(相変わらず手掛かりがないな…皆本当に…ないない。新撰組の皆さんは政府が恐れていた人達ばかりだもん全滅なんて)
函館・五稜郭の戦いから10年の月日が経ち。生き残った雪村千鶴は生き残った新撰組隊士がいることを信じ、探して旅を続けていた。
しかし10年経ってもそれらしい手掛かりは掴めず、誰1人とも再会出来ずにいた。
(京か…あの頃と比べて随分と和な町になったな…)
数十年ぶりに歩みを入れる京の町を、千鶴は思い出と共に噛み締めた。
(千姫ちゃんは元気かな…文もあまり返せてないしそっぽ向かれてたりして。それにもう暗いし寝てるか)
「いや、やめてー」
突如慌てた表情で千鶴の前で転ける女、千鶴が突然のことで動揺している間に女は絶命した。
(なに、なんなの…)
女が出てきた方向から姿を現す怪物。
(そんな…羅刹なんで)
思わず尻込みする千鶴。脱力したためか音に羅刹が反応する。
(逃げなきゃ…足がすくんで動かない)
羅刹が千鶴に飛びかかるその瞬間、羅刹の胴体が真っ二つに分かれた。
(誰…えっ。嘘)
そこには、かつて自身の目の前で灰となったはずの男がそこにいた。
「お久しぶりですね。雪村くん」
「山南さん…本当に」
「再会を喜んでいる場合ではありません。立てますか」
血の臭いに反応してか、羅刹が数体集まってきた。
「大丈夫です」
「殿は私が勤めます。雪村くんはここに逃げなさい」
千鶴は地図を渡された。
「でも、山南さん」
「これでも私は新撰組総長だった男です。…信用出来ませんか」
「必ず追いついて来てくださいね」
千鶴は前だけを見て走った。…指定された場所に着いた千鶴
(山南さん大丈夫だよね)
「無事言い付けを守ってくれて良かったです」
「山南さん。良かった」
「君は自分の信じた答えに進むとき周りの言うことに聞く耳を持たないことがありましたから、ちょっと心配でした」
「その…山南さん」
「私は正真正銘元新撰組総長山南敬助ですよ。困惑するのは当然です」
「…」
「強者を集めなさい。その時に私がここにいる訳を話しましょう」
「強者…」
「1人はかつての敵の組織に、1人は北方に」
「まさか、知ってるんですか。他の隊士の行方」
「知ってるのは、その2人だけです」
「でもどうやって…」
「1人には書を出しなさい。私があとで残す紙に所在が書いてあります。君はもう1人に会いに行くといい」
「その人はどこに」
「江戸…いまは東京ですか、狼はそこにいます」
「東京に…わかりました。山南さん、必ず戻ります。だからその時に教えてくださいね」
「勿論です。さぁお行きなさい」
こうして千鶴は東京で斎藤と再会するのであった…