心の闇を抱える姉は弟達に救われ、弟達のために強くなる。   作:水音ワールド

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兄弟になりました。

 

 

あの日から、数日経った。

だが、いまだユーナが目覚める気配はない。

エース、サボ、ルフィはユーナが目を覚ました時、喜んでくれるように毎日いつものお肉だけでなく山にある果物もとってきていた。

 

「今日も目を覚まさねーな…」

 

「ユーナ…」

 

「叩けば起きるんじゃねーか??」

 

「「やめろ!」」

 

そんな会話ももう10回目だ。変化のない日々に虚しくなった3人はとってきた果物を横に置き、自分たちの部屋に戻った。

 

 

みんなが寝静まった頃、ダダンから連絡を受けていたガープはユーナの元へ行く。布団の横に座り込み、大きな手をユーナの頭に置いて優しく撫でるガープの顔は苦しそうだ。

 

「まだ、心の傷は深く残っているようじゃな…」

(当然じゃ、大の大人でも耐えられるものではない…)

 

そう呟くガープに、いつのまにか目を覚ましていたユーナははにかんで言った。

 

「…今回はちょっとフラッシュバックしちゃっただけだよ…あはは、久々にどじっちゃった。」

 

そのことに驚き、目を見開くガープ。

 

「起きとったか…」

 

「ついさっきね…大丈夫だよ。ガープさんがそんな顔しないで。私はこの場所で新しい“人間“として幸せに暮らせてる。あの頃、こんな生活ができるようになるなんて思っても見なかった…。これもあの人とガープさんのおかげだよ。」

 

本当に幸せそうにそう語るユーナに、ガープは瞳をうるわせてただ「そうか」と呟いた。

 

 

次の日誰よりも早く起きて、朝ごはんの準備を始めていたユーナは起きてきたみんなに何事もなかったように挨拶をする。

 

「あっみんなおはよう!朝ごはん出来てるよー」

 

そんなユーナにいつも通り返事をするダダン、エース、ルフィ。

だが、ユーナが倒れてからここで生活し始めたサボはワナワナの震えながら、ユーナを指差して言う。

 

「ゆ、ユーナ!!目が覚めたのか!!」

 

そんなサボの言葉に我に帰ったルフィはユーナに抱きつき、ダダンは瞳をうるわせながら、悪態をつく。

 

「ユーナ!!!」

 

「ったく、今度おんなじことしやがったら承知しねーぞこのガキ。」

 

それぞれの反応に、自分はちゃんと愛されていると実感したユーナは心の中でみんなに感謝の気持ちを言いながら、返事をした。

 

「みんな、ただいま!」

 

その言葉に、ずっとここにいたのに何言ってんだ。と言いながらも「おかえり、ユーナ!」と返すみんな。だが、ユーナが目覚めてから一言を言葉を発しない者がいた。エースだ。そんなエースの様子に心配になったユーナは下を向きこっちを見ようとしないエースの顔を覗き込んだ。

 

「え!エース!?どうしたの!?」

 

覗き込み、ユーナは驚く。あのエースがだ。あのエースが唇を噛み締めながら泣いていたのだ。そのことに気づいた全員驚きすぎて硬直している。

 

「うるせぇ!こっち見んな!!バカ!」

 

そう言いながら、ユーナ達から顔を背けるエース。

そんなエースにユーナはニヤリと笑い、からかう。

 

「な〜にエース、泣き虫は嫌いなんじゃなかったっけ〜」

 

「なっ!!おれは泣いてねー!!」

 

ユーナにからかわれ、涙を乱暴にぬぐって泣いてないと証明するようにユーナの方に顔を向けたエースは突然抱きついてきたユーナに驚き、本当に涙が引っ込んだ。

 

「ありがとう。エース。エースがあの時呼び起こしてくれたから、私はまたここに戻ってこれた。本当にありがとう。」

 

さっきのからかう口調から突然真剣な声色でお礼を言うユーナにエースは戸惑いつつも、言葉を返す。

 

「ったりめーだろ。ユーナの帰る場所はここなんだからな。」

 

「うん!」

 

そんな2人のやりとりに目をうるわせていたダダンはそれを誤魔化すようにご飯を早く食べろと急かすのだった。

 

 

 

 

食後、エースはユーナに大事な話があると言ってコルボ山に呼び出した。呼び出された丸太の元へ行くと、エースだけでなくサボやルフィの姿もある。

 

「えっと、どうしたのみんな?大事な話って?」

 

ユーナの問いに、3人は顔を合わせて頷いた後丸太の上にダダンの酒と盃を4つ置く。

 

「話の前に、やることがある。」

 

「…」

 

エースの真剣な眼差しに、息を飲むユーナ。

 

「ユーナは知ってたか!?盃を交わすと兄弟になれるんだってよ!スッゲーよな〜!」

 

ルフィが言った“兄弟“という単語にピクリと反応する。

 

「…兄弟…」

 

「そうだ。ユーナ、俺たち兄弟になろう。絶対に切れない絆を作ろう。そして…ユーナの背負う闇を俺たちにも背負わせてほしい。」

 

サボの言葉に3人がどうしてそんな事を言い出したのかわかったユーナは嬉しいような悲しいような苦しいようなそんな複雑な顔をした。

 

「あはは、兄弟か〜それもいいね。でも、私の持つ闇をあなた達に背負わせることはできない。エースも、サボもルフィも私にとってはその闇を忘れさせてくれる光なの。これは譲れない。」

 

そんなユーナの返事にある程度予想していたエースとサボ。

ルフィは不満げに唇を尖らせる。

 

「えー!ユーナは兄弟にならねーのか!?」

 

「ルフィ、ユーナも必ず兄弟になるからちょっと待ってろ。」

 

話を進めるため、ルフィに遠回しに喋るなというとユーナに向き合う。

 

「ユーナの言いたいことはわかる。でも俺たちは!ユーナを守りたいんだ!何も知らねー今のままじゃ、また……。俺はもう、あんな思いしたくねぇ!」

 

エースは今でもユーナが倒れた時のことを思い出すと、手が震える。ユーナがどこか遠くに行ってしまいそうで怖いのだ。

 

「ユーナ。俺にも秘密がある。みんなには言ってなかったけど、俺は…貴族の息子なんだ…」

 

その告白に驚き声を上げる3人。

 

「まぁ、驚くよな。なんで貴族の息子がこんなとこにいるんだー。って。でも、お前らには悪いけど俺は親がいても1人だった。あいつらが見ているのは俺じゃない。地位だけだ。…生まれも育ちもかんけーねぇ。貴族の息子だろうと、俺は俺だ。鬼の血を引いていようが、エースはエースだ。ルフィもルフィだし、どんな闇を抱えていてもユーナはユーナだ。俺たちは誰もお前を否定しない。兄弟の絆にそう誓う。」

 

エースとルフィも同じ気持ちのようで頷いた。

ダダンの酒を開けて、盃に注いでいくエース。そしてそれを手に取りユーナに1つ手渡した。

 

「ダダンに言われたんだ。ユーナの事を知りたかったらそれ相応の覚悟と代価を払えって。代価は…俺達には難しくてわかんねぇ。でも、これが!俺たちの覚悟だ!!受けとってくれ、ユーナ!」

 

背負わせたくない気持ちもまだある。でも、信じてみたいと思った。兄弟になりたいと思った。ユーナは恐る恐る盃を手に取り、大きく深呼吸をした。

 

「ほんと、君たちには敵わないな〜。後悔しても知らないからね!」

 

ユーナが盃を手に取った事で3人は嬉しそうだ。

それぞれも盃を手に取ると、4つの盃が重なり音がなる。

 

「今日から俺たちは、兄弟だ!!」

 

「「おう!!」」

 

「うん!」

 

こうして、姉1人、真ん中2人、弟1人という4人兄弟がここに誕生する。この4人は今後世界を大きく揺るがす存在になるのだが、それはまだ先の話…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




2話も見てくれてありがとうございます!
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