心の闇を抱える姉は弟達に救われ、弟達のために強くなる。 作:水音ワールド
苦手な方は回れ右してください。
兄弟になったのだから秘密は無しだ。
そう言いたげな3人の瞳にユーナはポツリと少しずつ昔話でもするように話し始めた。
「昔々、あるところに不思議な模様の実を食べた少女がおりました。その実は悪魔の実と呼ばれ、食べたものに力を与えます。その少女が食べたのは“キョヒキョヒの実“と呼ばれ、とても珍しいものでした。その少女の噂を聞きつけたある男はその少女を買い、自分の所有物にしたのです。」
ー12年前ー
3歳の少女は自分に何が起こったのかわからないまま鎖に繋がれ、歩いていた。首には重たい海楼石の首輪。同じような格好をしていた男が首輪を外そうとして爆発した事で、少女もこの首輪が怖いものと分かっているため、ただ、歩くしかなかった。そして連れてこられたある1室…そこで少女は人間以下の烙印、“天駆ける竜の蹄“を背中に焼き付けられた。その後、天竜人の間で話題になる奴隷がいた。
その奴隷は悪魔の実"キョヒキョヒの実"の能力者で、自分の身のあらゆるものを拒絶することができるのだ。攻撃も光も音も痛みも老いも怪我でさえも。だから天竜人達はわざわざ海楼石の刀や銃弾を持ち寄り奴隷を痛めつけることを楽しんでいた。
「この奴隷は最高だえ〜。刺してもよし、撃ってもよし。何をしてもすぐに治るからやり放題だえ〜。」
そう言って天竜人は奴隷の足に思いっきり刀を刺した。
グサッ!
「グッ!ああああ!!」
悲鳴が聞こえても笑顔を絶やさず、容赦なく刀を抜く。
そうすると海楼石で封じられていた拒絶の力が戻り、傷がみるみる治っていく。それが楽しくてしょうがないのだ。
「面白いえ〜!今度はこっちだえ〜!」
天竜人は今度は銃を持ち、奴隷に狙いを定める。
バンッ!バンッ!バンッ!
「ああああああ!!」
だが、今度はなかなか傷が治らない。
理由は簡単、弾が貫通せずに体に残っているからだ。
天竜人もそれに気づくと、先ほど使った刀を弾のあるところにねじ込み弾を強引に取り出す。
「ガッ!ああああ!…ハァハァ…もう、やだよ、ころして…!」
奴隷はあまりの痛さに殺して欲しいと願うが、天竜人にとってそれはおもちゃを無くすことになる。当然聞き入れることはなく、急所以外のところを狙って攻撃を繰り返した。
何日何年、そんな日々を送ったのだろう。
逃げたくても拷問のような時間が終わるとすぐに海楼石付きの首輪がはめられ、動くこともできず、ただ淡々と時が過ぎていき、次第に奴隷は感情を失っていった…。
そんな中、好機が訪れた。
看守が首輪をつけ忘れたのだ。奴隷の瞳からはわずかに光が戻り、1人こっそり逃げ出した。だが、疲れ果てた奴隷にとってこれから生きる元気はなかった。生きたとしても一生ついてまわる奴隷の印。奴隷は
「これで…じゆうだ。」
次の日、天竜人達は海軍本部に捜索を命令した。天竜人にとってあれほど最高の奴隷はいないからだ。海軍大将まで巻き込んだ大捜索をもってしても最後まで奴隷を見つけることができなかった。その後、どうしても諦めきれない天竜人はある命令をする。それはその奴隷を指名手配することだ。その奴隷は5歳でありながら、高額の値をつけられた。
「これが、私の過去。」
自分の手配書を見せながら、そういうユーナは自分の体を抱きしめて震える体に耐えていた。エースとサボとルフィは想像をはるかに超えるユーナの壮絶な過去になかなか言葉が出てこない。
「あは、人間以下の私なんか姉とは呼べないよね!いいの!少しの時間だけど、みんなと兄弟になれて嬉しかった!あなた達は3人兄弟!私は赤の他人!それが1番いいんだよ!」
ユーナは作り笑顔でそういい、その場を離れようとした。
そんなユーナをエースは追いかけ抱きしめた。
「ユーナ!俺たちにとってユーナは奴隷でも人間以下でもねぇ。俺たちと同じ人間で、俺たちの兄弟だ!!」
そこにサボとルフィも来て、涙を浮かべながら…ルフィは号泣だが。それぞれの気持ちをしっかりとユーナに伝える。
「エースの言う通りだ。いったろ?ユーナはユーナだ。話してくれてありがとう。今の話を聞いて世界貴族を憎むことはあっても、ユーナを嫌いにはならねーよ。」
「うっグスッ。ユーナ!お゛れ゛!海賊になって!えっぐ…グスッその天竜人ってやつに会っだら…うぅ…ぶっ飛ばしてやっからな゛!」
3人の変わらない態度にユーナは涙が止まらなかった。
受け入れてくれるかどうか、怖かった。こんな私を受け入れて、兄弟にしてくれたこの3人にユーナは守りたいと強く思った。
「ありがとう…!3人とも…!本当にありがとう…!!グスッ…でもルフィ、天竜人はぶっ飛ばすのはまずいよ…」
「「「えっなんで??」」」
ルフィだけでなくエースとサボにも言われて、ユーナは涙を引っ込めてつっこんだ。
「ダメに決まってるでしょ!!捕まるわよ!!」
「「「どのみち俺達海賊になるんだから一緒だ。」」」
「そっ!!うだけど…はぁ、まぁいいや。どのみちいっても聞かないだろうし、その時のエース達の仲間に止めるの託す。」
しばらくの沈黙が続き…4人は吹き出した。
「「「「あはははははは!」」」」
「あー、喋ったらスッキリした!!」
そう言って大きく伸びをするユーナにサボは少し疑問に残ってたことを書く。
「そういえばユーナ、この手配書ゼノって書いてあるけど…ユーナは偽名か?」
「ん?ああ、違うよ。どっちも本名!言ってなかったね、私の名前はユーナリー・D・ゼノ。改めてよろしくね!弟達!」
「ああ、姉貴!」
「エースは姉貴か〜俺は姉さんかな〜。」
「おれは!!ねぇちゃん!」
「あはは、わぁ、新しい響〜!」
「じゃあ、ルフィ俺のことはにぃちゃんと呼ぶんだぞ。」
「エースはエースだ!」
「なんでだよ!!!」
「もういいだろ、いつも通りで。」
「だね!!」
そんなにこやかな会話を覗き見していた人物が2人いた。
1人はガープ。ユーナの晴れた顔を見て安心したのと同時に孫が増えた事が嬉しいようですごくにこやかだ。
そしてもう1人のダダンは、言わずもがな大号泣だった…。
3話ありがとうございます。
ユーナの過去は考えながら私病んでるのかな…って思いました。