クリスマスの魔法   作:ATNAS

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10.リュウ

教室に帰ると松戸が歩いてきた。

「朝倉、此処教えて。」

あぁ?開口一番がこれだ。

どうも俺の事をただで教えてくれる予備校講師か何かと勘違いをしているらしい。

良い加減にして欲しいが他にやる事も無いので俺は教科書を取りに行った。しかし大して成績が良いわけでも無いのでなんで俺に聞くんだろうな。

「僕クラスの人達あまり興味無いから。それに朝倉ならいつでも答えてくれそうだし。」

どれだけ自分勝手なんだよ。

まぁ良い。

俺も朝は暇なんだ。

見せてみろ。

此処はえーっとだな、微分したらこうなってこの場合の数は…

「もう良いよ解ったから。」

ああん?このくらいでわかるんだったら最初から自分で…

「じゃ。」

俺が怒るのも聞かずに松戸はさっさとどこかに行ってしまった。

あの野郎…ガラガラガラ。

担任が入ってきた。

朝礼が始まるようだ。

だが断る。

フルコースの刑のせいで朝から精神的にクタクタだ。

寝させていただく………………………キーンコーンカーンコーン…ん?あ、え、昼休みになってるじゃねぇか!?

なんで誰も起こしてくれなかったんだ!あ、俺を起こすような奴なんてだれもいねぇな。

大きく伸びをする。

体がだるい。

寝すぎだ。

隣を見ると西行寺が消えていた。

俺も暇だしそちらへ行こうか。

昼休みになると誰がいうともなしに山名井の机に集まる。

お互い昼食中に席が近い他の奴らに絡まれるのが嫌だからだ。

山名井の机に行くと他の3人はもう食べ始めていた。

まぁ此処までならごく普通の昼休みの風景なんだが1人そこから外れてる奴がいる。

西行寺だ。

西行寺は別次元だ。

よくアニメとかで大食い娘がいるがそんなレベルじゃない。

学食であらかじめ予約していた昼飯の量、床から天井に達している。

どうやったら倒れずこんなバランスをとれているのかも不思議だが何が不思議かってこの量が15分ほどで西行寺の腹に収まる事だ。

しかも全く太らない。俺が呆れながらみていると松戸が面倒くさそうに

「食べるなら食べなよ。そこにいたらみんな邪魔だ。馬鹿。」

あぁ、はいはい…あたりきついなぁ…まぁ友達でもなんでもないから仕方ないか。

山名井はと言うと、何を考えているのか知らないがニヤニヤ笑いながら唐揚げを頬張っていた。

気持ち悪いんだよ。

昼飯くらい普通に食え。

…飯?ディナー…うううう…

手元の弁当を見た。

どうしても食欲が湧かなかった。

ちょっと待てよ?あいつならなんとかしてくれるかもしれない。

俺はいくらかマシな気分になって、付け合せの沢庵をかじった。

 

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