トールズ士官学院にて、放課後を迎えたⅦ組。既にラウラとフィーの関係は修復どころか親友と言える間柄にまでなった中、アリサがクラブに行く気力も無さそうに頬杖をついて溜息を吐いた。
「はぁ……ティアちゃん、今頃何してるのかしら?」
「全く、君はそればっかりだな」
「ティアって、僕達が入る前にⅦ組に居た子なんだよね?」
彼女の口から漏れる様に紡がれた言葉は既にこの場に居る全員が何度も聞いていた。マキアスが呆れた様子で声を掛ける中、1人の少女が首を傾げながらリィン達へ質問する。……その少女の名はミリアム・オライオン。つい最近同じⅦ組に編入して来た者であり、彼女の他にもう1人男子生徒がⅦ組に編入していた。
「あぁ。クロウは知ってるよな?」
「一応な。そこそこ有名だったから知らないのはミリアムくらいだろ?」
臆病で小さな少女の姿は目立っていた。本人は知らない人物を見ると逃げ出してしまう為、その性格も相まって話を出来た人物は極僅かと言えるだろう。2年生でありながらⅦ組となったクロウ・アームブラストはリィン達が入学する以前から士官学院に居たため、彼女が居た時の学院を知っている。「ゼリカがかなり話したがってたな」と思い出す様に続ける中、アリサは不服そうに机を叩いた。
「やっぱりシャロンは狡いわ! 確かに心配だったけど、会いに行くなんて」
「またその話か……俺はもう聞き飽きたぞ」
「あはは、でもそのお蔭で向こうでも元気にしているって分かったじゃないですか」
二言目もまた、何度も聞いている言葉だった。ユーシスが頭を抱える中、苦笑いを浮かべながらエマが返せば「それはそうだけど……」と不服そうにしながらも落ち込んでしまうアリサ。そんな姿にフィーとラウラが目を合わせて『やれやれ』と言った様子で首を横に振れば、何かを思いついた様にガイウスが口を開いた。
「思ったんだが、ティアは今もARCUSを持っているのか?」
「え? あー、どうなんだろう?」
そもそもⅦ組とは色々な事情を抱えている者達であると共に、ARCUSの適性が高い者達が集められていると最初に全員は説明を受けていた。諸事情により、初めから参加が決まっていたティア。しかしⅦ組から離れて中々戻って来ない様子を見るに、現在は家族の元で過ごしているとリィン達は考えていた。……となれば、何時か休学状態からティアは何かしらの形で退学になる可能性もある。その時、彼女の持つARCUSは一体どうなるのか? 誰にも分からなかった。
「もし仮にティアがまだ持ってるとして、通信を掛けたら繋がるのかな?」
「おっ、そんじゃあいっちょ掛けて見るか!」
「待ってくれ。もし持って無かったらどうする? それに今は多分家族のところに居る筈だ。せめて向こうから掛かって来ない内はそっとして置くべきじゃないか?」
≪……≫
リィンの言葉に押し黙った全員。ARCUSを取り出していたアリサも繋げる最後の一押しへ伸ばされた震える指を動かせず、やがてそれを机の上に置いてしまった。ティアの状況はまた何時か、知れる機会が訪れるかも知れない。そう思った一同はその場でティアの話をそれ以上する事はしなかった。全員が各々の部活や用事を済ませる為に解散する中、フィーは1人空を見上げる。
「フィー、どうしたのだ?」
「……何でも無い」
第3学生寮、フィーの自室。
「って話になった」
『教ぇ、なぃの?』
「別に教えても良いけど……何となく、かな」
ARCUSを耳に当ててフィーが通信する相手はティアだった。実はティアがARCUSをまだ持っている事も、それで通信を出来る事もフィーは知っていたのだ。毎日とはいかないが、定期的に連絡を取っている為に1度様子を見に行ったシャロンよりもティアの近況には詳しかった。
『あの、ね……アー、ツ……また、少し……使ぇる、様に……なった、よ』
「そっか。偉いね」
『そう、かな……ぇへへ……嬉しぃ』
「後は……もう少し喋れる様になると良いかも」
「……う、ん」
褒められて照れ、次は悲しそうにしている姿が顔は見えずともフィーには手に取る様に分かった。その後も適当な会話をした後、通信を終えたフィーはARCUSをしまう。そしてリィン達に通信出来る事を教えるか少し迷うも、アリサの様子を見るにそんな事をすれば毎日の様に通信がティアのところへ行くと思ったフィーは結局教えない事にした。決して自分が話をする時間が減る事を懸念したのでは無く、ティアが平和に過ごせる為の判断。……そう自分に言い聞かせて。
ティア・プラトー
言語Lv.4(最大Lv.10)
人慣れLv.6(最大Lv.10)
好感度『ティア→キャラ』
★★★★★
★★★★☆
フィー・トヴァル
★★★☆☆
アリサ・シャロン・サラ
ティオ・キーア
★★☆☆☆
リィン・エリオット・ガイウス・マキアス・ユーシス
ラウラ・エマ
ロイド・ランディ
エリィ
シャーリィ
★☆☆☆☆
ノエル・ワジ