進撃の涙   作:神崎 吹雪

10 / 14
あらすじー

主人公、マティアスと本作のメインメンバーの一部で、ハンジさんの買ってきた謎の美味な巨人の肉を調査するべく動き出した特別リヴァイ班。壁外調査で、全員が偶然重なった不運でルッツが巨人の餌食になってしまった。
それを悔やんだマティアスも、腰の大怪我をおうが…。


キャラのイメージを壊したくない方はUターンお願いします。
キャラの性格が異なる可能性があるので、温かい目でお願いします。

今回の主な登場キャラクター…☆はオリジナル

☆マティアス=ドレーアー
自作キャラクターの主人公。調査兵団に属する。
前期訓練兵次席の優秀な兵士。
金髪混じりの茶髪。
一生懸命になると周りが見えなくなる性格。

エレン=イェーガー
本作の主人公。

ミカサ=アッカーマン

アルミン=アルレルト

リヴァイ

ハンジ=ゾエ

☆ビョートル=ボーリンガー
マティアスと普段同じ班に属する仲間。金髪で目つきが悪い。背が高め。
常に最悪を想定して行動する癖がある。慎重なのが長所であり短所。

☆ラウラ=アーレンス
マティアスと普段同じ班に属する仲間。銀髪のセミロング。小柄。
心配性。喜怒哀楽が激しい。

☆ルッツ
マティアスと普段同じ班に属する仲間。黒髪。
勇敢な戦士。
壁外調査で命を落とした。

☆ビアンカ=コリント
マティアスと普段同じ班に属する仲間。焦げ茶色のロングヘアで、ポニーテール。
クールで美人。近寄り難い雰囲気を漂わせるが案外優しい一面を持つ。人気がある。

☆クラウス=バルト
仲間の為に心臓を捧げたマティアスの親友。
前期訓練兵首席の実力だった。



ー6ー再度の誓

兵舎の窓から差し込む朝日が頬を照らす。

反射してキラッと光り、寝ぼけ眼に活を入れる。

 

上体を起こす。

…が、腰の痛みが全身を走る。

慌てて再度ベットに横たわった。

 

ここは…。

 

記憶の糸を手繰り寄せた。

 

そうだ、昨日、壁外調査があって…ルッツが死んで…、死んで、死んで…。

 

「そういえば俺、あのまま泣きながら寝たのか…。」

誰も居ない四人部屋で俺は1人呟く。

頭をわしゃわしゃと掻き毟った。

 

もうラウラもビョートルもビアンカも朝の訓練に励んでいる頃だろう。

 

「……起きた?」

?!

誰も居ないと思っていたが、二段ベットの上段に誰か居たようだ。

ビョートルのベットだが、声の主は女だ。寝ぼけてるのが原因か、ぼやっとしていて誰か正確に把握出来なかった。

 

「誰だ…?」

「ラウラ。」

 

そういえば忘れていたがラウラも相当酷い怪我を負っていた筈だ。

「大丈夫か…?」

俺がそう言うと、馬鹿!と怒鳴られた。

 

「大丈夫?…じゃないでしょ!マティアスの方が重症なのよ?!……痛っ。」

ベットが軋む音がして、ラウラが起き上がろうとしたことが分かる。

 

「寝てろよ…まだ。良くないんだろ?」

 

「それはそうだけど…。」

ラウラは何か言いた気だが、深く追求しないことにした。

 

とてもそんな気力は残っていない。

 

『人は仲間の死を受け入れることで成長する。』

 

何かの文献で載っていた文を思い出した。

俺はとても越えられそうになかった。

 

「う…あああ…。」

ルッツの最期を思い出すたびに蘇る吐き気と気持ち悪さ、悔しさ、後悔。

 

そういえば今俺の寝てるベットは、昨日まで何事もなかったかのように寝ていたルッツの場所だ。

あいつのいびきはビョートル程では無いが、煩かったな。

 

すると、上からも鼻を啜る音が聞こえてきた。

ラウラも泣いている。

 

俺の瞳からも今も耐えなく流れる涙。

 

死を受け入れる勇気。

 

俺にはまだ無い。

 

すると、上から梯子を降りる木の軋む音がした。

 

 

「ラウラ?」

 

ラウラは梯子を下り終えるなり、俺の方を向いた。

「私ね…寂しいの。クラウスもルッツも居なくなってしまった。このままだと皆居なくなっちゃう。…怖いの。何度も大切な人が亡くなって行く瞬間を夢の中で繰り返した。夢だと解っても怖いの!いつかそんなことになってしまうんじゃないか…って!」

ラウラは自分の身体を泣きながら抱きしめる。

 

 

 

恐怖と戦っているのは俺だけじゃない。

 

俺だって嫌だ。怖い。でも、それ以上に成し遂げなくてはならないこともある。

 

「ラウラ…。」

 

「お願い、マティアス。今だけでいいから傍に居て?」

ラウラはそう言うなり、俺…というかルッツの布団に潜り込んできた。

「え…?」

 

俺は緊張のあまり身体が硬直する。

 

独りが嫌で寂しいから…と分かっていても心拍数が上昇して行くのを感じる。

 

「ラ…」

 

布団の中で小柄なラウラが俺を抱きしめた。

 

その温かみが悲しさを和らげる。

 

…だが熱が出そうだ。

 

「マティアスは死なないよね?」

 

涙ぐむラウラの質問に、俺は答えを出すことが出来なかった。

 

 

❇︎

 

 

「っっっ…ごほん!」

誰かの咳払いで目が覚める。

 

薄ら目を開けると、ベットの横でビョートルとビアンカがこちらを見ていた。

 

ビョートルは赤い顔で咳をする素振りを見せていた。

 

ビアンカは目をヒクヒクと痙攣させて、怒った様子で睨んでいる。

 

「…?んあ…どした?」

俺は目を擦りながら二人に問う。

「お前…大胆だな。…人のベットで。」

「あんたら…訓練しないで何してんのよ…!」

 

俺は数秒理解に苦しんだ挙句、身体を温かいもので包まれていることに気が付く。

 

はっとして下を向くと、寝る前の出来事を思い出した。

 

あ、ラウラに抱きつかれたまま寝ちゃったのか…。

 

その事実を思い出した途端、顔から火が飛び出す。

「ちっ…違う!んなことじゃねえって!!寂しいから一緒にいてくれって言われて…それで…!!」

俺は慌てて首を左右にブンブンと振った。

 

「んなこと?何を想像したんだ?マティアス。」

ビョートルの言葉に流石に怒り、ベットを下りて鳩尾に蹴りを入れてやった。…筈だが先にビアンカがビョートルの横腹を蹴り飛ばしていた。

 

「っっぐおあ!!」

ビョートルは数メートル飛ばされる。

「健全な鈍感に変なもの教えちゃ駄目。」

ビアンカは起き上がろうとするビョートルの足を更に踏みつけた。

「うごあ!!」

 

再起不能にも見える…。

ビョートルを見て俺は苦笑するが、そんな俺を見てビアンカは目を見開いた。

 

「腰は…?」

 

俺ははっとして腰を抑える。

あまり、痛くない。

怒りで忘れてしまう程…にだ。

 

 

 

俺は結構強いのかもしれない。身体が。

 

大怪我をしているような怪我もたいしたことなかった…?

 

「何だ、俺も打撲の程度だったみたいだ。ビョートル。」

俺は屍のようなビョートルに言う。

 

「お、おお…よかっはな…。」

良かったな…と言いたかったのだろうか。

 

すると、流石に申し訳なく思ったのか、ビアンカがビョートルの傍にしゃがみ込む。

「ご、ごめん…やり過ぎた…。」

ビアンカがそう言いながら苦しそうな表情のビョートルに近づく。

すると、はっとしたようにビョートルの目に光が灯す。

「心配してくれるのか?!」

「何よそれ!!」

 

まあ、仲がよろしい事で。

…そういえばビョートルはビアンカが良いとか言ってたっけ。

 

すると、扉を叩く音が室内に反響する。

 

「おいお前ら、うるせえぞ。」

入ってきたのはリヴァイ兵長…に、ハンジさん、エレン、ミカサ、アルミン…の、あの謎の奇行種を調査する特別班のメンバーだ。

 

「んー…。」

その音に反応したのか、ラウラも漸く目を覚ます。

 

「え?!マティアス大丈夫だったの?!」

入るなり、アルミンが俺に駆けつけてきた。

すると、俺を見た先輩達全員が唖然と口を開く。

「あ、あぁ…。心配かけてすんません。」

俺は頭を深々と下げた。

「まあまあ、たいしたことないならそれに越したことは無いし、謝る必要ないってば!」

ハンジさんがベットに寄り掛かりながら言った。

 

「今日の要件は…。」

ビアンカは、言いかけたところで口を紡ぐ。

何と無く言いたいことは解る。

 

「昨日の件…。」

エレンは俯いた。

「見ていたよな?あの現場。それで昨日喚いていたとも聞いた。それでも、それでもお前達は謎の奇行種について調査を続行したいと思うか?」

 

リヴァイ兵長は眈々と話す。

 

 

 

仲間の死。

 

 

それに向き合える俺は居ない。

 

 

だけど、誰よりもあの肉を食べてみたがってたのはルッツだ。

 

 

「俺はーーーー、

 

 

 

 

 

 

 

 

続けまっす。」

 

リヴァイ兵長をじっと見つめる。

 

「振り切った…感じだな。無理してるようにも見えるが。」

ストレートに兵長は言った。

 

「そりゃ…、今直ぐ泣き叫んで悲しみたいところなんすけど…このまま何もしないのも馬鹿だし、今更嘆いても遅いし。…取り敢えず、立ち直った…っすね…。」

 

正直、立ち直ったというより考えないようにしているだけな気がする。

 

「相手は化け物だと身を持って知っただろ?それでもだな?」

 

今度は俺達四人の顔を順番に見た。

 

 

俺は頷く。

 

ビョートルも続けて頷いた。

 

ビアンカは少々考える仕草を見せた後、頷いて見せた。

 

ラウラは…、

「あいつ、倒せるんですか…?」

 

辺りは沈黙に包まれた。

 

そうだ。兵長達が斬撃を行った際、奴の首筋の皮膚が硬化していたのだ。

 

「所詮人間ではない奇行種だ。人間程の知識を身につけているとか思えなかった。それに発見時は硬化していなかったと思う。気分次第か、多少の知識があり、狙われていることを悟って硬化させたかのどちらかだ。必ず倒せる。」

リヴァイ兵長が断言する。

 

「私も賛成、調べ物をしてた…って言ったでしょ?当然謎の奇行種の事についてね。悪魔で誰かの証言だから確信は持てないんだけど、倒せた記録が残ってたらしいの。そもそも私達食べたしね。」

 

それもそうだ。

 

食った時点で倒せることは証明されている。

 

「じゃあ、当然私も参戦するわ。」

ラウラは自信に満ちている。

前を向いている。

俺もこんなところで這っている場合ではなかった。

 

「それよりエレン。」

ミカサがエレンに声を掛ける。

「ああ!忘れてた。…今日は新しい仲間を紹介しようと思ってたんだ。来てくれ、オリーヴィア、ワレリー!」

 

エレンが出入り口に目をやると、男女二名の兵士が部屋に入ってきた。

 

 

ー6ENDー




ありがとうございました!

次回からは二名新しいキャラクターが登場します。
是非続きも読んでいただければ嬉しいです。

読んでいただき本当にありがとうございました!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。