「久しぶりだな、抜刀斎に新撰組」
「不知火匡…」
そこには、拳銃を振り回し屋根の上に座り込む野蛮そうな男がいた。
「なんの用だ…これは貴様の仕業か」
「まぁこの状況だけはそうと言えるな」
「なんのつもりだ…それにお前が背負ってるその槍は…」
「あぁそうだ。お前達のよく知ってるあいつの槍だ」
「てめぇー」
「さぁ、俺と遊ぼうぜ」
銃声が鳴り響く。刀で防ぎきる3人
「流石にこんな単純な攻撃でくたばる玉じゃねーか」
「おうおう、そんな飛び道具使ってないで、差しでやろうやあんちゃん」
「俺は刀とかはまるっきりダメでね。その辺の奴らなら挑発に乗ってもいいんだけど、あんたらとはそうはいかないからな、遠慮しとくぜ」
「ちっ、屋根の上に上がらないと防戦一方だぜ」
「抜刀斎」
「わかっておる」
剣心が素早く屋根まで飛び上がる。
「マジかよ、抜刀斎」
「てゃあー」
剣心の振り下ろした刀を拳銃で受け止める不知火、しかし地面に叩きつけられる。
「さぁ。どうするあんちゃん」
「降参、降参悪かったよ。俺はあんた達を試したかったんだ」
「試す…。随分と舐められたもんだな」
「人間っていうのは平和ボケするとすぐ堕落するって聞いたからよ、お前らは大丈夫かと思ってな」
「話が見えんな。ハッキリと言え」
不知火は頭をかきむしりながら少し考えた。
「その…俺達に手を貸してくれ」
再び部屋に戻った5人。
「驚いたな…まさかとは思ったけどその娘もいるのかよ」
「まぁこいつも関係者だからな」
「…違いねーな」
(千鶴殿は某が思っている以上に重要人物なのか…はっまさか…)
(永倉殿)
(なんだ剣心。急に小声で)
(千鶴殿の苗字は雪村だったな。ということは千鶴殿は雪村綱道の娘なのか)
「そうだぜ。千鶴ちゃんは雪村綱道の娘だ」
「なんだ、抜刀斎知らなかったのか」
「まさかとは思ったが。そうでござったか」
「えぇ、まぁ…」
「話を戻すぞ」
「その前にこいつのケリをつけさせろ」
不知火は背負っていた槍を永倉に投げた。
「それはお前らに返すぜ」
「まずはこの件からってわけか」
「その槍は…」
「原田左之助(はらだ さのすけ)新選組十番組組長。槍の使い手でな、大雑把で少々喧嘩っ早いところもあるが、人情に厚く義理堅いうえ、察しの良い一面も見せるいい奴だったよ。左之助は」
「上野で暴走した綱道を止めるために動いてた俺と共闘して綱道の部下と戦ったが、腹部に致命傷を追って逝ったよ」
「そうか…」
「【永倉に会うために新選組の元へ戻る】って呟やいて息絶えたからよ。お前に渡すのがいいと思ってな」
「左之助…」
「原田さん…」
「これでこの件は終いだ。で俺がお前らの手を借りたい理由だが…。多分その娘の話を聞けば粗方見えてくる」
「千鶴殿の話しを」
「それは、千鶴が羅刹と遭遇した日のことか」
「そういうこった」
「千鶴。改めて聞かせてくれるかその日のことを」
「はい。あれは羅刹による殺人事件が起きて間もない時でした…」
千鶴はその頃、生き残った新撰組隊士を探し旅をしていた。