進撃の涙   作:神崎 吹雪

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あらすじー

主人公、マティアスと本作のメインメンバーの一部で、ハンジさんの買ってきた謎の美味な巨人の肉を調査するべく動き出した特別リヴァイ班。来週のはずが今日になってしまった壁外調査当日。それはあの謎の奇行種を倒す目的の調査だった。
普通の奇行種とのバトルで、ルッツが大怪我をするがその直後、紫の信煙弾が放たれ、謎の奇行種が現れた…!


キャラのイメージを壊したくない方はUターンお願いします。
キャラの性格が異なる可能性があるので、温かい目でお願いします。

今回の主な登場キャラクター…☆はオリジナル

☆マティアス=ドレーアー
自作キャラクターの主人公。調査兵団に属する。
前期訓練兵次席の優秀な兵士。
金髪混じりの茶髪。
一生懸命になると周りが見えなくなる性格。

エレン=イェーガー
本作の主人公。

ミカサ=アッカーマン

アルミン=アルレルト

リヴァイ

☆ビョートル=ボーリンガー
マティアスと普段同じ班に属する仲間。金髪で目つきが悪い。背が高め。
常に最悪を想定して行動する癖がある。慎重なのが長所であり短所。

☆ラウラ=アーレンス
マティアスと普段同じ班に属する仲間。銀髪のセミロング。小柄。
心配性。喜怒哀楽が激しい。

☆ルッツ
マティアスと普段同じ班に属する仲間。黒髪。
勇敢な戦士。

☆ビアンカ=コリント
マティアスと普段同じ班に属する仲間。焦げ茶色のロングヘアで、ポニーテール。
クールで美人。近寄り難い雰囲気を漂わせるが案外優しい一面を持つ。人気がある。

☆クラウス=バルト
仲間の為に心臓を捧げたマティアスの親友。
前期訓練兵首席の実力だった。


ー5ー永遠の傷

駆けた。

 

懸命に馬を走らせた。

 

ひたすら紫の信煙弾の上がった方向へと。

 

ついに対面出来るかもしれない。

あの美味な謎の奇行種!

 

先頭を駆けるリヴァイ兵長の表情にも、緊張の色が伺えた。

 

だんだん近づくシルエット。

それが10m級だと判断出来た頃には、傍に居たであろう調査兵団のメンバーが誰一人として居なかった。

 

「何があった…?!」

エレンが呟いた。

 

馬は残っているのにも関わらず、人間が誰一人として居ない。

 

そう、

 

全滅したということを告げている。

・・・・

 

馬の数からして二班程居たであろう。

馬もあまり遠くへは逃げていない。食われたばかりだ。

 

惨劇の直後なのか、巨人の手は鮮血で覆われていた。

流れる、そして地面に垂れる。

 

迷わずアルミンが紫の信煙弾を上げた。

 

速く、少しでも早く援軍を引き連れないと…、俺達で勝てる相手かわからない!

 

謎の奇行種は、こちらの姿を漸く捉えると、焦点の定まらない顔をこちらに向け、笑もせず怒りもせず近づいてきた。

 

こっちには怪我人も居るのに…!!

 

「殺るぞ!直ぐ殺せ!」

リヴァイ兵長が怒鳴った。

俺は身構えた。

 

だがルッツも放っておけない。だからと言って一人で撤退するのも危険過ぎる。

 

 

 

俺はーー。

 

 

皆が一斉に飛び出して行ったのを俺は見送った。

 

ルッツを一人にさせることは出来なかった。

 

「俺は良いから、大丈夫だからマティアスも行ってくれよ。一人でも大丈夫。」

ルッツはある右手で俺を押した。

 

「でも…俺のせいで…。」

俺は申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

「…お前に居られると迷惑だ。お前に助けられるためにここに入ったんじゃない!胸を張って誇れる兵士になりたかったんだ!」

ルッツが叫んだ。

 

こいつは…なんてことを言いやがる。

 

嘘つきだ。

 

でも、こんなことを言われて傍に居られない。

 

それが彼の思惑、俺に迷惑をかけたくない…んだ。

 

「…ごめん。じゃあ必ず倒して戻ってくるからな。」

俺はそう言って立体機動を飛ばす。

 

今はルッツを信じるしかない。

 

しかしーー、俺は迫り来る悪魔を見て、その考えが途切れた。

 

 

こいつー、

 

 

明らかに強いー!

 

 

でかいだけじゃない、何か、こう…オーラのようなものが違う。

 

皆が戦っている。

 

俺もすぐに向かった。

 

間近まで来ると、奴は俺に目を向けた。…ように見えた。

そこにリヴァイ兵長が奴の目を潰す。

 

奇妙な呻き声を発しながら暴れ出した。

「ぐわあぁああ!」

ビョートルの叫び声。

 

腕が微かに当たったらしく、地面に叩きつけられた。

 

「ビョートル!!」

俺は咄嗟に振り返る。

 

「余所見しちゃ駄目っ!!」

ラウラの叫び声がしたかと思うと、強い圧力で吹き飛ばされた。

 

視界が白くなる。

何があった…?!

 

何とか視界が戻ってくる。

真横には気絶したラウラが横たわっていた。

「ラウラ!!」

 

 

 

「大丈夫?!」

アルミンがこちらに向かってきた。

 

「ああ…だけどラウラが…った!!」

俺が状態を起こそうとした時、腰に再度激痛が走った。

 

とても…立てない!!

 

「なんだ…と?!」

 

遠くからリヴァイ兵長の声が聞こえた。

 

しかも、立体機動の刃が折れていた。

「皮膚が…硬化してやがる!!」

 

続けて向かったビアンカとミカサも、首筋を削ごうとして刃を皮膚に当てた途端、バキッと両方の刃が折れた。

 

「嘘だろ…。」

エレンは馬に跨りながら呟いた。

 

人間…?

 

しかし、人間程知能があるように見えない。明らかに巨人だ。

 

ーーーこれが謎の巨人の正体。

 

普通の巨人とは違う。

 

 

はっとした。

 

 

俺は動けない。

 

ラウラは気絶している。

 

ビョートルも地面に起き上がれずにいる。

 

ビアンカは刃を取り替えている。

 

エレンは馬に跨って硬直。

 

ミカサも刃の交換。

 

アルミンは俺の傍に。巨人との距離は100m程。

 

リヴァイ兵長も刃の交換。

 

ルッツも馬の上で硬直ーーー。

 

そして、巨人の視力が回復ーーー。

 

間近に居るのは馬に跨るエレンとルッツ。

「エレン!!!ルッツ!!!」

 

俺が怒鳴る。

全員が振り返った。

 

巨人の手はルッツを捉えた。

 

「うおあああああああ!!!」

 

「ルッツ!!!」

エレンも叫ぶ。

バキバキと音がしてルッツが叫ぶ。

 

俺は無理矢理身体を起こして走ろうとするが直後、動かなくなり転んだ。

 

 

 

巨人の口がルッツに覆い被さる。

 

 

「皆!逃げーーー。」

 

 

ーーーーーバキバキッ!!!

 

 

 

 

 

俺は目を見開いた。

 

死んだ。

 

ルッツが死んだ。

 

殺された。

 

 

 

巨人の手には上半身がなくなったルッツの身体があった。

 

腹部から露出した背骨、周辺の肉から血が吹き出す。

 

 

…嘘だ。

 

「うわああああああああああああああ!!!!」

 

全員の動きが停止する。

 

ルッツが食べられて行く光景をただ眺めた。

 

身体が動かない。

 

その時、俺の身体が誰かに抱き起こされた。

そしてそれが馬に跨った人間だと理解する。

振り返ると、同じ調査兵団の仲間、コニーだった。

「撤退命令が出た!早く帰るぞ!」

 

真横ではサシャに抱き起こされるラウラの姿があった。

 

「駄目だ!!ルッツが!!ルッツを!!ルッツ…ルッツ!!!」

俺が叫ぶ。

 

「落ち着け!お前の気持ちはわかる。だけど…

 

世界は厳しいんだよ…ーー。」

 

コニーの言ってる事は痛いほど分かる。そしてその痛みは涙となって流れ落ちる。

 

「あ、こっち向いた!行くぞ!」

 

コニーの後ろに乗せられて、馬は走り出した。

 

横には黙って俯くリヴァイ兵長が俺達を抜かして行った。

明らかに悔しそうな表情を浮かべている。

 

 

 

大きな音がして信煙弾が上がった。

 

 

❇︎

 

 

ウォールローゼが開門されて、今回の調査は終わりを告げた。

 

帰還した調査兵団を歓迎すべく沢山の住民が集っていた。

 

本日の調査は70人程参加したが、帰還したのは50人程だ。

 

 

………。

 

❇︎

 

 

俺達は寝泊まりする寮のような所に戻って来た。

 

俺はビョートルに担がれて部屋に戻る。

 

今日は隣の部屋のラウラとビアンカも連れてきた。

ビアンカはラウラをお姫様抱っこの形で運んできた。

 

誰も一声も言葉を発さない。

 

沈黙が続いた。

 

「そうだ…マティアス?お前今度こそ腰骨折れてたからな。…脊髄とかやられなくて良かったな…。」

ベッドに横たわる俺に向かってビョートルが言う。

 

そこにビアンカが布団を俺に掛け直してくれた。

「あ…わり、サンキュ…。」

 

俺は放心状態で呟く。

 

クラウス。

 

何でだよ。

 

どうして大切な人、皆いなくなってしまうんだ!

 

 

『世界は厳しいんだよ…ーー。』

 

涙ぐむコニーの表情を思い出した。

 

「ラウラは気絶してるだけでまだ起きてない。命に別状は無いから安心していい。」

ビアンカの言葉に少し不安が解れる。

 

「なんでだよ…、なんでだよ!なあ!!」

俺は右腕を真上に掲げる。袖を捲ってクラウスの腕章を見た。

「俺、誰一人として守れねえよ!!なんでだよ!!クラウス!!応えてくれよ!!!」

 

俺の叫びは虚しく、儚く部屋の壁に吸い込まれた。

 

いたたまれない表情でビョートルとビアンカは俺を見た。

 

ビョートルも泣いていることに気が付いた。

 

「誰だって苦しいんだ!こういう運命なんだよ!調査兵団っていうのはよお!!」

ビョートルも怒鳴った。

 

……。

 

知ってるよ、そんなの。

 

おれもロクな理由もなくここに入ったわけじゃねえ。

 

「クソッ…クソッ!!」

俺はベッドを思いっきり蹴るが、腰がいたくな一方だった。

 

すると、上からラウラの声がする。

 

「…マティアス?居るの?」

 

「ラウラ!目覚めたの?!」

ビアンカが梯子を駆け上り、慌てて向かった。

「全身打撲よ。安静にしてて。」

「あ…うん…。あ…助かったんだ!良かった!」

 

ラウラのその言葉に、胸が恐ろしく痛くなった。

 

 

ごめん…ごめん、ルッツ…。

 

やっぱり俺があの時、傍で守ってやってれば。

 

 

俺の頬に、一筋の涙が伝った。

 

 

ー5ENDー




読んでいただきありがとうございます。

二次創作小説って本当に書いてて楽しいですw
続きも頑張って書かせていただくので、ぜひ見ていただければと思います!

ありがとうございました!
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