Fate stay night【Heaven’s blade】   作:ポケモンっぽい人

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プロローグ 凛

、、、第四次聖杯戦争

 

それは、今から十年前に行われた、魔術師達の争い。

 

その勝者は居らず、生存者は、たった一人、、

死んだ人間の中には、私の師であり、父でもある、遠坂時臣も入っている。

そんな壮絶な戦いから、はや十年、、

 

 

 

 

凛「、、いよいよね、、、今日の為に、貯めに貯めた宝石は十分。」

 

お父様、、私、遠坂凛は、貴方と同じ、、聖杯戦争へと赴きます。

 

凛「後は、、、」チラッ

 

チッ チッ チッ

 

凛「、、時間も丁度ね。じゃあ―――」

 

今からするのは、サーヴァント召喚の儀。

聖杯戦争に参加する為の、第一条件。

 

 

凛「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。

降り立つ風には壁を。

四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。

 

閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。

繰り返すつどに五度。

ただ、満たされる刻を破却する。

 

――――告げる。

汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

聖杯の寄るべに従い、この意、この理ことわりに従うならば応えよ。

 

誓いを此処に。

我は常世総すべての善と成る者、

我は常世総ての悪を敷しく者。

 

汝 三大の言霊を纏う七天、

抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!

 

 

 

――――

ー――

――

 

~翌日~

 

凛「、、ハァァ~、、、」

 

、、、朝から憂鬱な気分になる。

結果から言えば、昨日の召喚は、成功した、、そう、した筈なのだ。

 

 

凛「、、セイバーを呼んだ筈なのに、、実際に来たのはアーチャーって、、

しかも、家事が得意な英霊って何よぉ!いっそ、バトラーなんてクラスがあったら納得してたわ!」

凛「、、、あ~もう!何でこんな時に限って時間を間違えるのよぉ!」

 

 

こればっかりは、、家系の問題なのだろう。

遠坂家は代々、肝心な所でうっかりを仕出かす運命にあるらしい。

 

美綴「おーおー、朝から荒れてるねぇ、、どしたの、遠坂?」

凛「、、あぁ、綾子、、ちょっと自分の悪癖にウンザリしてただけ」

美綴「へぇ?遠坂の悪癖ねぇ、、

何時もなら気になるけど、、今日はほんとに頭来てそうだから、止めとくかな」

凛「そうしといて、、流石に、今は返せる気分じゃないから、、」

 

ダウナーなまま、私の一日が始まった。

 

 

――――

 

~校内~

 

 

凛(早く来すぎたかしら、、)

 

まだ人の少ない学校、、けれど、その中にも例外が居た

 

一成「すまんな藤村、、感謝する」

「暇な時なら構わないさ、一成、、じゃあ」スタスタ

 

凛(、、藤村士郎、、ね)

 

藤村士郎、、クラス担任兼英語教師の藤村先生の弟。

 

凛「、、、お早う御座います。藤村さん」

士郎「お早う、遠坂」

 

簡潔な挨拶を交わし、すれ違う

 

凛(、、取り合えず、教室で大人しくしていようかしら)

 

ガラガラ

 

教室の扉を開けると、、廊下から、声が聞こえてきた

 

「、、おい藤村、ちょっと顔貸せよ?」

士郎「、、何だ?慎二」

 

 

凛(、、ハァ、、間桐慎二ね、、アイツ、また絡まれてるし、、、

、、、本当に嫌だったらアイツだって断るでしょ、、)

 

その程度。、、別に、思う所は無い

凛(強いて言うなら、、あんなのに何時も絡まれて、ご愁傷様。って所かしら)

 

そして、、何でもない事を考えてる内に、ホームルームが始まる時間になる。

 

「遅刻遅刻遅刻~~!!」

 

大河「おはよー皆!!」ガラッ!

 

コテッ

 

大河「あ゛ーー!!」

 

ドボギッ

 

「「「「・・・・」」」」

 

凛(はぁ、、またね、、)

 

もはや様式美となった、藤村先生の頭強打、、

ほぼ毎日こんな事をしているのに、本人には何の異常も無いというのだから、不思議だ

 

 

「「「「起きろ!タイガー!」」」」

 

大河「タイガーって言うなぁぁぁぁ!!」グワッ!

 

、、此処までがテンプレ。そして此処から、一日が始まるのだ

 

―――――

 

~昼休み~

 

午前の授業が終わり、今はひと時の休息の時間。

 

凛(、、さて、と、、今日はお弁当も持って来てないし、、学食でも行きましょうか)

 

ガラガラ

 

 

階段を下りて、学食へ向かう、、、

 

 

バサァッ!

 

凛「、、、あら?」

 

紙の飛ぶ音、、その方向を見ると、、

 

桜「・・・」

 

、、間桐 桜、、私の後輩が、そこに居た

 

凛「、、大じょ「大丈夫か、桜」!」

 

桜「あ、藤村先輩、、有難う御座います!」

士郎「いや、、、当たり前の事だよ」

 

凛(・・・)

 

、、その声を聞いた途端、身を隠してしまった。

何故そんな事をしたのか、自分でも分からない。

 

凛(もう、、バカ!何で手伝ってやらないのよ私、、、)

 

桜「助かりました、先輩。」

士郎「なら良かった。、、それじゃあ、桜」

桜「はい!失礼します、先輩」

 

 

凛「・・・」

凛(、、、ああぁぁ!何かモヤモヤ苛々するわね、、!)

 

 

 

、、結局、一日中そんな感情のまま、、一日が終わった

 

 

――――――

 

~遠坂邸~

 

精神的に疲れたまま、帰宅した、、すると

 

アーチャー「む、、また随分と早く帰ったな、凛」

 

凛「、、、嘘、、」

 

、、何故か、家中が輝いていた。

 

凛「、、一体何してたの、アーチャー?」

アーチャー「見て解る通り、家の掃除だが?

、、あぁ、安心してくれ、君の工房には流石に立ち入っていないのでな」

凛「・・・・・・」

 

『何をやってるのかこの弓兵は』、、とも思ったが、家に居る事を命じたのは自分だった事を思い出した。

 

凛「、、、アーチャー、家の掃除はもう良いから、、今から、偵察に行くわよ」

アーチャー「、、ほう、てっきり趣旨を忘れているかと思いヒヤヒヤしたが、、

、、、漸く、本領発揮か」

凛「そういう事。、、さぁ、行くわよ!アーチャー!」

アーチャー「了解だ。任せておけ、凛」

 

―――――

 

~ビル 屋上~

 

 

凛「、、見渡すなら、やっぱり高い所よね、、どう?アーチャー、サーヴァントの気配は感じる?」

アーチャー「、、あぁ、露骨に気配を晒しているのが一騎居るな。

、、如何する?相手の手の内を見る好機だが、、相手も、同じ事を考えての行動だろう」

凛「、、、そうね、、丁度良いじゃない。

貴方の力、見せて貰うわよ?アーチャー」

アーチャー「、、フッ、任せておけ、マスター。

君のサーヴァントは最強だという事を、証明して見せよう」

 

 

~穂群原学園 屋上~

 

 

凛「、、、決戦の舞台が此処とはね、、」

アーチャー「、、気をつけろ。気配は在るが、場所が掴めん。

、、、おそらく、魔術の類だろう」

凛「、、、えぇ、、そうみたいね」

 

私達が、周囲を警戒していると、、

 

 

「オイオイ、一体誰を探してんだ?」

 

上から、柄の悪い声が聞こえてきた

 

 

 

アーチャー「!貯水槽の上か!」

凛「ッ、、!サーヴァント!」

 

月明かりに照らされ、、その姿が、よく見える。

整った蒼髪に、獣を想起させる鋭い赤目に、青いタイツ、、

 

 

「ご丁寧に挑発に乗ってきたのは、誰かと思ったが、、、こんな若い嬢ちゃんとはな」

 

アーチャー「フッ、、そういう君のマスターは、随分臆病な様だな?

サーヴァントに偵察を命じ、自分は安全な場所で待機、、という訳か」

 

「、、ま、そういうこった。、、ったく、やなマスターに出会っちまったもんだぜ。

 

、、、って事で、手合わせついでに死んでくれや、嬢ちゃん」スッ

 

敵のサーヴァントが、朱い槍を構えた!

 

凛「、、ランサーね、、来るわよ、アーチャー!」

アーチャー「此処では場所が悪い!一旦グラウンドに降りるぞ、マスター!」

 

バッ!

 

アーチャーが、私を抱えながら飛び降りる。

 

 

 

スタッ

 

 

ランサー「、、、弓兵ねぇ、、ま、弓を構える位は待ってやっても良いぜ。

、、どうした、さっさと抜けよ?」

アーチャー「気遣いは無用だ。

、、何せ、私は捻くれ物なのでね」

 

 

アーチャー「投影、開始(トレース・オン)

 

アーチャーが、短く詠唱すると、、、

次の瞬間、その手には二振りの剣が握られていた

 

 

ランサー「ハッ!弓兵風情が剣士の真似事か!

、、良いだろう、試してやるよ!」ダッ!

アーチャー「来るぞ、、、下がっていろ、凛!」バッ!

 

キィィンッ!

 

 

凛「ッ、、!

 

 

戦いが、始まった―――

 

 

 

ランサー「ラァッ!」ヒュンッ

アーチャー「セイッ!」グァッ

 

キィンッ!ガキッ!

 

ランサーの振り下ろしを、アーチャーは切り上げで防ぐ。

 

アーチャー「ハッ!」ヒュッ

ランサー「、、チィッ!」サッ!

 

アーチャーが、左の剣で突く。それをランサーは、槍の柄で防ぐ

 

 

ヒュッ キィンッ!

 

 ガ

 キ

 ッ

 !  ギィィンッ!

 

、、見えたのは、最初の二打だけだった。

それ以降は、、加速度的に速くなっていく打ち合いに、目が追いつかなかったのだ。

 

そして、それから数十度の打ち合い後、、、

 

 

キンッ バギィィンッ!

 

アーチャーの剣が、砕けた

 

ランサー「!貰ったァァッ!」グオッ!

 

ここぞとばかりにランサーが突きを放つ。、、今のアーチャーに、防御の手段は無い

 

凛「!アーチャー!」

 

アーチャーが、やられ―――

 

アーチャー「、、フッ!」ヒュンッ!

ランサー「何っ!?」キンッ!

 

ザザザ、、、

 

―――なかった。

その手の中には、先ほどと同じ、二振りの剣。

 

凛(何で、、あれは、アーチャーの宝具なんじゃないの!?)

 

そう、、宝具とは本来、一つしかない物なのだ。

それを、、、あの弓兵は、2組持っていると言うのだろうか?

 

凛(有り得ない、、!、、でも、実際に同じ剣が二本有るし、、、)

 

 

ランサー「、、、チッ、、テメェ、何処の英雄だ!

剣を使う弓兵なぞ、聞いた事が()ぇ!

ましてや、同じ宝具を複数持つのなんざ、それこそ聞いた事がねェ」

アーチャー「さてな、、そういう君には、少々心当たりがある。

、、、槍使いで、そこまでの達人と言えば、世界に三人と居まい。」

ランサー「ほぉ、、、そこまで絶賛されちゃあしょうがねェな、、

、、なら、次はちっと強く行くぜ?」ザッ

 

キィィィィィィッ!

 

朱槍が、高く唸りを上げる、、それと共に、槍の表面の熱量が、尋常じゃない位に膨れ上がった

 

凛「ッ、、!宝具!」

アーチャー「・・・行けるか?」

 

 

ランサー「、、、行くぞ!突き穿つ死翔の(ゲイ・ボル)「パキッ」、、、!誰だ!」

 

シュウゥゥ、、、

 

「・・・!」ダッ

 

凛「、、!生徒!?何でこんな時間に、、!」

 

ランサー「チィッ!待ちやがれ!」ヒュッ!

 

凛「!いけない!追って、アーチャー!私も後から行くわ!」

アーチャー「了解した」ヒュッ!

 

―――――

 

~校内~

 

校内を走り、階段を駆け上がる。

、、途中、何度か打ち合う音が聞こえた、、、

 

凛「ハァ、、ハァ、、!」

 

キンッ!カキンキンッ!

 

凛「追いついたわ、、!アーチャー!」タッタッ!

 

 

ズバッ!ドスッ 

 

 

コツコツコツ、、、

 

 

ランサー「、、、へっ、、梃子摺っちまったな、、

、、お陰で、良い一撃貰っちまったぜ」

 

凛「、、!ランサー!」

ランサー「、、止めだ止め、宝具も見せちまったし、、今日はもう帰るぜ」ダッ

 

彼が夜の闇に消える瞬間、、彼の脇腹に、深い傷口が出来ているのが見えた。

 

 

凛(、、!、、へぇ、、アーチャー、やるじゃない)

 

 

 

凛「、、ってそうだ!さっきの生徒は、、!」

 

緊張が少し解けたのと同時に、本来の目的を思い出す。

そして、廊下に出ると、、、

 

凛「、、、!」

 

 

探していた生徒が、、、胸を貫かれた状態で、倒れていた

 

凛「、、!そう、、アンタ、なのね、、」

 

顔を見れば、それは、、、

 

 

士郎「・・・」

 

 

クラスメイトの、、藤村、、士郎だった

 

凛「、、、」

 

彼の有様を見た時、、私は、酷く冷静だった。即座に教会に連絡出来るほどには

、、何故か、こうなると分かっていたかのように、、

 

凛「、、、暫く安静にしてれば、助けて貰えるから、、」

 

お父様から貰ったペンダントの魔力を少し使い、彼の出血と痛みを和らげる。

 

丁度そこで、アーチャーが戻ってきた。

 

アーチャー「、、すまないマスター、逃がしてしまった」

凛「、、いいえ、十分よ、アーチャー。、、、行きましょう」

アーチャー「、、、そうか、、所で、そこの男は如何する?」

凛「・・・見た所、胸は貫かれてるけど、、心臓だけは、ギリギリ避けてたわ。

出血も、少し抑えておいたから、、多分、大丈夫よ。短くとも、教会の人間が到着するまでは持つ筈だから」

アーチャー「そうか・・・些か、君は優しすぎるな。

、、まぁ良い、ランサーも退却した事だ。そろそろ帰ろう、マスター」

凛「えぇ、そうね。、、早く帰りましょう」

 

 

 

 

 

 

、、、その日は、そのまま家に帰った。

結果的に、アーチャーのダメージはさほど無く、その上にランサーを凌げた、

聖杯戦争の前哨戦にしては、上々な結果だろう。

 

、、、けれど、私は一つ、思い違いをしていた。

聖杯戦争は、、、()()()から既に、始まっていたのだ、という事を、、、

 

 

――――――

 

、、、次の日の朝、学校で、、

 

凛「、、、」ガラガラ

 

まだ、冷たい教室の中、、

 

 

凛「、、え!?」

 

 

 

士郎「、、、」

 

昨日、死にかけていた男が、、何食わぬ顔で、席に座っていた

 

凛「ッ、、、!あ、あの、、藤村君?」

士郎「、、、何だ、遠坂?」

凛(、、、って!何急に話しかけてるのよ私!

確かに、本来なら致命傷で教会で保護されてる筈の人間が此処に居るのは可笑しい事だけど、、!

、、にしても、こんな所(学校)でする話じゃないでしょ!)

 

凛「あ、、いえ、お早う御座います、、、」

 

自分を戒め、その場凌ぎの言葉を発する

 

士郎「あぁ、おはよう。」

凛「えぇ、、では」

 

次の言葉が出てくるまでには、既に平静を取り戻し、何時も通り猫を被った私がそこに居た

 

 

 

 

士郎「、、、遠坂」

 

凛「、、?はい―――「有難う」、、、、?」

 

、、、呼び止められたと思ったら、感謝の言葉を述べられた。

何時もの淡白で、無機質な口調で、

 

何時もなら、簡単に流せる筈のそれは、、、

今の『私』という猫を誑かすには、十分の言葉で

 

 

 

凛「、、、昼休み、屋上に来なさい」

 

 

 

 

、、、私は、簡単に深みに嵌ってしまった







、、、Fateに嵌ってしまいましたああぁぁぁぁ、、、
やりたい事が多すぎて、どれか一つに絞れない性格でスミマセン、、、

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