主人公、マティアスと本作のメインメンバーの一部で、ハンジさんの買ってきた謎の美味な巨人の肉を調査するべく動き出した特別リヴァイ班。壁外調査で、全員が偶然重なった不運でルッツが巨人の餌食になってしまった。
漸く立ち直ったマティアス達の元に現れた仲間、オリーヴィアとワレリーと共に壁外調査へ行くが、巨大樹の森にいた巨人を目にした途端、マティアスの様子が変わってしまった…。「俺の…と似ている。」…と。
キャラのイメージを壊したくない方はUターンお願いします。
キャラの性格が異なる可能性があるので、温かい目でお願いします。
今回の主な登場キャラクター…☆はオリジナル
☆マティアス=ドレーアー
自作キャラクターの主人公。
エレン=イェーガー
本作の主人公。
ミカサ=アッカーマン
アルミン=アルレルト
リヴァイ
ハンジ=ゾエ
☆ビョートル=ボーリンガー
☆ラウラ=アーレンス
☆ルッツ
壁外調査で命を落とした。
☆ビアンカ=コリント
☆オリーヴィア=ハーニッシュ
☆ワレリー=グライスナー
☆クラウス=バルト
仲間の為に心臓を捧げたマティアスの親友。
詳しいキャラクターの詳細や、小説についてはこちら↓
http://touch.pixiv.net/novel/show.php?id=3233737
ありえなかった。
目の前にいる巨人が似ていると思った人。
もうとっくに死んでいるはずだった。
「似てる、俺の…
親友、クラウス…と。」
俺がそう言うと、リヴァイ兵長までこちらを振り返った。
「は?」
「ああ、俺だってありえないって分かってる。でもなんか…似てるんだ…。気のせいだ!!」
俺は無意識に自分の頭を抱え込む。
クラウスは記憶を失った俺に手を伸ばしてくれた親友。
しかし、調査兵団の初めての調査で皆の為に心臓を捧げた英雄だ。
生きているはずが無い。
俺…、相当まいってるかもしれねえや…。
「あいつに害意はねえな…。取り敢えず通り抜けるぞ。」
リヴァイ兵長は俺に気を使ってか、倒すことはやめたようだった。
「マティアス、多分最近の異常な現象とかで頭がまいってるんだよ。取り敢えず今は帰ることを第一に考えようか。」
ハンジさんが俺の背中を撫でた。
そうだ。ここで狂ったら終わりだ。
そんなに甘い世界ではない。
迫る、巨人が、クラウスに似た…いや、似てない。それがなんだ。ほら、通り過ぎる、襲ってくる。ただの巨人だ。
正気でなくなった俺の額を大量の汗が流れた。
「何故、襲ってこねえんだ?」
エレンが真横を通った瞬間に呟く。
奴はただ俺達の方に視線を向けるだけで襲ってくる様子は無かった。
何故?どうして?
「取り敢えず落ち着け。今は帰ることに集中しろってば。」
ワレリーが俺に冷たく言い放つ。
そうだ。
そうだ。
❇︎
ウォールローゼが見えてくると、屋根の上に金髪の女性が立っていることが確認出来た。
オリーヴィアだ。
頭の上で大きく丸を作り、辺りが危険でないことを示している。
俺達はそのまま門まで直進して、オリーヴィアが開門したウォールローゼを潜り抜ける。
そのまま兵舎まで直行し、馬から降りた。
「お疲れ様!どう?大丈夫だった?」
オリーヴィアが馬に乗って追い掛けて来ていた。
「…報告は後だ。取り敢えず休みてえ。」
リヴァイ兵長が言うことは俺達も同じだった。
一刻も早く休憩したい。
「何処で集まろうか。」
ハンジさんが言うと、アルミンが思いついたように…
「前に鍋をした個室はどうかな?黒板も完備してあったし、狭いけど…相談にはうってつけじゃないかな?」
「じゃあそうするか…。」
俺達はリヴァイ兵長に続いて前の個室へと向かった。
❇︎
個室は、リヴァイ兵長、ハンジさん、エレン、ミカサ、アルミン、俺、ラウラ、ビョートル、ビアンカ、オリーヴィア、ワレリーの11人でいっぱいだった。
「今回の報告と言っても軽く対策を考える程度だ。」
リヴァイ兵長は足を組んで座った。
「それより…ビョートルの頭の治療しないといけないんじゃない?」
オリーヴィアがビョートルを見るなり言った。
そういえばそうだった。
彼は先ほど怪我を負っていた。
「じゃあ私がやっておく。来て?」
ビアンカが立ち上がり、ビョートルの腕を引いて個室を去って行く。
「じゃあ話すか。今回は上手く出来そうだったが、あいつの知能のせいで他の奴が来ちまったからな…まさか叫びやがるとは思ってもねえ…。」
俺達はあったことをオリーヴィアに細かく話した。
「あー、そんなに知能あったんですね。謎の奇行種…。群れで行動するのがまたあたしたちに不利だし…。どうするのがベストなんでしょう。」
オリーヴィアが腕を組み、考える仕草を見せた。
「いっそ、頭を飛ばすとか?」
ラウラが無茶を言った。
「ああ、でもそれしかねえとも思うが…。」
誰だって無茶だと分かっていた。
でもそれ以外方法がないことも分かる。
「課題だよねー…。」
ハンジさんもどうすればいいか分からなくなったのか、手を真上に伸ばして伸びをした。
「ん?待てよ?」
俺はふと脳裏を過った案を口にした。
「食えるんだよな…そういえば意識してなかったけど…俺達が斬り落とした時…蒸気も出たけど…手足、残ってなかったか?」
俺が独り言のように言うと、リヴァイ兵長が、
「あ…。どうして気づかなかったんだ…俺達は馬鹿か?」
リヴァイ兵長が自分の額を押さえ込んだ。
「そうか!確かにそうだ!それを持って帰れば食べれるのか!!」
ハンジさんが浮かれ始める。
「そうするとするか…じゃあ今回と作戦は同様で、足とかを…。作戦の練り直しだ。また明日ここに集合しろ。同時刻だ。」
俺達は頷いて、個室を後にした。
❇︎
確かにどうして気がつかなかったのだろうか。
あいつは確かに強い。
でも、食える。
実際食った。
それなら倒せないはずがない。矛盾している。
つまり、何らかの方法は存在することになる。
そしてその方法…
倒さず、部分的に奴を狩る。
そうすれば、求めていた肉が、ついに…!
❇︎
その晩…
なかなか帰宅しなかったビョートルが、漸く兵舎、俺、ワレリーの元に帰ってきた。
ビアンカに治療されたきりだった。
「ビョートル!おい、何処ほっつき歩いてんだ?」
俺が言うと、ビョートルは溜息をついた。
「明日こそは!明日こそは!」
ビョートルは意味不明な言葉を連呼し始めた。
「落ち着け、何があったんだ。」
ワレリーが何こいつ目線を送る。
「…、直球で…ビアンカに告ってきた。あの治療の時。」
…。
一瞬脳で理解が遅れて硬直する。
「えええ?!」
漸く自体に頭が追いつき、軽く叫んだ。
ワレリーも目をパチクリさせている。
「で、なんでこんな遅くなった?」
ワレリーの質問にはがっくりと肩を落とした。
「フラれたからさ…何度か頼みに行ってきた!」
今度はにかっと笑ってガッツポーズをする。
表情がころころと変化してラウラみたいだ。
「それ、OKだったってことか?!」
「いや?全然。」
ビョートルはあっさりと答える。
え?これって普通落ち込んだりするものじゃ?
「これ位で挫ける俺じゃないからな!OK貰うまでは頑張る!」
俺は少しビョートルを尊敬した。
俺ならそんな勇気は無いだろう。
強いな。…ビョートルは。
「でもよお、あいつさ、ああ。」
ビョートルは俺を見るなりがっくりと肩を落とす。
?
…これ以上話を聞いていたら頭がおかしくなりそうだ。
俺は…恋愛関係がよくわからない。
そんなことより今は巨人のことで頭がいっぱいだ。
…ふとラウラの顔が脳裏を過った。
「なあ、取り敢えず今日は寝ないか?」
ワレリーの提案で俺達は今夜は早く寝ることにした。
ミシミシと梯子を音を立てながら上がった。
俺はすっかり熟睡し、明日に備えた。
❇︎
翌朝…。
俺達は用意を済ませ、昨日のほぼ同時刻に個室に集まった。
「今日は…?」
アルミンは確認を取るようにリヴァイ兵長に問う。
「ああ、作戦の練り直しだ。」
ふと昨日のことを思い出し、ビアンカとビョートルを見直す。
…二人はなんだが落ち込んだような、不機嫌なような、そんな雰囲気を漂わせながら俯いていた。
ビアンカは眉間に皺を寄せて困った様子で何か考え事をしているようだ。
ビョートルは完全に落ち込んだように頭をボリボリと掻き毟りながら薄目でリヴァイ兵長を見ていた。
…、昨日言っていたことと様子が違う。
二人に、何があったのだろうか。
「ビョートル?」
俺は耐え切れなくなり、ビョートルの背中をつついた。
「…ああ、気にすんな。」
声のトーンも低い。
「マティアス、今は聞け。」
リヴァイ兵長に声をかけられ、俺はビクッと身体を震わせた。
「あ、はい。すみません!」
しかし、ビョートルが気になってリヴァイ兵長の言葉があまり耳に入らない。
取り敢えず前回と同様、全ての動きを封じ、その後うなじは狙わず腕、足などの一番小さく削ぎ落としたものを素早く判断し、荷台に乗せるという過酷な作戦だ。
それか、大きいものを地面で小さく削ぎ落として運ぶか、それはその時に判断する…とリヴァイ兵長は言う。
ビョートルが気になりながらも俺はなんとか作戦を頭に叩き込み、明日の出発のことを考えた。
「ということで解散だ。明日の朝またウォールローゼ前に集合。分かったか。」
俺達は大きく頷き、個室を後にする。
その際にビョートルに話しかけた。
「どうしたんだよ!」
「なんでもねえって。」
…。
俺が暫し黙っていると、ビョートルが口を開いた。
皆がいなくなったのを見計らったようだ。
「フラれたんだって。だから。今度こそ。」
「え?でも昨日あんだけ諦めねえって言ってたんじゃ…?」
盛大に溜息をつかれた。
「今度こそ本当に、だ。今朝さ、もう一回頼みに行ったんだよ。…迷惑がられてさ、今度は本気で。あと聞いちゃいけないことも聞き出しちまったし。…それから、声、いや、目すら合わせてくれなくなった。」
最後の方は声が篭ってしまい、はっきりとは聞こえなかった。
「ビョートル…。」
俺は何も言ってやれなかった。
「あー、ビアンカと話せないなんて死にそうだ。」
ビョートルは冗談のように呟き、フラフラと俺の前を去った。
俺は去って行ったビョートルの背中を見つめ続けた。
こんな時も俺は、力になってやれないのか。
俺は自分で自分を責めた。
だが今はそれ所ではない。
今は恋愛だのよりも巨人のことを考えるべきだろう。
俺は歯を食いしばって個室を後にした。
明日は、謎の奇行種を倒せるかもしれないんだ。
今はどうかそのことだけを考えよう。
ー9ENDー
読んでいただきありがとうございます!
今回は珍しく戦いばかりではなく、普段の皆の様子を出来る限り取り入れました。書いてて楽しかったです。
こんな小説でも読んでいただけて本当に嬉しいです。ありがとうございました!
是非次回も読んでいただければ嬉しいです。