心の闇を抱える姉は弟達に救われ、弟達のために強くなる。 作:水音ワールド
私の他の作品を見てる人はだいたい予想はつくと思いますが…ひとつだけ。
私が二次小説を書くとき、まず考えるのはどうやってエースを救い出すか、です。原作もそれはそれで面白いので、否定派とかではありませんが、エースが三兄弟と再会するところが見たい。そんな気持ちから書き始めました。共感してくれる人がいると嬉しいです!
「エース!待ちなさい!怪我の手当て!」
「大丈夫だユーナ!こんなもんツバつけときゃ治る!!」
そう言って、飛び出していった。
「ったく…」
「ほーっときゃいーんだよ。」
ため息をつくユーナに話しかけるはこの家の主カーリー・ダダンだ。
寝っ転がりタバコをふかして、ぶっきらぼうに見えるが根は優しい。
ユーナはその事をこの10年間一緒にいて知っている。
(そんなこと言って、ほんとはエースのこと心配してるくせに…)
言葉に出して言えば、素直じゃないダダンの事だ。怒り出すだろう。ユーナは心にその言葉を留めた。
少し経った頃、扉を叩く音がこの家に響いた。
「おいダダン!ダダンはおるか!?」
その声に聞き覚えがあるダダンは顔を青くし、急いで扉を開けた。
「ががが、ガープさん!ホントもうボチボチ勘弁してくれよ!!エースのやつもう10歳だよ!」
ダダンはそう言って来訪者モンキー・D・ガープに伝えるが、ガープは何知らぬ顔でダダンに伝える。
「今日からここに世話になる孫のルフィじゃ。」
「「「えええええ!!!」」」
そんなこんなでこの家に仲間入りしたルフィ。エースを追いかけては怪我をして帰ってくる、という日が何日か続いていたある日事件が起きる。この日もユーナはエースにあしらわれて怪我をしているであろうルフィのために救急箱を持って宝の隠し場所に向かっていた。いつもなら大体この辺にルフィが転がっているのだが…今日はいない。無事にエースとサボの元にたどり着いたんだな〜と思っていたユーナだったが、隠し場所について嫌な予感がした。2人は必死に今まだ集めていた宝を袋に詰めていたのだ。
「な、何してるの?2人とも。」
「あっ!ユーナ!ちょっと手伝ってくれ!!」
「この場所がバレたんだ!早く場所をうつさないと!!」
そんな2人にユーナは心を落ち着かせてここについてからずっと疑問に思っていた事を問う。
「ルフィは?ここにくる途中いなかったし、ここまで来たんじゃないの??」
ユーナの言葉を聞いて、2人の動きがぴたりと止まる。
その問いにはサボが答えた。
「ルフィってやつは…さっきブルージャムの奴らに連れてかれた。この宝の場所を聞き出すために…」
その答えにユーナは息を飲んだ。エースはそんなユーナの反応にしってか知らずか、呑気にいう。
「大丈夫だ。あいつは嘘がつけねーやつだ。すぐ喋って帰ってくるさ。」
「……が…ある?」
ユーナがボソボソと言った言葉はエースとサボの元には届かなかった。
「「ユーナ??」」
連れていかれたルフィの心配より宝の心配をしている2人に…
1人もルフィを助けに行こうとしないところに…苛立つユーナはまくし立てる。
「ルフィが喋ったとして無事に帰ってくる保証がどこにあるの!?!?相手は海賊だよ!?それに…あの子は喋らない。ルフィははそういう子なのよ!!あなた達は、拷問されるだろうあの子の気持ちが!恐怖が!…わからないの!?」
そう言ってユーナは走り出す。
止めるエースとサボを無視して…
走るユーナの顔色は悪く、震えていた…。
ルフィがいるであろう建物を覗いたユーナ…その時、
その少女から、聞こえるはずがない何かが切れるような音が鳴った。
しばらく経ってエースとサボもルフィの元に到着し、驚く。
そこにいたのは倒れたルフィと無傷で立ち尽くすユーナがいた。
「ユーナ!ルフィ!!大丈夫か!?」
サボが呼びかけるも、反応がなく何もない場所を親の仇でも見るかのような瞳で見つめていた。エースはこの10年間一緒にいてこんな冷たい目をしたユーナを見たことがなかった。まるで別人のようで、遠くに行ってしまいそうで怖くなったエースはユーナの元に駆け寄り体を譲ろうとしたが、ユーナの体に触れる前にまるで透明な壁があるかのように阻まれた。
「くそっ!なんだこれ!!おいユーナ!!しっかりしろ!!ユーナ!!」
ユーナの正面に回り透明な壁を叩きながら呼びかけ続けるエース。
その声が徐々にユーナの耳に届いたのか、エースの目と視線が合う。
「…え…す…?」
そう呟いたユーナはそのままスイッチが切れたようにエースにもたれかかるようにして意識を失った。
「ユーナ!!!」
サボはルフィを抱え、エースにダダンの元へ行こうと伝え2人は走り出す。その後、ポルシェーミとその部下数名を見たものは誰もいない…。
「ダダン!!ユーナが…!!」
ダダンの元についたエースとサボは急いでユーナを見せる。
それを見たダダンは顔を強張らせ、何があったか聞く。
「詳しくはわからねぇ。ただ、こいつがブルージャムの奴らに捕まって…それを知ったユーナが助けに行ったんだ…。」
それを聞き、大体の予想がついたダダンはドグラにユーナを寝かせてくるように伝えたあと、サボとルフィを見る。
「で、ルフィはともかくてめーは誰だ?」
「俺は、サボ…。悪い、ユーナとルフィを俺たちの事で巻き込んで危険な目に合わせた…!」
そういい、唇を噛み締め頭を下げるサボ。
「あぁ、エースと同じくクソガキだと聞いてるよ。ったく、嫌だ嫌だ、ガキがどんどん増えてくよ。」
そう言ったダダンはルフィを見てため息を吐く。
(ルフィに怪我はなし…いや、この顔色からして大分血が出たはずだ。治ってるが正しいか…)
「とりあえずさっさと風呂入ってクソして寝ろ!ガキども!!ルフィは大丈夫だ。すぐ眼を覚ますだろうよ。」
そう言ってその部屋を後にしようとするダダンにエースは聞く。
「ユーナは大丈夫だよな?すぐ眼を覚ますよな!?」
ルフィが大丈夫だと聞いて安堵していたサボだが、エースの言葉にハッと気づく。ダダンがルフィ“は“と言ったことに。
「…さぁな。だが、これだけは言っとく。これはユーナの持っている能力の暴走による副作用だ。」
「能力?暴走?なんだよそれ!!」
「それ以上を知りたいなら!!…それ相応の覚悟と代価を持って本人に直接聞くんだな。」
そう言って今度こそダダンはその場を後にした。
残されたエースとサボはその場から動くことができなかった…。
しばらくして、ようやく動き出した2人はお風呂に入っていた。
2人の間に会話はない。ただ思いつめたような顔をしている。
風呂を出て、布団に入り込んだサボとエース。この沈黙を破ったのはエースだった。
「なぁ、サボ。代価ってなんだ?」
「俺たちが知りたい情報を得るための、代償…かな。」
「金…じゃねぇよな。」
「うん。ユーナにとって隠したい秘密を俺たちは聞くんだ…その代価は…俺たちの隠したい秘密ってことじゃねぇか?」
「だよな…」
この日、部屋から話し声が聞こえることはなかった……。
次の日の朝、ルフィの元気に起きる声でみんなは眼を覚ます。
「あーー!よく寝たーーーー!!!」
その声に昨日は考え事をしていて寝れてなかったエースはルフィを勢いよく殴る。
「うるせぇぇぇ!!黙れ!!」
「俺はゴムだからきかん!!…ん?…痛くねぇ!!んん??あれ?…本当に痛くねぇ!!ってか傷がねぇ!?!?」
そんなルフィの反応に??を浮かべるエースとサボ。
「お前何言ってんだ!元から怪我してねぇーだろうが!」
「まぁまぁ、きっと捕まった恐怖から気を失って変な夢でも見たんだろ。ま、とりあえず、何事もなくてよかったな、ルフィ!」
そんな2人の反応にもっと??を浮かべたルフィは昨日のことを思い出して、反論した。
「夢じゃねぇぞ!確かに俺、捕まって、吊るされて、トゲトゲがついたやつで何回も殴られて…めちゃくちゃ痛かったんだからな!!血もドバドバ出てたし!!」
2人は驚愕した。
ルフィが怪我もなく倒れていたことからとっととしゃべって気絶させられたか気絶したかのどちらかと思っていたからだ。きっとルフィが無傷でいるのはユーナの能力ってやつだとエースとサボは気づく。
「お、まえは、喋らなかったのか?そんな目にあわされてどーして喋らなかったんだ!!喋れば助かるのに!!」
「ユーナが言ってたんだ!!エースと仲良くしたいなら、エースにとって必要な存在になれって!!しゃべったら必要な存在になれねぇし、もし、言われたこと守れなくてユーナにまで嫌われたら俺は1人になる!!1人になるのはいてぇのよりつれぇ!!だから俺はユーナとも!サボとも!エースとも!!友達になりてぇ!」
そんなルフィの告白にエースは声を震わせながら聞いた。
「お前は俺が必要なのか?…生きてて欲しいのか?」
そのエースの問いにルフィは何言ってんだ?という顔で。
「当たり前だ!!」
「そうか…。でも俺から必要とされるのにはルフィはまだまだ力不足だな!」
「なにおう!!俺のパンチはピストルのように強いんだ!!」
「へー、やってみろ」
サボはこの会話でエースがルフィを認めたことに気づく。
ルフィは気づいていないだろう。この会話で初めて、エースがルフィの名前を呼んだことに……。
その後、部屋の中で騒いでいた3人を怒ったダダンが家から追い出すのだが、追い出された3人は仲良く笑っていた。
まず1話!
ここまで見てくれてありがとうございます!