『射命丸文』が現在に至るまで   作:parui

28 / 29
いつか


第二十七話【Let's meet someday】

博麗の巫女、博麗霊夢さんが帰るための結界のスキマを作ってくれて、

俺は二人に別れを告げ、帰ろうとする。

その瞬間、風が吹き荒れた。

俺は吃驚して、後ろを振り向く。

そこには、あきれた顔をした霊夢さんと、涙を流した射命丸さんがいた。

さらに吃驚している俺に、射命丸さんから言葉が投げ掛けられる。

 

「啓介さんあなた、幻想郷に残る気はありませんか?」

「え························すみません。ありません」

 

突然の問いに少し沈黙したが、なんとか返答を返す。

俺は残る気はあまりない。オカルト好きとしては残りたいが、

飯野啓介という人間としては、帰りたい。

向こうには友も、家族もいる。そいつらを悲しませる訳にもいかない。

明確な返答を聞いた射命丸さんは、数秒苦笑いして、微笑んだ。

 

「力ずくでも返さないと言ったら?」

「··········霊夢さんに、勝てるんですか?」

 

正直聞きたくなかった言葉を聞いて、

少し焦るが、恐らくは強いであろう霊夢さんの名を出し、様子を見る。

意味がないことはわかってる。

霊夢さんはさっきから、欠伸をしたりしながら、なにもしないでいる。

今は関わらないでいるつもりだろう。

名を出しても効果は見込めない。

 

「いえ、無理です。ただ、あなたを連れて逃げるくらいならできます」

 

ほらね。

 

「···あなたは何故俺を幻想郷に残したいんですか?」

「わからないんですか?」

 

わかります。

これでわかってなかったら相当なバカだろう。

わかっている事実を言葉にし、口に出す。

 

「言葉さんと瓜二つだからですか」

「瓜二つ、というのは間違ってますね」

「え?」

「あなたは言葉なんです」

「なっ!?」

 

意味不明な言葉に言葉が詰まり、頭のなかが掻き乱される。

どういうことだ。俺が言葉さん?違う、俺は飯野啓介だ。

この人は何を言っているんだ?訳がわからない。

頭が回らない。息が少し荒くなる。

そんな状態で、彼女が続ける言葉を聞く。

 

「幻想郷で死んだ言葉が転生したのが、あなた飯野啓介です」

「·········」

「同じ顔の者というのは双子以外存在し得ません。

きっと私のせいで転生できずにいたんでしょうが、閻魔様の慈悲かなにかで転生できたのでしょうね」

「·········」

「あなたは言葉なんです。そして私は、あなたを見ていたい。だから幻想郷に残ってほしいんです」

 

彼女の続いていた言葉が終わったところで、ゆっくりと口を開く。

 

「射命丸さん·················」

「なんでしょう?」

 

答える彼女に対して、言葉を続ける。

 

「あなた、残す気なんてないんですよね?」

「え?なんでですか?」

 

彼女の顔を指差して、更に言葉を続ける。

 

「涙を流しながら、そんな悲しい悲しい顔をしながら、

そんなことを言われてもそんな気があるとは思えません」

「え?」

 

射命丸さんが、自らの目元を指で触れる。

涙は指に付き、彼女はそれを苦笑いしながら見る。

 

「アハハハ···········、ダメだなぁ私、やりきれてないや············」

「今のは、自白と見ても?」

「はい、いいですよ」

 

涙を拭き、微笑みながら肯定する。

 

「なんでこんなことをしたかは、聞かないでおきます」

「ありがとうございます、その方が助かります」

「でも、きっとあなたにとって重要なことだったんですね」

「はい、とても、とても重要なことでした。ご迷惑を掛けて、申し訳ありませんでした」

「あー、はいはい。いい話だったわねー。で、早く通ってくれないと困るんだけど」

 

霊夢さんが、拍手をしながら間に入ってきて、ダルそうに言う。

この人いいキャラしてるなぁ。

 

「はい、もう行きます。ありがとうございました」

「では、啓介さん。さようなら、もう会うこともないでしょうが······」

「いつか、会いに来ますよ。多分」

 

少し悲しそうな顔をしながら、別れの言葉を告げる彼女に、

俺は笑顔でそう言い、最後に

 

「またいつか、また会いましょう!」

 

と言って、スキマを越えた。

越えた瞬間、景色は変わる。

越える前は綺麗な神社だったのに、越えた瞬間、寂れた神社に変わった。

後ろを振り向く、しかしそこには誰もいない。

俺は安堵し、スマホで位置確認する。

幸いそこは、家からそう遠くない場所だった。

そして、俺は家路につく。

ビルや建造物に妙な安心感を覚えながら。

 

彼が、後に幻想郷に行くのはまた、別の話だ。

__________________________________________________________________

 

彼女が何故あんなことをしたのか。その理由は迷いを断ち切るためだ。

そして彼女はこの一件の後、その前より風を操れるようになっていたという。

 

また、彼女が、彼が後に幻想郷に来たときに迎え、少しの間世話をするのも別の話だ。




何故か書けなかった。ホントに。
そのまま無理したからダメなままです。
いつか、書き直します。
すみません、すみません。

約2000文字の長編。

GWの宿題が多すぎて詰んでる。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。