クリスマスの魔法   作:ATNAS

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16.愛璃

寒っ!

つい先ほどまで暖房の効いた部屋でぬくぬく寝ていたからだ。慣れつつあった冬の寒さが今

は一段と強く感じられるなぁ。

まさかお姫様だっこされていたとは…うわぁあああ恥ずかしい!

ってそんな事を考えに外に出てきたんじゃないよ!

さっきから何度かコールがあったけどリュウがあまりにも必死に私のスリッパを探すものだ

から何となくそばを離れずらかったしその後コールが途切れたのでその事をわすれてしまっ

たんだった。

スリッパ見つけた時のリュウちょっと可愛かったなぁ…

あぁもう!気が散りすぎ!

私はリュウの家のカーポートに行き、車の後ろ側に回って車と壁の隙間に入り込んだ。

ここなら誰にもバレないだろう。例え高2の女子が見えない相手と

話していたとしても。

シャンシャンシャン!

頭の中でジングルが鳴り響く。

上司からのコールだ。

私はコールに応答する。

両目が赤と緑のオッドアイに発光するのを感じながら。

『どうしてコールに出なかったんですか。何回かけ直したと思ってるんです。

上司________私より少し年上の若い男性だ________はやや不機嫌そう

だ。

すいません、スリッパを探すのを待っていたんです。

『スリッパ?どういうことですか?』

すみません。なんでもないです。

余計なことを口走っちゃったよ…

上司は軽く咳払いした後、話題を変えた。

『朝倉リュウの件はどうなっていますか?』

問題ありません。必ず彼を幸せにしてみせます。

『そうですか。なら良いのですが。あと、これは毎年言っていますが、くれぐれも能力の濫

用はしないように。全てはみんなの幸せの為に、ですよ。』

背筋に冷たいものが走る。

さっき自転車を持ち上げたのはセーフだよね?

すると上司は私の心を見透かすように

『あ、現時点では大丈夫ですよ。安心してください。』

と補足した。危ない…。

てかナチュラルに的確なタイミングで補足してくるの怖いんだけど…

それでは。と言って上司は交信から離脱した。

そう。私がリュウのであったのは偶然じゃない。

そもそも私は3年前にこの能力をさっきの上司から与えられた。

そして同時にこの組織、「クリスマスの魔法」に入会した。

この組織はサンタクロースが住んでいると言われるフィンランドに本部があり、日本を含め

た全世界に支部があるらしい。

結成されたのは近年らしく、先ほどの上司は若くして日本支部長の座に就いている。

本部からの指示を達成する為に私のような一般会員を指揮する、いわゆる中間管理職だ。

あの上司と出会った時、彼は今の私の2年上で19歳だったはずだから、相当若い。

この組織の理念にであり、私が入会した目的は、

「このクリスマスという時期、辛い人なんて、悲しい人なんていて欲しくない。

そんな人達に寄り添うことでその人が少しでも幸せに生きられるようにすること。」

上司と交わした「契約」だ。

ちなみに今回のケースは若干特殊で、いつもは私が相手を見つけるのだが、今回は上司自

ら、リュウを指名してきた。こんな事は初めてだ。

なぜかは、わからない。

だけど、リュウといると楽しい。それは確かだ!

さて、交信も終わったし、リュウのところに戻ろう

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