機動戦士ガンダムーBullet in the desertー   作:五河陽太

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悪魔再臨(2)

 攻撃手段がない連邦軍に対して、テツハは余裕の声をあげた。

 

『雑兵如きが何機集まろうが、この完成機にかてぬ! ヨツハ、地面をうろつく馬鹿共に鉄槌を下せ!』

 

 メインパイロットを務めていたヨツハが無言で冷淡に機器を操作した。

 

 ネオ・アッグバレットの巨脚から砲身が姿を見せる。右側側面に6つ。左側側面にも6つ。計12個の砲身が姿を現した。

 

 マリアが即座に無線機に叫んだ。

 

「来るよ! 各機、回避運動!」

 

 マリアの言葉が終わった瞬間、12個の砲身から閃光が走った。

 

 広範囲に及ぶ対地拡散メガ粒子砲だった。

 

 ExGも回避運動を採った。

 

 だが、機体にガタが来ていたExGだ。

 

 直撃は免れた。

 

 でも、右腕を破損し、派手に転んだ。

 

 アキハは大地に叩きつけられる振動で意識が飛びかけた。

 

 機体も右腕を焼き切られ、コックピットの直ぐ近くまで、損害が及んでいた。

 

「隊長……。大丈夫ですか? 隊長!」

 

 アキハはマリアに必死に声をかけた。

 

 だが、マリアは先程の一撃で激しく頭を強打して意識を失っていた。

 

 アキハは操縦機能を後部座席に移して、ExGを起動させた。

 

「使える武装は頭部バルカンと左ビームサーベルのみ……。こんな状態で化け物に勝てるのか?」

 

 アキハの疑問は全連邦軍の疑問だった。

 

「こんな化け物に勝てるわけがない」

 

 全部隊の士気が劇的に削がれ始めた時、フォックスからアキハに通信が入った。

 

『こんな時に君に任せるのは酷だと思います。でも、彼女たちが君を選んだ。その意味をしっかり受け止めて欲しい。今から、救護用の機体をそちらに送ります。マリアが気を失っているなら、君たちでこの戦いに終止符を打って欲しい。これは私、個人からの願いです』

 

 アキハはフォックスの通信を受け、「何事か?」と感じた。

 

 だが、救護用の機体を見て、直ぐに納得した。

 

 救護用に来た機体は中破したドムを連邦軍用に塗装と修理を施した機体だった。

 

 アキハはExGに片膝を突かせてマリアをコックピットから運び出した。

 

 ドムのコックピットから姿を見せたのはフタバとミツハだった。

 

 ミツハがマリアをドムのコックピットに設置された担架に座らせて身体を固定させた。

 

 フタバが無邪気な普段とは違った表情でアキハに語りかけた。

 

「あの機体には妹のヨツハが乗っているの。お父さん、最後にはあの娘を使って来た。私、お父さんからヨツハを取り戻したい。アキハが私とミツハに気持ちと優しさをくれたように私もヨツハをお父さんから解き放って、しっかりとした道を歩ませてあげたい」

 

 ミツハがフタバの話を聞いた後、付け加えて話を切り出した。

 

「お姉様が語った言葉の重みはわたくしたち、バーキアシリーズなら本当に大切なのです。アキハはわたくしにとって希望です。かけがえの無い大切な存在なのです。この気持ちを言葉で表したら『恋』と呼ぶに相応しい感情です」

 

 アキハは、ミツハの言葉を聞いて、ハッとした。ミツハは今、自身の内面をアキハに教えてくれているのだと鈍感なアキハでも解った。

 

 フタバもアキハの右手を取って、優しい笑みを浮かべては語った。

 

「私、こんな感情を持てて本当に幸せだよ。前は戦うことしか考えていなかった。でも、アキハと出会って、時間を一緒にする度に淡い気持ちが強くなる。だから――、この気持ちをヨツハにも伝えてあげたい!」

 

 アキハは優しい微笑みを浮かべたフタバを心から愛おしいと感じてしまった。

 

 愛おしいと感じた相手が人工的に作られた存在でも、命は等しく尊い。

 

 アキハはフタバとミツハを見比べたあと、フタバに向かって「行こう」と微笑んだ。

 

 それは、ミツハではなく、フタバを選んだ証拠だった。

 

 ミツハは「やはりそうですか……」と小声で短く語ると、アキハに向かって話した。

 

「隊長さんはわたくしが責任を持って介護させて頂きますわ! アキハとお姉様はヨツハをお願いします!」

 

 ドムのコックピットに消える際、アキハは確かに視た。

 

 ミツハの瞳から流れる感情の証。

 

 それは「涙」という止められない悲しみの感情だった。

                          ○

 

 アキハはフタバをメインパイロットとしてExGを再起動させた。

 

 フタバは「久しぶりの操縦だぁ!」と無邪気にはしゃいだのは一瞬だった。

 

 操縦桿に両腕を伸ばし、ペタルに両足をそえた時には表情は真剣そのものに替わっていた。

 

 アキハはフタバにネオ・アッグバレットについて質問をした。

 

「コックピットはどこになるの? そこを外して攻撃しないとヨツハを殺したら意味がない」

 

「コックピットは大きな砲口がある直ぐ上にあるの。でも、アッグバレットはまだ、本当の姿を見せていないよ。あの機体は『地下からの一撃必殺』を目的で作られている。操縦も二人で行うのが前提なんだ。本当は私とミツハが乗る予定だったの……」

 

「あんな鉄壁で地下から攻撃されたらジャブローどころかこの辺り一帯が炎上してしまう! 何とか攻撃をする術はないかい?」

 

「この機体でできること……。超近接格闘でフィールド形成機を破壊するしかないよ」

 

「その形成機はどこにあるの?」

 

「アッグバレットの頭にある6基の振動機。そこからフィールドが形成されている」

 

「なら、行くしかないな」

 

 フタバは戸惑うことなくアキハの言葉に同意した。

 

 右脚が破損して上手く歩けないExGをアキハが微調整してガタガタだが歩ける形まで立て直した。

 

 フタバは連邦の機体に初めて乗るのに慣れた操縦テクニックでExGを操っていた。

 

「行け、フタバ!」

 

 アキハの言葉に同意するようにフタバはExGのバックパックを最大出力で吹かした。

 

 激しい加重がアキハとフタバの身体を押さえつける。

 

 だが、二人とも弱音を吐かずに急激に接近する化け物に挑んだ。

 

 フタバは絶妙なタイミングで左太腿に装備してあったビームサーベルを引き抜いた。

 

 横薙ぎの一刀で六基の内、3基のフィールド形成機を破壊した。

 

「マーフィさん、お願いします!」

 

 アキハが口に当てた無線機に全力で声をあげた。

 

『ビームが効く相手なら俺のスナイプで一撃だぜ!』

 

 遠距離からの高出力ビームがネオ・アッグバレットに襲い掛かる。

 

 巨脚を焼き切って右足を完全に使えないように切断した。

 

 これには連邦軍の士気が上がった。

 

「機動戦士ガンダム」の二次作品として時代考察、話の内容は成り立っていますか?

  • 大丈夫!心配するな!
  • もっと、勉強しなさい!
  • 実は、良く解りません!
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