機動戦士ガンダムーBullet in the desertー   作:五河陽太

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ここはジオン軍視点です。第三人称視点なので場面が変わって申し訳ありません。

混同されたら申し訳ありません。


狂気

※同時刻 カルパチア山脈内 研究施設

 

 テツハは自身が連邦軍に追い詰められているとは全く考えていなかった。

 

 それ以上に「自分の研究成果を披露する最低限の場所と人形が勝手に集まって来た」と考えていた。

 

 テツハは熱狂的な技術者だった。

 

 自分の開発した兵器が例え息子を殺す結果になっても、有用性を示せれば、将来のアンドー家の安泰は確実になると確信していた。

 

 その為には結果を残さなくてはならない。

 

 先ずは、ふもとの市街地を占拠している連邦軍に対し、ジオンの科学力を見せつける必要があると考え、アキハが研究に研究を重ねていたAIを改造して埋め込んだMS部隊を投入する算段だった。

 

 テツハは今、格納庫に来ていた。

 

 そこには、30機からのMSが隊列を成し、直立不動で立っていた。

 

 本当ならパイロットと整備兵、研究員たちがこのカルパチア山脈内には200人からいた。バーキアシリーズの素体を合わせると四百人からの大規模な基地だった。

 

 だが、今の基地内は閑散としており、人の姿は見えなかった。

 

 テツハは格納庫を見渡せる橋の中央部まで歩いて来ると、盛大に両手を広げて叫んだ。

 

「ジオン公国にアンドー家あり! この数カ月諸君と共に寝食を共にしながら、考えた結果、行きついた答えの元に行った処置は大成功に終わった! 諸君等は今、ジオン公国の代表者、体現者、または、そのものになった!」

 

 閑散とした格納庫にテツハの野太い声が響き渡る。

 

 すると、無人だったMSたちが始動し始めた。

 

 勝手にシステムが立ち上がり、初期プロセスを完了させていった。

 

 テツハはその様子を全く不思議とも感じない様子で叫び続けた。

 

「貴公らの尊い、犠牲なくして、アンドー家は守れなかった! 同時に、この戦いに重力戦線でジオン軍に勝利をもたらすのは不可能だった! だが、安心してくれ! 貴公等のデータは既にフラナガン機関に送信済みだ! 後は残った連邦軍を叩き伏せるのみ!」

 

 テツハは言葉を紡ぐ途中に「ヨツハよ、こちらにおいで……」と優しい口調で手招きした。

 

 ヨツハと呼ばれた少女は六歳の女の子だった。まだ、幼さが残る顔。ウサギのぬいぐるみを持って放せない幼さは無邪気の象徴だった。髪は銀髪でサイド。ポニーテールにまとめていた。だが、ヨツハの瞳には意志がなかった。

 

「はい、お父様」と無感情な言葉を吐いて、ヨツハはテツハの元にゆっくり歩いて来た。

 

 テツハは右膝を突いてヨツハに語った。

 

「貴様は連邦軍だろうが、アキハだろうが、問題ないな?」

 

「はい。壊せば良いのですね?」

 

「そうだ。二号機と三号機で動かす予定だった。完成品を急遽、貴様が動かせるようにコックピットユニットから入れ替えた。問題は何もない。全て、壊せ」

 

 ヨツハは「はい」と簡単に応えると、ヨツハ専用のパイロットスーツ姿のまま、テツハの後ろにあったコックピット内に入って行った。

 

 テツハはその姿を見て歓喜に満ちた声をあげた。

 

「これこそが儂の夢見た機体! アッグバレットだ! 完成したアッグバレットの前に敵はいない! さぁ、全員で協力して連邦軍を駆逐し、自分たちの有用性を示そう!」

 

 テツハの狂気じみた言葉の後に、ジオン軍のMS部隊のモノアイが不気味に点灯した。

 

 テツハの視線の先には全長60メートルの鉄で出来た魔人がうなりをあげていた。その姿は初期のアッグバレットとはかけ離れた存在へと変貌していた。

 

 それはテツハの本当はアンドー家を守りたい一心でアキハを連邦軍に亡命させた想いと今の狂気じみた想いとの違いを体現していた。

 

「機動戦士ガンダム」の二次作品として時代考察、話の内容は成り立っていますか?

  • 大丈夫!心配するな!
  • もっと、勉強しなさい!
  • 実は、良く解りません!
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