機動戦士ガンダムーBullet in the desertー   作:五河陽太

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久々の投稿になります。
ところどころに変な描写があると思いますが、お許し下さい。
長さが少し長めになって行く場合があるので、ブックマークをご活用下さい。

それではお楽しみ下さい。

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静寂と喧噪

 深夜――。

 

「技術屋に時間等関係ない」とは誰が語ったか? あぁ、そうだ。テツハの教えの中にあった1つのフレーズだと考えたのはアキハが陸戦型ガンダムの改修作業がひと段落ついた時だった。

 

 マリアは本当に使えない上官だった。

 

「レンチ」と「ペンチ」の区別がつかない。ドライバーを右側か左側、どちらに回したら締まるのかが解らない。

 

「本当にジムに乗っていたのか?」と疑いたくなる使えなさだった。

 

 結果、アキハは「作業は1人で出来ます」とマリアに休むように勧めた。

 

 だが、マリアはアキハがフタバとの仲をまだ疑っていた。

 

「格納庫内で寝る」と頑なに譲らず、今は予備の陸戦型ガンダムのコックピット内で大人しく寝ていた。

 

 アキハが格納庫から出られないようにアキハの右手首には手錠がはめられていた。その先は、縄を伝ってマリアの左手首に繋がっていた。

 

「俺は余程、信頼がないのだ」と落ち込みそうになった。だが、ガンダムを任された自分の立場を考えると立ち直れた。

 

アキハの技術者としての腕は確かだった。

 

ほんの数時間で複座式の基礎工程を組み終わっていた。

 

作業がひと段落した際、アキハの心に悪戯心が湧いた。

 

陸戦型ガンダムのコックピット内に滑りこむと、ポケットにしまってあったメモリを取り出した。

陸戦型ガンダムのOSは連邦軍で標準化されたOSが使われていた。つまり、ジムと規格は同じだった。

 

アキハは一目で規格が同じ内容を見抜き、サポートAI「ハル」を導入しようと考えついた。

 

端末にメモリを差し込んで、インストールを開始する。

 

ほんの数秒でインストールは完了した。

 

アキハはコンソールパネルを手際よく弄って、ハルに声をかける。

 

「ハル、調子はどうだい? お前の新しい身体だ。感想を聞かせてくれ」

 

「ハロー、ハロー。セーフモードで起動しています。アキハ、こんばんは。声から疲労を確認しました。休息のために寝る行動をお勧めします」

 

「俺が考えたAIだから、もう少し乱暴で雑に作ったはずなんだが……。そんなに気遣いをするプログラミングはしていないぞ?」

 

「理解不能。わたくしはあなたの構成を再現しているだけです」

 

「困った奴だ。ところで、ハル。お前は自分自身を『何か』に定めた経験はあるかい?」

 

「わたくしは、『ハル』と名が着くプログラムです。それ以上でも以下でもありません。アキハがわたくしを作ってくれました。わたくしはそのプログラムを忠実に再現するのみです」

 

「お前はそう『定めて』いるんだな。本当に羨ましい。俺は亡命するまで本当に無知な小僧だったよ。自分自身がジオンの技術者で平和に暮らせていた。だから、平和がずっと続くと考えていた……」

 

「アキハ、あなたの脳波に異常が見られます。精神安定剤の服薬をお勧めします」

 

「そうだろうな。亡命してから、自身の立場が本当に揺らいでいる。俺は連邦軍技術士官だ。だが、フタバと出会って俺はジオン軍のアキハ・アンドーであろうとする自分を知ってしまった」

 

「理解不能。アキハ、あなたはアキハ・アンドーです」

 

「それは、簡単に考え過ぎだ。俺は本当に悩んでいるんだぞ?」

 

 アキハは実直なハルの言葉を聞いて苦笑した。

 

 製作者の自分とは似ても似つかない相棒の答えが嬉しくて、反応が楽しくてついつい無駄口が多くなってしまう。

 

 アキハは「駄目だ、駄目だ」と心中で感じながら、頭の後ろに両手を添えてシートに身を委ねた。

 

 格納庫の天井は煤(すす)が溜まっていて、全く綺麗とは感じない。でも、今の自分には丁度良いとアキハは感じた。テツハの野心に簡単に従い、連邦軍に亡命した自分の汚らしさを考えたら、中東にある汚い格納庫の天井がお似合いだと思った。

 

 だが、相棒のハルと簡単な話をしていると、そんな悩みも忘れてしまう。

 

 穏やかな夜だ――。

 

 アキハは、中東の一時的な平和な夜を楽しんでいた。

 

 だが、静寂は一瞬で叩き壊される。

 

 耳を劈く奇声が格納庫の入口から聞こえた。

 

 これには、アキハだけではなくマリアも驚いて目を覚ました。

 

「何だい! 何があった!」

 

「解りません! でも、普通とは違うのは明らかだ!」

 

 マリアが左手首の手錠を外して、格納庫入口まで駆けて行った。

 

 アキハも後に続く。

 

 アキハたちがそこで見たのは、首の骨折り殺された連邦軍兵士の亡骸だった。

 

 マリアはしゃがんで亡骸の確認を行った。

 

「コイツ、見回り中に背後からやられたみたいだね。綺麗に首の骨が砕てるよ。相手は余程の怪力の持ち主だ。こんな芸当ができるのは馬鹿力の男。このキャンプだとコフィンくらいだ。アイツがこんな馬鹿な真似をするとは考えられない。なら誰が……?」

 

「コフィンさんは先ほどまでジムの整備をされていました。この人といざこざになったと考えられないのですか?」

 

 マリアは立ち上がると顎に右人差し指を当てて思案した。

 

「アイツは寡黙だが、仲間を家族同様に大切に想っている。それに、殺された相手が相手だ。コイツとコフィンは飲み仲間でね。喧嘩をするとは考えられない。だから、コフィンが犯人の線は白だ」

 

 ならば誰が連邦軍兵士を殺した?

 

 犯人となりそうな人物が上がらない。

 

 アキハは唯一、犯人となり得る人物、フタバを思い出した。

 

「捕虜が逃げ出した可能性を考えたほうが良いかもしれません。俺が捕虜の様子を見て来ます」

 

「駄目だ。坊やには悪いが、捕虜との関係をアタシはまだ疑っている。アタシも同行させてもらうよ」

 

 アキハは少し落胆した。

 

 だが、「1人で行くよりは安全だ」と考えかたを変えて、マリアと一緒にキャンプ地の端を目指した。

 

「機動戦士ガンダム」の二次作品として時代考察、話の内容は成り立っていますか?

  • 大丈夫!心配するな!
  • もっと、勉強しなさい!
  • 実は、良く解りません!
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