君、来てくれ、開庁130周年で、この世界の片隅な、艦これ聖地の、軍港都市に、巡礼へ(はぁと) ~美人巨乳レイヤー春菜とイクおねショタ呉聖地巡礼の本~ 作:鳥頭堂正太郎
「ごめんなさい、ちょっといいですか?」
そう言う女の人の声が、君の背後から聞こえた。
振り替えると、そこには、長い黒髪の女性が君の方を覗きこむようにして一人、立っていた。
なんというか、彼女はとにかくもう、すごく、美人で、きれいで、かわいくて、まるで女神か美の化身みたいで、もうなんというか、君は一目見た瞬間から魅力されてしまって、阿呆みたいにボケーッと口をあけて美しすぎる彼女を眺めていた。
「ねぇ、何があったか知らないけど、ちょっとだけ静かにしていてくれないかしら?」
と彼女は言った。
もしかしたら、彼女は怒っていたのかもしれない。
でも、そんな気配は一向に感じられなかった。
美声をして、鈴を転がすようなと例える事があるが、まさに彼女の声はそんな澄んで美しく響く可愛らしい声だった。
気がつくと、君は誘い込まれるように無言で頷いていた。
彼女に静かにしていて。と言われて、静かにするという選択肢を選ばずにわあわあと声を出せる奴なんて、この世にいやしないだろう。
誰だってそうする、僕だってそうする。
君はそう思った。
彼女はにっこり笑って、
「ありがと」
と言うと、君から少し離れて、ホームの中程に立って、その長い黒髪を風にたなびかせていた。
改めて彼女の姿をよく見ると、美人なだけではなく、腰なんて力をこめて抱き締めたら折れてしまいそうなくらいに、ほっそりと痩せているにも関わらず、胸部装甲は豊かながらも垂れたりせず、誇らしげに盛り上がっており、いわゆるナイスバディであった。
その美身に纏っているのが黒のニットブラウスのインナーに、グレーのフレアスカート、白のブルゾンといった地味な格好であったけれど、まるで誂えたかのように、彼女の清楚な美しさを際立たせていた。
なんてこった、こりゃ、本物の美の女神が御光臨あそばされたに、違いない。
君がそう思っていると、彼女は目をつむり、耳をすませているようだった。
次の瞬間、ホームに、とある曲のメロディが流れ始めた。
それはずっと昔のアニメのオープニング曲だった。
そのアニメをちゃんと見た覚えは無いが、よく懐かしアニメのオープニング曲なんて番組で、その曲が歌われているのを見たことがあるのを君は覚えていた。
ぐうっと、曲が盛り上がってきて、まさに歌い出しに入ろうとする前に曲は終わってしまい、すぐさま最初から同じ曲が流れ始めた。
ヤマトだ、これは宇宙戦艦ヤマトの歌い出しだ。(注4)
と、思っていると、君のいるホームに、列車が滑り込んできた。
あぁそうか、宇宙戦艦ヤマトのオープニング曲の歌い出しが、電車の発着メロディに使われているんだ。
そう思っていると、彼女が振り替えって、君の方へ向き直り、
「ありがとうございます。おかげでちゃんとヤマト聞けました。
私、これ聞くと、呉に来たんだなぁって気持ちになるんで、ちゃんと聞きたかったんですよ。」
と、ニコニコして言った。
「そうなんですね。
僕もそう思います。
呉に来たんだなぁって感じます。
でも、歌い出しだけで前奏が無いなんてさみしいですね。
前奏の盛り上がってくる感じ、いいですもんね。」
と、君が言うと、彼女は嬉しそうに笑って、
「だよね!
でもね、前奏も聞けるんだよ。
ねぇ、一緒に前奏聞きに行こうよ!
もうすぐ、隣の一番ホームに列車が入ってくるはずだからさ!」
と言って、君の手をつかむと、有無を言わさぬ勢いのまま走り始めた。
結局、君は彼女と一緒に隣のホームに移動してヤマトの前奏部分の発着メロディを聞かさせられた後に、またホームを戻って歌い出しまで聞かされる羽目となったのである。(注5)
(注4)2、3番ホーム(下り 海田市・広島方面行)で宇宙戦艦ヤマトのオープニングの前奏が、1番ホーム(上り、 竹原・三原方面行)が歌い出しが流れますが、到着時のみで、発車時には流れないので、ご注意。
(注5)
お話の都合上、ポンポン電車が来ていますが、都内の地下鉄じゃあるまいし、そんな短時間で、電車は来ないので、どうしても聞きたい方は時刻表を参照の上、自己責任でお聞きください。
くれぐれも、旅先の貴重な時間を無駄にされませんように?」