機動戦士ガンダムーBullet in the desertー 作:五河陽太
カルパチア山脈山頂はゴロゴロとした岩が多く、人の身を隠すには絶好の場所だった。アキハは薄い空気の中、無線機を耳に当てながら中継地点を確保しつつ前進した。
アキハは戦いによって変わってしまったカルパチア山脈の自然環境を嘆きつつも、前進し、スコープで敵機を確認出来る距離まで近づいた。
中継地点を経由して敵機の無線を傍受出来るように局地を立ててスコープとExGのカメラを接続した。
アキハはスコープで敵の動きを捉えると「酷い――」と呟いた。
ドムは機体が中破していた。右腕は無く、機械が露出しているあたりから、攻撃された跡が窺えた。胸部も破損しており、火花が散っていた。だが、流石は最新鋭機だけはある。脚部のホバー駆動が順調なだけザクII三機からの攻撃をなんとか回避出来ていた。
「これはなぶり殺しだ……」とアキハは考えて敵の無線を傍受できるか機器を操作し始めた。
上手く傍受できたと思うと、アキハは自身の耳を疑いたくなった。
『お姉様、しっかり掴まって下さいまし! ここから絶対に逃げ切りますわ! この山さえ越えれば連邦軍の勢力下です! アキハに事情を話しさえすれば、わたくしたちは連邦に逃げられますわ!』
『ミツハを信じている! 絶対に二人でアキハの元に行こう! きっと、アキハも私たちを待っていてくれるから!』
声と話の内容から二人がフタバとミツハなのは即座に解った。
アキハは追われていたドムにアキハとミツハが乗っているのを知ると、自分でもどうしたら良いか解らなくなっていた。
ここで、ドムを支援するように友軍にお願いをすれば、スパイ疑惑は確定になり、銃殺刑は実行される。
かといって二人を無視する訳にもいかない。
アキハは自分の立場を「こんなに悲しいとは……」と歯をガリッと食いしばって呪った。
その時、事情を聞いていたマリアがアキハに声をかけた。その声は優しさに満ちていた。
『坊や、アンタの気持ちは痛いほど解るよ。だから、安心しな。最初に話しをした通りだ。アンタはアタシたちの仲間だ。仲間の知り合いもアタシたちの仲間だよ』
「でも、ここで隊長が動けば、部隊全員が処罰の対象になります。だから、俺一人で何とかしようと――」
『馬鹿だねぇ。あんな乱戦に一人で突っ込んで死にたいのかい? 背負う物を半分、アタシたちに分けな。そうすれば、アンタだって冷静に物事を判断できるようになるさ』
アキハはマリアの言葉が心底嬉しかった。だから、正直に内面を話した。
「隊長、俺はあのスカート付きを助けてあげたい! コフィンさんもマーフィーさんも迷惑だと思う。でも、どうしても助けてあげたいんです!」
アキハの声を聞いてマリアは「良く吐いた!」と威勢よく叫んだ。
『全機、敵をザク三機と断定! スカート付きは今後の情報を提供してくれる友軍機と判断! さて、初の戦闘だ、撃たれるなよ!』
「隊長、待って下さい! 策なしで突っ込むのは危険です!」
『何だい、坊や! こっちは盛り上がっているのに!』
「ここはジオン軍勢力下だと忘れていませんか? 迂闊に姿を見せると、後々、行動がしずらくなります! ここは、狙撃での一撃必殺を狙う必要があります!」
『アンタ、無茶を言うね! 相手は常に動いているんだよ! どんな狙撃の天才でも、動く的に当てるなんて神技を達成した奴を聞いた覚えはないよ!』
「そこは俺がなんとかします! 敵の一機は俺が仕留めます! 動きの止まった二機を隊長のビームライフルとマーフィーさんの高出力ビームライフルで仕留めて下さい!」
『僕は無用かい? なら、見学をさせてもらおうかな?』
「コフィンさんは後続がいないか索敵をお願いします! 後ろを取られてしまったらこの作戦は全て終わります!」
コフィンがアキハの提案を受けて「隊長、どうします?」とマリアに問う。
マリアはアキハの立てた即席の作戦に全てを懸けた。
『こうなったら坊やに懸けるよ! マーフィー機は狙撃ポイントに着け! アタシも狙撃ポイントを探す! コフィンは敵さんが来ないか確認しな!』
『初任務で即席作戦。こりゃ、面白い任務になりそうだぜ』
『マーフィー、ぼやくな! 上手くやりゃ昇進だって考えてもらえるさ! アタシが進言してやっても良い! 先ずは目の前の敵をやるよ!』
部隊が行動を開始した。
アキハは自身が今回の作戦の鍵だと強く考えて巨人が闊歩する戦場に身を躍らせた。
まず、アキハが採った行動はドムとの接触だった。
中破したドムは必死に逃走劇を続けていた。
アキハはドムの足下まで駆け足で移動すると、走りながらワイヤー・ガンを左腕部に向かって射出した。
ワイヤー・ガンは上手く左上腕部に引っかかりアキハを宙に浮かせた。
アキハはワイヤーを回収しながらコックピットまで昇る。
その際、ザクIIが攻撃をしかけて来た。マシンガンの掃射だ。
嵐のような弾幕の中をドムは器用に回避する。
だが、ドムの回避運動は外にぶら下がっている人間からしたら拷問だ。
派手に振り回されたアキハは機体に身体を打ち付けて、意識が彼我に飛びそうになった。
だが、責任感と強い想いで、吹き飛びそうになった意識を繋ぎとめると、再度、またワイヤーを回収し始めた。
コックピット部分まで回収して上がると、アキハは腹の底から声をあげた。
「フタバ、ミツハ! 俺だ、アキハだ! 俺が解るならコックピットに入れてくれ!」
アキハの声は虚しく響くだけだった。
「機動戦士ガンダム」の二次作品として時代考察、話の内容は成り立っていますか?
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大丈夫!心配するな!
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もっと、勉強しなさい!
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実は、良く解りません!