クリスちゃんの“ふともも”の感触が忘れられない響が暴走する話 作:ルピーの指輪
「すー、すー」
「あっ、翼さんだ! 疲れて寝てるのかな? こんなところで寝たら風邪引きそうだけど……。起こすのも悪いし……」
ある日、S.O.N.G.でメディカルチェックを終えた私は急に空腹を覚えたので食堂へと足を伸ばした。
食堂には人気はなく、誰もいないのかと思っていたが、飲みかけのドリンクと共にうたた寝をしている翼さんを発見する。
こんなところで眠っているなんて、よほど疲れが溜まっているのだろうか?
「すー、すー、ううっ……、そ、そんなっ……、ぐすっ……、うわぁっ……!」
起こそうかどうか迷っていると、突然翼さんは苦しそうな顔をして、顔を歪める。
そして、叫び声を上げて目を覚ました……。恐らく、嫌な夢でも見たのであろう。
「つ、翼さん? 大丈夫ですか?」
「――はっ!? た、立花か……、す、すまない。恥ずかしい所を見せた……」
私は思わず翼さんの肩を抱きながら、声をかける。彼女は私に気が付いて、驚いた表情をした後に気まずそうに顔を背ける。
気丈な彼女のことだ。後輩の私に弱いところを見せたのが恥ずかしかったのだろう。
「全然恥ずかしくないですよ。私なんてもっと恥を晒してますから!」
「自信満々でそういうことを言うのもどうかと思うが……」
私なんて翼さんと初対面のときにご飯粒を付けていると指摘されて、顔から火が出るような思いをした。
だから、翼さんのうたた寝なんて全然、へいきへっちゃらですってアピールをしたんだけど、そのやり方がまずかったのか、彼女は困ったような顔をしていた。ありゃりゃ、空回っちゃったかな?
「えへへ。怖い夢でも見ていたんですか?」
「うむ……。ここのところよく見るのだ。エルフナインはイグナイトモジュールを発動させたとき強烈に脳波に焼き付いた記憶が原因なのでは、と分析していた……。おかげで、最近寝不足だ……。防人としてこのような体たらくは許せないのだが……」
イグナイトモジュールはシンフォギアの暴走を制御して戦闘力に特化させようという機能なのだが、確かに発動させる度に精神へと負担はかかる。
翼さんには特に心への影響が強いみたいだ……。それが原因で日常生活で悪夢に悩まされるくらい。
彼女は本当に悩んでいるみたいで、弱々しく微笑み項垂れていた。
「眠れないのって、それだけでストレス溜まりますよね」
「立花でも眠れないときはあるのか?」
「そんなー、翼さん、酷いですよ〜。私だって悩んだりして……。――あっ、でも、私にはよく眠れる方法があります」
眠れないというのは辛いと翼さんに同情していると、ふと頭によく眠れるかもしれない方法が思いついた。
これなら翼さんも熟睡できるかもしれない。私はそれを翼さんに提案しようと思った。
「よく眠れる方法?」
「はい! それは添い寝です! どんなに辛い日も未来と一緒に寝たら、あら不思議。すんごく良く眠れるんですよ〜」
私が最近よく眠れなかったのは未来と喧嘩していた期間だけだということに気が付いた。普段は未来と仲良く抱き合って寝ていたりするので、どんな辛い日も彼女のおかげでよく眠れるのである。
未来は私の日だまりのような存在で、いつも私を包み込んでくれる。
「そ、添い寝? た、立花はその小日向と……。えっ? い、一緒に寝てるの?」
「私と未来は仲良しですから」
「いや、立花と小日向の仲が良いことは前から知っているが……。仲が良いと一緒に寝るものなのか?」
翼さんは仲が良い人と添い寝をすることに驚いているみたいだ。
しかし、重要なのはそこじゃない。問題は眠れないことなのだから、その状況を打破するのに添い寝が有効というならば、翼さんにもそれを実践してもらいたい。
「そうですね。最近だと、マリアとかクリスちゃんと一緒に寝たりとか……」
「雪音はともかくとして、マリアまで……。そ、そうか。確かに私には奏以外に親しい友人はいなかったからな。し、知らなかった」
私は翼さんに親しい人と添い寝をすることはそんなに変ではないと主張するために、クリスちゃんやマリアと寝たりしていることを話す。
クリスちゃんは抱っこされるのが好きで、いつも後ろから抱きしめて欲しいとねだる。
マリアは、絶対におやすみのキスをして眠る。そして、ベッドの中だとものすごく甘えてくる。
「だから、翼さんも1人じゃなくて誰かと一緒に寝れば、よく眠れるかもしれません」
「な、なるほど。しかし、私には一緒に寝てくれるような……」
「じゃあ、私じゃダメですか? 今日、翼さんの所に泊まりに行きますよ。ちょうど明日はお休みですし」
翼さんに添い寝を提案し、彼女が相手がいないと口にしたので、僭越ながら私が立候補する。
この機会に翼さんとさらに仲良くなりたいと心にそんな想いを秘めながら。
「立花が私と添い寝? い、いいのか? 私とその一緒に寝るなんて」
「良いも何も、翼さんは私にとって命の恩人ですし、とっても大事な人ですよ。それに私は人助けが趣味なんです」
「――た、立花。ありがとう。私も立花のことを大事な友人だと思っている」
翼さんは少しだけ顔が明るくなり、今日の夜に一緒に寝る約束をした。
あー、翼さんの所に泊まりに行くなんて初めてで緊張するなー。
ちゃんと、翼さんに安心感を与えて、今日は私が彼女の日だまりになれるように頑張らなきゃ……。
「――よく来てくれた、立花。そ、その……、散らかっていてすまない。今、片付ける……」
「待ってください。翼さん。普段どおりの環境のほうがよく眠れるかもしれません。私は気にしませんから、このままで寝ましょう」
翼さんの部屋に上がり込んだ私は、案の定、台風が過ぎ去ったみたいに散らかっている部屋と遭遇することになる。
最初は驚いたが、これが翼さんだしそういう所も人間っぽくて可愛らしく感じられる。
私はなるべく普段のままが良いと思い、この部屋の状況のまま寝ようと提案した。
「そ、そうか? 気にならないのなら、このままで……」
「じゃあ、早速ベッドに入りましょう!」
ふと、ベッドに目をやると脱ぎ散らかした下着が無造作に掛け布団の上に放置されている。
昨日付けてた下着をそのまま放置していたのかな? それとももっと前……?
「も、もう寝るのか? お風呂とかは」
「あ、もうそれは済ませてきました。翼さんは?」
「まだだ。ちょっとシャワーだけ浴びてくる」
私は寮でお風呂にだけは入ってきたので、翼さんが1人で浴室に行ってシャワーを浴びる。
浴室から聞こえるシャワーの音を聞くと、何だか私は変な気分になってしまった。
今日は翼さんに快適な眠りを提供するために来たのだ。この衝動に塗りつぶされないようにしなくては……。
「待たせたな、立花……」
「うわっ、何か風呂上がりの翼さんって、いつもよりも色っぽいですね」
「へ、変なことを言わないで! は、恥ずかしいじゃない」
パジャマ姿の翼さんの姿を見て、私はついつい本音を口にしてしまう。
すると、翼さんは頬を桃色に染めて慌てた顔をして恥じらいを見せる。翼さんは、時々このように口調が変わるのが面白い。
女の子の部分が垣間見えるみたいで……。
「だって、パジャマ姿の翼さんってなんか新鮮なんですもん」
風呂上がりでパジャマ姿の翼さんは本当に色気がある。そして石鹸のいい匂いがまた、彼女の女性としての魅力をグッと引き上げている。
これから私はこの翼さんと添い寝するのだ。これは自重できる自信が急激に無くなって来たぞ……。
「じゃあ、ベッドに入って下さい」
「うむ。――あっ!」
翼さんは言われるがままにベッドの中に入る。その瞬間、掛け布団の上の下着が床に落ちて、それを見られた翼さんは少しだけ恥ずかしそうにしていた。
何これ? めちゃめちゃ可愛い……。
「で、私も入りますので、ちょっとだけ詰めて下さい」
私はそれを特に気にしていない素振りをしながら翼さんが入っているベッドの中にお邪魔する。
元々1人用のベッドなので、かなり翼さんと私の距離は近くなる。
「お、思ったよりも近いんだな」
「もちろんですよ。ほら、お互いの体温を感じることで、安心感がありませんか?」
「そ、そうだな……」
私と翼さんはお互いの体温を感じている。お互いの体温のおかげで急激に布団の中の温度が上がり、それが何とも言えない雰囲気を醸し出す。
「ねぇ、翼さん。緊張しているんですか?」
「…………少しだけ」
「じゃあ、こっちを見てもらってもいいですか?」
「こっちを? ――んっ……、んんっ……、んっ」
翼さんは同じお布団の中に2人でいることに緊張しているらしいので、私は彼女の緊張を解すことにした。
私は振り向いた彼女の唇に自らの唇を重ねる。翼さんの唇はちょっとだけ冷たかったが、とても口触りがよく、心地よい感触だった。
何だろう、いつまでもこうしていたいと思うくらいの中毒性がある。
どんなに美味しいスイーツでも食べ過ぎれば飽きるが、彼女の唇は何百、何千と重ねようが絶対に飽きない。そんな自信を胸を張って主張できるほど、彼女とのキスは心地よかった。
「んっ……、んんっ……、ふぅ……」
「――た、立花!? な、何をする!? わ、わ、私に今、接吻を……」
翼さんはさすがにいきなりキスをされて、驚いているみたいで、自分の唇に人差し指を当てながら、顔を真っ赤にする。
「こうすると、落ち着きません?」
「――っ!? た、確かに……、だが……、せ、接吻というのは、好きな人同士が……、するものであって……」
「私は翼さんのこと大好きですよ!」
「だ、大好き? そ、そんなこと言われたこと今まで……」
あたふたと、キスは好きな人同士が行うものだと説明する翼さんに私は愛の告白をする。
すると翼さんの顔はさっきまでよりもはっきりと赤くなる。照れている翼さんも非常に愛らしい。
「翼さんは私のことどう思ってますか?」
「私が立花のこと? もちろん、信頼できる仲間だと思っている」
「そうじゃなくて、キスされて嫌とかやっぱり思っちゃいましたか?」
「……嫌なわけないじゃないか。でもなぁ、立花……、んっ……、んんっ……、ん……」
翼さんは私がキスをしても嫌ではないと言ってくれたので、私はもう一度、彼女の唇を奪う。今度はもっと激しく、翼さんのすべてを味わうように……。
翼さんも、先ほどよりも私の口づけに答えてくれようとしているのか、舌を絡ませるとそれに応じてくれる。
私の口内は感覚全てが翼さんに支配される。
「んっ……、んっ、んんっ……、ちゅっ、んっ……。翼さんは……、私のヒーローです。ずっと憧れていました」
私はずっと翼さんに憧れていて、助けてもらったお礼を言いたかった。
そんな彼女と今、こうやって親しくなれていることが幸せで堪らない。私はトロンとした目つきをしている翼さんにそんな告白をする。
「立花……、お前の優しさや強さに私も随分と助けられた……。思えば、お前は私にとって、特別な存在になってたのかもしれん。目を閉じてくれ、今度は私が……。――ちゅっ……、んっ、んっ……」
「――んんっ……、んっ……、つ、翼さぁん……。好き……」
翼さんは、私に優しくキスをする。何度も短いキスを重ねて、この人が愛おしいという気持ちがさらに高まり、私は再び彼女に愛の言葉を囁く。
風鳴翼を私は愛して止まない。好きで好きで仕方がない……。
「私も立花のことが……、好きだ……」
「抱きしめても良いですか?」
「――ちゅっ……、もちろんだ。立花……。――あっ! 耳に吐息が……」
私は翼さんを抱きしめて、ふうっと耳に息を吹きかける。すると彼女は艷やかな声を上げて、身を震わせる。
その恍惚としたような仕草は私の嗜虐心に火をつけてしまう。
「もしかして、翼さんも耳が弱いんですか? クリスちゃんもなんですよ」
「ゆ、雪音が? ああんっ……、んっ、んんっ……、ひゃ、ひゃひばな……、そ、そこをそんなに……、んっ、んんっ……」
そして、私は翼さんの耳の裏側に舌を伸ばした。
私が舌をピチャピチャと音を立てながら動かすと、翼さんはビクンと反応しながら、いつもの凛々しい感じとは大きくギャップのある可愛らしい声を上げる。
「翼さんって、思ったよりもずっと敏感なんですね。じゃあ、ここはどうでしょう?」
「あふんっ……、んんっ……、あっ、あんっ……、やめっ……、んっ、あんっ……、へ、変に……、ひぇんに……、なっひゃう……」
さらに私は首筋からおヘソまで翼さんの至るところに舌を這わせた。
翼さんは誰よりも敏感で、だんだん呂律が回らなくなり、ビクンビクンと脈打ちながら体をくねらせる。
舌だけでは足りなので、私は翼さんの敏感そうな場所に手を伸ばして優しく撫でたりした。
「翼さん、かわいいです。とっても……、ちゅっ……、ちゅっ……」
「ひゃんっ……、や、やめっ……、そ、そんなとこっ……、吸わないで……、んっ、あんっ……、んんっ……」
「ちゅっ、んんっ……、んっ……」
翼さんは腋も感じるらしく、パジャマのボタンを外して、私は彼女の弱いところを思い切り吸い上げる。
風呂上がりなはずなのに、翼さんは既に汗だくで、ツンとした香りが私の嗅覚を刺激した。
それがさらに私の欲望を高めて、彼女の感じる場所に何度も私はキスをする。
「だ、だめ……、ホントに……、変な……、気持ちに……、こ、怖いの……、あっ、あんっ……、何か来る……、んっ、んっ……! ――っ!? ああんっ! んんんっ……!」
そんな感じで、両手と舌を駆使して翼さんの弱点であろう部分に刺激を与え続けると、彼女はだんだん声を大きくしていき、最後には叫び声を上げて、体を大きく痙攣させながら、私を力任せに抱きしめた。
そして、その後、小さく何度かビクンと身を震わせながら脱力して、恍惚とした表情を浮かべる。
「翼さん?」
「はぁ……、はぁ……、な、何だったんだ……、今のは? 体がふわふわして……、全身の力が抜けるみたいだった……」
「それは翼さんが気持ち良かった証拠ですよ。嬉しい。私でそんなに気持ち良くなってくれたんですね〜〜」
翼さんが気持ち良くなってくれて私には妙な達成感が生まれた。
こんな私でも彼女を悦ばせることが出来たのが少しだけ誇らしかったのだ。
「……き、気持ち良く? 立花、私は……、んっ……、んんっ……」
「んっ、んっ……、んんっ……、ほら、こうやって2人で一緒に気持ち良くなれば、安心しませんか?」
「安心……? そ、そうだな。立花のことしか考えられなくなってしまった……」
そして、私たちはお互いを求めるように何度もキスをして、見つめ合う。
やはり、この人は愛らしい。強くあろうと凛々しい翼さんも好きだけど……。
「翼さん……」
「わ、私は立花が……、前よりもたまらなく好きになってしまったみたいなんだ。そ、その、お前さえ良ければ……、もう少しだけ、慰めて欲しい……」
「顔が真っ赤な翼さんも可愛いです! でしたら、今度は後ろから抱きしめても良いですか?」
「後ろから? こうか?」
翼さんが私に言われるがままに背中を向けてくれたので、私の背後から胸を押し付けるようにして、強く抱きしめた。
翼さんの髪の毛、やっぱりいい香りがする……。後でシャンプー何を使っているのか聞いてみようっと。
「わかりますか? 翼さん……、私の心臓が動いているの?」
「――立花……、お前……」
「私、生きてるんです。これが翼さんが、奏さんが守ってくれた命なんです……。こうやって、翼さんを抱きしめて心臓がドキドキすると、私はとても幸せな気持ちになれます……」
私は翼さんに自分の鼓動を感じて欲しかった。あの日、私は生きることを諦めかけた。今日、自分は死ぬんだと思ってしまった。
でも、私はこうやって今、翼さんを抱きしめている。これは紛れもなく翼さんと奏さんのおかげである。
「――立花、奏に変わってお礼を言わせてくれ……。生きていてくれてありがとう。これからも、何があっても生きてくれ……」
「はい。生きることを諦めたりしません。だって、死んでしまったら……、こうやって翼さんと……、んっ……、んんっ……」
私が翼さんの言葉に返事をしようとすると、彼女が急に振り向いてきて私の唇を塞いだ。
そして、今までで1番激しく舌を絡ませながら、長いキスをする――。
「んんっ……、んっ、んんっ……、ちゅっ――」
「んっ……、もう、最後まで言わせてくださいよ」
「言わなくてもわかってる。今宵はよく眠れそうだ」
長いキスを終えて、私が返事が出来なかったことに対して不満を漏らすと、彼女は明るく微笑みながら、今日はよく眠れると言ってくれた。
どうやら、作戦は成功したみたいだ。やっぱり翼さんの笑顔って素敵だな……。
「ふふっ……、翼さん……、大好きです」
「私も立花を……、いや、響を愛してる……、ちゅっ……、んんっ……」
私が翼さんに何度目かの告白をすると、彼女は私のことを初めて名前で呼んでくれた。
そして、私たちは再びお互いの唇を塞ぎ合い、何度も何度も愛を確かめ合うようにキスをする――。
気付いたときには私たちは手を繋いで眠りに落ちていた――。
翼と絡ませると純愛っぽくなりますね。
この響はクリスとマリアと未来とも愛を育んでますが……。
この話だけ読むと純愛かな〜?
とりあえず、今回もR15以内に収まってよかった!
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