアさんの寝顔が見える。バスローブを着崩している彼女は至るところが丸見えになっていて、目のやり場に困った。
「ま、マリアさん!? そ、そうだった。あのまま、マリアさんと……、そして寝ちゃったんだ……」
マリアさんと色々と親睦を深めている内に、私は眠くなって小一時間ほど寝てしまったらしい。未来とはよくこうして眠ってるけど、マリアさんとこうするのは新鮮な感覚だった。
なんか、すっごく仲良くなれたみたいで、嬉しい……。
「あら、響。起きたのね」
「は、はい。すみません。寝てしまって……」
私が起きてすぐにマリアさんも目を覚ました。私は寝ちゃったことを彼女に謝る。
いやー、このまま寮の門限を過ぎるところだったよ。
「いいのよ。あなたの寝顔、可愛かったし」
「そ、そんな。可愛いだなんて……。あの、私、そろそろ寮に戻らないと……、んっ……、んんっ」
マリアさんは、私のことを可愛いと言ってくれて、そしていきなりキスをする。
寝る前も何度かキスしたけど、欧米人ってそういうコミュニケーションを取る感じなのかなぁ?
マリアさんのキスは舌で私の舌を舐め回すような感じで、全神経に彼女の味から匂いまで記憶させるくらい激しい……。何度しても蕩けてしまいそうだ。
「んんっ……、ぷはぁっ……、響、さっきまで何も思ってなかったのに……。んっ……、あなたが居なくなることが……、こんなに寂しいなんて……」
マリアさんは激しくキスをしたあと、何度か軽い感じで
まるで慈しむように、優しく……。
だが、最後に泣きそうな表情で私を見つめた。
その顔は大人っぽくて気丈ないつもの感じとは違い、まるでお留守番をさせられた子猫のような愛らしさがある。私はそんな彼女の瞳に吸い寄せられた……。
「マリアさん……。じゃあ、今度の日曜日に一緒に出かけませんか? きっと楽しいですよ」
そして、気付いたときに私は彼女を遊びに誘っていた。きっと、マリアさんは私たちと違って親しい人とも離れて異国の地で生活を余儀なくされているから、寂しがっているのだと思ったからだ。
少しでも、彼女の孤独を癒やしてあげられれば……。私はそう思い、彼女に声をかけた。
「嬉しい! 1日中響を独り占め出来るのね!」
「わわっ……! マリアさんって、こんな感じの人だったんですね……」
すると、マリアさんは子供のように無邪気に笑い。私を力強く抱きしめる。
私は全身に彼女の柔らかさを感じながら、いつもの彼女とのギャップに驚いていた。
「もう、“マリアさん”って呼ぶの止めてくれない? “マリア”って呼び捨てにして欲しいの。あと、敬語も禁止。よそよそしくなるから……」
「えっ!? でも、マリアさんは年上だし……」
そして、マリアさんは私にタメ口で話して、呼び捨てにしてほしいと懇願する。翼さんよりも年上の彼女を呼び捨てって、さすがにまずいんじゃないかと思うんだけど……。
「マリアで、お願い」
「う、うん。分かったよ。マリア……」
しかし、涙目の上目遣いでお願いされたら聞かないわけにはいかない。私はマリアさんをマリアと呼ぶことにした。
なんか、今まで敬語で話していた年上の人を呼び捨てにするのって背徳感がある……。
「はい。よくできました。えらいわ。響……。ちゅっ」
マリアはそれに満足したのか、私の唇を奪い、頭を撫でて笑いかける。ニコニコと微笑む彼女は本当に嬉しそうだった。
「そっか、欧米ってこんな感じにコミュニケーション取るんだ……」
「じゃあ、マリア。また、日曜日に」
「ええ、楽しみにしてるわ。大好きよ、響……」
部屋を去るとき、マリアはもう一度私を抱きしめて、キスをした。
私も今日1日で、マリアのことを大好きになった。これもすべて未来が背中を押してくれたおかげだ。
「ただいまー。未来ー。あれ、未来?」
「……クンクン。けほっ、けほっ……」
私が寮に帰ると、未来が出迎えてくれたのだが、彼女はジィーっと私を見つめたかと思うと、私の匂いを嗅いで
それはもう、煙たそうに咳をしていた。
「ど、どうしたの? 未来……、私ってそんなに臭うかな?」
「何これ……。今までにないくらい他の女の人の匂いがするんだけど……。何をしたらこんなに……」
未来は私から女の人の匂いがするとか言う。“女の人の匂い”? ああ、そういうことか。
「あー、マリアの香水の匂いだよ多分。ちょっと疲れて一緒のベッドで寝ちゃったから」
マリアは独特の香りがしていた。私はいい匂いだと思っていたけど、未来には合わなかったみたいだ。気を付けなきゃ。
「えっ? マリアさんと同じベッド!? 何でまた、そんなことを?」
「いやー、マリアと仲良くなろうとしてさー。これが思いの外、体の相性が良くて。未来の言ったとおり、色々と試してみてよかったよー」
私はマリアとの相性が抜群だったことを未来に報告する。未来のアドバイスに従って動いてマリアと仲良くなれて本当に良かった。
あと、切歌ちゃんや調ちゃんとも前よりも親交が深められたような気がする。
こうやってみんなと絆を深めるのって大事だよね。
「へ、へぇ……。よ、よかったんだぁ。というか、何で響は急にマリアさんのこと呼び捨てにしてるのかな? なんか、いきなりマリアさんが響にとって“オレの女”みたいになってるような気が……」
鋭い未来はマリアのことを私が呼び捨てにしていることに敏感に気付く。
そうだ、マリアと私の関係が劇的に変わったことも彼女には話しておかないと。
「うん。なんかねー。マリアがそうして欲しいって言うから。敬語も禁止って。欧米人だからなのか、仲良くなったらキスとか凄くするから驚いちゃった」
マリアはとても愛情表現が情熱的な人だった。多分、5分に1回くらいキスしてきたんじゃないかな?
愛くるしい表情の彼女と唇を重ねる度に、彼女との関係がより深まるのを感じた。
「き、キス? うう……、私だってまだしてないのに……」
「ん? どうしたの、未来」
そこまで話すと未来の表情が泣きそうな表情に変わっていた。
どうしたのだろう? 何か言いたいことがあるのだろうか? それともお手洗いでも我慢しているのか?
「……したい」
「へっ?」
「わ、私だって響とキスしたい!」
未来は大きな声で私とキスがしたいと口にした。顔を真っ赤にさせて、俯きながら彼女は私に主張する。
「キスしたいの? わかった」
「えっ? あっ……、んっ……、んんっ……」
それならと思い、私は未来の唇を奪う。そして、優しく彼女に長いキスと短いキスを交互にする。
未来の唇は薄いが弾力があり、唇を重ねると心地が良い。
「どう? マリアからは上手だって褒められたけど……」
「ひびきぃ……、ふにゃあ……」
キスを終えると未来はのぼせたような顔をして、そのままふらついて尻もちをつきそうになった。
貧血でも起こしたのかな? 陸上をやってた彼女がそうなったことは今までなかったけど……。
「ちょ、ちょっと未来!? 大丈夫?」
「大丈夫じゃないよ。このキスは犯罪的……。するだけで足腰の力が抜けちゃって……」
未来は私とのキスが気持ちよくて立っていられなくなったと私に伝える。いや、それは大袈裟じゃないかな……。
「そ、そうなの……? 確かに落ち着くけど……。じゃあ、私シャワー浴びるね」
「ちょっと待って響! あの、もう一回……、して欲しいの……」
私が汗でベタついた体をキレイにしたいと彼女に声をかけると、未来はもう一度キスしたいと私にねだる。
目を潤ませて、私の手を握りながら。
「えっ? いいけど。ほら、ちゅっ……」
「んっ! んんっ……、んっ……」
「あー、未来もマリアと一緒で舌を絡ませるの好きなんだ。これ、気持ちいいから好きー」
未来は私の舌に激しく舌をからませてきた。彼女から甘酸っぱい味を感じながら、私も未来の肩に腕を回して未来の舌の感触を全身で味わう。
どうやら未来はマリアと同じで舌を絡ませるキスが好きみたいだ。
「ま、マリアさんとも……。まずいよ。クリスだけだと思っていたのに……」
「じゃあさ、もう少しお布団の中でキスしてみる?」
「――でも、そんなことどうでもいいとか思っている自分が怖い。うん、早くベッドに行こう! その後、一緒にお風呂に入ろう!」
「う、うん、未来……。すごい力だね〜」
私がベッドに誘うと、未来は凄い勢いで私をベッドに連れて行って私をそこに押し倒した。
そして私たちは抱き合って何度も何度も唇を重ねる……。
未来は泣きそうな顔をして笑っていたけど、悲しいのか嬉しいのかよく分からなかった。
その後、二人でお風呂に入ったんだけど、そこでも未来は私を求めてきて……。一晩中、彼女とずっと戯れるみたいな感じになっていた――。
そして、翌朝……。私たちは登校するために寮を出た。すると、寮の前で私たちを待っていたクリスちゃんと遭遇する。
「あっ、クリスちゃん! 迎えに来てくれたんだ」
「お、おう。早くお前の顔が見たかったからな」
私がクリスちゃんに声をかけると彼女は照れくさそうにそっぽを向きながら返事をする。
私の顔が早く見たいって嬉しいな……。
「わざわざ、寮の前まで来なくても学校ですぐに会えるよ。クリス……」
「うっ……、いいじゃねぇか。あたしが響に会いに来ちゃいけねぇのかよ?」
「ダメとは言ってないよ。泥棒猫、間違った、クリス
「本音がタダ漏れじゃねぇか! これはいくら恩人が相手でも譲れねーぞ」
でも、なぜか未来とクリスちゃんは険悪な感じだった。知らないところで喧嘩でもしたのかな?
「あら、偶然ね。響、これから学校?」
そんなことを考えていると、驚いたことにマリアがジョギングウェア姿でこちらに駆け寄ってきた。
偶然、このあたりをランニングしていたのだろう。
「ま、マリアさん……、どうしてあなたまでここに……。ランニングなのにいつも以上にお化粧までバッチリして……」
「あの人、自分が世界的なスターってこと忘れてないか? サングラスすらしてねぇから、ざわ付いてるぞ……」
未来とクリスちゃんは喧嘩を止めて、ポカンと口を開けながらマリアを見ていた。
確かにマリアは目立つ。立っているだけでオーラがある。だから、軽く人がこの辺に集まってきた。
「さぁ、行きましょ、響」
「えっ? なんか、クリスちゃんと未来が言い争ってたけど……」
「痴話喧嘩じゃないかしら? あなたには関係ないわよ」
そして、マリアは私の腕を組んで歩こうとする。未来とクリスちゃんにお構い無しで。
肩に顔をくっつけながら甘えるような仕草をするマリアはとても可愛らしかった。
「お、おい! なんだあれ……! マリアって、響とあんな感じだったか?」
「よく分かんないけど、良くないことが起きてるの」
「待てよ、響。あたし、今日もお前に弁当を作ってきてやったんだ」
ヒソヒソ話をしていた未来とクリスちゃんだったが、私が一歩前に踏み出すと、クリスちゃんが私に弁当を手渡してきた。
「あっ! そうなんだー。ありがとう、クリスちゃん!」
「ふふん」
「雪音クリス……、あなた……」
弁当のお礼をクリスちゃんにすると、クリスちゃんは得意そうな顔をする。それを見たマリアは何故かムッとした表情をしていた。
「響、今度の日曜日にさ。また水族館に行かない?」
「いやー、日曜日はマリアと遊びに行く約束してるんだー」
「「……っ!?」」
未来から誘いを受けた私だが、生憎マリアとの約束の日と被ったので彼女にそれを伝える。
すると、未来とクリスちゃんは驚いた顔をする。まぁ、マリアとはこれまでそんなに仲良くなかったから驚くよね……。
「そうよ! 私たちデートするの。今から楽しみ。何を着て行こうかしら」
マリアは急に上機嫌になってニコリと二人に微笑みかける。いやー、マリアとデートってよく考えたら緊張するなー。
「なんでだよ! おい、響! あたしと特別な関係になりたいって言ったよな!」
「うん。だから、クリスちゃんと凄く仲良くなれて嬉しいよ」
「そ、そうか……。へへっ……」
そんな話の中で、クリスちゃんは自分と特別な関係になることを確認してきたので、私は素直にそれが嬉しいと伝える。
すると、クリスちゃんは頬を桃色に染めて嬉しそうな顔をした。
「簡単に引き下がっちゃって……」
「んだと!」
「残念ね。雪音クリス……。響は私のモノよ」
「いや、それは認めねぇ! 響はあたしが……!」
私はそろそろ登校しないと遅刻しちゃうなと気にしていたが、クリスちゃんと未来にマリアが加わって、また言い争いみたいなことを始めている。
どうしたんだろう? ギスギスした感じになっているけど……。
「響! 私、ずっと響のことが好きだったの!」
「なぜ、ここで告白!?」
「ずっと、言えなかったけど、好きなの……、響……」
すると未来がいきなり私の両手を握って「好きだ」と言ってくれた。
顔を茹でダコみたいに赤くして……。
「未来……。私も未来が好きだよ」
「響ぃぃぃぃ!」
「どうしたの? 未来……、急にそんな……」
私は自分も未来が大好きだと伝えると、未来はガシッと私を抱きしめてきた。
人がいっぱい見ているけど、まぁいいや。
「嘘だろ……。じゃあ、何だったんだ?」
「私たち……」
「良かった……。響は最後には私の……」
「マリアもクリスちゃんも大好きだし。最近、好きな人が増えて嬉しいんだ。私……」
私は特別な関係の人が増えてとても嬉しいことをみんなに伝える。
未来もクリスちゃんもマリアも私にとってかけがえのない人たちだ。大好きで、ずっと一緒に居たいと思えるくらい。
「「えっ?」」
「じゃ、学校に行こう。遅れちゃうよ」
私は自分の想いを3人に伝えられたことに満足した。
でも、私にはまだ試練は残っている。
それは――クリスちゃんの“ふともも”を堪能することだ。
これだけ仲良くなってもなかなか言い出せないんだよね〜。よし、今日こそ頑張るぞ〜。
マリアは恋人になると、甘えてきそうとか勝手に思ってます。
未来は基本的にチョロインかな。
クリスはツンデレでヤンデレでチョロい。
お気に入り登録とか感想とかしてくれると狂喜乱舞する人です。