機動戦士ガンダムーBullet in the desertー 作:五河陽太
オマーンの地から三時間かけて飛空して目的ポイントまで残り数十分となった。
だが、「アキハが本当に死神になったのでは?」と考えるくらい、事態は最悪の結果に転んでいた。
ジオンの制空権に入ったところで偶然にも、ジオン軍偵察部隊と接敵した。
相手はドップ三機の編成だった。
だが、こちらは輸送艇だ。
攻撃の手段は機銃が申し訳ない程度にあるくらいだ。
当然、戦闘では圧倒的不利に陥る。
機内では警報機が鳴り響いていた。
機長からMSパイロットに「即座に降下作戦開始」の命令が下された。
アキハはヘルメットを装着して、ExGに乗り込む。主に操縦するのはマリアだ。マリアが来た時点でExGのハッチを閉めた。
「何だってこんな時に接敵するんだい! ここで降りたら狙い撃ちだよ!」
焦るマリアにアキハが冷静に返答した。
「大丈夫です。この機体は重装甲がとり得です。機関銃の直撃を受けても落ちませんよ」
「そんなことは知っているよ! アタシが言っているのは仲間の心配だ!」
「マーフィーさんが心配ですね……。あの機体は後方支援が目的ですから……」
「当然、アタシたちがカバーに入るよ! 全機、準備は出来たかい!」
『コフィン機出来ました』
『マーフィー様、心の準備が出来ませんっと』
「それじゃあ、マーフィー機からひと思いに行きな! 続いてExG、最後にコフィンだ!」
『新人に対して温情がない部隊だことで……。マーフィー機、降下、行くぜ!』
マーフィーの声と同時にロックが解除された。
マーフィー機が空中に投げ出される。
「続いてアキハ、マリア機、お願いします!」
アキハが機長にロック解除をお願いした際、機長から途切れ途切れだが、無線が入った。
『小隊長、当機はここまでみたいだ……。後は自力でたのむ――』
「脱出しな! 後は小隊内でやる! アンタたちも命を無駄にするな!」
マリアが無線に向かって感情を吐く。
だが、マリアの言葉を受けた機長の言葉は真摯的なものだった。
『機長として、この機を放置できない。後は任せ――』
「機長!」
ExGのロック解除と同時にコフィン機のロックも解除された。
アキハの身体は重力内に放り出された。
アキハのモニターに映し出されたのはミデアがドップ三機の集中攻撃を受けて爆散する光景だった。
「畜生!」
マリアがモニターに拳を突き立てた。
アキハも悲しみと憤りを強く感じていた。
だが、アキハは「今、生き延びる必要がある」と感じて、機器を操作し始めた。
「隊長、今は目の前の事態に意識を集中して下さい! 高度六千から降下しています! 周囲の索敵開始! 友軍、ポイント七にマーフィー機、ポイント二にコフィン機を確認! 敵機視認距離、ドップです! さっきの奴等、こちらも落とす気です!」
「やってやろうか! このアタシたちに喧嘩を売ろうなんざ一億年早いのさ!」
マリアが空中で機体を立て直しに入る。
だが、空の王者はまだ、MSではなく戦闘機だった。
ドップのほうが旋回性能、攻撃性能共に高かった。
ジオン軍偵察部隊はミデアを撃墜して破竹の勢いで迫っていた。
「前から潰してやる!」
マリア機がビームライフルを構えた。
だが、アキハはその行為を制した。
「前の機体は駄目です! 囮です! 本命は後方から来る二機! 狙いは……、マーフィ
ー機です!」
マリアはアキハの言葉を聞いて震撼した。「敵はこちら側の弱い奴から確実に潰しにかかる狼の集団だ」と解った。
アキハは目の前にキーボードを用意しては機器に空中制御プログラムを入力開始した。
こんな時に作っていたハルの復旧が完了していれば勝手にしてくれた。なのに、肝心な時に完成していないのが悔やまれた。
「バーニア規定値調整……、完了。OSへ滞空時の制御バーニアの自動プログラム……、設定。空気による摩擦と重力の影響による照準補正……、再設定完了。隊長、マーフィー機を守って下さい!」
「言われなくても!」
ExGは姿勢を急激に安定させると、目の前を通過するドップを無視して下に向かうドップ二機に対して強襲を仕掛けた。
「落ちな!」
マリアは後部から正面に狙撃スコープを伸ばすと躊躇なくトリガーを押し込んだ。
高出力のエネルギーが銃口から放出され、空中を斬り裂く。斬り裂かれた先にいたドップの右翼をかすめたビームの威力は強力でかすめた右翼を熱で溶かしてしまった。
「よし、一機、撃墜! 次はどこだ!」
「……、マーフィー機後方ポイント三! 来ます!」
「間に合わない!」
マリアが操縦桿を操作してビームライフルを構える。
だが、マーフィー機の後方に回ったドップはマーフィー機を盾にする形で攻撃態勢に入った。
「クソッ! 嫌な攻撃のしかたをするね!」
「残一機、真上から来ます!」
「何だって!」
マリアがExGのモニターを切り替える。
だが、真上は太陽があり、眩しくて攻撃が出来なかった。逆にジオン兵からしたら太陽を背にした形になる。攻撃するにはうってつけの形になっていた。
「ロックオンされました!」
「そんなこと、解っているよ!」
このままでは攻撃を一方的にされて撃破される。
アキハは自分の「死」を直感で予想っしてしまった。汚名を晴らせず終わる短い人生。戦争の終わりを見ずに、フタバとミツハにも再会出来ずに終わる――。
「こ、コナクソぉぉ!」
アキハは自然と補助用に自身が操作する武器の一つ、胸部バルカンを掃射していた。
「ここで終わってたまるか! まだ、見たい未来(先)があるんだ!」
アキハの必死さにマリアが応えた。
「坊やが諦めなかったらアタシも諦められないね!」
『隊長らしい言葉がやっと聞けた。ここは僕に任せてもらうよ』
ミノフスキー粒子が散布されている中で響く少し、皮肉った美声。コフィン機からの通信だった。
コフィン機が華麗に空中で姿勢制御をこなして、ドップに右蹴りを叩きこんで華麗に撃破した。
隙をぬってコフィン機から100ミリマシンガンの掃射が始まった。
マーフィー機を執拗に狙うドップ一機を確実に捉えた弾丸の雨は機体を穴だらけにて撃墜した。
マリアはコフィン機に通信でお礼を述べた。
コフィン機は「どうってことありません」と簡単に済ませるとマーフィーに通信を入れた。
『地獄からの生還はどんな気分だい? 死神は君かもしれないね』
『貴様、友達いねぇだろ……。本当に手厚い歓迎は沢山だぜ』
「全機生存を確認。パラシュート展開高度に達します!」
「よし、4小隊、全員地上で再会しようか! ミスしたら帰投後、バーで全員に奢りだからね!」
マリアの提案は全員の士気を高めた。
この後、04小隊は地上に全機無事に着地する。
だが、そこは山脈地帯の山頂で、ジオン勢力下のど真ん中だった。
「機動戦士ガンダム」の二次作品として時代考察、話の内容は成り立っていますか?
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大丈夫!心配するな!
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もっと、勉強しなさい!
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実は、良く解りません!