機動戦士ガンダムーBullet in the desertー 作:五河陽太
夕暮れ時――。
喧噪の中、アキハとマリアは今後のガンダム運用法について調整を重ねながら話し合っていた。
マリアが口笛を吹いて、ガンダムの頭部に拳骨を軽く叩きこんで、感心した声で話した。
「流石、連邦の切り札だけあるね。レーダー範囲、エネルギーゲイン、活動領域こそ限定的だが、ジムより優秀だよ。だが、アタシは機械器具に疎くてね。ロクにメーターを視ないからジムを壊してばかりだったよ。その点を見やすくしてもらいたいんだが――?」
「そこは大尉に機器に慣れてもらう以外の方法はありません。空調や、照準が解るならモーターの正常稼働、ガイドの位置確認もできると考えますが?」
「アンタ、アタシを馬鹿にしているのかい? 言葉を選んで喋りな。アタシの前で機械関係の用語を今後使ったらある事ない事を言いふらすからね」
「それはあんまりですよ」とアキハは意気消沈した。
実際、三機支給された陸戦型ガンダムだが、全て実戦投入にはならなかった。
一機はマリア機。
残りの二機は予備部品扱いとなった。
だが、ジムよりもパワーがあり、活動範囲が広い陸戦型ガンダムに対して、マリアの機械嫌いが大きく事態の後退を迫っていた。
ジムでは予備部品としてホバートラックや六一式戦車の部品を使いまわしていた。だから、戦車屋でも、ある程度のMS知識があれば先行量産型陸戦型ジムを乗るのは可能だった。
だが、陸戦型ガンダムは使い勝手が大きく違った。
V作戦で余った余剰パーツで構成された連邦軍初のMSの試作機だ。しっかり訓練を受けた熟練兵が乗るに相応しい機能に力を持ったMSに仕上がっていた。
だから、きちんとした機械知識がないと、MS運用時の妨げとなるのも考えうる範囲内の問題だった。
今、戦場の主役はMSに替わっている。
ジオン軍は最先端の技術を使い圧倒的不利を覆して、地上まで支配権を及ぼしてきた。
連邦軍の巻き返し作戦がV作戦で、オデッサ戦線で苦戦する兵士たちへの鼓舞の意味を込めて、まだ試作機段階の量産型陸戦型ジムが回された。
本当なら最初にガンダムが来て欲しいものだとアキハは考えた。
だが、上層部にも何等かの策があって順番が入れ違いになったと考えたら得心が行く。
戦場は常に激変し、予想だにしていない出来事が起こる。
アキハは一回しか出撃した経験はない。
だが、MSで戦う怖さを実感したつもりだった。
だから、鉄の棺桶で人が死んでしまうのは理不尽だとも考えた。また、フタバのような美少女が戦場にいるのもおかしいとも考えた。
「全てが狂っている」
アキハは肌で狂乱を感じた。
だから、なにかと気を遣ってくれるマリアには死んで欲しくないと強く願った。
そうだから、腹が座ったとも言えた。
アキハは片膝を突いている陸戦型ガンダムのコックピットにいるマリアを真剣に視て提案した。
「大尉、このガンダムを複座型にしませんか?」
「誰が乗るんだよ? 狐でも乗せるのかい?」
「俺が乗ります。索敵、機器のみかた、使いかたが解らないなら、俺が乗って調整、補助します」
「……、アンタ、本気で言ってんのかい? アタシの操縦はこのキャンプで一番だ。その意味を考えた経験はあるんだろうね?」
「あります。だからこそ、提案しているのです。俺は戦場の怖さを知りました。大尉には死んで欲しくないのです。だからって守れるわけではありませんが、一番、俺らしい戦いができると考えました」
「……、まぁ、監視するには都合が良いか。アタシは戦闘に集中させてもらうよ。アンタはアタシが戦えるように全力でサポートする。ソイツが条件だ。後、コイツだけは譲れない条件がある」
「改まって、何ですか? 俺、機械関係は得意ですよ?」
「絶対に死ぬな!」
格納庫に響き渡る大声でマリアが喝を入れた。
アキハは反射的に姿勢を正した。
そんなアキハを視てマリアは豪快に笑った。
「アタシの声でビビっているようじゃあ、戦場で生き抜けないな! もっと、根性を付けな!」
「本当に参りますよ」とアキハは髪をクシャリとかき上げた。
その瞬間から陸戦型ガンダムの改修作業が始まった。
「機動戦士ガンダム」の二次作品として時代考察、話の内容は成り立っていますか?
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大丈夫!心配するな!
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もっと、勉強しなさい!
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実は、良く解りません!