これは何話までいくかわかりません。
もしかしたら、紅魔郷から先の話も書くかも。
第一話【文という名】
「あんたぁ、名前はなんて言うんだ?」
「あ、えっと·············わかりません」
「わからないとは?」
それから私は何もわからないこと、記憶がないことを説明した。
その人は興味津々といった様子で、身を乗り出して聞いていた。
「あの·············あなたの名前は····?」
「ん?俺かい?俺の名前は射命丸言葉。言葉(ことば)と書いて、言葉(げんよう)と読むんだ」
「射命丸言葉さんですね···········」
「あぁ、そうだ。··········でも名前がないってのも困るなぁ。
········もしよければだが、俺が名前をつけていいか?
勿論思い出したら、忘れていい。記憶がない間だけの名前だ」
有難い話だった。
自分をどう名乗ればいいのかわからなかったし、
名前はどうしようと考えていたところだった。
だから、私は嬉々として答えた。
「はい!宜しくお願いします!」
「ありがとうな。········んー····じゃあなぁ··········文ってのはどうだ?
俺の名前が言葉(ことば)で言葉(げんよう)だから、文(ふみ)で文(あや)って感じで·····どうだ?」
「いいと思います!文ですね。わかりました。文はという名、有り難く使わせていただきます」
感謝の意を込めて、私が土下座すると、
言葉さんはそこまでするかといった感じで、
慌てて土下座をやめさせた。
苦笑いする言葉さんを見て笑った私を見て、言葉さんも笑った。
そのあと夕食をいただき、お風呂にも入らせていただいた。
そして、私達は色々な会話をしていた。
その頃には私も言葉さんと普通に話せるようになっていた。
「私って何の妖怪なんでしょうかね?」
「さぁ?人型の妖怪なんていっぱいいるしな。
でも羽根があるからなぁ·······夜雀とか天狗あたりじゃないのか?」
「夜雀か天狗ですか············」
「多分な?」
「いえ、十分参考になりました。ありがとうございます」
「いやぁ、参考になったならよかったよ」
実際参考になった。
記憶がなく、断片的にすら情報がない今では少しでも情報が必要だったからだ。
私達はある程度会話すると、
お互いに眠くなっていたので、その夜は寝た。
それから私の数日は安全な場所を探すことと言葉さんの仕事の手伝いに費やされた。
言葉さんは居ていいんだぞ?と言ってくれたが、
何時までもお世話になるわけにはいかない。
そう考え、探しはじめてから、3週間たって、やっといい場所を見つけた。
『妖怪の山』と呼ばれている場所。
そこの中腹に洞窟を見つけたのだ。
近くに拓けた場所もあるからそこに家を建てればいい。
そこを見つけたことに歓喜し、大喜びしながら言葉さんの家に私は向かった。
そして、いい場所が見つかったこと。お世話になったことには感謝していること。
そんなことを話した。
話が終わり、別れようとするとき、私には一つだけ心残りがあった。
私は言葉さんに恋をしていて、それを伝えないで別れることだ。
しかし、私は妖怪。言葉さんは人間。この事実だけで諦めはついていた。
悲しみを隠し、飛び立とうとすると言葉さんが言った。
「行かないで·······くれないか········?」
彼はそう言った。
「え········?」
「ここに居てほしいんだ。俺は·········文が好きだ」
え?え?え?············え?
その言葉を理解し終わる頃には私の顔は真っ赤になっていた。
「迷惑だってことはわかってる········文は妖怪。俺は人間。
普通は有り得ない···········。だけど、やっぱり文が好きなんだ!」
相思相愛だったの·········?
そう考えた私は、こう言った。
「私も好きです·········」
「文··········」
「言葉さん··········」
この日、史上初かもしれないただの人間と妖怪の夫婦が誕生した-。
気がついたら、ラブラブに。
すみません。射命丸の名字をつけるにはこうするしかなかったんです!
でもリア充は滅されるべしべし。