進撃の涙   作:神崎 吹雪

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あらすじー

主人公、マティアスと本作のメインメンバーの一部で、ハンジさんの買ってきた謎の美味な巨人の肉を調査するべく動き出した特別リヴァイ班。壁外調査で、全員が偶然重なった不運でルッツが巨人の餌食になってしまった。
漸く立ち直ったマティアス達の元に現れた仲間、オリーヴィアとワレリーと共に謎の奇行種のリベンジを果たすべく、特別リヴァイ班は壁外調査に行くことになった。


キャラのイメージを壊したくない方はUターンお願いします。
キャラの性格が異なる可能性があるので、温かい目でお願いします。

今回の主な登場キャラクター…☆はオリジナル

☆マティアス=ドレーアー
自作キャラクターの主人公。

エレン=イェーガー
本作の主人公。

ミカサ=アッカーマン

アルミン=アルレルト

リヴァイ

ハンジ=ゾエ

☆ビョートル=ボーリンガー

☆ラウラ=アーレンス

☆ルッツ
壁外調査で命を落とした。

☆ビアンカ=コリント

☆オリーヴィア=ハーニッシュ

☆ワレリー=グライスナー

☆クラウス=バルト
仲間の為に心臓を捧げたマティアスの親友。


詳しいキャラクターの詳細や、小説についてはこちら↓

http://touch.pixiv.net/novel/show.php?id=3233737


ー8ー狂気の瞳

ー壁外調査当日ー

 

俺達は朝から門の前に集合していた。

 

前回敗北した謎の奇行種に勝利するために。

死んだ仲間のためにも!

 

俺は手綱を強く握りしめて目の前の大きなウォールローゼを見上げた。

 

こいつをいつまで見上げることができるのだろう…。

 

「大丈夫?」

横から俺を心配するラウラが声を掛けた。

「うん。」

俺がそう言った直後にリヴァイ兵長が手を上げた。

上でウォールローゼの開閉を担当しているオリーヴィアに指示を送ったようだ。

 

「ねえ、マティアス?」

俺の名前を読んだのはビアンカだ。

「人間ってさ、極限まで追い込まれた時に何をしでかすか分からないよね。」

俺はビアンカの方を向いて首を傾げた。

「分からないよね。ごめん。」

ビアンカはそう言うと、ゆっくりと開いていくウォールローゼを見つめ直した。

 

ビアンカの言葉が気になったが、それよりもウォールローゼの先に潜む外敵に意識が向いた。

 

「行くぞ!」

リヴァイ兵長が馬を走らせた。

続けてエレン、ミカサ…と続き、俺達は後ろからその後を追った。

 

ひたすら因縁の相手と対面する為に。

 

 

❇︎

 

 

暫く馬を走らせると、200m程先に四つん這いの奇行種が視界の端に現れた。

「巨人!」

認識するより少し早くアルミンが言った。

「あいつは違え…、撒くぞ。」

リヴァイ兵長の越えで俺達は方向転換をし、追い掛けてくる巨人の様子を伺いながら森へ逃げる。

 

そして撒いたことを確認し、森でひとまず馬を止めた。

 

「前回いたところは覚えてない?リヴァイ。」

ハンジさんは地図を広げた。

最近自力で製作した地図だ。細かい詳細が記してある。

俺もその地図を覗き込んだ。

「大体だがこの辺だ。」

リヴァイ兵長が指を差す。

 

「じゃあ虱潰しに行くよりは効率がいいか。行くぞ!」

ろくに休憩時間も取らず、また俺達は出発する。

「前回ってことはその奇行種に会ってるのか?」

ワレリーの問いに俺は頷く。

 

痛いくらいの傷を残して俺達は出会ってしまった。

 

ルッツという犠牲を負って。

 

「聞いちゃいけねーこと聞いたか…?」

ワレリーが口を紡ぐ。

「いや、大丈夫!こんなんで落ち込んでばっかいたら兵士努められねーし!」

俺は自分で言い聞かせ、一時的に自分を落ち着ける。

 

無意識に心臓を捧げる構えを取り、木の葉で隠れた青空を見つめた。

 

 

❇︎

 

 

「うおっ…!」

急激な吐き気が込み上げ、思わず口元を押さえた。

空気が重くなった。

 

 

俺はこの感覚を知ってる。

 

 

知ってる。

 

 

見なくても分かる。

 

俺は俯いたまま横にいるビョートルに視線を送る。

 

目の前を凝視して目を見開き、冷や汗が流れている。

 

ああ。

 

「謎の…奇行種!」

 

エレンが一言呟いた。

 

猛烈な怒りと共に俺は奴を見上げる。

目頭が熱くなる。

 

100m先。

 

10m程の巨人が姿を現した。

今回は周りに巨人はいない。

ラッキーだ。

「作戦通りに動け。合図で直ぐに…だぞ。分かったか。」

リヴァイ兵長が念を押した。

 

リヴァイ兵長が合図を出したら俺は奴の右腕を削ぎ落とす。

 

その直後浮上して奴の首筋を皆で一気に攻撃、硬化を解く。

硬化してなければ1、2発程度で倒せるだろう。

 

 

50m!

 

 

クワっと奴がこちらを向き、気持ち悪い笑顔を見せた。

 

なのにその圧力が壁のように立ち塞がる。

恐怖が襲う。

 

「やれ!!!」

リヴァイ兵長の怒鳴り声!

彼も緊張しているのだろうか。

 

「うおおおおおおお!!!」

「いけえええええ!!」

「やああああ!」

 

様々な声が上げられ、皆が巨人に接近して行く。

俺も奴の腕にアンカーを差し込み、一気に接近した。

 

「こっちだ!」

いち早くアルミンが奴の意識を奪い、馬で駆けて行く。

奴はアルミンに気を取られた。

 

その隙を狙った。

 

立体機動装置の刃を大きく振り翳し、奴の腕を根元からそぎ落とした。

 

斬撃音が幾重にも重なって途轍もない大きな斬撃、同時に奴がこちらを振り向く。

「あ!」

ビアンカの声。

 

珍しい…。

俺の次くらいの実力者だったはず。

しかしそんなことを考えてる場合ではない。

一箇所、ビアンカが失敗して片目が見えるだけ。

 

今こいつは手も使えず足も無くバランスを崩し、片目が見えない。

 

「硬化してる!」

ラウラが叫ぶと同時に俺達は奴の首筋を連続して斬り続けた。

リヴァイ兵長、ハンジさん、俺と…硬化した首筋をどんどん斬りつけて行く。

 

「もう少し、解けるぞ!」

ビョートルがそう言って斬撃を行った時だった。

 

ーー巨人が突然、声を上げた。

 

 

グオアアアアアアアアアアア!!!!

 

 

耳をも劈くその奇声に思わず思考が停止した。

 

その直後、四方八方沢山の巨人が駆けて来た。

 

「仲間を…呼びやがった?!!」

俺が頭が真っ白になって叫んだ。

 

 

 

でもその奇声で消された。

 

周りの皆は声が届かないことを察したのか、いち早く行動で指示を下した。

リヴァイ兵長とハンジさんが続けて地面に降り、馬に跨り直す。

 

『撤退命令』

 

だ。

 

俺も黙って馬に跨り直し、巨人の方向へと突き進む。

 

どいつかと戦闘を交わし、素早く戻る必要がある。

 

リヴァイ兵長が向かうのは5m級の通常種と10m級の奇行種のいる方向だ。

 

「横に、謎の奇行種と見られる…巨人が。」

ミカサが指差す方向には圧力を放つ奇妙な巨人がこちらに向かって来ていた。

 

「戦っても意味ねえ。逃げ切る。」

リヴァイ兵長の向かっているのは森だった。

「森?!危険じゃない?」

ビアンカの言葉にリヴァイ兵長は頷く。

「じゃあどうやって撒く?」

確かにこの巨人の数、逃げ切るには難しい。

そもそも今目の前に迫る二体の巨人をスルー出来るかすら怪しい。

 

「何かあれば…今度こそ俺が…!」

エレンが手の甲を見つめた。

 

 

迫る、巨人は…!

 

 

構えた。俺達が股下を潜り抜けることを察知していたように。

しゃがみ込んで。

 

リヴァイ兵長は何も答えない。

 

そのまま行く気なのだろうか。

 

 

俺は奴の足と右手の隙間を狙った。

 

 

頼む。

 

 

通れてくれ。

 

 

思わず目を瞑る。

 

 

馬を駆ける音。

 

荒い息遣い。

 

息を飲む音。

 

 

そして、ーー何かがぶつかる音。

 

「な!!」

 

そして、ビョートルの声。

 

俺は思わず後ろを振り返って目を見開いた。

 

考えるより先に身体が動く。

 

ビョートルの姿は見えない。

 

今見えているのは奴の後ろ姿とビョートルの乗っていた馬。

 

馬から飛び降りて立体機動装置の半刃刀身を抜き取る。

アンカーを奴の首筋に差し込み、一気にワイヤーを巻き取る。

 

「離せえええええええええええええ!!!!!」

叫ぶと同時に奴の首筋を削ぎ落とす。

奴は奇妙な動きと共に地面に倒れ込んだ。大量の蒸気が溢れ出た。

 

「ビョートル!!」

ラウラの叫び声と斬撃音が重なった。

一箇所、蒸気が一直線に上空へ飛ぶ。

 

それがビョートルだと分かったのは俺が地面に着地した頃だ。

 

「ビョートル!!」

上空から奴は俺に笑顔を見せた。

でもその笑顔の反面、髪の毛から血が滴り落ちる。

 

俺は急いで馬に跨り直す。そしてビョートルが来るまで待った。

ビョートルの馬は彼に合わせてまた戻って来た。

 

「助かった…本当にすまん。」

「取り敢えず急ごう!」

ハンジさんの言葉にはっとして、その光景を見ていた皆が駆け出す。

 

 

❇︎

 

 

後ろを振り返ると、いつの間にか追いかけてくる巨人は数体に減っていた。

先程は目が飛び出るほどの数だったのに。

 

目の前には森が迫っている。

漸く森に入るところだった。

 

ーー巨大樹の森…。

 

危険な雰囲気が漂いまくってる森だ。

 

「森を抜けるまで走り抜けるぞ。その後真っ直ぐ戻る。…今回はもう一つ課題が出来た。…それを帰って考えんぞ。」

リヴァイ兵長は相変わらず表情一つ変えずに淡々と言い放った。

 

再度後ろを振り返ると、追いかけてくるのはさほど大きくない通常種だけだった。

 

 

そのまま抜ければ何も問題はなかった。

 

 

しかし、どうも俺達には幸運は訪れなかった。

 

「前方に巨人発見!」

ビアンカが素早く報告した。

目を凝らすと遠くに確かに巨人が見えた。

 

奇行種?

全く動かずにただ佇んでいた。

 

近づくにつれてだんだん姿がはっきりしてきた。

金髪の髪を揺らし、こちらをチラッと向いた。

 

綺麗な青眼が前髪から覗く。

 

 

その瞬間に猛烈な目眩が襲った。

 

 

嘘だ。

 

 

嘘だ嘘だ嘘だ!!!!

 

 

「うっ…!!」

 

 

俺が呻くと、ラウラが駆け付ける。

 

 

「大丈夫?!どうしたの?!」

 

 

ありえない。

 

 

そんなわけない。

 

 

気のせいだ。

 

 

何故だ!!

 

 

そんなわけない!!

 

 

「そっくり…だった。」

 

 

「え?」

 

 

「でももうあいつは死んだはずだ…!!俺の頭はどうかしてんのか?!なんで俺は…あいつに見えるんだ?!」

 

 

「え?あの巨人が?」

 

 

「似てる、俺の…

 

 

 

 

 

…と。」

 

 

ー8ENDー




読んでいただきありがとうございます!

久々で手が止まりませんでしたww書いてて楽しかったです。
こんな小説でも読んでいただけて本当に嬉しいです。ありがとうございました!

是非次回も読んでいただければ嬉しいです。
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