「千鶴殿。大丈夫でござるか」
平助に案内され深い山奥を進む5人。
「大丈夫ですよ、私そんなに具合が悪そうですか」
「まだ、受け入れきれないでござるか」
「…そうですね。2人が生きていることが嬉しいはずなのに、ここが締め付けられるように苦しいです」
胸元に手を置く千鶴。
「無理に受け入れることはないでござる。千鶴殿のペースでゆっくり消化出来れば」
「剣心さん。ありがとうございます」
「…ついたぜ」
山奥にある大きな空洞
「ここに親玉が…」
「俺が案内出来るのはここまでだな。じゃああとは頑張ってね」
平助が空洞の中に入ると、突如羅刹が溢れて出てきた。
「どうやらここに親玉がいるのは間違いなさそうだな」
応戦する4人
(千鶴殿は大丈夫なのか…)
「おい不知火。てめーこいつら潰すの付き合ってくれるか」
「なんだいきなり」
「斎藤さん。千鶴ちゃん。剣心。お前達先に行け。ここは俺達で抑える」
「永倉殿しかし」
「全員で対処してたらいつ親玉のもとへたどり着けるかわからねー。3人だけでも」
「わかった。御免」
「おい、斎藤」
「永倉君は新撰組でもトップクラスの武闘派だ。こんな奴らにやられはせん行くぞ」
「永倉さん。必ず追いついて来てくださいね」
「おう。任せとけ」
「格好つけすぎだろ、この数相手に」
「左之助が背中預けるくらいだからよ、期待してるぜ」
「ふん。ほざいてろ」
「おらおらおらおら」
新八が一振り一振りで綺麗に羅刹の胴体を斬り裂けば、不知火の正確な射撃が羅列の心臓を貫く。
「そんなに飛ばして大丈夫なのか」
「へっ、弾薬気にしてられる状況かよ」
「それもそうだな」
勢い止まらず湧く羅刹。
「やべ、弾切れた。おい永倉それ貸せ」
「馬鹿。そんな余裕ねーよ」
「じゃあ勝手に借りるは」
「おいテメー」
不知火は新八の背中の槍をくすねた。
「お前らなんて、この槍で十分なんだよ」
「危ねーな。槍は振り回すもんじゃない。突くもんだ」
「こいつら殺れれば使い方なんてどうでもいいわ」
長く続いた死闘。両者尻餅をつく
「ようやく全部かこれで」
「羅刹…多過ぎだろ。なんでこんなにいるんだよ」
「それはな新八…ここで羅刹の研究が行われてるからさ」
空洞から突如新八へ短刀が飛んでくる。咄嗟に庇う不知火。
「不知火てめー」
「ったくこれだから人間は、最後まで気を抜くなよな」
倒れる不知火。
「テメーなにもんだ」
激昂する新八。
「おいおい、俺を忘れたのかよ新八」
「お前…まさか左之助なのか」
空洞から出てきたのは死んだと聞いた。かつての友であった。